夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

8月29日

これは、ある朝のオオアオサギさんと
アザラシのジョーイ三郎さんのお話です。
09082901.jpg


アオサギさんが魚を見つけた。興味しんしんのジョーイ三郎。
09082902.jpg


魚を狙うアオサギさん。よくわからず見守るジョーイ三郎。
09082903.jpg


アオサギさんバッシャーン!!ジョーイびっくり!!
09082904.jpg


そんな、霧に包まれた午前7時まえ。


わたしたちは北に消えてゆくI33sのブローを
ただ悲しく聞いていましたとさ!!


だっていちめん霧で、何も見えないんだもの(´;ω;`)
明るい時に通ってー!って言ったけど、
まさか霧の中とは思わないもの(´;ω;`)

「このG-Iグループってのはいったいどうなってんのー!!」
そりゃハナもキレます。
せっかく昨夜やってきてくれたのに暗い中だったし、
来たと思ったらもう帰るなんて…。


七夕のたんざくにまだスペースがあるから
オルカという生きものがひとめ見てみたいと書き足してみよう。
(ハンソン島の七夕は日にちを問いません)


でもまあ、I31sの一部…I35sはI15sと一緒にジョンストン海峡に残った。
彼らは1日ジョンストンを行ったり来たり。


そんな中、明日またツアーが来るので、
わたしたちはゲストハウスのお掃除をしましたよ!!


美しく履くハナと、クモの巣を取って喜ぶゆみちゃん
09082905.jpg

09082906.jpg

ぴっかぴかです。
がんばりました。


しかも今日は久しぶりのタウンランだったんだねー
ポールがひとりで、2人乗りのほうの小さいボート「カー」で
アラートベイに行った。

こういう場合、みんな自分の名前を書いたジップロックに、
買い物リストとお金を入れて、ポールに預ける。

わたしは、自分の買い物リストに「マカロニ」って書いてたんだけど
帰って来たポールが「トモコの注文したマカロニなんだけど、高くてとても買えたものじゃなかった。僕らのマカロニをあげるから、それで何とかしのぎなさい」
と言って来たので、いくらだったのか聞くと
「(日本円に換算して)400円」

入れたお金は足りたはず。
どんな貧乏だと思われているのだろう。
(実際たすかったけど!!)


ジョンストン海峡をウロウロしているGクランIポッドグループはさておき…
北からA36sとA24s、そして今朝出て行ったばかりのI33sが
こちらに向かっているとのことだった。

きっとA24が「ひゅるるるる~」とかいって男を追いかけて
A36sが「キャー!!」って逃げながらも、I33sを連れ戻してくれたのだろう。
そんな想像図をアタマに描きながら待っていたら、8時前にコールが聞こえて来た。

あれ?

ヘッドフォンを耳に押し当てる。
レポートではA36sとA24s、そしてI33s…


でも、
このコールは絶対に間違えない!!
だって、最愛の群れのコールだもの!!

I33sを連れ戻してくれたのは、
A36sと、A12sだった!!
ひゃっほーーーーーーーーーーーーーい!!
\(^o^)/


そして彼らは、オルカラボの前にやってきてくれた。
暗くなる前に。


…暗くなる直前に!!( ̄□ ̄;)


わたしは何とか1頭のメスの姿を見ることができたけど、
それでもう限界だった。たぶんA12だ…。

あたりはどんどん暗くなり、デッキに出ている人たちの仕事も、
背びれの確認から、ブローの数のカウントにかわって行った。


ひとめ見たいって言ったけどさ(´;ω;`)


今日もまたI15sがちょうどいい具合にCP沖まで流れて来ていて、やってきたみんなと無事に合流。午後9時半にはみんなジョンストン海峡入りして、東へと進みはじめた。


オルカたちには振り回されたけど、美しい1日だったなあ。
空いちめんの星が、瞬いている。
スポンサーサイト
2009-08-31 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月28日

この広い世界のどこかに、トドの楽園というものがあり…
秋になると…
09082801.jpg

島はその名の通り、トドだらけになってしまうのです!!
09082802.jpg

キャー!!


ウェイントン・パスにありますので、
ヒマな方は遊びに行ってみてはいかがでしょうか。


さて。
昨夜とつぜん、電力のインバーターがブロークン。
発電機をつけても充電できなくなったので、
懐中電灯で照らしながら、泣きそうになりながら、
まったく目の前から動かないI15sに3時間振り回され、
ゆみちゃんにようやく代わってもらったのに…。

I15sは結局北に戻って行って、
ウェイントン・パスからジョンストン海峡入りしたんですって!!
そして1日じゅうウロウロウロウロ…。


最近、オルカというものを見ていません。
どんな生きものでしたっけ。
白、黒…
そして黄色で真ん中に虎が吠えているような感じだったかな。
あれ?


09082803.jpg
(わたしの心の中)


あっ、たましいを飛ばしてる場合じゃなかった。
ポールがなんとかしてくれて、お昼には電気が元通り使えるようになり、
仕事も通常通り。
ただしI15sの人間臭い声しか聞こえてこないんだけど…。


ノーディナーの日々が続くので、
心配したヘレナが大きなパンを焼いてくれて、ポールがボウルいっぱいのサラダまで作ってくれた。
わたしたちはそれをゲストハウスに運び、マカロニ&チーズを作って、みんなで交代で食べた。ゲストハウスで食べていいなんて、今日限りのぜいたく!!


ゲストハウスでのごはんを食べ終わったころ…
スピーカーから「ピン」が聞こえて来た。

ピン。

これはGクランのレスティングコール。
でも、I15sはぐうたらなので、「ぴゅい~ん」としか言えないはず。
ということは誰か別の群れ?


急いで片付けてラボに走る。
大当たり!!ピンは北のFIの水中マイクからだった!!
もう、あんなオルカかどうかわからん軍団よりだいぶマシ。
やったーーーーーーーー♪


ピンの主は、こないだ北に消えたI33sを含む、I31sだった。
彼らのブローを待ってデッキに立っていると、
何やら向こう岸だけが嵐みたいな音がする。

…カマイルカ?

それはたぶん200頭を超えるカマイルカの群れだった。
海の音まで変えて、北へと進んで行った。


カマイルカと入れ違いにI31sがやってきた。
ブホーッ、ブホーッっと、昨日のI15sとは大違いのスピードで、あっというまにジョンストン海峡に消えて行った。
これぞオルカ。
でもやっぱり明るい時に通ってほしいな-

I31sは、ブラックニー・パスの入り口まで流れて来ていたI15sと合流すると、一緒に東へと進んで行った。

2009-08-31 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月27日

空が燃えてる午前6時。
09082701.jpg


オルカたちが北に行ってしまって、
メープルツアーの皆さんも帰ってしまうさみしい日。

そろそろ出発の時間かなあと思って、
みんなの荷物を運ぼうと、ゲストハウスに行ったら、
まだ朝ごはんを食べていてびっくりした!!
何回もこの島に来ていると、ゲストまでこの余裕なのね…。


かよちゃん、ひろこちゃんと
記念写真を撮ってもらいましたよ-
09082702.jpg

09082705.jpg
また来てね!!(*´▽`*)ノ゛


ゲストと一緒にアシスタントのクレモンもバイバイ!!
物静かな人だったけど、唯一の男手でリオ係だった彼。
島での経験を生かして、いい獣医さんになってねー!!


そんなこんなで


わたしたちはわれ先にと無人のゲストハウスに押し入り、
残された食べ物をあさる(どんだけ飢えてんだ)。

朝ごはんの残りらしき桃が美味しすぎたよ!
クッキーも。日本のお菓子も…。
残して行ってくださってありがとうございます(。-人-。)


ゲストが帰ってしまったので今日から3日間はノーディナー確定。
ずっと料理しっぱなしだったヘレナに休息を。
そしてオルカがいないからわたしたちにも休息を。


…と思ったけどDATがあるじゃないかー!!


るん♪
09082706.jpg
うに(奥)と、うにの友達?(手前)
同じ岩にいて怒ってないんだから、子どもだと思うんだけど
わたしより うにに詳しいヘレナが「フレンド」だって言ってます。
足下には食い散らかしたウニ。
ぜいたくだね-


もう疲れたから、こんな日は早く寝よう。
と思って、めいめいが寝袋に入った午後9時半。

ハナがマップルームにわたしを呼びに来た。

「トモコ、外でたくさんの呼吸が聞こえるんだけど」
「呼吸?呼吸ってなに?ブローのこと?」
「とりあえず聞いてみて」

言われるがままにデッキに出る。
そこには、ブラックニー・パス全体に広がるブローが!!
( ̄□ ̄;)えーーーーーーー!!


急いでラボの中に戻り、レコーディングスタート。
ヘッドフォンをつけると、かすかに「こっちよーん」

…。

あ、そう…。


みんなが北へ行ったというのに、潮に流されて戻ってきたI15s。
どうして明るい時に来てくれなかったのだろう…。


こんなところに来て彼らはI15sらしさ全 開 ー!!
レコーディングしてもしても、
何度外に出てブロー聞いても、
彼らはそこから全く動かなかった!!

きっと目の前に浮いているのだろう…。
でも夜だし、見えないし!!


3時間後。
まだ、I15sはその場から動いていなかった。
デッキに出てブローを確認するのがばからしくなってきた。
きっと、もう少し引き潮にならないと流されることもできないのだろう。

限界を感じたわたしはゆみちゃんを起こして交代してもらい、
マップルームに戻って倒れた。

スピーカーからは、情けなーい

こっちよーん
こっちよーん

とのコールが、響いていた…。
2009-08-30 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月26日

田中ウォーク
09082603.jpg

09082602.jpg
so far, so good。
今年の森は田中と
奴の落とした松ぼっくりで埋め尽くされています。


昨日のumeのコメントで気付かされた、「ひょっとしたらゆみちゃんは伊沢かもしれない」という不安はよそに…(わからん人は稲中読んでください)
ゲスト滞在最終日。

メープルはもうツアーでの募集はやめたのに、今回はリピーターだけの個人旅行として、ラボへのドネーションまで持って、わざわざ来てくれた。
そして、みんながいる間ほんと楽しかった!!
日本食もいっぱいごちそうになったし☆

あ、そういや稲中と同じ作者、古谷実さんの「僕といっしょ」という漫画にうちの博士らしき人が出てくるので(見た目は違うけど経歴がね)ヒマな人は探してみてください。笑


ゆみちゃんが「PIの水中マイクからコールが聞こえて来た」と伝えに来た。
ということは、I15sがラボのほうへ向かっている。

上着を着て、風の強いデッキに出る。
スコープをのぞいているとソニアが来たので、
「今から来る群れはあまり泳がなくて、浮かんで潮に流されてくるかもよ」
と教えてあげた!!


しばらくして…
スコープの視界の中に、何やら白いもやが風に流れて入って来た。
なんだこれ。

…まさか、ブロー???

しばらくして、風に流されてご登場したI15s。

背びれがひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ…次々とハンソン島の角から現れたけど、
案の定、見事なまでに浮かんでいる!!
しかもめいめい違う方向を向いて…大丈夫かこの群れ。

オルカが視界に現れたので、わたしとソニアは
「オルカーーーーーーーーーーー!!」
とメインハウス、ゲストハウスに向かってシャウト。
ヘレナがデッキに歩いて来て、ポールがカメラを持ってやって来て、
クレモンはゲストに聞こえたか確認するため、ゲストハウスの方へ。

すると。

そこに東からロブソンバイトまで戻ってきたA12s、A30s、A4sとA5s。
「まだ行くなーーーーーーー!!」とでも言うかのように、
突然大きな声で鳴いて、流されていたI15sを起こしてしまった!!

「あ、やべ…ブラックニーに入りかけてた…」
起きたI15sは、ゆっくり、ゆっくりとジョンストン海峡に戻って行った。
わたしたちの視界にいた時間、約1分。

クレモンがゲストハウスにたどり着いたと同時に、
I15sは視界からいなくなった。

ので
もちろん写真もありません!!
I15sファンの皆様(いるの?)すみませんね…


I15sを見逃したJ-pod(メープルツアーズ)の皆様
09082601.jpg


結局、新たに来た群れの写真まったく撮れなかったなぁ。
また来てくれないかなー


夕方になるにつれて、とても風が強くなってきた。
コーヒーが飲みたくて、お湯をわかしたかったんだけど、
キャンプキッチンは風が吹き荒れて、コンロの火も消えてしまいそう。

なっかなか沸かなかったので、着てる上着を両側にひらいてコンロを風からガードしてみた。
するとハナがやってきて、反対側から同じように上着で風からガードしてくれた!!笑

「ハァイ、ハナ!」
「ハァイ、トモコ!」
(なぞに向き合ってるので挨拶してみる)

こんなへんちくりんなお湯沸かす姿、誰にも見られたくないと思ったけど
ちょうどそこにポールが通りかかってしまった!!
相当笑われたけど、カメラ持ってなかったらしくて良かった…。


ゲスト最後の夜はクレモンにとっても最後の夜。
眠るリオを心配そうに見守っていた。

ディナーのメインはカレーで…
ヘレナのパンがおいしすぎて…
デザートは…チョコレートケーキだった。


日本で待ってる友だちへ!!
帰って来たわたしが見るも無惨に太っていても
見捨てないでください。


でも…


こっそり言ってみよう。
(ゆみちゃんもよく食べます)



ここ最近天気わるくてさわやかな写真が撮れないので、
数日前のCPのぽわぽわ雲でも載せてみる。
09082606.jpg


で、オルカたちなんだけど
ディナーが終わるころにA30sがオルカラボの前を通過して北へと向かった。
でももう真っ暗だし、風が強すぎてブローなんか聞けたもんじゃない!!

他の群れはウェイントン・パスへ向かい、A11sが最後にオルカラボの前を通過して北へ向かって行った。

オルカたちはみんな北へと進んだ。
遠い遠い北へ…。
2009-08-28 : オルカ : コメント : 4 :
Pagetop

8月25日

午前3時30分。
起きてしまった。しかもA30sのコールで…。

あーあ。と思いながらヘッドフォンをつけて、集中する。
A30s、そしてA12s、A4sとA5s。みんな帰って来たのか。



    …こっちよん



え?誰かなんか言った?
最近、FIの水中マイクにラジオが混線するので、あまり音量上げたくなかったんだけど、
おそるおそるあげてみる…。



 こっちよぉーーーーーーーん♪



うわあ
(´Д`;)

この人間みたいな鳴き方やめてください。
そういや昨日は嵐だったか…
とうとう、あのぐうたらな群れが流れて来た…。

泳がない、浮かぶ、みんなの人気者I15s-☆

そんなI15sを見つけて、がんばって後ろから押して来たのはやっぱりA36sの3兄弟。
彼らはI33sやG25sに、BサブクランのC6sやDs、I22sまで連れて来てくれた!!
次々とコールが聞こえだし、何度もヘレナに報告しにメインハウスへ走った。
わたしのシフトでよかった…。

で、彼らを北に迎えに行ったA30sもろもろは…

せっかくジョンストン海峡まで来たBサブクランのオルカたちを
逃がしてしまった!!
( ̄□ ̄;)

Cs、Ds、I22sとG25sは、ジョンストン海峡をチラ見しただけで、
方向転換して帰ってしまった。
えーーーーーーーーー…。
あとの群れは、なんとか残ってくれたんだけど
あとの群れってゆってもねぇ…


こんなにたくさんのBサブクランのコールを聴いたのに
姿のひとつも見ることができずに去られたのを知って涙の朝が訪れました。
キリがふわふわ。
09082501.jpg


お昼ころ、I33sまでもが帰って行った。
オルカラボの前を通過して北へ向かった。
お見送りのA36sも北へ…。

A12sはA4sとA5sを連れて東へ。
そのご一行になぜかA30sも着いて行った!!

そしてジョンストン海峡には、泳がずに浮いたまま潮の満ち引きで移動する群れ、
ぐうたらお姉様軍団のI15sだけが残った。


うわあ
(´Д`;)

これでRsが来ていて、
うまくいけばスーパーポッドだったかもしれないのに…。
なんか今年は中途半端!!
やっぱりサーモンが足りないのかなぁ。


UFOみたいなオオアオサギさんと夕方の虹。
あまり天気がよくないのでふわふわな写真しか撮れません
09082504.jpg

09082503.jpg


夕方になってCP組が連れ戻された。
クレモンは27日にメープルツアーズと一緒に島を出て、もう帰国してしまう。
彼は獣医さんなので、戻ってくるなり、リオの具合をみてくれた。
リオは食欲がなくても、クレモンが「食べなさい」というと食べるらしい。
ドクターズ・アドバイス。

ところで、わたしとソニアがCPに行くというプランは白紙になった!!
さすがにわたしら2人がいなくなるのは、時期的にむりだとポールも気付いたようで。
DATの仕事もあるしね…。


デザートで涙出そうになった。
甘さ控えめに煮たブルーベリーたっぷりのパイ。
生クリームをかけて。
卒倒しそう。

CP行かなくてよかった♪


さて今夜はA12sがみんなを遠い東に連れて行ってくれるので、
しっかり寝られそうだった。
寝る前に、また雨が降っていた。
冷え込む。

風邪に気をつけなければいけない季節になったみたいだ。
2009-08-27 : オルカ : コメント : 2 :
Pagetop

8月24日

09082401.jpg
うつくしい。
空が美しすぎる。

ハナとわたしはシフト中のゆみちゃんに起こされて、
カメラを手にデッキに飛び出した。

空が真っ赤!!寒すぎて3人でブルブル震えながら
「うううううううう綺麗だねううううううううう」
しっかり着込んでるわたしとゆみちゃんはともかく、
ハナなんてノースリープの状態でそんなことを言っておりました。


ここ数日アラートベイのほうでインターネットが落ちてて、
復旧したときに先にメインハウスのほうだけ使えるようにしたんだけど、
ラボのほうではまだネットが使えないので、ブログの更新もできない。
ということは、もう一度寝るべきだね。
と思って寝袋に入った瞬間!!


カカカカカカカッ、カッカッカッ。


飛び起きてレコーディング…はゆみちゃんがやってくれたので、
わたしはその横で「なんで北行ったのにコールもなく戻ってくるの!」って
ダラダラと文句を言ってみる午前7時前。

みんなが北に行ったのに、こっそりジョンストン海峡に帰って来た謎の群れは、

ヴェー
ヴェー

と、やる気ないコールをちょこっと出しただけで東へ向かった。
A5sっぽいかな…レスティングコールだけじゃわからん!!


寝なおす元気もなくなってCPに行く準備をしようと思ったら、
ポールがラボにやってきた。
「トモコ、今日はこれから天気がものすごく悪くなるらしいんだよ。雨が降るし、風も吹くし、波もとても高くなって危ないから、今日はCPに行くのは中止にしよう」


それも肩すかしなのね…。
(´Д`;)


というわけで今日は真面目に自分の仕事。
今日はとてもいいDsの録音を98年のテープから発見できてうれしかった。


ラーララ ラッララーラ ラッララーララー♪
09082402.jpg


わたしたちにとってはありがたい雨だけど、
ゲストは外に出られなくてかわいそうだなーと思っていたら、
逆にゆっくりゲストハウスの中でくつろげて、良かったみたいだった。

ゲスト最年長の辻さんが、小鳥の写真をいっぱい撮っていてうらやましかった。
わたしが何年狙ってても撮れない鳥を、数日の滞在で…
職人技かもしれないけど、気配を消す技をわたしも身につけたい!笑


で、今日はこのまま平和に終わるのかなーと思ってたら
ディナー前にA8sが東から戻ってきたとの情報が入って来た。
朝の謎グループはA8sだったのか。単独行動するなんてめずらしい。


予告どおり本当に天気の悪い日だった。
雨が降って、風が吹いて、ジョンストン海峡は高波の嵐になった。


あ!
書くの忘れてたけど、数日前の夜中のA4は本当に新しい群れ…A11sとA35sだった。
かわりにA30sがいなくなってたので、いつのまにか「ご一行」になってたみたい。
やっぱりご一行(A12s、A4s、A5s)だと、安心度が違うなあ…。
オルカも人間もみんな結局ばーちゃん(A12)が好きなんだな。


おいしいディナー。
CPに行ったら、これも食べられなくなってしまう。
レモンケーキがやばかった!!
わたしは1個半、ソニアは2個食べた。
お腹やばーい!


寒い夜。ナイトシフトの順番を決めて、わたしたちは寝袋に入った。
どうか朝まで何も起こりませんように、と…。
2009-08-27 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月23日

起きた。
コールは聞こえない。
ってか、夜中じゅう聞こえなかったーーー!!


…うるさいカマイルカ以外は。


結局あまり寝られなかったよorz
エコロケもずっとしてたし。
このおカマさんたちがっ!!


何はともあれ、美しい朝。
そしてとてもいい天気。


咲が朝のあいさつをしに来たので、
ゲストハウスに連れて行ってメープルのみんなに紹介した。

みんな「きれいー!!」とか言って、いっぱい写真を撮ってくれた♪
まあ、あまりにもいつもいるから、
そのうち飽きられるのがいつものパターンだけど。笑


そんな咲ちゃんのイイ顔を。
09082303.jpg


コイツとは11年の友情です。
人に慣れてるのはこの子1羽だけ。
夏は毎日一緒で、その他の季節はどこで何をしてるかお互い知らない。
こんな野生の友達ができることなんて、もうないだろうなぁ。


ゲストハウスでコーヒーをごちそうになって、
ラボに戻って何もないことを確認。
天気がいいので、今日はビーチに出て流木を拾うことにした。
メープルツアーが帰った後すぐにサウンドバムというツアーが来るから、
薪ストーブで燃やす流木をたっぷり用意しないといけない。
最近ずっと潮が高かったから、流木みんなしめってた!
足りるといいんだけどなー


流木いっぱいの一輪車を押したけど坂で止まってしまって、
ゆみちゃんと2人でうーんうーん言ってたら、ハナ登場。

「貸しなさい」

ハナは一輪車を押し、わたしたちがすべってすべってまともに通過できなかった急勾配の坂を、「フン!!」のひと声で軽く乗り切り、ゲストハウスまで運んでくれた。

強い。


ラボに戻って、テープ聴きながら窓をあけて…


今日の鳥!!
09082301.jpg


あ、忘れてたでしょ、こんなコーナーあったの。
コマフスズメだと思います。
美しい歌をうたうのです!


オルカが東から戻ってきたので、
メープルツアーとゆみちゃんとソニアはジューン・コーブでCPへ見学に行った。
CPにジューン・コーブをつけたはいいけど、大きな豪華客船が通過して、
波にボートが襲われそうになり、ポールが海に落ちてしまった。

わたしたちはとても心配したけど、あとでポールは
「ものすごいシャッターチャンスだったのに、どうして撮らなかったんだい?」
と笑っていた!
元気な70歳。
でも、もう海に落ちないで!!(今年2回目らしい)


そんなCP見学組が楽しんでる間、
トランジェントのT137sとT36Asがジョンストン海峡から、
オルカラボの前を通過して北へ。

09082304.jpg

ちょこっとしかいないのに、レジデントもトランジェントも見られるなんて
ゲストはラッキーだなぁ。


ちょっと大人の事情があって、今回、CPの環境を見たポールは
「メンバー交代!!」って即決めした。
このままシーズン終わりまで引っ張ると思ってたからちょっとびっくり。
新人2人に任せたのは無謀だったってことかな。
オルカを探す、ラボに報告する、という自発的な仕事しかないから
「慣れてないからわからなかった」で通したら、ただのリゾートだから…。


「明日からあなたとソニアが行ってちょうだい」
ヘレナがわたしのところに来た。
日本人ゲストが来ているのに、まさかのCP送りーーーー!?


突如、わたしとソニアを奪われることになったゆみちゃんは唖然。
ハナに至っては、床に崩れ落ちていた。
4人で助け合って、平和にうまくやってたからなぁ…。


まっとりあえず1週間。
その後は人数も少ないので、CPは閉めることになる。


「ほらほらシャッターシャンスだよ」
09082302.jpg

って、サラダをかき混ぜるポール。
食べもの自体よりも自分を撮ってもらいたいようです。


オルカたちは夜中いっせいにオルカラボの前を通過して北へ。
星の綺麗な夜だった。
天の川がきらきらしていた。
2009-08-26 : オルカ : コメント : 2 :
Pagetop

8月22日

6時に起床。
7時過ぎに録音スタート。

わたしたちをじらしてじらして、あげく北に消えたはずのオルカたちが…

東から戻ってきた。

(゚Д゚)


おそらくあの後、いっせいにウェイントン・パスを使ってジョンストン海峡に戻り、今度は静かに東へ行っていたんだろう。

午前9時にはA30sがオルカラボの前を通過して北へ向かった。
ここのところずっとA8sが一緒だったから、みんなで一生懸命探したけど、A30sしかいなかった。

雨ふった!!
09082201.jpg


今日のオルカたちはびっくりするくらい静かだった!
朝、A5sがちょこっと鳴いただけで、
あとは水中マイクのエリアにみんないるにもかかわらず
うんともすんとも言わなかった。
いったい何がおこってるんだろう…。


今日は日本からのツアーのひとつ「メープルツアーズ」が来る日!
6時間もホエールウオッチングをしてから来るみんなが寒くないように、
わたしたちはサウナを焚き、デッキを掃除して到着を待った。

その間、オルカたちが不審な動きをしているので、
コールは全くないのにレコーディングも交代で…

そしてその合間をみて、ハナとソニアは外仕事、わたしはいつものデータ管理、
ゆみちゃんはゲストハウスの薪ストーブに火を入れたり…。


人がたりなーーーーーーーーい!!


まっ、でもよく考えたら2007年は日本人3人で乗り切っていたのだから、
今年も何とかなるだろう。みんな働き者だし。
ハナ、ソニア、ゆみちゃんとわたしというチームはなかなかバランスがとれてる。
これで夜、しっかり寝られれば余裕だったのにー!!


サンドヒルクレーンの渡り。
09082202.jpg


メープルツアーズは今年は4人、
なんと全員リピーターという、わたしたちにとっては楽ちんなメンバーだった!
ツアーガイドの西沢さんは今年何と21回目。
最年長の辻さんは、18年ぶり2回目の75歳。


なんか久しぶりのメインハウスでのディナー!!
うれしくて、みんなと一緒にディナーの写真を撮りまくってしまった。
ツアー参加者のひろちゃんとカヨちゃんは、確実にオルカの写真よりも、食べものの写真を撮っていた。


ずっとオルカ鳴かないし、今日はさすがに寝られるだろう…と思っていた午後10時。
皿洗いを手伝ってくれていたヘレナが大声をあげて、キッチンからフロアに飛んで行った。

慌てて後を追って視線の先を確認すると…。

テレビにはロジャー・フェデラーが…
あ、なるほど…(´Д`;)


邪魔できないのでそそくさとメインハウスを去り、
ラボに戻ると、コールが聞こえた。
あ、なるほど…(´Д`;)


って、なるほどなんて言ってる場合じゃないや!
今日も朝までコースなのかな?


せっかく覚悟したのに、北から戻ってきたA30sは、オルカラボの前に来て少し様子を確かめると、またさっさと北に戻って行ってしまった。
彼らの鳴き声が消えてしまって時計を確認すると、まだ23時台。

わたしたちはめずらしく、オルカの声の聞こえない夜を過ごした。
2009-08-26 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月21日

午前6時に起床。

張り切って起きたはいいんだけど…
一面、霧。しかも雨…!!
ひっさしぶりのシリアスな雨!!
09082101.jpg


CPには巨大なソーラーパネルがあって、夜中に電力を消費しても朝日で充電されるんだけど、この雨ではあまり役に立たない。
壊れかけの発電機と1時間格闘して、なんとか電力を確保☆

でもわたしびしょ濡れー!!
まさか雨降るなんて思ってなかったから、何も持って来てないし。

でも、それより心配なのはボートベイパーティ組だ。
ハナなんて「わたしは海岸の岩の上で寝るわ!」なんて張り切ってたから
もしかして寝袋ごと濡れているのではなかろうか…。

雨はいっそう激しくなったけど、霧はだんだん晴れて来た。
向こう岸側を通過する、200頭くらいのカマイルカの群れを見ていると、
スキャナからエコロケーションが聞こえて来た。
オルカたちが東から戻ってきたらしい。

A30sとA8sがCPの前に来たころ、ボートベイパーティ組も帰って来た。
なんとか全員テントで寝られたらしく、ハナの靴以外は濡れなかったそうだ。
よかった!


オーリーとクレモンは、CPの小屋の中で自分たちの荷物の整理。
この小さな小屋の中に、ふたり以上はちょっと狭すぎる。
残されたわたしたちは雨の降るCPのデッキで、迎えにくるポールが到着するのを2時間待った…。

このエリアにはふたつの時間がながれている。
通常の時間と、PST(ポール・スポング・タイム)だ。

切れキャラのハナがキレる元気もなくなったころ、
やっとポールが迎えに来てくれた。


ぐったりしたソニアとハナはお昼寝。
わたしとゆみちゃんは交代でレコーディング。

お昼ころ、ナイアッドに乗った「オルカライブ・リユニオン(オルカライブの視聴者のオフ会みたいなもの?)」のご一行がラボを訪れるはずだったのに、
「雨で岩が濡れていてすべるから、上陸が怖い」
とのことで、ポールとヘレナにおみやげだけ渡して、ナイアッドから全員が手を振るだけで終わってしまった。
満ち潮で上陸は楽ちんだったのに、もったいない!
でもやっぱり、わたしらみたいな野生児と、ふつうの都会に住む人では、危なさの感覚は違うんだろうな…。


そんなわたしたちの目の前にザトウクジラさん。
09082102.jpg

まるでコククジラみたいに、身体に斑点のある子だった。
尾びれは真っ黒(ザトウは、尾びれの色で個体識別します)。

夕方。
北にいたA30sとA8sが、動き始めた。
彼らはものすごいスピードで北からブラックニー・パスに向かって来て、
そして、ストップ

わたしたちの目の前、ブラックニー・パスの音を拾っているLLの水中マイクは、とってもエリアが小さいマイク。
彼らの声は北のFIの水中マイクから聞こえ、そしてLLの水中マイクにこだましていた。
ということは、いつ視界に現れてもおかしくない。


1時間後。
彼らの声はまだFIの水中マイクから、そしてLLにこだましていた。
ずーっとずーっと双眼鏡とスコープで北を見張っていたわたしとゆみちゃんには、もう言葉もなくなってきた…。

でた。
ザ・アシスタント殺し。

その間、ハナとソニアは汗だくになるまで、まき割りや流木集めなどの外仕事をしていた。外仕事を終えたソニアが録音を変わってくれたとたん、オルカたちはあっという間に北へ消え去ってしまった。


今夜はポールもヘレナも書かなきゃいけない原稿があるとのことで、
メインハウスでのディナーはなし。
みんなさっさとご飯を食べて、ラボに戻った。

わたしは疲れすぎていて9時には寝てしまったけど、
オルカたちは容赦なしに、同じく疲れ果てていたほかの3人を襲った。

まず、北に消え去ったA30sとA8sは、ウェイントン・パスを通って北に出た残りのA5s、A4sと合流。
いっせいにわー!!っとブラックニー・パスへ入って来た。

凍えるようなデッキ、目の前の海は真っ暗だけど、オルカだらけのはず。
その状態でじらされること数時間!!
なんで明るい時に通ってくれないの
(´;ω;`)

オルカたちはまたしても方向を変えて、北へと去って行った。
いったい何がしたかったんだろう…。
2009-08-26 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月20日

霧の中の日の出が…
09082008.jpg

とても幻想的で。
09082004.jpg


もう1分ごとに色が変わるから、何回外に出ればいいのかわかんない。
とにかくピンク。全てがピンク。


昨夜、わたし本当は午前零時「まで」のシフトだったのに、
午前零時「から」のシフトのソニアが
「零時まで起きてなきゃいけないし、ヒマでしょうがないからわたしがやるわ、
トモコは1日大変だっただろうからもう寝てね」

などと、またしても天使なことを言い出して、わたしを寝かせてくれた。
自分が男だったら絶対惚れてます!笑


でも午前4時すぎにオルカたちが起こしてくれた。
A4コール…。

ってこれはA24sじゃな…
あれ?

ヘレナに「別のA4が来たかも」って伝えに行った、午前4時半。
クッションに寝るリオの横で、毛布にくるまってソファに寝ていたヘレナは
「わたしもあなたも寝ぼけているから、謎の解明は明日にしましょう」
と言った。

確かに寝ぼけていたかもしれない…。


今日はまたしても特別なイベントが☆
まずは、タウンラン。
久しぶりに食料の買い出しができる!!
ソニアとクレモンが、みんなのリストを持って買い出しに行くことになった。

島に残る組は、ゲストハウスのベッドメイキングと薪ストーブの流木拾い。
そして、タウンラン組が帰ってくるのを待って…


アシスタントは、ボートベイパーティへ!!


ロブソンバイトの対岸に生態保護区を見渡せる崖、ザ・クリフがある。
海側に下ったところにあるキャンプがボートベイ。
たくさんのボランティアがここで夏を過ごす。

そこのキャンプでの打ち上げに、オルカラボのアシスタントも招かれたのだ。
もちろんキャンプなので食料持参だけど、
みんなウキウキして自分たちの食べ物やお酒を用意した。


でも

わたしはCPでおーるすーばんー…。



重要な機材のあるCPは留守にするとあぶないので、
わたしがオーリーとクレモンのかわりにお留守番。
ってか
今日はお泊まりコース!


CPの外観はこんなん
09082001.jpg

↑この写真はお天気のいい穏やかな日の写真だけど(by ゆみちゃん)、
今日は波が荒く、釣りボートはほとんど海に出ていなかった。
風も強くて、寒い。
ここ数日は潮の満ち引きも激しい。


トドってぬめっとしてる。
それに、息つぎのときたまに「ブー」っていう。
sealion.jpg


今年はじめて、カナダでも使える携帯にしてみたんだけど
ラボでは使えなかったのに、CPでは電波があった!
無人島なのに、携帯で日本とメールできるなんて。
凄い時代になったなぁ♪

オルカたちはみんな東にいってしまっていて、ゆったりくつろげそうだった。

寒い夜だった。
しかし、ブローが聞こえたらノートをとらないといけないので、
小屋の窓はあけっぱなし!

風びゅーびゅー。
そして孤独( ;д; )

たまにはCPも気分転換にいいけど、
やっぱりラボのほうがいいなぁ~


明るくなる午前6時には海を確認しないといけないので、さっさと就寝。
一応、枕元に紙とペンを用意して、水中マイクの音に耳を澄ませながら寝た。

オルカたちは、朝になるまで帰っては来なかった。
2009-08-26 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月19日

元アシスタントのジュリのお母さんで、自らもアシスタントとして働いたことのあるパットが、みんなをウオッチングボートでの観光に招待してくれることになった!!

…でもわたしはおーるすーばんー♪
(Pд`q)

ボートの定員があったので、去年連れて行ってもらったわたしは今回はあきらめて、
クレモンとオーリーのかわりにCPのお留守番を任された。
しかしすごい霧。

そして、CPに行くのはとても大変だった。
まず、ポールがジューン・コーブを動かした瞬間、ボートの警告音が鳴った。
危なすぎるのでジューン・コーブで行くのはあきらめ、2人乗りのカーに荷物を移し替えて、手のひらサイズのGPSを頼りに出発。
しかし、途中でGPSのバッテリ切れ…
まだラボが見えるところで良かった。辺りは濃霧。

いったんラボに戻って電池を入れ替え、再出発。
でも途中で何度もエンジンを切り、耳を澄ませて、ほかのボートがいないか確かめなくてはならなかった。
しかも海流に飲まれて方向がわからなくなりかけた!
霧の中の運転って恐怖でしかない。

やっとの思いでCPにたどり着いて…
ポールと顔を見合わせて、ホッとして、なんか爆笑。
そしてショックなことに、背後を見ると霧は晴れかけてきていた。
出発をもう少し待ってたら、こんな怖い思いはしなくてもよかったのに。笑

入れ違いのオーリーとクレモンにバイバイして、
さてCPの仕事…


…と見せかけて


今日の鳥!!
09081901.jpg


シギですかね。
surfbirdの冬羽かな。
CPの海岸をちょこちょこ歩いてました。


A30sもろもろは東だし、完全にホリデー気分、この霧が晴れたらバードウオッチング日和だと勝手にうきうきしていたわたしがバカだった。
霧の中からブローが聞こえて来た!!
誰!?

そのへんのウオッチングボートが、数からしてA23sだと言っていたけど
現れたオスの様子がどうもおかしい。

09081905.jpg
あ、この倒れ背びれはT19Bじゃん。

って
…トランジェント!?

全然A23sじゃなかった、トランジェントのT18sは、また霧の中に戻って、ブラックニー・パスへと進んで行った。


ああびっくり。
ひと呼吸して、時間と彼らの位置を細かく記録したログをまとめていると、
なんか海が荒れている…
霧の中から出て来たのは、


カマイルカ!!
09081903.jpg


ええ!!
トランジェント(肉食)をすり抜けてきたの!?

100頭以上のカマイルカの群れは、霧に包まれたり出たりして、
ジョンストン海峡を東へと進んで行った。


カマイルカを見送って、お茶でも入れようかとしていると
「CP、CP、こちらナイアッド」
ウオッチングボートのナイアッド・エクスプローラのビル船長から無線連絡だ。

「オルカたちが北からCPのほうに向かったんだけど、誰かよくわからないんだ。個体識別よろしくね」

は、はい…(´Д`;)

聞けば、トランジェントとすれ違いにその群れが現れたらしい。
ヘレナからも無線連絡があって、その謎の群れはほとんど鳴いてないとのこと。


スコープを構え…
ポールのデジカメと、自分のカメラを用意して…

オルカたちがジョンストン海峡に入って来た。
しかし、霧の中からのブローが聞こえるだけで、全く姿が見えない!!
はやく霧から出て~!!

責任感重大。
A30sもろもろは東のはずだし、
ナイアッドも、オルカラボも個体識別できないような群れなんて。
緊張…



からの……




09081907.jpg

A12s!!


みたいな。笑


ただ単に霧が深くて、ラボからもナイアッドからもはっきりわからなかったらしい。
そしてハッスルばあちゃんA12は、ちゃんと群れの真ん中にいた。


A12sを見送ると、今度はA30もろもろがいっせいに東から戻ってきた。
午後はもうオルカだらけ。


A61の成長っぷりも要チェック
09081902.jpg


あ、そういや今日みんなはデイオフもらって観光行ってるんだったな…
わたし、せっかくDATから解放されたのに、何やってんだろう…
(それでも毎年来る)


夕方、A30sがカマイルカの大群に襲われた。
朝の100頭だ。

カマイルカたちはA30sを取り囲んで、彼らの頭上でキーキー跳ね回った。
A30sがちょこっとコールを出すと、イルカたちのスピードがゆるんだ。

イルカたちは少し沖に出ると、A30sをすっかり追い越すかのようなものすごいスビードで西へ進み、そして突然、全員で方向を変えてバンクーバー島側に突撃した。
おそろしい光景。

その間、ロングダイブをしていたA30sは…
実は水中で、もっのすごいスピードをあげていたらしい。
水面にあがって来たとき、A30sは沖に移動し、イルカたちのはるか前方に現れ、さらにターンして、進む方向を東へと変えた。

カマイルカたちも飽きたのか、それ以上A30sをからかったりせず、西へと進んで行った。

イルカたちはレジデントのオルカを完全にナメきっているらしく、
こういった意地悪っぽいことをする光景は多々見られる。
レジデントのオルカたちも基本、とても優しいので、だいたいは今回のようにそっと方向を変えるか、されるがままになっていることが多い。


東に帰って行く最後の群れ、A24sが見えなくなったとき
もう、辺りは薄暗くなっていた。

09081906.jpg


わたしのデイオフ(?)終了…。
バードウオッチングの予定が…。


観光から帰って来たオーリーとクレモンを連れて、
ポールがやってきたのは午後9時。
がんばったごほうびなのか、自分たちだけ観光に行った罪悪感からか、
ゆみちゃんがチョコレートをくれた。
やったあ!(安あがり)


オルカたちは今日も東へ進み、わたしたちは今日も寝られるのかどうかの不安に包まれながら、寝袋にもぐりこんだ。
星がきれいで、トドたちの呼吸音がブラックニー・パスに響いていた。
2009-08-21 : オルカ : コメント : 4 :
Pagetop

8月18日

6時からのシフト、ぎりぎりまで寝てしまった。
ログブックを見ると、A30sとA5sが北へ向かったとのこと。
え?A4sは?

新人のケイティがラビングビーチからコールが聞こえたと書いていたけど、
それはどうもカマイルカっぽい。

目の前は霧。コールはなし。
シフト終わった午前9時から、ヘレナに命じられて夜中のテープ聞~き直し~♪
5時間かけて、すべて聞…き直…し…orz

わたしは夜中に寝ない方がいいらしい。
ヘレナも夜中起きてられないもんね。

結局、北でちょこっとだけ鳴いたA24sのコールを発見できて、
ひと安心ということになった。
A24sは日中、ずっと他の群れと違う動きをしていたので、
ケイティがA24sだけ東へ行った、と勘違いしても無理はなかった。

キリと青空
09081802.jpg



今日の鳥はオオアオサギさんです
09081801.jpg


だから何よ、今日の鳥って。
(とかいってこのコーナー続いたりして)


ここ2日間ずっと横たわっていたリオは、
今日は外で座って、日向ぼっこできるまでに回復した。
アナに会えたのがかなり良かったんだろう。
やっぱり犬にとっていちばん大切なのは、飼い主なんだな-。


雨がさっぱり降らないので、島の水はすっかり枯れてしまった。
もう、わずかな飲み水を確保するのに精一杯。
シャワーなんてとんでもない話だ。
満ち潮の時に、海でシャンプーした。気を失いそうなくらい冷たい!!
今年1回くらいは泳ぎたかったけどむりかな…。


マップルームに戻って、今日もC10sのテープ。
しばらくすると…

咲がすごいイキオイで窓を開けろとやってきて、
開けると、窓ガラスの内側にいたクモをぱくりと食べてしまった。

このクモの名前は「ベビーキング」
夜中にラボに出る「キング」と同じ赤足で、ひとまわり小さいから
毎朝「おはよう」って挨拶していたのに…。

わたしとクモさんとの友情、またしても終了。


午後になって霧も晴れ、北にいたA30s、A24sとスプリンガー、そしてA5sは
ウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に戻った。

でも、今日はオルカの鳴き声よりも、
カマイルカのコールのほうがたくさん聞こえたと思う。
夏が終わりに近づくと、イルカとトドがどこからともなく、たくさんやって来る。


そして今夜はケイティの最後のディナー!!
短かったけど、オルカに囲まれたいい思い出ができただろう。

オルカたちは日付が変わる前に東へと進んで行った。
2009-08-21 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月17日

午前4時、
A30sのコールがFIの水中マイクから聞こえて来た。

え!!どうやって北に行ったんだろう。
まさかラボの前を通ったのかと思い、いそいで外に出てプローを確認。
北ぎりぎりでふたつくらいブローが聞こえたような気もしたけど、よくわからず。
ウェイントンを使ったのか、ブラックニー・パスを使って北に出たのか…。

でも、ずっとジョンストン海峡に居っぱなしだったA30s、A4s、A5sが、
オルカラボの前を通るようになったのはいい兆しだ☆


午前9時。
ゲストの稲垣さん夫妻と、OSSのよしみさんが島を出る時間。
ヘレナが来日したとき、とってもお世話になった3人だから、別れのさみしさもひとしおだっただろう。ひとりひとりとの別れを惜しんで、抱きしめていた。


ちょっと見にくいけど
今日の鳥はキングフィッシャーさんです(メスかな?)
kingfisher_300.jpg

あれ? 何だ、今日の鳥って。
そんなコーナーあったっけ。


気をとりなおして少し寝なおして…
12時。今度はアナとトニーが島を出た。
リオに会うためだけに、わざわざ2人休みを取って来たんだろう。
たった1日の短い滞在だった。


今日活躍したのは、ハナとソニアの洗濯チーム!!
稲垣さんたちと一緒に出て、テレグラフコーブのコインランドリーで洗濯をし、
第2便、アナたちが帰る時にまたポールに迎えに来てもらって、島に帰って来た。

ちゃんとした洗濯はいつぶりだろう…
今年はうまくタウンランに行く機会がなくて、食べものは仲のいいウオッチングボートに輸送を頼んでいるし、洗濯はここしばらく、海で手洗いしてた。

もう塩でごわごわの服を着なくていいんだ(Pд`q)


カートってほんと、おとぎ話の住人よね
09081701.jpg



夕方までC10sのDATテープを聴いていたら、ものすごく眠くなった。
まだ、目当てのコールが見つからない。
やっぱり新しい世代になるにつれて、方言も変わって行くんだろう。

ヘレナが「見つからなかったら80年代の録音を使いなさい、C5s(C10のお母さんが群れを仕切ってたころ)のとてもいい録音がたくさんあるから」
と言ってくれたけど、わたしにとっては現在の方言じゃないと意味がない。

方言の研究も、永遠にアップデートしていかないと、意味がない。
ジョン・フォードさんの研究論文は素晴らしかったけど、
あれから時間は流れ、オルカたちは新しいコールをつくり出し
(それが、いまわたしたちがA12スペシャルとか、Wee a wuとか呼んでるもの)、
逆に使われなくなってしまったコールもたくさん出て来た。

誰かがずっと研究を続けて行かないと意味がない。
でも、それにはなんて膨大なお金がかかるんだろう…。


ゲストがいなくなったので、ヘレナの(料理の)休憩のために、メインハウスでのディナーはなし。
もちろん皿洗いもないので、みんな明るいうちに夕食をとり、寝袋にもぐりこんだ。
わたしはとても疲れていたので、何も食べずに眠った。

ジョンストン海峡では、またA24sが変なことをたくらんでいたけど…。
2009-08-19 : オルカ : コメント : 5 :
Pagetop

8月16日

ジョンストン海峡を西へと進んで来たA30sその他もろもろは…
いつもとは違って、オルカラボの前を通過して北へとむかった!!

オルカラボの前をA30sが通るなんて、いつぶりだろう?
よりによって真夜中なんて…(´Д`;)
ゲストが来ているというのに、さっぱりオルカを見せてあげられない。

ブローだけでも聴かせてあげようと、ゲストハウスに走ってみんなを起こす。
ラボに戻って、デッキで寝ていたケイティを起こしたけど、まったく起きてくれなかったので、仕方なく自分でプローをカウント、中に戻ってレコーディング。

A30sとA5sは次々と北へ進んで行った。
A24sは…きえた。

ああ…。

そういや、空にばってん出てたっけ…。


明るくなって、オルカたちは北からいっせいに戻ってきた。
しかも、ハンソン島よりで!!
09081601.jpg

09081602.jpg


なかなか姿を見せず、まずはブロー。
そして滞在最終日にしっかり通過。
さすが、ノーザンレジデントは空気読んでるよね…。
ちなみに、A24sはちゃっかり群れの中にいました。
ウェイントン・パスを使ったのか。


みんながオルカを見ている間、かもめのウニちゃんが
なんと成熟している別のカモメに、ウニのとりかたを教えていた。
別のカモメは何度か海にアタマをつけたけどそう簡単にウニはとれず、
あきらめて飛んで行ってしまった。

09081605.jpg


ゲストは今日はCP見学。
わたしはいつものようにDATを聴き続ける。
C10ばかり聴いてもう何日目だろう。
さすがに、生で聴きたくなって来た。

リオの具合は今日もよくない。
歳が歳なので…。

博士夫妻の娘のアナと、夫のトニーがリオに会いに来た。
リオはもともとアナの犬だった。
久しぶりに会えてうれしかっただろう。


ヘレナが焼いてくれたシナモンロール
09081603.jpg


ディナーを食べている途中に、もう空が暗くなっていることに気がついた。
日の入りが早くなってる。
「夏が終わって行くのね」とヘレナが言った。


暗くなった空に星が煌めいていた。
こないだみたいな流れ星は見つけられなかったけれど、
優しい瞬きかたの星たちだった。
A30s、A4s、A5sは、日付がかわってしばらくするまで鳴き続けた。
2009-08-17 : オルカ : コメント : 3 :
Pagetop

8月15日

午前6時からのシフト…
オルカさんたちは、午前5時45分から鳴きはじめてくれた。
毎日ご苦労様です。


あら、こんな季節にハチドリさん。
おもちのようにぷっくり。
09081501.jpg

愛鳥プログになってきたのは内緒。
09081504.jpg

絶対、オルカより鳥好きやろ!!なんて言わないでね。
だって、ずっとココ読んでるような人たちは
そんなこと知ってたでしょ?笑


ふと、空を見上げたら、ばってん。
…あれ?
ねえ、桃ちゃん、ゆみちゃん、
この印が出たときって、何か起きなかったけ?

09081502.jpg


今日は、ゲストの3人をウォーラスのキャンプに連れて行ってあげることになった。
ポールにサンドイッチを作ってもらって、ジュースやくだものも持たされて、
いざハイキングへ。

まず向かった先は、ドンチョンベイ。
2002年にスプリンガーが帰って来たとき、
いけすを作っていた場所。

09081505.jpg

ここでランチにしたかったけど、今日は風が強すぎた。
森の中にすてきな休憩所を見つけたので、あらためてそこでランチ。

09081503.jpg

神社の境内みたいな木の階段は、
ぜんぶウォーラスと息子のアキが作ったもの。
「森の仙人」ウォーラスは、板を切り出す時ですらチェーンソーを使わない。
斧をさして、ハンマーで叩いて、1枚ずつ切り出している。


オルカラボが都会に思えるくらいに、自然と一体化した生活をしているこのキャンプでは、たくさんの野菜やハーブが育って来て、もうすぐ自給自足が可能になるそうだ。
生のグリーンピースを食べさせてもらったけど、甘くてとてもおいしかった!

アキに散歩に連れて行ってもらったり、マナちゃんの踊りを見せてもらったり
マナちゃんの友達のミカさんに、コーヒーまでいれてもらったり
楽しすぎてつい、長居してしまった。
ずっとここのキャンプでのんびりしたかったけど、
森で迷った前科があり、ヘレナが心配するので、急ぎ足でオルカラボへ。


今日は、リオの体調が思わしくなかった。
年だから、少しの気候の変化も影響するんだろう。
ヘレナが1日ずっと付き添っていた。


みんなでわいわいディナーを食べて、
歯磨きしているときに「あれ?今日は何もなかったな…」と気付いた。
空にばってんが出たらあいつが変なことをしだす、という変なジンクスは
去年で終わったのかもしれない。

A30s、A24sとスプリンガー、そしてA5sは
今日も1日、ジョンストン海峡をうろうろしているだけだった。
2009-08-16 : オルカ : コメント : 2 :
Pagetop

8月14日

A36sの三兄弟とA12s(全体)は北に。
A30sとその他もろもろは東に。

午前3時~6時のシフトだけど、夜中はオルカが鳴いてなければ起きなくていい。
今日こそは寝られる♪って、安心しきって寝袋に入った。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ものすごいボートノイズの中から何かが聞こえたような気がして、
寝袋から這い出る。

FIの水中マイクから聞こえていたタグボートの音を下げると、
RBの水中マイクから、しっかりコールが聞こえてきた。

電気をつけて時計を見ると、ぴったり、3時。
ああ…(´Д`;)

さすが「アシスタント殺し」A30s。
プラス、その他もろもろ(A24s、スプリンガー、A5s)。

あまりの眠さに午前6時まで何度も落ちかけたけど、
今朝はソニアが早めにラボに来て、交代してくれた。
天使。


お昼ころ起きてキャンプキッチンで朝ご飯を食べていると、
こないだウォーラスのキャンプから遊びに来たユニちゃんと、アキがやってきた。

アキはここ数年、輸入業をしている。
仕事が何とか波に乗って来たので、去年は小さなボート、今年はソーラーパネルを2枚、お父さん(ウォーラス)に買ってあげたんだって。
景気いいね~!そして親孝行☆

いい天気。
09081402.jpg


せっかく、アキたちが遊びに来たというのに
今日もずっとDAT聞くばかり…。

限界を感じてiPodをつかんでマップルームを飛び出し、海岸へ逃げてみた!!
今年、ハンソン島で聴くはじめての音楽(大げさじゃなく)!!

たった1曲聴いただけで、精神状態が元に戻った。
音楽すげー。

目は、眠っているあいだ閉じてるけど、耳はずっと休まない。
眠っている間も必ず何かが聞こえている。
耳はずっと働いてる。
忙しいけど、音に心から助けられたりもする。


ディナーぎりぎりまで働いて、メインハウスへ。
カートが足りないまきを割ってくれていた。
今年は体力仕事ができる人が少なくて、とても大変だ。


今日のメインディッシュはサーモンのパイ。
09081401.jpg


ディナーの間じゅうずっと、リオがいびきかいてた。
そういえばこないだポールが、犬の年齢と体重を入力して、人間年齢に換算するサイトを見つけたらしい。
さっそくリオの年齢と体重を入力してみると…
124歳。


リオは、人間に換算すると124歳ーーー!!


リオはものすごくおじいちゃんだ。
だけど、そう考えるとなんて健康な犬なんだろう。
あらためて、今年も元気でいてくれることに感謝した。


ゲストで来てる、オルカライブスタッフの稲垣さんは、完全プライベートで来ているというのに、やっぱりポールにつかまって質問攻めにされたあげく、デザートもそこそこに電脳土方として働かされていた…。
お疲れさまです(;^ω^A


片付けが終わって、シフトに入ってたケイティ以外の女子4人で歯磨きをし、
外に出ると、凍えるような寒さ。

今日は晴れてたのにずっと寒かったな…。
もう8月半ば。
このまま、Aポッドだけの夏になるんだろうか。
2009-08-16 : オルカ : コメント : 2 :
Pagetop

8月13日

淡い星空の流星群があまりにもきれいで、月がのぼるまでずっと見ていた。
オレンジ色の半月がのぼってくると、星たちはいっそう淡くなった。

09081302.jpg


午前3時からのシフト。
A30s、A24sとスプリンガー、A5sは
ラビングビーチからロブソンバイトに移動して、一晩中鳴いた。

6時にケイティと交代。
日記更新してから寝袋に戻って…3時間くらいたったろうか、午前10時すぎ。


「オルカーーーーーー!!」


ヘレナのシャウトで目覚めた。
てっきりA30sたちがこっちに来たんだと思って、ゆっくり着替えたり、カメラの準備をしてマップルームの脚立を降りる。

デッキに出て、一瞬戸惑った。
みんながスコープを向けているのは、北のほうだった。
ということは、A30sもろもろじゃなくて、新しい群れ…!?

いやいや世の中そんな甘くない、こないだA36sとA12が北行ったし、たぶん…。
そんな考えもアタマをよぎったけど、すぐ消し飛んだ。
目に入ったのは、メスが2頭。


ま さ か


「遠すぎて何ともいえないわ。トモコ、中に入って少しコールを聴いてくれない?」
ヘレナが言った。

どっちにしてもスコープがみっつとも使われていて、自分で個体識別ができなかったので、わたしはラボの中に入って、ソニアのとなりでヘッドフォンをつけた。

A36sとA12「だけ」なら、メスは1頭しかいない。
だから、だから、これは…


…だよね?


胸にいろんな思いがこみあげてきた。
とても不思議だけど、なんの予感かわかんないけど、
コールのひとつも聞かないうちに、それが誰なのか、
どんなコールが聞こえてくるか、わかっていた。

まず、予測できたA36s三兄弟のコール。北にいるらしい。
ここまでなら驚かない。
そして次に…


                 = = = = = = = = = ☆


この世でいちばん、暖かい音に包まれた気持ちになった。
絶対に間違えようがない、この声。
ここでいちばん多くの時間を共にしてきた、最愛の群れのコール。


「ヘレナ!!A34sだよーーーーーーー!!」


この島では、ときどきありえないことが起こる。
「A12が、娘家族のA34sを連れて帰ってきますように」
まさか、まさか昨日、流れ星にお願いしたばかりのことが…


スコーフをのぞいて、涙ぐんでしまった。
先頭のメス2頭は、ハッスルばあちゃんA12と、娘のA34だった。

ジョンストン海峡を守りたかったばあちゃんと、
北のサーモンのいる場所で、他の群れとの交流を選んだA34s。
離れている間に、つもる話もあっただろう。
母娘は、ジョンストン海峡に入るまで、ずっと寄り添って泳ぎ続けた。


残りの家族はそれぞれ、好きなように位置をとって、広がって泳いでいた。

いた。
その中に、わたしの最愛のオルカが!!

今やA12sの中で、唯一の大人のオスだね。
おかえり、エコー。
09081303.jpg


ところで、

A36sは、彼らには続かなかった。
オルカラボの前には現れずに、北に残った。
A34sを連れてきてくれただけみたい。

あれだけジョンストン海峡に置いておきたかったばあちゃんを、
いきなり北に連れて行って何をするかと思えば…
粋なことをするね、A36s。


今日はとても、人の出入りが忙しい日。
お昼ころ、ハナがナイアッドに乗せられて病院から帰ってきた。
入れ違いに、ストレイトウオッチのエレンが仕事に戻って行った。
夕方には、日本からお客様。
ポールの友だちの稲垣さん夫妻とOSSのよしみさんが来てくれた。
たくさんのお土産ありがとうございます!!


かもめのうにちゃん
09081301.jpg



久しぶりにジョンストン海峡に戻ってきたA12s(A34sも含む全体)は、思う存分にラビングを楽しんで、西へと戻ってきたのだけど…。

暗くなってから、A36sが彼らを「迎えに」来た。
A36sは、ウェイントン・パスからジョンストン海峡に入ると、そこにいたA12s(全体)を連れて、オルカラボのほうに進んできた。

不思議だった。
以前のA12sと何が違うかといえば、息子のA33がいないくらい。
でもA36sの三兄弟は、ジョンストン海峡に来る時も、出て行く時も、
A12sに付き添ってあげたかったみたいだった。

優しいな、A36sは。
でも、これからどうなるんだろう。

ばあちゃんは、またA36sに入って、末っ子のA46の世話をするのか。
それとも今回は、A34sと一緒に北に行ってしまうのか。
A34sは、本当に出て行くのかな?
何事もなかったかのようにまた戻ってきてくれるといいんだけど…。

今夜はくもり空。
コールは日付がかわる前に途切れて、わたしたちはみんな眠りについた。
2009-08-14 : 未分類 : コメント : 0 :
Pagetop

8月12日

大好きな午前6時~9時シフト。
だけど午前3時過ぎからオルカがずっと大きな声で鳴いていて、やっぱりあまり寝られなかった。

シフトの前にバッテリ残量チェック…。
昨夜の雨で、ところどころに水たまりができていた。
ずっと水不足に悩んでいたから、まさか水たまりができてるなんて思わなくて、思いっきりサンダルはいた足を突っ込んでしまった!!
うー冷たい(;д;)
まだパジャマだったから、くつ下はいてなくてよかった。

ラボに戻って、わたしと同じくらいひどい表情のハナと交代。
お互い気持ちはわかるから、無言で肩を叩きあう。

ずっとラビングビーチ沖にいたオルカたちは、しばらくしてロブソンバイトに移動した。
朝の寒さで震えていたら、ポールが熱いコーヒーと共に、アウトドア用のとても分厚いジャケットを持って来てくれた。
ごわごわのそでをめくりあげて、レコーディング!

シフトが終わるころ、ヘレナがラボに来て今日のプランを説明してくれた。
ハナの体調はやはり思わしくなく、もう一度病院に送られることになった。
まずこれで、今日はひとり減る。

そして同時にCP交代。
ケイティが戻ってきて、クレモンがCPに送られる。
ケイティは17日に島を出るので、これでまたひとり減る。

わたしはこれで、昼もシフトに入って生音を聴いていられるとうきうきしたけど、
ヘレナは「私もレコーディングに入れるから、自分の仕事の時間はとりつつよろしくね」と念押しをしてきた。


人が仕事に集中してるときに限って
かまってもらいたがる咲(ストーカー)
09081201.jpg



こんなにいい天気の日は1日中デッキで海でも眺めていたいな。
小部屋でDATばかり聴いている生活なんてもうやだーーーーーーー!!
(でも毎年来る)



お昼過ぎ、クレモンがCPに旅立って行った。
クマやクーガが出るってわたしたちがさんざん脅してた
得体の知れない場所だから、行くのちょっとイヤそうだったけど、
行ったらもう帰ってきたくなくなるんだろうなー(^ω^)

09081202.jpg



ゲストのはずのエレンが働きまくって本当に助かっている。
彼女はストレイトウオッチで保護区監視のボランティアをしていて、3日間のデイオフでラボに遊びにきている。
気付いたら燃料の流木が大量に積み上げられていて、あちこちピカピカに掃除してくれていて、わたしたちの洗い物までやってくれたり、使っていないカヤックまでみがきあげていた。
来年はぜひアシスタントで!笑

夕方、ポールに連れられて、CPからケイティが帰ってきた。
海岸に座っていたら、目の前2メートルくらいでオルカを見られたらしい。
たぶんCPの海岸好きなA24だろう。
わたしも近距離でA24見たことあるけど、近くで見ると想像を絶するくらいに大きくて、動物的本能でいのちの危険を感じた…。


今日もまた同じオルカたちが同じ動き。
去年よりサーモンの量がましだとはいっても、
結局ほかのオルカがたくさんやってくるほどではないんだろう。
ジョンストン海峡をメインのすみかとした群れたちだけで、のんびりやっている。

ただその中に、A12sがいないのは悲しい。
ばあちゃんはいたけど、娘家族のA34sにはまだいちども会えないままだ。
わたしにとっては、どの群れよりも多くの時間を共にしたオルカたちだけに、とても悲しい。

ばあちゃん、はやくA34sを連れて帰ってきてよ。


夜、ラボに戻って寝る前に、ふと空に輝く淡い星たちを見上げた。
ここしばらく天気が悪かったから、こんなに星が出てるのも久しぶりだなぁ。
あ、流れ星を見つけた。


いや…見つけたというか


1個や2個じゃなかった!!
次々と尾を引いて、空を横切るシューティングスター。
ああ…ペルセウス座流星群なのか…。
絶景に、鳥肌。

しばらくその場を離れられなかった。
穏やかな海、流れる星たち。
ラボのデッキのスピーカーからは、オルカたちの美しい鳴き声が聞こえていた。
2009-08-13 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月11日

ここのところ深夜に東に向かうオルカたち(A30s、A24sとA73、A5s)は、午前3時には水中マイクのエリアから出て行った。

さむっ…。
霧に包まれた午前6時の空はこんな。
09081101.jpg


徐々に色が消えて、ブラックニー・パスは霧で真っ白、視界ゼロになった。
その中を進む豪華客船が、フォーーーーーーと汽笛を鳴らしていた。

実はあまり眠れなかったんだけど、ヘレナがコーヒーを持って来てくれたので、9時にシフトが終わっても寝なおすことができなかった。
そのままシフト中のゆみちゃんにちょっかいを出して遊んだり、
キャンプキッチンで朝ご飯を食べていたソニアの笑顔に癒されたり。

ジョンストン海峡では、いつもの群れがいつもの動きしかしていないので、他のアシスタントのみんなに任せておいてもまったく大丈夫。
10時からは心を入れ替えて、自分の仕事に没頭することにした。

最初のほうは質のいいテープばかり聞いていたので、とても楽しかった仕事も
いまはボートノイズの中から目当てのコールを探さなきゃいけなくなり、
どんどん大変になってきた。

ここ数日はずっとI15sを聞いてたんだけど、
あらためてコールを分析したら、相当気持ち悪かった。
音だけじゃなくて、スペクトラムも人間の声みたい!!


~ランチでひと息。
時間短縮で皿洗いを最小限に抑えた、
ラボ用レシピを紹介してみます!!

手持ちの野菜を刻んで炒める。
09081102.jpg

お湯、麺、コンソメを投入。
09081103.jpg

麺をほぐしながら炒める。
09081104.jpg

火を止めてマヨネーズ少々であえる。
09081105.jpg

できあがり。
09081106.jpg

ていうか紹介しといてなんだけど、これ、要するに焼きそばですね。
すいません。

旨。

カルボナーラ風味も挑戦したいけど、
ベーコンとか材料が高そうなので、できないのです。
安上がりレシピのアイデア受付中☆
(結局人に頼る)


「いい匂いね」と言ってハナが通り過ぎて行った。

ハナはよくキレる。
今日はお腹が痛いとのことだったのでホッカイロをあげたんだけど、
とても気に入ったらしくて、
「どうしてオーストリアにはコレが売っていないの!!」
と、すごい剣幕でキレていた。
怖いw
わたしだって、オーリーが持って来たベルギーのチョコレートが、
どうして日本では売ってないのかってキレたいよー!!笑


今日、ブラックニー・パスの沖には4頭のトドがいた。
トドがたくさんやってくるということは、秋が近づいてきたんだなあ-
とても可愛いとはいえない顔をしているのに、かわいい。

ステラーズ・ジェイの咲とジロキチはここのところ毎日いるんだけど、
今年生まれではない、咲の子どもと思われる子がもう1羽、いつもいるようになった。

顔がわかるようになったから、名前も考えないと。
どうしようかな…。


そんな感じの平和な1日。


A30s、A24sとA73、そしてA5sは、ロブソンバイトで魚を食べ、ラビングビーチで遊んで、いつもと同じように東へ。
今夜は、日付がかわるまえに水中マイクのエリアから出て行った。
2009-08-13 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月10日

ゆみちゃんと交代した午前3時。
オルカたちはCRPTの角を曲がって、水中マイクのエリア外へ。
そのまま東へと消えて行ってしまった。

もー
せっかく起きたのに~!!。゚(゚´Д`゚)゚。

寝に戻ったけど
5時ごろ誰かがラボに入ってくる足音で起きた。

じつはこの時は、満ち潮。
ボートを逆がわに傾けようと起きたポール。
海岸に出て行くと、南へと向かう3つ位の大きなブローが聞こえたらしい。

まだ暗い中背びれは見えなかった。
ポールは録音をスタートしたけど、オルカたちはうんともすんとも言わなくて、誰かもわからないまま終わってしまった。
大きなブローが最低みっつ、ていうあたりで何となく想像できるけどね。

午前7時過ぎ、ハナが「オルカー!!」と叫んだ。

さむ。
北からの風と、くもり空。

震えながらデッキに出て行くと、北へと向かう3つの大きな背びれと、ひとつの小さな背びれ。想像通り、A36sとA12だ。

A32とA37の2頭が先に、A12(ばあちゃん)は、今日も末っ子のA46と一緒。
まるで本当の親子みたいにぴったり寄り添って、北へ消えて行った。

ジョンストン海峡のようすをチラ見しただけか。
2時間で北へ帰ってしまうなんてなぁ-。

ヘレナが焼いてくれたブルーベリーマフィン
09081001.jpg



ポールが「ひどい顔(低血圧…)してるからもう少し寝なさい」
と言うのですなおに寝なおして、
お昼ころ起きて、トイレトイレ…と森に向かうと
海岸から音が聞こえた。
ガシャン、ガシャン。


ああ…(´Д`;)


見に行くと(見に行ったらおしまいなのに)やっぱり!!
引き潮の海岸で、ポールとハナとソニアが、緑色の汁を浴びながら、いっしょうけんめいボートをみがいている!!

朝ご飯食べてなくても、コーヒーの1杯も飲んでいなくても、
これをスルーする勇気は、
ない。


笑顔でボートをみがくハナとソニア
どんな仕事でも笑顔ですれば楽しい!
09081002.jpg


少しずつ潮が満ちてきて、足場がなくなるまでボートみがきは行われた。

終わって片付け。ポールはわたしに
「アリガトウゴザイマス」
そしてハナとソニアに向かって、
「ダンケシェーン」と言った。
インターナショナルよね。


あらためて朝ご飯とコーヒー。
キャンプキッチンでベーグルを食べていると、
「ともちゃーん」との声がして…

森の中からぞくぞくと人が出てきた!!( ̄□ ̄;)

やってきたのはマナちゃんとその友達ご一行だった。
マナちゃんは、島の中央に住む仙人・ウォーラスの娘さん。
ふだんは東京住まいなんだけど、1ヶ月くらいお父さんのところに遊びにきているらしい。

弟のアキも島に来てるんだって!
ここの姉弟が揃って島にいるのはめずらしいので、ふたりがいる間に、必ず上のキャンプに遊びに行くから!って約束した。
楽しい夏になりそう-♪


さて、仕事
求めてる録音が、意外と今年のテープの中からたくさん発見できてびっくりしてる。
いかに今年はボートノイズが少なくて、たくさん鳴いてるかってことだな-
いつも同じ家族しかいないけど。


田中さんお食事ちゅ-
09081003.jpg


森に落ちていたトランクス(立体)
09081004.jpg



今日のディナーは、大工さんのカートの自慢料理、ハワイアンサーモン…
口の中がパラダイス。

ディナーのあとに、ポールが出演したドキュメンタリーをみんなで見た。
「フリーウィリー」の主演オルカ、ケイコ(♂)の一生。

映画に出るまでのケイコの環境は最悪だった。
まさか、塩をいっぱい溶かした水道水で飼われていたなんて…。

映画のストーリーと同じように海に帰れることになったケイコ。
広い海のどこかにいる家族には会えなかったけど、好きなだけ泳ぎ回れる自然の中で、たくさんの友達(人間)に愛されて彼は亡くなった。

海に戻ってからのケイコの映像は、浮かぶことしかできなかった、小さいプールにいたときの映像とはかけ離れていた。
皮膚の状態も、筋肉のつきかたも、目の前のものに対する興味の示しかたも
まるで別の動物みたいだった。涙が出るくらい、イキイキとしていた。

家族に戻れなかったことで、プロジェクトは本当の成功とは言えなかったけど、
彼の晩年はしあわせだったろう。

家族がどこにいるかもわからないまま海に戻されたケイコと違って、
知っている仲間がいっぱいいる中に戻されたスプリンガーは、
たくさんの仲間たちに愛され、育てられて、
7年後のいま、本当の家族と一緒に泳いでいる。


今日もジョンストン海峡で1日を過ごしたA30s、A24s/A73、A5sは、
ここ最近いつものように、夜通しコールを響かせてくれた。
2009-08-12 : オルカ : コメント : 4 :
Pagetop

8月9日

[ちょこっとお知らせ]
禁止ワードに引っかかってコメントが書き込めない、という問い合わせがきています。
じつは禁止ワードは「http://」です! スパムコメントが多すぎたのでこんな対処にしました。
リンクを外すと、コメント書けると思います。
お騒がせしてごめんなさい(´・ω・`)

*************

深夜。
オルカたちはかなり海峡じゅう広がって、ゆっくり、ゆっくり東へ。

わたしは午前3時から6時のシフト。
午前4時過ぎにはほとんどのオルカが水中マイクのエリアから出て行って、コールは聞こえなくなった。
午前5時には録音を止められたけど、バッテリ残量が少なかったので
ジェネレーターを40分まわしてから寝た。
結局、もう明るいし。


コガラさん。
おはよ-☆
09080901.jpg
そしておやすみ-
(わたしが鳥を撮ると、なんかいつもカメラ目線ね)


お昼ころ起床。
パソコンでしばらく仕事して、シフトあがりのゆみちゃんと一緒にランチした。

最近、インスタントラーメンの麺をパスタみたいに使うのがお気に入り。
コシはないけど意外と食べられる味だし、なによりできるのが早い!!
忙しいこの島には、もってこいのメニューだ☆

今日はフレッシュトマトとズッキーニのパスタ...
いや、ラーメン。
09080902.jpg

(゚Д゚)ウマー。


午後からはいつものようにラボに缶詰め。
どんなことをしているのかというと…

30年ぶんのログブックを参考にして、必要なテープを探し出し、
パソコンに取り込んでひたすら分析。

でも、1年ぶんのログブックでも600~700ページあるし、
DATテープは120分のものが1年ぶんで150~200本。

果てしない。

がんばろう。


3時間おきにシフトに入っている、とゆみちゃんがぼやいていた。
CPから帰ってきたばかりだから、いっぱい録音したいだろうというみんなの配慮!

ゆみちゃんはライブハウスでもスピーカー近くの轟音が好きなので、
うるさいボートノイズも、別に嫌いではないらしい。
これはいいことを聞いた!


ボートノイズを聴いて楽しむゆみちゃん
09080903.jpg

ここ最近オルカたちはずっとおなじような動きをしている。
夜になって、ロブソンバイトで遊んで、そして東へ…。

今日はメインハウスのディナーがなかったので、
シフト中のゆみちゃんにごはんを作って持って行ってあげた。
海で洗い物をして、バスハウスのほうへ歩いて行くと
メインビーチのほうから、ガシャン、ガシャンという音が聞こえた。

いやな予感。

おそるおそる様子を見に行くと大当たり。見てしまった…。
もう午後8時にもなるというのに、ポールがひとりで船底を磨いている!!

「手伝おうか?」と声をかけてみる。ポールはわたしを見ると、
「いや、いいんだ、大丈夫だよ、ありがとう」と言ったはいいけど

「うーん。うーん」

と声を出して顔をしかめ、コケをこすり落とした緑色の汁をあびながら、とてもつらそうにまた船底を磨きはじめた。じいちゃん…。

もしここで引き下がったら、きっと罪悪感で死んでしまう。
なんでこんな暗くなってから…(´Д`;)

なかばムリヤリ手伝いを始めてしばらくすると、
ハナが通りかかった☆

ハナも、見てしまった…という表情をしたけど、
ここで逃げたら人間の心を持ち合わせていないということになるもんね!!
ハナが加わって、しばらくして通りかかったソニアも逃げられず、手伝ってくれて、
片側はなんとかピカピカになった。

夏になると、ボートの底はあっという間にコケやフジツボで覆われてしまう。
これを放っておくと、とても燃費が悪くなるらしい。
片側が終わって、明日満ち潮になった時にボートを反対側に傾けることにした。
あたりはもう真っ暗。

わたしたちはコケの汁で真っ緑。
手が磯クサー!

疲れていたので、自分のシフトの前にさっさと寝ようと寝袋にもぐりこんだ。
スピーカーのボリュームを小さくすればよかった!
オルカたちはいつにも増して美しい鳴き声を響かせていた。
2009-08-11 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月8日

みんなが気を利かせてくれて、今日はわたしを早朝シフトから外してくれた。
でも、A36sが6時すぎに起こしてくれた☆
ありがとう!



………。



今日は軽いタウンランの日。
ポールとヘレナが、ゲストのスティーブンをアラートベイまで送り、
わたしたちの食料の買い出しをしてくれる。

そして帰りに、新しいアシスタントのソニア(ドイツ)を連れてくるらしい。

この機会にCPもメンバー交代!
オーリーがCPに派遣され、ゆみちゃんがラボに戻ってくる。
CPはオーリーとケイティの新人ふたりでがんばってもらうことになった。

今日の夜には帰ってくるというのに、今さらゆみちゃんにみつぎ物を。
去年チェキで撮った、桃ちゃんとエヴァンの愉快なツーショット写真が、なぞにわたしの荷物から出てきたので、ゆみちゃんに送りつけてあげた。
喜んだのかしらね。


ところで、北から戻ってきたA36sの3兄弟は、なんとA12と一緒にいた。
ばあちゃんってば…昨日はA30sもろもろとずっと一緒だったのに、
夜、みんなと一緒に東には行かなかったみたい。

ウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に戻ってきたA36sを、西のブリンクホーン沖まで迎えに行くと、4頭は東へと方向を変えた。

A36sが気にしていた北のようすはどうだったんだろう。
昨日のごたごたがウソみたいに、ジョンストン海峡にいるときは、当たり前のように4頭いっしょ。ばあちゃんは特に三男坊のA46がお気に入りみたいで、今日も仲良くラビングを楽しんでいた。

A46ってば、絶対ばあちゃんに鮭とってもらってるよねw
オルカは食べものをわけあうことが有名。
特にオスは甘えん坊なので、自分でたくさん鮭を捕まえられるにもかかわらず、
おっさんになってもお母さんに鮭をわけてもらっている。

このマザコンめが☆

10年以上も前に本当のお母さんが亡くなったとき、
A46はまだ少年だったから、今いっぱい甘えられてうれしいんだろうな。

6時ころ、ポールとヘレナが、ソニアとゆみちゃんを連れて帰ってきた。
わたしたちの食べものもやってきた!


てかソニア可愛すぎるんですけど。
野生児(わたしたち)の中にぽつり舞い降りた天使。
波乱だ。


ポールは満ち潮のうちにジューン・コーブを海岸まで運転してきた。
明日の朝になれば潮が引いて、ボートが陸に残される。
コケやフジツボのついた船底をクリーニングするという、わたしたちのもっとも苦手とする仕事だ-!

オルカたちは、今日も1日ジョンストン海峡を行ったり来たりしていたが、
みんなと別れたA36sとA12は、7時半ころオルカラボの前にやってきた。


三兄弟の真ん中に、守られるようにしてA12
四頭揃って、北の海へと進んで行った
09080802.jpg

09080801.jpg



タウンランの日であるにも関わらず、ヘレナがディナーを作ってくれた。
今日の話題は、過去に30人もアシスタントがいた年のディナー時のこと。

アシスタント30人、ツアー客15人、そしてポール、ヘレナ、アナ、カート。
お客さんがいるときは、50人ぶんのディナーをヘレナは作っていた。
洗い物も50人ぶん…。
「私も若かったのよ」
とヘレナは笑っていたけれど、大変だったのはその量ではなく、
ベジタリアンや自然食、魚を食べる人、肉を好む人、全ての人に対応できるディナーを毎日作らなければならなかったことだそうだ!
ヘレナは、基本同じメニューは2日続けて出さない。
残り物すら味を変えて出す人だし、その当時はコールのわかる人が他にいなかったから、ヘレナは夜通し、どのオルカが鳴いているのかログブックに書いていたはずだ。
どんなに大変だったろう…。

感慨深い夜に、オルカたちの鳴き声。
ジョンストン海峡に残ったA30s、A4s、A5sは、今日もロブソンバイトとラビングビーチの間でしばらく遊んで、美しいコールを聞かせてくれた。
2009-08-09 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月7日

今朝も午前6時からのシフト。
バッテリ残量を確認し、ジェネレーターのエンジンをかけ、
ラボのデッキにスコープを並べていると、スピーカーからA5コールが聞こえてきた。

すばらしい時間に東から戻ってきてくれた。
ありがとう☆


うみぼうz…
いや、ジョーイか。
09080701.jpg


午前9時にオーリーと交代。
森の木の上では、2羽のカワセミが狂ったように鳴いて、追いかけあっていた。
いつも海の上でちょこっとしか鳴かないのに、いったいどうしたんだろ。

今日は完全に鳥の日だった。
オオアオサギが飛んできたし、シノリガモの兄弟は2羽から3羽に増えていた。
咲は4羽もの手下(子ども?)を連れてきていた。
その中にジロ吉を発見して、わたしはとても嬉しかった。
毎年子どもを連れてくる咲だけど、子どもは次のシーズンまで生きられないのか、別のテリトリーを探すのか、いつのまにかどこかへ行ってしまうから。


ていうか
今気付いたけど、ジロ吉って福井の焼き鳥屋さんよね。
まったく何て名前つけちゃったのかしら。


長いこと見てると、小さな鳥でも、顔や体型や声が違うのがわかってくる。
人間の識別能力って凄いなあ…と思った。
目は、慣れるようになるものなんだな-。


マップルームの窓の向こうから
わたしの仕事を見守る咲(ストーカー)
09080703.jpg


オルカたちはいつものようにジョンストン海峡を行ったり来たり。
びっくりすることが、ひとつだけあった。

ハッスルばあちゃんA12が、東からみんなと一緒に戻ってきたのだ。
誰も知らないうちにひとりでジョンストンに戻り、みんなと合流していたらしい。

新しい息子たちが恋しくなって北に行ったのに、北で何やら任務遂行中のA36sに
「ばあちゃん、ジョンストン海峡でみんなと一緒に待ってなさい!!」
とでも言われて、叱られたんだろうか。

A12もA36sも、ジョンストン海峡を仕切るA1ポッド。
A1は代々、夏のお祭り「スーパーポッド」を開催してきた。

ある日なんの前触れもなく、散り散りばらばらに生活しているはずのオルカが100頭以上、いっせいにジョンストン海峡に集まるスーパーポッドの日。
ほかの群れを呼び寄せ、連れてくるのはいつもA1ポッドだ。
A1ポッドが100頭以上の群れの先頭と最後尾について、全体の流れを見守る。
オルカの社会性を知らない人にとっては、全くもって不思議な光景だろう。

いくら歳をとって、いくらまわりに家族がいなくても、
きっとA12はまだまだ現役でいたいんだろうな。
でもきっとA36sのほうは、ばあちゃんを遠くへ連れ回すのが心配なんだ。

ばあちゃんの娘家族、A34sは今、いったいどこで何をしているんだろう。
はるか遠い北にサーモンの豊富な場所があり、そこで他の群れと共にA34sも確認されているらしい。そのまま、その群れたちを連れてきてくれるだろうか。
68歳のばあちゃんを、信頼できる仲間がたくさんいる、安全なジョンストン海峡に連れてきてから、自分たちの用事を済ませに消え去るあたりはさすがだと思うけど。

ってか
もうひとつのA1ポッドであるA30sの立場っていったい………。
最近食って寝るだけで、まったくA1らしい仕事してないんですけど(´Д`;)

嵐にでもならなきゃ、彼らと仲良しのI15sも流れてこないしなぁ。
嵐か…。

今日のディナーは窯焼きのピザ!!ポールの大好物だ。
ひとつはトマトとオリープ、もうひとつはチーズとオニオンだった。最高-☆
興奮しすぎて写真を撮るのも忘れてしまった!

今日も1日ジョンストン海峡でゆっくりしたオルカたちは、
夜になってラビングを楽しみ、東へと進んで行った。
2009-08-09 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月6日

A30s、A4s、A5sはロブソンバイトで大騒ぎ!
日付が変わってまもなくのこと。

ファォ~ン…。
ファ~…。


(゚Д゚)


えっ
トランジェント?


トランジェントの鳴き声はFIの水中マイクからで、
大騒ぎしているレジデントたちのエリアからは離れていた。
でも、あまりにも水中マイクに近くて、はっきりとしたそのコールにびっくり。
エコロケーションまで聞こえたし!
トランジェントのエコロケーションはずいぶんソフトなんだなぁ-

魚を 食べるレジデントたちとは違い、トランジェントのごはんは哺乳類。
えものに気づかれないようにするためあまり鳴かないし、鳴いても遠くまでコールは届かない。
エコロケーションの音も小さければ、ブローの音まで小さい。
そもそも、呼吸しにあがってくる回数すら少ない。

ぺちゃくちゃうるさいレジデントが海を通過すれば、そっとまわり道して進路を譲る。
まったく関わることはない。
哺乳類を狩る獰猛さ、すごい運動能力と洞察力を持っているはずだけど、
なんかこじんまりと生きているんだなぁと思ってしまった 。

オーリーとクロモンに寝てもらうため、わたしとポールとヘレナとで夜通し録音!
オルカたち休むことなく、元気に朝まで鳴き続けた。


おなかのお肉が足の上に乗る鳥なんて…
09080601.jpg

朝になって、A36sが群れを抜けて北へ向かっていった。
結局、昨夜はばあちゃんA12と一緒に東に向かう目撃報告があったのに、
またA12をみんなに託し、三兄弟だけで行ってしまった。

寝なおして、目が覚めて、オーリーと一緒にご飯。
ポールがハナを連れて町に発った。
ゲストのスティーブンを迎えに行くのと、ハナは病院へ行くため。
数日休んだからハナはもう回復して「なおった」と言ってるのだけど、
島では何かあったときすぐ対処できないからと、ポールが無理やり連れて行った。

えと…
実は数日間おなかを壊していただけらしいんだけどw
これだけ大げさに扱われるので、もし自分が体調をくずしてもなかなかポールとヘレナには言えない…。

夜中に大騒ぎしたので、オルカたちは1日中おとなしかった。
横一列に並んで、レスティング・ラインでゆっくりと潮に乗ってジョンストン海峡を往復した。

ラボに戻るとヘレナが来て「トランジェントがウエストパスに向かっているらしいわ」と教えてくれた。
きっと夜中に鳴いてたトランジェントだ。
一生懸命スコープを構えて待っていたけど、結局ラボのほうに来ることはなかった。

日中はまたしてもオーリーとクレモンがふたりで録音とその他の仕事を全部してくれたので、
ディナー時のシフトはわたしにやらせて下さい!と交代。

と、
突然、PIの水中マイクからコールが聞こえてきた。
1頭?
通常の鳴き方じゃないけど、この言い回しは…

ヘレナに伝えに行く。
キッチンのスピーカーから聞こえてきたコールで2人して同じことを言った。
「A12!」

ばあちゃんは、すぐにラボの前にやってきた。
ひとりでとても焦り、とても急いでいる様子だった。
オルカラボの前でふたつ、みっつ変なコールを出すと、
とても68歳のオルカとは思えないような速度で、北へと突進していった。

09080604.jpg


北には…
そう、A36sの三兄弟。
彼らは夕方にリザード・ポイント沖で目撃されていた。まあ、すぐ行ける距離だ。
ばあちゃんは北に出ると、今度は普通の鳴き方でまた、ふたつ、みっつコールを出した。
そして…北の海は、静かになった。

ジョンストン海峡に残ったほうの群れは実にうるさかった!
A30s、A4s、A5sはゆっくりとロブソンバイトに向かい、たくさん魚を食べた。

昨日も今日も、ほんとオルカたち鳴きすぎじゃない?
こんな何時間も全力で叫んでいて、疲れたりしないんだろうかとみんなで話していると、ヘレナがこう言った。

「これが彼らの本来の姿なのよ。昔、研究が始まった当初、サーモンがいっぱいいて、ボートの騒音が少なかったころみたい。仲間に囲まれ、食べ物に恵まれ、イキイキしているオルカたちの姿ね」

ここ数年、当たり前のようにボートノイズの中のかすかなコールを聞いていた。
いつもそんなだったから気づかなかったけど、オルカたちにとっては年々生きづらくなっていたはずだ。
海上の交通が混み合っていて、鮭も壊滅状態だった去年は特に。

幸か不幸か…
原油が値上がりしたおかげなのか、景気が悪いからか、今年はボートの量が減った。
特に(ガイドラインを知らずに、勝手にオルカを追い回す可能性のある)レジャーボートやスポーツフィッシングボートが、とても減った。そして、鮭の量も昨年よりはずいぶんましになった。

夜通し鳴かれて寝られなくても、
イキイキしてるオルカたちのコールを聞けるのはしあわせだなと思った。

ゲストのスティーブンは、ずっとビクトリア大学でラボのデータの整理をデジタル化してくれていたんだけど、
現地に来たのは初めてだったので、とても興奮していた。
二日ぶりのメインハウスでのディナー!
ヘレナのレモンメレンゲ・パイはやっぱり絶品だった☆
これのために飛行機代払っても惜しくないくらい。

ろくそくの灯りでデザートタイム
09080602.jpg


オルカたちは、今日はわたしたちに少しの睡眠時間をプレゼントしてくれた。
ラビングビーチで遊び、そのまま水中マイクのエリア外へ…東へと進んでいった。
2009-08-08 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月5日

午前3時。
シフトのために下に降りると、グリーンハウスにオーリーがいて
「コールがないから寝られるよ」
と言ってくれた。

オーリーだって寝られたはずなのに、コールで起きる自信がないので、
自分のシフトの間じゅうずっと起きていたらしい。

とりあえずトイレ行ってから寝なおそうと思ったら、真夜中なのにジェネレーターのエンジンがかかっている。

ラボに戻るとポールが来て
「バッテリ残量が少なかったから、あと30分ジェネレーターをまわしてから止めてね」とのこと。

30分待って、ジェネレーターを止める。
さあ寝なおそうと思ったら、コール。
はいはい。

コールの主はA36sだった。
昨日、A12をみんなに託してまで北の海へ何かを確認しに行ったのに、結局何もなかったんだろうか、彼らだけで戻ってきてしまった。

6時にクロモンと交代。
鳴き続けるオルカたちに、オーリーもクロモンもへとへとになっていた。
日中はわたしがマップルームに軟禁されていてあまり録音に入れないので、オーリーとクロモンは交代で録音し、空き時間にまき割りや流木運びや、ディナーの準備をしていた。

これで眠る時間が確保されていれば平気だったのだろうけど、
ここのところオルカたちは夜もずっと鳴き続けていた。

というわけで、急遽へレナが
「今日はわたしが録音するから、自分のために時間を使いなさい」
と言ってくれた。
デイオフをもらったオーリーとクロモンはハイキングへ!
時間のないわたしにはデイオフなんて適用されない。

ちょっとだけ昼寝をさせてもらったけど、
やっぱり今日もマップルームでパソコンの中のスペクトログラムとにらめっこ…。

ラボのデータのアーカイビングをしている、ビクトリア大学のスティーブンが明日にはもう来てしまうので、急いでデータを仕上げなくちゃいけない。

最近ラボの前にずっとザトウクジラさんがいます
09080501.jpg


CPから連れ戻されたハナは、今日もゲストハウスで休んでいる。
明日になっても体調が戻らなければ、病院に連れて行かれるらしい。

ひと息つこう、と思ってコーヒーをいれにキャンプキッチンへ行くと、七夕の飾りが目に入った。去年のがそのままになってる。
近づいて自分の願いを読んでみると、実は「むりだろ」と思っていた10個くらいの願いのほとんどが、1年の時を経てなんとなく叶っていることにびっくりした。
叶っていなかったのは「moreベイビーで、no missingがいいです」と書いた、no missingの部分くらいだった。
おそるべしハンソン島の七夕。


ヘレナがずっと録音してくれていたため、もちろんディナーはなし!
オーリーが早く寝にいってしまったので、今日は自分でトマトのオイルパスタを作ってクロモンと世間話をしながら食べた。

クロモンは常日頃から、今年の秋に16歳になるリオの状態に、いたく感激している様子だった。
ふつう大型犬というのは10歳ちょっとしか生きられないものだけど、リオは現在でも自分で好きなように歩き回ることができ、目も見えているし、構ってほしがるけどボケたりもしていない。
階段だって登れるし、楽しくなると大きな身体を揺らして走ろうとしたりもする。

そういや、以前オルカラボで飼っていた猫のイバは、20歳近くまで生きたはず。
よく考えれば、ポールだって70歳にもなってダイビングしたり木に登ったりしてるけど、普通に考えたらとんでもない話だ。
長生きしたい人は、ハンソン島に住むことをおすすめします。

リーオ♪
09080502.jpg


A36sは東から戻ってきたみんなと合流して1日ジョンストン海峡にいたが、7時過ぎに姿が見えなくなった。
今度は、A12も一緒にいなくなった。

他のオルカたちは、シティカ川を登る鮭にえらい興奮していた。
ものすごいコールの嵐は、ひと晩中止まることがなかった。
2009-08-07 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月4日

オルカたちはほとんど休むヒマなく一晩中大騒ぎ。
おかげで、6時からの早朝シフトだったのにあんまり寝られなかった。

眠い目をこすり、録音。
A4sがラビングビーチにいるみたいだった。
ヘレナに知らせようと思って、ヘッドフォンを置いてラボの外に出る。
すると…。

ブホオオオオオオオオッ。


ん?(・д・)


音の先には、海に沈む大きな背びれ。
あ、そう…。


「オーーーーールカーーーーーーーー!!!!」


わたしのシャウトを聞いてヘレナが「オーケー!!」とメインハウスの中から返事。
続いて、ゲストハウスにいるアンドリューや、テントで寝ているアシスタントにも知らせるため、ポールがもう一度オルカー!!と森に向かって叫ぶ。

全くコールを出さずにオルカラボの前に現れたのは…
スコープなんて、いらなかった。
大きなみっつの背びれと、彼らに寄り添う小さな背びれひとつ。
A36sの3兄弟と、ハッスルばあちゃんA12だ。

彼らは、もっのすごく急いでいた。
デッキで寝ていたケイティが完全に目覚めるよりも早く、北の海へと進んで行った。


シフト中のオーリー
09080401.jpg



午前8時すぎ、アンドリューがポールに送られて島を発った。
結局、今年もギター弾いてもらえなかったな…。
あの、意味不明で粋な言葉のひとつひとつが、またしばらく聞けないかと思うと残念でたまらない!

CPにいたハナが体調をくずし、オルカラボに連れ戻された。
かわりにケイティがCPへ、ゆみちゃんと共に1週間がんばることになった。

ハナは休養するので…
ラボに残されたアシスタントは、わたし、オーリー、クロモンの3人。

これではさすがに昼シフトに入らないわけにはいかない。
なんか、やっぱりアシスタント少ないな…。
桃子がいれば(´;ω;`)


あれっ
見慣れたシルエット!
09080402.jpg



夕方、北にいたA12とA36sは、ある決断をした。

A12はA36sと別れて、ひとりで強い引き潮に逆らってオルカラボの前を通過し、ジョンストン海峡にいたA30s、A4s、A5sと合流した。
ばあちゃんを仲間に託したA36sは「じゃあ、行ってくるね」とばかりに少し鳴き、遠い北へと進んでいってしまった。

北では、実はある家族が目撃されていた。
この世でたった2頭のWs。

女の子が生まれなかったばかりに、この先、消滅することが確定しているWs。
残念ながら、弟のほうのW5は行方不明になってしまった。
こないだ目撃されて、結局こちらに来ることのなかったオスとメス1頭ずつの群れというのは、Wsの親子だったらしい。
A36sは彼らを連れに行ったのか、それとも、彼らだけでなくもっと…なのか、それともただ北の様子を見に行ったんだろうか。
3兄弟がとなりにいないA12は、ちょっと寂しそうに見えた。

しかし、今年68歳のA12。
息子も亡くなり、娘家族もどこかに行ってるのに、
この歳にしてこの行動力と食欲、さらにめちゃくちゃ社交的だ。
お母さんが死ぬと自分も死んでしまうオスたちと同じ動物とは思えない。
なんて強い精神力を持ったオルカなんだろう。
ジョンストン海峡をまとめるには、これだけのパワーがないとだめなのか。

ゲストが帰ったこともあり、ヘレナは休息、つまり今日のディナーはなし。
わたしが録音している間に、オーリーがハムと玉ねぎのリゾットを作ってくれた。


なんか今日の月赤いんですけど。
09080405.jpg


赤い月のもと、オルカたちはとても興奮したコールを出しながら、ロブソンバイトでたっぷり鮭を食べ、ラビングビーチへ。
順番にラビングを楽しみ、東へと進んで行った。
2009-08-05 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月3日

監獄にカンヅメになっている身分とはいえ、アシスタントの数が少ないので、わたしにもシフトがある。ただし1日1回、それも早朝のみ。
今日のシフトは午前6時から8時という、いちばんいい時間。

20分後、コールが聞こえてきた。A36sとA12だ。
この4頭はどれだけ気が合うんやろ。

午前9時過ぎに彼らはウェイントン・パスへ向かい、10時前にはオルカラボの北へ出て、11時くらいに4頭きれいに並んでラボの前にやってきた。

仲いいなぁ。
もしかしたら、ずっと一緒に泳いでいるから「家族だ」と思われていたオルカたちの中にも、こんな例があったかもしれない。

たとえば、A11sとスプリンガーみたいに。
たとえば、自分にも赤ちゃんが生まれたばかりだったのに、みなしごの赤ちゃんを引き取って双子のように育てたI15みたいに。

オルカにもいろんな性格がある。
一緒にいて居心地がいいとか、放っておけないからとか、
人間と変わらないような感情もきっとある。

ここ数年、A6が亡くなってからというもの、さっぱり他の群れを連れてこられないA30sに代わって、ハッスルばあちゃんA12と、真面目な3兄弟A36sはジョンストン海峡を守るためにがんばっていた。
常に他の群れを気にかけ、招き入れ、オルカたちのお祭りスーパーポッドを開催し、伝統を守ってきた。
きっと同じ志を持って、きっと誰よりもジョンストン海峡を愛してる4頭なんだろう。
だから、気が合うんだろう。

呼吸のタイミングすら合わせるA12とA36s
a36a12.jpg


彼らがジョンストン海峡に消えてまもなく、A30sもラボの前に現れた。
まいごのおっさんだったA39が先頭にたって、ずっと遅れてA38と女子供たち。
たくさんのホエールウオッチングボートたちが、しかし一定の距離を保って、その後を追って行った。

午後からはいつものようにわたしはDATテープと格闘。
今日はBサブクランばかり聞いていて、頭の中がはち切れそうになった。
日中も冷え込むからか、なかなか体調も回復しないので、夕方に少しお昼寝。

ラボの前の海では鮭がたくさん跳ねていた。
ヘレナに伝えに行くと「横に跳ねるのは、人間が食べるほうの鮭、紅鮭なのよ」と言われた。でも、紅鮭が増えているのなら、きっとオルカが食べる方のスプリングサーモンも去年よりはマシなはず。
もう、去年みたいにガリガリのオルカたちは見たくない。

ディナー前、ピンク色の空にぼんやりと月が浮かんでいた。
09080304.jpg


手をケガして何針か縫うためにハンソン島を留守にしていた大工さんのカートが帰ってきた!!
無事だったようで安心☆
ゲストのアンドリューにとっては今夜がハンソン島最後の夜。
わたしたちはグラスウォーターで乾杯して別れを惜しんだ。

オルカたちはこのまま東へ行ってくれるかな、とちょこっと期待したけれど、東の水中マイクのエリア外に出るどころか、ずっと東に行っていたA5sまで戻ってくることとなってしまった!

いい月、スピーカーからオルカたちのコールが森じゅうに響いていた。
いい夜だった。

日本でもカナダでもずっと音に包まれてるなぁ。

looking at the same moonlight as you do.
09080305.jpg
2009-08-05 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop

8月2日

オルカたちは一晩中鳴き続けた。
わたしのシフトは午前3時から午前6時。
明るくなる空を見つめ、6時にオーリーと交代し、寝袋に戻ってぐっすり寝ていたら、9時過ぎにヘレナがわたしを起こしにきた。

「トモコ急いで。スプリンガーがA24sと一緒にいるのよ、
 いまラボの前を通過している」

(゜д゜)?

寝起きだからか、ヘレナの言ってる意味がさっぱりわからない。
とりあえず急かされて、上着もなしに外に出る。

スコープを覗きなさいと言われたが、時すでに遅し。
オルカたちは北へと進み、わたしたちの視界から消えて行った。

デジスコで写真を撮ろうと試みるケイティ
09080201.jpg

いったい、いつから…?
あんなに特徴的だった鳴き声も、成長と共に聞き分けるのが困難になった。
A24sは明るい時にオルカラボの前を通過していなかったので、今日ヘレナがスプリンガーを発見するまで、誰もこのことに気付かなかったらしい。

スピーカーから聞こえてきたオルカたちのコールを聞いて、ようやく目が覚めてきた。

…目が覚めてきても、信じられない。

スプリンガーは確かにちょこっと変わったオルカだ。
赤ちゃんの身でお母さんを亡くし、いろんなオルカたちのもとを渡り歩いた。
ジョンストン海峡のオルカたちは、みんな彼女の友達だ。
まるでドアラなみにフリーダムなスプリンガー。
何をやっても、誰と一緒にいても、おかしくはないのだけど…。

まさか、まさか、A24sとは!!
わたしたちは驚きを隠せなかった。
A24sは、スプリンガーを捨てた張本人、実のおばあちゃんだからだ。

2000年生まれのスプリンガー。
2001年に亡くなった母親と共に行方不明になった。
2002年、アメリカでひとりぼっちでいるところを発見され、人間の手でジョンストン海峡に戻された。
お母さんは亡くなったけど、おばあちゃんのA24は生きていた。
スプリンガーはA12s、A35s、A36s、A51sなどさまざまなオルカたちに保護されたが、本来の家族であるA24sに戻ることはできず、最終的におばあちゃんの姉であるA11sに落ち着いた。
もう7年も前のこと。

7年間の時を経て、いったいスプリンガーとA24に何があったんだろう。

そして、この先ずっとA24sと一緒にいるのか、それともまた、育ての親であるA11sに戻るのかも、きっと当のスプリンガーにしかわからない。
ただ、これだけは言える。
オルカの群れのリーダーは母親であり、母親が亡くなったとき、娘が群れのリーダーとなる。幼い身でお母さんを亡くしたスプリンガーは、自分ひとりが属する群れのリーダーなので、自分の思うがままに、気の向くままに、誰と一緒にいても自由なのだ。


ラボの外から見たわたしの「監獄」の窓!
09080202.jpg


晴れるけど肌寒い日々。
午後になって、ずっとA36sと一緒にいたA12の姿が見かけられなくなった。
そしてかわりに、北のマルコム島沖で、オス1頭とメス1頭がオルカラボの方に進んでいる、というレポートが入って来た。

わたしたちは「I2sだろうか」とか、「A24sの中に、スプリンガーと一緒にA56も混じっていて、A11とA13が向かって来ているんだ」とか、いろいろ可能性を考えたけれど、目撃報告では背びれにキズのないオスということだった。

突然いなくなったA12のこともあり、わたしたちはA33が生きて戻ってきたのではないかとわずかな希望を胸に抱いてみたりもしたが、結局コールは聞こえてこないままブラックニー・パスは暗くなった。
トランジェントだったのかもしれない。

夜、ディナーを終えて皿洗いの時、ミュージシャンのアンドリューが即興で「オルカに出逢ったアンドリューのうた」を披露してくれた。
わたしたちはお腹を抱えて笑ったが、即興のわりにはさすがプロフェッショナル、メロディもよく、歌詞には韻まで踏んであった。
彼の本職はギタリスト。
去年わたしが借りていたアナのギターがどこかにあるはずだから、島にいるうちに何か弾いてもらわないと!

今夜のA36sはA12がいなかったためか、非常にA36sっぽく振る舞った。
彼らは数時間おきにコールを出し、また再び黙り、わたしたちの睡眠を妨害したうえに、テープにコールすら残させないという驚異的な能力を発揮してくれた。
2009-08-04 : オルカ : コメント : 1 :
Pagetop

8月1日

8月初日!

午前6時半ころ、オルカたちが水中マイクのエリアに戻ってきた。
8時まで録音して、オーリーと交代すると、オルカたちがラボの前に現れた。
とはいっても、霧の中。
視界ゼロのブラックにー・パスに、呼吸音だけが響いていた。

少し風邪気味だったのもあって長めに眠りなおして、目がさめると、大量の洗濯物が目の前のデッキに干されていた。
昨日のタウンランのとき、街の乾燥機で乾かしてこなかったらしい。

さわやか☆
洗濯物を干すヘレナとケイティ
090801.jpg

女性陣がこんなさわやか仕事をしている間に、ポールとゲストのアンドリューは森の中の水源に登り、ぎりぎりだった水の出を何とかしてくれた。
そして、水源の近くに生えていた立派なシャントレール(きのこ)をつんできてくれた。

引き続き監獄に閉じ込められているわたしは、1日じゅうDATテープと格闘。
誰かが「オルカー!!」と叫ぶまで、ジョンストン海峡にいるオルカたちの動きすら、よく把握していなかった。
A5sはおきまりの東へ。A24sはいつものようになぞのマイペースっぷり。
A36s&A12、そしてA30sはオルカラボのほうへ進んできた。
家族揃ってゆっくりと北へ進むA30sは美しかった。

今となってはまいごのおっさん事件もうそみたい
09080102.jpg

ディナー前、A30sは家族揃って休んだまま、北から戻ってきた。
彼らは再びゆっくりゆっくりオルカラボの前を通過すると、ジョンストン海峡へ戻って行った。

最近、リオがよくまとわりついてきて、吠える。
自分の行きたい方向に一緒に歩いてほしいらしい。
年を取ると、犬もかまって欲しがるみたい。
残念ながら、しつけの方針から、吠える犬は無視することしかできないので、そのまま去るのだけど、やっぱり寂しそうだ。
こんなに顔が真っ白になるまでいっぱい頑張って生きてきたんだから、って、年寄りはつい甘やかしたくなってしまう。

ディナーのデザートとして、オーリーがベルギーから持って来たチョコレートを提供してくれた。現地では安いものらしいけど、日本ではバレンタインの時くらいしか食べられない上質のプラリネ。
あまりの美味しさに涙…。
いつかヨーロッパ食べ歩きしたいな。

A30sはジョンストン海峡でA24sと合流。
A36s(とA12?)はウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に入った。
いつものオルカたちの、いつもの動き。
わたしたちはこのときまだ、このいつもの状況の中に、とっておきのサプライズが隠されていることに気がつかなかった。

オルカたちはひと晩中鳴き続け、わたしたちは眠れぬ夜を過ごした。
2009-08-03 : オルカ : コメント : 2 :
Pagetop

7月31日

今日もハンソン島周辺にいるのはA30sと、A36s&A12。
A4sとA5sは東に行ってしまった。

わたしの「監獄」から見える海
09073102.jpg

朝早くから、ポールとヘレナがタウンランで出かけてしまった。
みんなの買い物と洗濯をし、友人のアンドリューを迎えに行き、3人でまた別の友人の誕生会に行ってレストランで食事をするらしい。
帰国するタティアナも一緒に島を出た。

「私たちだけレストランに行って、罪悪感を感じるわ」とヘレナは、島に残るアシスタントのために、前日の夜のうちにマカロニ&チーズを焼いてくれた。

わたしは今日はマップルームでテープを聞きつつ、ヘレナがいないので定期的にラボにも降りてオルカたちの動きのチェック。
新人アシスタントたちは、さすが1ヶ月もたっているから、録音作業は任せておいても大丈夫。教えることがあまりなくて楽ちんだ。

では、今年のアシスタントの紹介を。

オーリーfromベルギー、25歳女性。
クロモンfromフランス、22歳男性。
ケイティfromアラスカ、19歳女性。
ケイティは去年アシスタントだったディビッドのクラスメートだ。

そしてオーストリアからハナ、彼女はリピーターで、2006年のアシスタント。
兵庫からゆみちゃん
アーンド、わたし。

今日帰国したタティアナの前にもうひとり、家族の病気で島を離れた人がいたらしい。
ゆみちゃんとハナがCPに派遣されているので、ラボに残されたのは4人。

いい天気の日だった。
でもわたしたちには雨が必要だな…。

メインハウスを任されていたケイティが、マカロニ&チーズを薪ストープで温めてくれた。オーリーがラボで録音していたので、たった3人の夕食。

でもおいしかった☆
09073101.jpg

夜になってA4sとA5sが東から戻ってきた。
彼らはロブソンバイト沖にいたA30s、A36s&A12と出会い、共に西へと向かってきた。

午後10時半、すっかり暗くなってから、ポールとヘレナ、そしてふたりの友人で、この島ではおなじみのゲスト、アンドリューが戻ってきた。

ずっと録音していたわたしは、日付がかわるまえにようやくケイティに交代してもらって、マップルームのベッドに戻った。
すると、階下から「トモコー」とわたしを呼ぶ声がする。

「アンドリュー!」
感動の再会!!\(^o^)/

飛びついてハグ、と思ったら、アンドリューは両手に何かを持っていてハグができない。
何を持ってるんだと懐中電灯で照らしてみると…


両手に2リットルの牛乳パック。


「なっ、なんで両手にミルク?」
と尋ねると、
「何故だかは、わからない…。
でもおかげで僕は、幼き日々を思い出すのだ。」

アンドリューだーーーーーーーーーーー!!!!!!
\(^o^)/

それ以上ツッコミを入れても手応えがないのはわかっていたので、そこは素直におやすみを言ってゲストハウスに戻ってもらう。

オルカたちはいっせいにラボのほうに近づいてくると、
ゆっくり、ゆっくりと北へと向かって行った。
水中マイクから何も聞こえなくなったとき、時刻はすでに午前2時をまわっていた。
2009-08-02 : オルカ : コメント : 0 :
Pagetop
ホーム  次のページ »

プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
メールはこちら

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。