夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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8月23日

ためこんでしまって適当になってきた日記の続きでございます。
午前12時、というか正確にいうと日付がかわるまえに2回コールを聴いて起きたんだけど、そのときシフトに入ってた人(…。)がコールに気づかずに、シフトを終えたと思ってテントに戻ってしまいました。
あ~~わ~~~。


零時過ぎにもう1回鳴かれたので仕方なく起きてレコーディング開始。
こういうことは多々あります。
ヘレナ(この仕事30年)とわたし(12年)だけに聞こえて、他の人には聞こえないというコール。


…んなものあるわけないやんっ!!!
単にいつも耳を澄ませているかいないかの問題ですね。
しかも明日はみんなが楽しみにしていた小旅行の日だったから、罪のない他の人はできるだけ起こしたくない。何とか4時間近く耐えて、あとは任せて力尽きる…。
オルカさんたちはずーっと鳴き続けました。

午前9時、チャーターボートのナオミWがわたしたちを迎えに来た。
2006年のアシスタントであり、すっかりこのエリアが気に入ってこっちに別荘を購入しちゃったちょっとお金持ちなイギリス人、パットが船をチャーターしてわたしたちオルカラボアシスタントを小旅行に連れ出してくれるのです!
しかもここ数年、毎年のようにです!
ありがとうパットー!!

出発する前、ヘレナに「わたしだけでもラボに残ったほうがいい?」って聞いたんだけど、ヘレナは
「何言ってるの、去年はあなたは行けなかったんだし(CPでひとりでお留守番でした)私がラボの管理はできるから行ってらっしゃい」
って遠慮なく送り出してくれて、涙出そうだった。
ありがとうヘレナー!!


オルカのいるところに行ったら仕事になってしまうので、そこからはちょっと離れてナオミWは北に進み、小さな島々の間、美しいインレットへ。
大興奮のわたしたち。
特に日本人気質なわたしとPちゃんは、エコーベイに着くまでひたすら飽きもせずに双眼鏡でいろんなものを覗くばかりだった。
岩の上にあざらしがいたり、海岸の木にハクトウワシが止まってたりしていろいろ発見できて楽しいのです。


エコーベイは小さな島々の間にある小さなリゾート。
研究者のアレクサンドラ・モートンさんの拠点であることでも有名ですね。
でもあまりにも小さいからリゾートと言っていいのかわかんないや。

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その島にあるものはとにかく全てがかわいくて美しすぎて、わたしとノルウェンとPちゃんはずーっと
「うわーお!」
と叫ぶばかり。
2年前に来たときはずっと港にいたから、こんなにお花や緑に囲まれてて、古い木のおうちがある美しい場所だなんて知らなかったのです。
すっかり惚れ込んでしまいました…。

も  は  や  住  み  た  い


ロープにぶらさがって揺れてみたり。
橋を渡って森へ探検に出てみたり。
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入り江も森の小川も建物も、全てがうつくしすぎる!!
ほんと住みたいー!!

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ハンソン島もいいんだけど、オルカラボにしてもウォーラスんとこにしても、こっちはなんか海岸も建物も森も男くさいよね(笑)
エコーベイはうってかわって童話の世界みたいでした。


あっというまに遊びの時間は終わり。
午後4時、わたしたちはオルカラボに帰って仕事に戻りました。
寝不足なのは間違いないけど本当に楽しかったから行って後悔はないや。


しかも今夜はメインハウスでのディナーはない予定だったのに、カートが魚を釣ったおかげで急遽ディナー有りになりました。
ぷるぷるお肉の天然サーモン!!
こんなにおいしい鮭を毎日食べるのに慣れちゃって、日本に帰ったときの食生活が心配です。
まあ北陸は日本海の白身魚がおいしいからいいけどね(とことん福井自慢)。


その後もオルカたちはずっと水中マイクのエリアを往復しつづけて、やっぱり夜の間ずっとわたしは違う群れのコールが聞こえるたびに起きてラボに入ったり、ヘレナに報告しに行ったり、自分で録音したり。
睡眠不足が解消されることはありませんでしたとさ。


でも、なんて贅沢な寝不足なんだろうな。
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2010-08-26 : オルカ : コメント : 2 :
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8月22日

午前3時のコール。
…アシスタント殺しのA30sさんたち、おはようございます。


とはいっても夜中はほかのアシスタントは起こさないと起きないし、みんな新人ちゃんでコールの違いもわからないから、死ぬのはわたしとヘレナくらいなんだけどね~
戻ってきたのはA30sとA24s、そしてA5sの最近仲良し軍団。
お願い寝かせて…と思ったけどこの瞬間からオルカたちは、水中マイクのエリア外に出ることはありませんでした。


急に忙しくなったしみんながレコーディングできないおかげで、DAT少しも進んでません。
このぶんじゃまた来年に持ち越しだ…しくしく。
ネットもつながらないし。
(言い訳がましいけど更新おくれてごめんなさい)


でもまあ忙しくなったのでDATは出来ないって割り切ってしまえば、そのぶんラボの仕事ができるので怒られることはない。
そんな今日の鳥はなんだろ、海う的なやつ。
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しかし今日の鳥とかってよく続くね。
ねた切れにならないのが不思議です。
最近ジョンストン海峡で、このエリアではまれなパフィン(ツノメドリ)の目撃例があったらしく、こっちに来ないかしら来るかしらとワクワクが止まりません。


午前11時まえ。
北に残っていたA12sA36sI15sとなぞGクランはオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ。
すべての家族がごちゃまぜになっていたため、またしても個体識別できず…。
むこう岸側の傷のない背びれの識別なんてむりですよ…。
専門家のわたしらですらへたばってるもの。
「神様」グレアム・エリスにでも登場してもらわないと。


オルカさんたちはジョンストン海峡で8時間ぶりの再会に大喜びしていました。
なんて大げさで愛すべき生き物なんだ。


この日はオリビエとノルウェンのフランス人ふたりがCP送り。
でもきっちり教えといたおかげで個体識別までこなし、無線ログもちゃんととったみたいで安心しました。
今年のアシスタントは基本的にマジメで、人がいいですね。
毎年こういう人たちが集まればいいのに。


オルカは基本的に行ったり来たりでした。
忙しくて何も覚えてなく、レポートも適当になってきました(やばいね)。
とりあえず日付が変わる前にいったんコールが聞こえなくなったので、わたしは安心して…寝ようかと…(つづく)。

2010-08-26 : オルカ : コメント : 0 :
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8月21日

ぐっすり寝られるかと思いきや突然のCP行き(半日だけね)を言い渡され、あわただしく準備した午前中。
RBの水中マイクからコールが聞こえてきました。
きのうずーっと東のエリア外にいたA12sとA36sですがなー
おかえりなさい♪(最愛の群れなら寝不足だろうがいくらでも…←えこひいき)


実は今年、隣の島にあるオルカラボの観測ポイント「CP」は使ってなかったんですよね。
純粋に人が足りなくて。


わたしがオリビエ(おそらくいちばんマジメ)に仕事を教え、翌日オリビエがノルウェンに教えて、ノルウェンがPちゃんに…っていう感じでCPをまわすようなことを言われたんだけど、初日の今日は、なんと1ヵ月以上ぶりのシリアスな雨。

もしオルカがいなかったら今日はびしょぬれでデッキにも出られないし、あんな狭いところでオリビエ(超~いい人だけど、女の子かっ!てくらい話が長い)と半日おしゃべりか…。
そういやこの間は忙しい時に、視力どれくらい?ってつい軽い気持ちで質問してしまったばかりに、メガネについて30分以上語られたんだった。
わたしは裸眼なのでメガネのことは全くわかりませんが…新しい知識をありがとうございます。


そんなおっそろしくどうでもいい不安を抱えてCPへGO!!


でも到着した瞬間、ポールはCPにわたしをちょこんと残して、オリビエを連れてボートでラビングビーチの水中マイクの修理に行ってしまいました。
ざあざあ雨の降るデッキにスコープを出し、濡れないようにゴミ袋を改造してスコープ服を作ってあげて、傘を片手にぶるぶる震えながらあちこち覗いていたら、西と東からオルカが近づいてきた。
向こう岸(3キロくらいある)ぞいに。

あらまー
( ゚д゚)


もうひとつミゼラブルな条件を上乗せするとすれば、CPの水中マイクが壊れてることですね。
コールが聞こえないし、何にせよ遠いので個体識別もままならない。

でも「どれだけ遠くてもオルカが目の前にいるのは素晴らしいことだ!日本じゃ見られないんだから…」とおまじないのように繰り返し、スコープと格闘しながらがんばってノートをとりました(前向きな努力)。
しかし個体識別できないので満足感ゼロ。
わたし、これ役にたってるのかしら…。


ハクトウワシが何か捕まえましたわね。
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全てのオルカが東に行ってしまってからポールとオリビエは戻って来た。
何はともあれラビングビーチの水中マイクの音質が向上して本当によかったです。
オリビエは「ご飯を炊くけど食べる?」と言って、パスタをゆでるときみたいに大量のお湯に米を投入し、おかゆを炊きました。


ランチはおかゆ(しょう油味)。


CPについてからオルカたちの姿はいちども視界から消えず、ジョンストン海峡を行ったりきたり。
忙しかったおかげでオリビエも話を世間話にそらすことなくまじめに仕事を覚え、1日を終えることができました!!
雨が降って寒くて、後半は霧で視界もとぼしかったけど、オルカづけのいい1日だったと言えるでしょう。

ハッスルばあちゃんA12の元気な写真もとれたし♪
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ラボに帰って平和と思われたDINNER時。
霧の中に消えたと思われたオルカたちがブラックニー・パスへと入ってきた。
50頭オーバーのオルカたちが薄暗い中、むこう岸沿いを北へ…しかも後半は霧も一緒にブラックニー・パスに入ってくる始末。
なぜなのか、個体識別できなかったら疲れも倍増するんですね。
この日でよく実感しました。

コールで他の群れはみんなわかったけど、なぞのGクランのオルカたちについては今日もわからず。
オルカたちは暗闇の中北へと進んでいった。
2010-08-26 : オルカ : コメント : 3 :
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8月20日

更新遅れてごめんなさい!

おかげさまで睡眠時間も危ういような忙しい夏に変わってまいりました。


夜中にA8sが単独で北から戻って来たので、ろくに寝られなかったつぎの朝。

今日はタウンランの日でポール、ヘレナ、ノルウェンの3人がボートで40分の島へ買い出し&お洗濯へ。
例のごとくわたしはメインハウスに閉じ込められて電話番と無線番~。
しかも今回はオルカがたくさんいるので他ステーションと絶え間なく情報やりとりをして、メインハウスのスピーカーでコールを聞いて、動きがあったらラボへ走って…。


をくり返したので一瞬、現実逃避をするダメな人。
(たまに水中マイク以外の音も聞きたくなるよね)
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ジョンストン海峡のオルカたち(A30s、A24s、A5sとなぞのGクラン)は1日中ジョンストン海峡をうろうろ。
しかもトランジェントまで出現したりして。

ポールもヘレナもいない日にこれなので、またしてもアワアワでした。
そう、Video killed the Radio starのようにアッワアーワ。
あっこの曲ってばSKALAPPER(福井が誇るバンド!)の、以前のSEでしたね。
福井のスターは元気にツアー回っておられるんですかね?


現実逃避はそこまでにして。


暗くなる前にようやくポールとヘレナは帰ってきて、ほぼ倒れているわたしのもとに小包が届きました。
毎年のように来てくださっていたサウンドバムのさなえさんからお手紙つきで。
疲れ果てていたのもあって本当にうれしくてリアルに涙がでました。
ありがとうございます!!


そんなアワアワな今日の1羽はー
キクイタダキさんだ!
ミニミニのまんまるちゃん。
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体力的にもう限界だったけど、日付が変わる前にPIの水中マイクからコールが聞こえてきた。
オルカがこっちに向かってきてる。
やっかいなことに北へ向かうグループとジョンストン海峡に残るグループにわかれてしまい、4つの水中マイクからコールが聞こえている状態になったので、わたしは左右からノルウェンとPちゃんに「何かほしいものない?毛布?マフラー?」と励まされ、チョコレートクリームを塗ったビスケットを口に突っ込まれながら、ふらふらとレコーディングを続けました。はふー。

午前2時をまわって何とか寝袋にもぐりこんだけど、実はこの翌日「CP行き」という大仕事が待っていた!!
2010-08-26 : オルカ : コメント : 6 :
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8月19日

平和な午前7時。
ふとスピーカーから遠い遠いA1コールを聞いたような気がした。
ラボへ行くとシフト中のPちゃん…ヘッドフォンをちゃんとつけてるけど、録音開始していない。

空耳だったのかなー
「A30sオンFIな気がしたから、FIの音量は下げないでね」
A30sなんて遠い北のどこかで目撃されたきりだ。
全くもって根拠のない予想を口に出してわたしはラボを去る。

マップルームに戻って数分して…わー本当にコール!!
と思ったらラビングビーチの水中マイクでしたっ。ちゃんちゃん。
東から戻って来た「A12sのご一行」でした。
コールが聞こえる前触れは当たったから良しとしましょう。


コールが聞こえているし、ご機嫌で仕事の準備をしていたら、お出かけの格好をしたヘレナがラボにやってきた。
「ポールと私はしばらくCPに行って来るから、ラボのことは任せたからね」

うひゃー
Σ(゚д゚lll)


いつもこういう時に限ってなんか起こる気がするけど、行くって言っちゃってるものは仕方がない。
恐怖のおるすばん…。

東からはA12s、A36s、A23s、A24s、A25s、I15sっていう巨大な群れがクレイクロフト島ぞいにCPのほうへ向かってきている。
オフィシャルな個体識別写真を撮っているジェレッド・タワーズさんがまだ今年I15sを撮影できていないらしく、ポールとヘレナは撮影のヘルプもかねてCPへ行ってしまった。
オルカの背びれは成長したり波打ったり新しい傷ができたりで毎年変わっていくから、常に研究者どうし力をあわせてのアップデートが必要なんですね。

オルカたちCPのほうに来るかなぁーって思って鳴き声を聞いていたら…


ん?
また空耳かしら…?


北の水中マイクからコールが聞こえてきた!!
新しい群れ…よりによってポールとヘレナがいないときに!!
でも次の瞬間、わたしはいすから転げ落ちそうになりました。


「A30s‐‐‐‐‐‐‐‐‐っっ!!」


本当にFIの水中マイクからA30sのコールが聞こえてきちゃった!
彼らはGクランIポッドのオルカたちと一緒で、徐々にオルカラボのほうへ近づいてきた。
コールでどのGIポッドのオルカなのかわからなかったのがちょっと問題で、わたしはメインハウスに走ってCPにいるポールとヘレナに無線連絡してみたけど、電波のぐあいが悪いのか返事がないのでクリフのマリーに電話。
マリーに無線でポールとヘレナに連絡してもらうという大変めんどくさい手段をとり、またラボに駆け戻ってコールを確認して、Pちゃんとノルウェンにデッキに監視に出てもらって…。


もうアワアワ。
ポールとヘレナがいないときに、コールで誰かわからなかったオルカが来ることのなにがそんなに大変なのかって、今年はオルカがあまりいなかったからアシスタントたちはオルカに接する機会が少なくて、個体識別できないんです。
動画や写真集でいっぱい練習してもらったけど、「オスが何頭、メスが何頭、子どもが…」って数えるくらいが精一杯。
本物を見ないと、写真と角度が変わったりしたらまるで別のオルカに見えたりするから。


そのうちオルカが現れたけど、ひとりではズームレンズで数頭追いかけるのが精一杯、しかも特徴あるのは全部A30sのオルカだし…。
他のアシスタントのみんなはきっちり場所を確認し、全体の数を数えて、ノートに記録をとってくれました。
ただしA30sと一緒にいるのがI11sかI31sか、やっぱりわたしたちにはわからなかった。
数が少なすぎるし、オスがいないし、傷のあるオルカも見つけられなかった。
どっちの群れであるにしても一部しかいないってこと?


A30sを見るウオッチングボート「トゥアン」
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CPにいるポールとヘレナがこの群れの個体識別をしてくれることを祈ったけど、このA30sと混ざった群れはジョンストン海峡に入ったとたん、他の群れに会うためにCPとは逆の西へ向かっちゃったそうです。そして向こう岸がわに渡り、ようやく東へ。


全てが落ち着いてへたっているところにようやくポールとヘレナが戻って来た。
「久しぶりにオルカが見られて良かったわ!遅くなっちゃったから今日のディナーはスパゲティだけどいいかしら?」
もちろんです。
あ、そういえばすごく久しぶりにオルカ見たんだった…。


ここ最近ノルウェンの目の調子がよくない。
なんかアレルギーで腫れているのは間違いないので、ラボの2階のマットとふとんを全部運び出し、マスクをしてほうきで叩きました。
ダニとかほこりとか古いウレタンマットのくずとか舞っておそろしかったです。

あっ、ちなみに今日のTシャツはF.I.B「TO HOPE」
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マスクをしたにもかかわらず、わたしもばっちり反応して後にぴゅーっと鼻血が。
何がいたんだろう、あのマット…(ヘレナの指示によりこのマットたちは引退なさるそうです)


みんなでパスタにがっついていたディナー時。
ジェレッドから電話がかかってきた。

「I15sと一緒にいた群れのうちの1頭はI68かもしれない。ただし、やっぱり1頭だった」

なんか来た時からなんとなく噂には聞いてたけど。
I31sのI68は、今まで自分の赤ちゃんと、兄のI46と一緒に過ごしていた。
でも自分の赤ちゃんが亡くなって、そして兄のI46は…最近具合が悪いみたいでした。

I46…かっこいいオスだったんだけどな。


今日も木々のすきまから月がのぞいていてうつくしかった。
でも写真に撮ったらおそろしくなりました。
こうもり出そうだ。
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2010-08-26 : オルカ : コメント : 2 :
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8月18日

こんなのひっさしぶり。
ロブソンバイトで魚を捕っているオルカたちのうつくしいコールを聞きながらわたしはウキウキ。
午前3時過ぎにポールが熱いお茶を持ってきてくれて、午前4時過ぎにヘレナが交代してくれました。

ラビングビーチの広?いレンジのせいで、かわいそうにヘレナは自ら午前6時までかすかに聞こえるコールを録音…。
でもこういう「何がおこるかわからない日」は、コールがわかる人が録音するしかない。


 泳いだ後のぬれミンクはのっぺりしてへんな顔。
(しげるではありません)
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海がいったん静かになったと思ったそんな午前10時。
ヘレナと交代してから、遠いコールを聞いても目が覚めないように寝袋に深くもぐりこんで寝ていたわたしは、あるコールを聞いて飛び起きた!!


こ~っちよん。



うひゃー。
ほら、何がおこるかわからない!!
メインハウスでそれを聞いたヘレナもパジャマ姿のまま走ってきて、ゲストハウスにいたマリーもすぐに気づいてラボに来た。
声の主は、みんな大好き「泳がない省エネオルカ」I15sだ?!!

「でもI15sはもはや省エネ軍団とは言えないわ。I15とI41が死んでから、みんな率先して泳ぐようになったもの」
ヘレナの言葉にみんな大笑い!

そういえば、いつも水面に浮かんで潮の流れに流されるだけだったI15sは、最近よく泳いでる姿を目撃されるようになった。
でも去年の時点ではまだけっこう浮かんでること多かったけどね…。

代表例をヘレナが話してくれた。
あるボートが北のブラックフィッシュ・サウンドでI15sを見ていたらしい。
そしてそのボートはいったんI15sを離れ、ウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に入り、しばらくジョンストン海峡を眺めてからまたウェイントン・パスを通過して北に戻ったのだそうです(どのボートかわかんないけど、とんぼ返りでもしない限り2~3時間は費やしていたでしょう)。
そしたらI15sはまだ全く同じ場所で浮かんでたんですって。
オルカにあるまじき行動。

行動もおもしろければ鳴き声もおもしろいI15sは、今日は泳いでジョンストン海峡を東へと進み、消えていった。


そういえば、ラットは知能犯でした。
午前8時にPちゃんが確認したときはまだチーズはあったから「今夜は来なかったんだね」って思ってたのに、
午前10時、ねずみとりからは見事にチーズだけが消えていた。
まさかの日中の決行。
勝てるのか、人間。

 巨大なねずみとり。
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今日のディナーはサーモンのグラタン!
こないだカートが釣ったやつの残りだけど。
今日は1匹も釣れなかったそうです。
ブラックニー・パスが鮭で埋まってたあの日は一瞬の夢だったんでしょうか。

そんなディナーの席にて
わたし「ノルウェン、パンとってください」
ノルウェン「どうぞ」
わたし「ありがとう」
ノルウェン「どういたしまして」

ふつうに日本語での会話ができます。
ひらがなも書ける(もう「読める」の段階は通り越しました)し、全く知らなかった言語なのに2ヶ月でここまでになりますか!
ってか、この島に何しに来たんだノルウェン。笑
来日検討中。


半月からおもちのようにぷっくりふくれた感じの月が見える予定だったんだけど、木々の隙間からもれる光しか見えなかった。
今夜も長くなると大変だからと、みんなそれぞれ早めに寝床につきました。
2010-08-20 : オルカ : コメント : 0 :
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8月17日

冷え込むなぁと思ったら霧の朝。
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午前5時半、とつぜんオルカたちが鳴き始めて飛び起きてレコーディングスタート。
ほんとうはその前にコールらしきものを聞いたような気がして目が覚めたんだけど、しばらく待ってても次が聞こえなかったので、夢だったと思って寝なおしてしまったのでした。反省?。


お昼前にお客さんが来た。
アラートベイ(近っ)在住のジュディさん。
働くわけではないけど、わたしたちと同じようにテントを張って5日間の滞在なんですって。
施設を案内して、ラボの説明をして、スプリンガーや、フリーウィリーのケイコや、そのほかオルカのことをいろいろ聞かれたので答えた。
質問に答えながら「ん?わたしコール以外にもけっこうオルカのこと知ってるなぁ…」と思いました!笑

オルカいなさすぎてこの島に何をしに来たのかすっかり忘れてた。
クリフのマリーですらも、今年オルカを見てなさすぎて「オルカってどんな形だったかしら」とか言い始めてたし。


午後、東に行ってたA23s、A24s、A25sたちが戻ってきた。
今年のラビングビーチの水中マイクのエリアはとても広くて、遠い東のナカクリーク周辺の音まで拾うことができるのです。
超便利っ。
エリアが広いということは、そのぶんボートノイズも聞こえるということになるけど(^_^;)


ボートでハンソン島にちょっと立ち寄った夫婦のわんちゃんがライフジャケットを着ていました。森を走り回れるようなワイルドなわんこじゃなかったけど(笑)
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わんちゃんたちが帰って、ヘレナと「犬が必要だね…」って話した。
願わくばジャックラッセルテリア。
ラット撲滅。
でもこの辺の人たちは基本、どこかで生まれた犬をもらってくるのが普通です。
タイミングよくどこかで生まれてないかな?。未来のオルカラボの犬。


そのラット対策はとうとう新しい段階へ。
ポールがどこからか巨大なねずみとりを入手してきていたのですが、とうとう今夜、チーズを仕掛けて待つことになりました。
あ??、おバカな田中ちゃんたちやミンクのしげるやステラーカケスたちが捕まりませんように。


今日の鳥は…たぶんcrossbillの若い子。
日本名はイスカかしら。
くちばしの先が交差したおもしろい小鳥さんです。
松の葉っぱにつかまってよく足の裏痛くないよねー
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ディナーはカートが釣ってきて料理してくれた紅サケだった!!
現在、このエリアは完全に紅サケ天国(パラダイス)です。

ディナー終わって片付けも終わって、おやすみを言ってメインハウスをはなれたそのとき。
森のスピーカーからコールが聞こえてきた。
ジョンストン海峡にいるのはA23s、A24s、A25sの3家族。
でもこれは、このコールはその群れのコールじゃない。


「A36sっっっーーーーーーーーーーーー!!」


暗い森の中を駆け抜け、ディアー・ネットをくぐり、また張りなおして、あらためてラボに走る。
シフト中だったオリビエに「FIの水中マイクから?」と聞いている間に、Pちゃんやマリーやヘレナが次々とラボに集まってきた。
ヘッドフォンをつけると、聞こえてきたのはA36sの兄弟と、ジョンストン海峡の番長、A12sのコール。
あーもう!
夏真っ盛りのこのシーズンに、半月もどこ行ってたんですか?!笑


休暇に来ているはずのマリーは相当なオルカ不足だったらしく、即働きモードになって凍えるようなデッキへ。  
でも暗闇の中、海から聞こえてきたブローは予想に反して北へと向かっていきました。
もともとジョンストン海峡にいたA23s、A24s、A25sが、戻って来たA36sとA12sに会いに行ったんですね。


なんか動きが複雑になってきたので、夜中のレコーディングはわたしとヘレナでやることに決定。
他のアシスタントにはみんな寝に行ってもらって、録音の席についた。


A12sプラスの「ご一行(あ、この呼び方久しぶり)」はオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ向かっていった。
午前3時のコールがあまりにも美しくて、半分ずつやるっていったのにわたしはなかなかヘレナを起こしにいけなかった。

ブラックニー・パスにオルカ。
流れ星のかわりに「海の流れ星」サーモンに願ったけど、叶っちゃったよ。
かんじんの「明るいときに」っていうのがまた抜けてたけど、サーモンが願いを叶えてくれたにしては上出来でしょう。

オルカブログらしくなってきました。
こないだまではただの無人島日記だったのに(笑)
2010-08-19 : オルカ : コメント : 0 :
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8月16日

ちらかす田中。
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A23s、A24s、A25sの仲良し3家族はいったんオルカラボの前を通過して北に出たものの、すぐにハンソン島のまわりをぐるりと左廻りしてウェイントン・パス経由でジョンストン海峡へ逆戻り?。
そのまま東へと進み、ラビングビーチの砂利でジャラッとひとこすりだけして水中マイクのエリアから出て行った。


ひっさしぶりにオールナイトで録音!!
こういうのに慣れていない今年の新人ちゃんたちは「夜通しオルカが鳴いた…」って寝不足でげっそりしていたけど、なぜか睡眠時間が少なくなったのにイキイキしているわたし。オルカの動きが読める感じも戻ってきたし、やっぱりハンソン島の夏はこうでないとね。


あっ、ぐうぜんみんな色違いおそろいのiPodだ。
(わたしのはおもに鳥の鳴き声を録音・固体識別するのに活躍中です…)
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そうなんです。
鳥も1羽ごとに鳴き声が違うんですよ。
今年のステラーカケスなんてみんな太ってるから、鳴き声のほうがはっきり誰かわかるし。


午後、いつものように仕事に熱中していたら(本当に終わる気がしない…)、ヘレナが
「ちょっとひと息入れていいからデッキに出てきなさい。海がたいへんなことになってるわよ」
と言いに来た。


パソコンを閉じて下へ降りていくと…


目の前の海が揺れている。
まるでちっさいイルカのようにかわるがわるバシャバシャと水面に出てくる銀色のもの…
さっ、サーーーーーーーモン!?
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それは紅ザケの大群だった!!
今年は紅ザケの量はとても多いと聞いていたけど、深くもぐるとされる紅ザケ(で、いいんですよね?)が水面に押し出されるくらいにいっぱいいるなんて…なんてこった。
でも残念なことにこのサケは人間が食べておいしいサケであって、オルカが好むサケじゃない。
こんなにたくさんいるのに…。


そういや昨日は流れ星に祈らなかった。
でも水面から飛び出るキラキラとした銀色のサーモンは、海の流れ星みたいでした。
そこでわたしたちは「ブラックニーパスにオルカ!!」と、サーモンに祈りました。

サーモンの大群は数時間かけてブラックニー・パスを通過、ジョンストン海峡へ。


さて、昨日の優雅なゲストは朝帰っちゃったんだけど、夕方待ちに待ったお客さんがオルカラボに来てくれた!!
ザ・クリフで監視してるマリーさん☆
オルカライブを見てる人は知ってると思うけど、冬の間ポールとヘレナがアラートベイで過ごした間、オルカラボの留守番をしていてくれた人。

ロブソンバイト生態保護区はガイドラインで守られていて、ボートが保護区に入らないように、またオルカに近づきすぎないようにストレイトウオッチ(ゾディアックボート)とクリフ(崖)で監視してるんだけど、マリーは何がすごいかって、まだクリフ担当始めて数年なのにすごく目がよくてめちゃくちゃ固体識別信用できる人なのね。
今年ポールとヘレナが留守の間も、なにかあればわたしはマリーに電話して情報交換してもらって、とってもお世話になった。


今日はメインハウスでのディナーはなかったけど、ヘレナに昨日の残り物を大量にもらったので、マリーがゲストハウスにアシスタントを招いてくれてみんなでキャッキャ言いながらごはん食べました。
久しぶりに会ったから話もはずんで超??楽しかった!


オルカたちは水中マイクのエリアに戻ってきたけどまた暗くなる前に東に戻ってしまった。
お星様も今日は空がくもりぎみで少なかった。
夜光虫を見たくて遅くまで起きているつもりだったけど、前日あまり寝ていなかったからかすぐに眠くなってしまいました。
2010-08-19 : オルカ : コメント : 2 :
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8月15日

わおわお。朝焼け。
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午前5時前。
コールで飛び起きて録音開始。
こんなの久しぶりだったから凄く眠かったけど、オルカがいるのといないのとではぜんぜん気分が違うのね。
オリビエにレコーディング任せて、スピーカーが聞こえてくるオルカのコールにうきうきしながら電力チェック。
ジェネレーター始動させて、ひと息ついて、空を見たらこんなでした。
毎日違う色。


昨日来るはずだったゲストは、今日ようやくやってきた。
ハンソン島に似合わないセレブのようなひらひらとした服を着て、優雅に歩いていたからびっくりしちゃった。
ポールが昔から知ってる自然保護団体の人の娘さんご一行らしく、少しお話したらしゃべり方も優雅で緊張してしまいました…。
まわりも同じようなものだからすっかり忘れてたけど、都会のお嬢さんってのはこんなにおしとやかなんですね。
すっかり野生児な自分たちがはずかしいです。
いや、でもけっこう誇りを持って野生児ですw


昼間はオルカたちは東に行ってたので、わたしはもくもくと作業を進めた。
今日はすばらしいI11sの録音が見つかってルンルンです♪
I11sってあれだよ、背びれの先がふたつに割れたパンクな彼がいる群れね。
I64ね(話題ふっといて写真なし)。


東に行ったオルカたちを追って、オルカのID(個体識別)カタログの写真を撮っているジェレッド・タワーズさんは、ジョンストン海峡を下りヒッキーポイントへ。
そこで彼はあるものを目撃しました…。



ここでちょっとひと息入れてハミングバード。ちっさ。
わたしの指くらいの大きさしかないんですよ。
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ディナータイム。
20時半。オルカたちは東から戻ってきてラビングビーチの水中マイクからコールが聞こえてきた。
お皿を片付けてデザートの用意をしていたら、メインハウスの電話が鳴った。

「ありがとう、ありがとうジェレッド」
ポールとヘレナはちょっと涙もにじませるような感じで電話の向こうにお礼を言って、話を終えた。
ヘレナがわたしの方に向き直って、こう言った。

「A51に新しい赤ちゃんが生まれたみたいよ」



時をさかのぼって1997年。
お母さんが亡くなったとき、弟のA61はまだ3歳のこどもだった。
お姉ちゃんのA51はがんばってひとりで弟を育てました。
自らもすっかり大人になって恋をして、ようやく最初の赤ちゃんを授かったA51。
しかし流産か死産で赤ちゃんは亡くなってしまったのです。

2002年。そんなA51のもとに現れたのは、みなしごのスプリンガー。
血の繋がっていないその赤ちゃんを、A51は大事に大事に、2週間もの間守って、実の母親のように世話をしました。
スプリンガーが親戚のA11sに引き取られて、やがてA51にもまた赤ちゃんが宿りました。
今度の赤ちゃんは元気に生まれてきてくれて、彼女はほんとうのお母さんになった。
そして今年、2頭目の赤ちゃんが生まれました。

知ってる動物が子供を生んだだけなんだけど、いろんな経緯を見てきたからなんかほんとにうれしくて。
ちょっと涙ぐんでしまいました。


そのA51を含むA25s、A23sとA24sは揃ってロブソンバイトからすこしずつ西へ。
タイドテーブルで潮の流れを確認。
これはブラックニー・パスに来る流れだなと思って、ノルウェンがシフトについていたので、
「きっとオルカこっちに来るよ。零時くらいになったらPIの水中マイクからコールが聞こえてきてくると思うから、きたら教えてね」
と言い残して仮眠。
零時まえにわたしを起こしに来たノルウェンは「ほんとうにオルカ零時に来た!未来が読めるの?」と驚愕していたけど、
これは単に経験ですよ、経験(笑)


オルカたちはブラックニー・パスを通過して北へ向かっていった。
星空の下のブローの音はとても美しかった。
ゲストたちに聞かせてあげられて良かった!!


「明日オルカたちがブラックニー・パスを通りますように」
きのうお星様に願ったわたしたちの願い事は、ほとんど叶いました。
かんじんの「明るいときに」っていうのが抜けてたけど…。
2010-08-18 : オルカ : コメント : 4 :
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8月14日

朝、目の前の海に何かが浮いているのでスコープで覗いてみると、リラックスした5頭のトド。
メスだけで固まって40分もの間、水面に浮かんでいました。
女子会?
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朝からヘレナがゲストハウスのベッドメイキングをしていたので、お手伝いに。
ほかのアシスタントはまだ誰も起きてきてなかったからふたりで話しながら作業しました。

「へんな夏ねえ、トモコ。こんなにオルカがいないのって記憶にある?」
「99年が最悪の年で、7月末にオルカがいなくなって、8月半ばまで全く戻ってこなかったよ」
「ああ…そうだったわね。そしてその次の年の2000年にオルカライブが始まって、突然オルカたちがいっぱい来たのよね」

そっか…99年はオルカがいなかったけど、そういえば翌年はたくさん戻ってきたんだ。
今年は食べ物が少なくても、来年はオルカたちにとっていい年になるといいな。


完全にゲストハウスをぴかぴかにして準備したはいいけど、予定していたお客さんたちは来なくて、そのかわりにカヌーで近くまで来ていたポールの古くからの友人が遊びに来る事になりました。
ナチュラリストのブリストル・フォスターさん(名前は不確かです…)夫妻。
80代のおじいちゃんでしたが、この年でカヌーこいでふたりで旅してるなんてはんぱない。
さらにすごいのは、このエリアでオルカの研究を始めた故マイケル・ビッグさん、彼のアシスタントだったそうです…。


ぽわぽわ秋吉ボール
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午後、きのうお星様に願ったのがほんとうに叶って、北から新しいグループがやってきた!!
とはいってもおなじみのA24sとA25sでした。
それでもジョンストン海峡に3家族いるとさすがにけっこう鳴いてくれる。
スピーカーからコールが聞こえている。ゲストが来るからゲストハウスの準備をしている。
これこれ。これがハンソン島の夏です!!
今までは何だったんだ。
DATばかり聞いていてこんがらがっていた頭がようやく働き出したような気がしました。
もうたんまり仕事をもらってるから、オルカが来たら余計忙しくなるだけなんだけど(笑)


満ち潮になったのでノルウェンが「泳ぎたい!」と再び言い出した。
今度はポールにウエットスーツを借りて、水中カメラを持って撮影しながらのシュノーケリング。

ラボの前を泳いでいくノルウェン
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あとで水中カメラの映像を見せてもらったけど、海草やヒトデや小さな魚が太陽の光に揺れてすごくきれいだった!
でもびっくりしたのはウニが全くいなかったこと…。
ウニがいないからカモメのうにちゃんもなかなか戻ってこないんだ(何度か来てるけど、すぐにどこかに行ってしまう)。
ウニにもサイクルがあるんだろうか。
それとも…(心配)


フォスターさん夫妻を迎えてのディナーはおいしい紅ザケでした!
ほんと今年は紅サケはいっぱいいるんだよねー。
オルカは食べないけど…。


そしてデザートにはフレッシュブルーベリーのパイ。
甘さ控えめの生クリームをたっぷりかけて。
たおれそう。


今夜もきれいな星空でしたが昨日ほど流れ星は見えなかった。
オルカたちは日付が変わる前に東へと向かっていきました。


~おまけ~
今日のTシャツ:BONUS TRACK(金沢)
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2010-08-16 : オルカ : コメント : 0 :
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8月13日

朝からいい天気。
そりゃシーライオン(トド)もぶおぶお言うよね。
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今日はポールとヘレナの昔からの友人のリズさんが遊びに来るので、
ポールは引き潮の中、小さいほうのボート「カー」でアラートベイへ向かっていった。
アシスタントたちはヘレナに指示されながら本日は建物の窓みがき。
太陽の下、ゲストハウス、メインハウス、バスハウス、ラボ、全ての窓をぴかぴかにしました。
景色がきれい&太陽の光を取り込むために、ここの建物は窓が多いのです。


ってかパンづくり習ったり1日かけて窓みがいたり、オルカがいないからアシスタントたちはもう何やってるのか(笑)

でもオルカがいなくて時間がたっぷりあるはずなのに、わたしの仕事が増えていくのはなぜでしょう。
オルカがいない今のうちに「これも」「あっ、これもやっといてね!」なんてみるみる増えていきます。
でもギャラのディナーが半端なくおいしいので、がんばるしかありません。


ザトウクジラウオッチングをするウオッチングボート「ギクミ」
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午後。
キャンプキッチンでお茶を入れてラボに戻ろうとすると、森の中から男の人がふたり歩いてきた。
「わぁ~アキ!!」

森の上の仙人、ウォーラスの息子のアキと、遊びに来ていたアキのお友達のてつおさんでした。
ウォーラスのキャンプ「地球大使館」も近代化を図り、アキはたくさんのソーラーパネルを導入しました。
あそこを昔から知ってる人はきっと見にいったら驚愕します(笑)
水源から水をひいて、川が枯れなければ蛇口ひねればお水も出るし(昔はバケツで飲み水を汲みにいっていた)、
なんと今年から洗濯機まで導入!!
さらにはUSBのちっさいやつでインターネットまで使えるっていうんだから…。
ラボと違うのは、発電も食べ物も、基本的に自給自足ができることですね。
野菜を創っている広いガーデンがあるし、電気もソーラーパネルで発電したぶんしか使わないし。
息子がそばでいろいろやってくれてウォーラスうれしいだろうなぁ~。


アキが来たので、彼を赤ちゃんのころから知っているヘレナはとっても喜んでいた。
つもる話もあったけど、わたしらは上のキャンプでラットは出没しているのか、とても知りたかったのです!!


しかし答えは「ノー」でした。被害も目撃もないって。
ラットはまだ海岸線にしかいないみたい。ということは、きっと本当に上陸したばかりなんだ…。
そのうち上にも行ってしまうかもしれないけど…。

アキは「今度、釣りに連れて行ってあげるよー」といつものぽけーとした調子で言って森に帰ってゆきました。


ポールは町で郵便局にも寄ってきてくれたらしく、わたしには差し入れが届きました☆
お菓子の宝箱みたいになってた(笑)
くり、ありがとうー!!


A23sは水中マイクのエリアにちょこっと入ってきて、ロブソンバイトで遊んだりラビングビーチで遊んだり。
でもやっぱりひと家族だけなのであまり鳴きません。
ケルプホーン吹き足りないかな。


今日の1羽…アメリカンロビンさん。
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リズが来たのでディナーは豪華にサーモン(カートががんばって釣ってきた)!
お客様といえど身近なお友達なので、会話もリラックスムードでポールとヘレナも楽しそうでした。
ちなみにポールとヘレナは、リズのキッチンで出会ったそうですよ。
初耳。

デザートはアーモンドのケーキでしたが、これがおいしすぎて全員がうなり、わたしはめまいが。
このレシピは絶対に入手しなければ…。


オルカたちは東へ向かっていきました。
シフト中のオリビエが録音を終え、テープを巻き戻して、エンドボイスノートを入れているのをラボのデッキで聞きながら、わたしとPちゃんとノルウェンは流れ星を見ていました。

「あっ流れたー!」
「オルカオルカオルカ、昼間に、北から、新しいグループ」
「願うの間に合ったかな?」

流星群というよりは1分に1個ペースだったけど、綺麗だったし楽しかった。
オリビエは録音ボタンを押すのを忘れたらしく、ラボの中から二度目のエンドボイスノートが聞こえていました。
明日も晴れるかな。
いい1日になるといいな。
2010-08-15 : オルカ : コメント : 2 :
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8月12日

今日も元気に6時半起床。
夜の間忙しくなるかなーと思ってたけど、A23sは東に戻ってたようで、7時すぎにまた水中マイクのエリアに戻ってきてエコロケーションをはじめた。
ただ、ひと家族だけだからあまり鳴かないのね。
その後もほとんど1日じゅう静かに泳いでいた。


いつもの気持ちいい朝を迎えたはずが、今日のキャンプキッチンは騒然とした雰囲気に包まれていた。


ラットアタック。
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わたしたちはそれぞれ、大きなクーラーBOXをポールのところから借りて自分の食べ物を入れている。
保冷効果はないけど(笑)じゅうぶん寒いし、クーラーBOXなので動物たちにやられる心配もない…
と思っていたらこの惨状。

実は、昨夜は星がきれいだったので、(コールを聞いたら起きる役目の)わたし以外は全員ラボのデッキで星を見ながら寝ていたのです。
誰も森のテントにいない日の夜中を狙い、しかも軽いフタをしただけのゴミ箱には手をつけずに、食べ物の入ったクーラーを狙うなんてラットおそるべし。
Pちゃんとオリビエのクーラーが被害にあって、2人だけが共通して持っていたのはケチャップだけだったので
「アメリカンなラットだなー」とふたりは笑ってたけど、ヘレナは青ざめた。

「コンポストを閉鎖したから彼らも次の段階へ進んだのよ。人間のほうが頭がいいはずなんだから絶対に負けるわけにはいきません。いっそのこと金属のボックスに食べ物を入れてしまいましょうか。鉄のクーラーをかじって奴らの歯が折れてしまえばいいわ」

軽くおそろしいことを言ってヘレナは対策を練りにメインハウスへ…。。。


おそるべし外来種。
島の生態系が壊される前に人間も負けてしまいそうです。
そういえば日本ではハッカのにおいでねずみ撃退してるけど、こっちのペパーミントではにおいが弱くて効果あまりないなぁ…。
なんかいい方法ないかな。


柱の右と左で海の色がちがう!笑
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鳴かないA23sはジョンストン海峡をうろうろしました。
ウオッチングボートたちは喜んだろうけど、わたしたちは声も聞こえないのでオルカがいることすら忘れてしまいそうです。

今日の鳥はnuthatchさん
今年初めてハンソン島で見かけるようになったので、日本名はよくわかんないんだけど。
10センチくらいのとても小さな鳥さんで、ビー、ビー、ビーというアラーム的な不思議な声で鳴きます。
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今日のTシャツはF.I.Bの、去年の今頃発売されたやつ。
あれ?なんだ今日のTシャツって。
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午後は天気もいいしコールもないのでヘレナが「みんなでハイキングにでもいってらっしゃい」
といって送り出してくれたはいいんだけど、すでに午後4時近くだったので、ご近所、徒歩10分のクリフまでみんなでお出かけしました。

メインハウスでのディナーはなかったので、わたしはさっさと自分のごはんを終えて、ハイキングに出かけたぶんを取り戻そうと真っ暗になるまでDATを聞きまくりました。めずらしいコールが見つかってうれしかった!

A30sは北のパインアイランド沖で目撃されている。
どうにかしてこっちに来てくれないかなー
2010-08-14 : オルカ : コメント : 2 :
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8月11日

なぜか黒いミンク「しげる」 
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photo by Pちゃん。


ミンクたちはよく海岸で喧嘩しています。
なわばり争いですかね。
すっごい走るのはやい。あんなに足短いのに。


今朝も6時に起きてカメラ抱えて小鳥待ちしたけど、寒いし天気悪いし何もいないし。
でも、朝コーヒーをいれて、仕事をはじめるまでのこの時間がわたしの唯一のリラックスタイムなのです!

オルカがいないのでのんびりDATの仕事、といいたいところだけど、完全に1日が24時間では足りなくなってきた。
どうしよう。あと1ヵ月マップルームにこもってたところで絶対終わらない…。
本日も窓の外の咲ちゃんに癒されながらこつこつとテープを聴くのでした。


咲をただの人に慣れた野鳥じゃなく、友達だと思うようになったのはいつくらいからかなぁ。
でも数年前に忘れられない事件があった。

そのころわたしはマップルームではなくラボの2階で寝ていて、咲もよくそっちの窓に遊びに来ていた。
それでわたしがいない間に窓が開いていので、ちょっと中に入ってキョロキョロしていたらしい。
そこへ現れたのが、咲のことをよく知らない新人アシスタント(少し心を病んでいる人でした)。
「鳥が建物の中に入っているわーっ!!」
彼女は大声をあげて、開いた小窓ではなく、出口のない大きな天窓の隅に咲を追い詰め、手づかみで咲を捕らえようとした。
わたしが駆けつけた時は、咲はガラスの隅にぶつかって大きな口を開け、全身でハアハア言いながらバサバサ羽を動かしていた。
「やめてーーーー!!」
とりあえずそのアシスタントに出て行ってもらい、まだくちばしを大きく開けたままの咲に
「窓から出て」
と言うと、咲はひらりと小窓から飛んでいった。


ガラスにぶつかってバサバサ羽を動かしているときの咲の表情は、忘れたくても二度と忘れられない。
鳥でもあんな恐怖の表情をするんだ…と思った。
あんな怖い思いをしたのだから、もう咲は人間には近づかないだろう…と覚悟していたその翌日。


「ギャー、ギャー」
なーんの余韻も残さず、咲はいつものように、あいさつをしに小窓に現れたのです。


咲にとってはこの場所は危険な場所ではなく、長年住んできた場所。
わたしも「人間」というカテゴリわけをされていたわけではなく、長年知ってる生き物だと。
もちろん咲は、追い詰めたアシスタントのことは大嫌いになりました(笑)

それからかなぁ。
わたしも咲を「鳥」というカテゴリで見なくなったのは。

動物も人間も、差別、区別なくひとつの命だって考えるのは一見難しいかもしけないけど、実はとても簡単かもしれないよ。


オルカレポート。
北で目撃されてた群れはたいし動きなし。
ただし、東のA23sはケルシー・ベイ沖まで戻ってきたみたい。


ゲストのマイケルはコーヒーの達人で、エスプレッソマシンと一緒に旅をしているちょこっと変わったおじさんです。
そんなわけで今日のディナー後には、ヘレナの焼いたブルーベリーケーキと一緒においしいエスプレッソがふるまわれました!!
いつも日本から持ってきたインスタントコーヒーだったから(momoちゃんにもらったスタバのはとっくの昔になくなりました)超~うるおった。


いったんピンクになった空は、また下から青くなっていくのね。
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(カートのボートが消えているのは、枠外に流されただけですご心配なく笑)


暗くなって、エコロケーションがCRPTの水中マイクから聞こえてきた!!
ひっさしぶりのレコーディング。東から戻ってきたA23sですね。
声だけでも、やっぱりオルカがいる生活はいいなー

本日は満点の星空なり。
何をお願いしたのかはひみつ。

2010-08-13 : オルカ : コメント : 2 :
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8月10日

午前8時。
Pちゃんとポールが波打ち際までボートを運んでいた。
聞けば、ポールとヘレナが午前中いっぱいラビングビーチの水中マイクの修理に向かうのだという。
そういえば今日は引き潮の水位がめっちゃ低いんだ。
水中マイクを引っ張りだすのも楽ですね。


今日の鳥はシノリガモの兄弟さん。
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そんなわけで午前中はわたしはメインハウスで電話番。
勝手にギターを引っ張り出して遊びました。
聞こえてくる無線情報は、相変わらずザトウクジラやミンククジラ、クマなどなど。
A23sは引き続き東にいるみたい。


ポールとヘレナはお昼前に帰ってきた。
うつくしいハクトウワシの羽を1枚持って帰ってきました。

さてここからが忙しい。
今日はお泊まりするお客さんがいらっしゃるのです。
ヘレナの指示で、みんなで急いでゲストハウスを掃除する。
全ての食器を洗いなおし、冷蔵庫の中もふいて、カウンターを磨き、床を掃いてモップがけ、窓を磨いてくもの巣をとって…
ってけっこう時間がかかったのは今期ゲストハウスを使ってなかったからですね。
ゲストが入れ替わり立ち代りで来ていた年とかは、1週間ごとにやってたものだけど。
「恒例のゲストハウス掃除をシーズンはじめてやるのが8月に入ってからだなんて、なんか変な感じがしない?」
とヘレナは笑っていました。
今回のお客さんはプライベートゲストで、たったふたりなのでベッドメイキングも楽ちん。


ウォータータクシーで来たお客さんを出迎えて、荷物を運び込んで一息ついたらみんなはメインハウスに集められた。
ヘレナパン講座2回目、今回は三つ編みにしてある、たまごを使ったほんのり甘いパンです。
前回は基本を習ったので、今回は応用編ですね。


発酵を見守るアシスタントたち
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ぬるま湯にイースト、砂糖、塩、油、たまご、そして小麦粉。
まぜまぜしてしばらく待つ。
こねる。
しばらく待つ。
指示を受けながらほとんどの工程をみんなでやって、うつくしいパンができあがりました!!

キャー
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これ絶対日本でつくる。
超かんたんだし。


ディナーの準備をしていると、とうとうオルカの情報が入ってきた。
北のゴードンチャネル、スカーレットポイント、ヌマスアイランド沖でそれぞれオルカの群れが目撃されたみたいです。
固体識別はされていないようで、どの群れかわかんないところがまた楽しみですね。
今度はちゃんとこっちに向かって来てくれるかな?


咲ちゃんてば本当にいろんな表情をする小鳥さんなんですよね。
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すっかり鳥ブログになってしまったここがオルカブログに戻る日は来るのかしら。
ケルプホーン(a.k.aブブゼラ)を吹いて、こうご期待。

2010-08-12 : オルカ : コメント : 2 :
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8月9日

少しもやがかかってるけど晴れそうな予感の朝。
すっかり朝の日課、まき割り場のところでカメラを持って小鳥待ちをしていると、メインハウスのほうから

パシャッ。パシャパシャッ。

と、シャッターを切る音が…。
こっそり覗くと、反対側からポールもカメラを構えていた。
いい写真は撮れたのでしょうかね?


ダンシング・ハミンクバード
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オルカがいないので完全に鳥ブログと化しています。
あ、いつものことか。


今日もいい天気。
でも天気が良くてもオルカがいなくても(東にA23sいるけど)、聞かなきゃいけないテープの量は変わらないので、今日もマップルームにこもって半泣きになりながらたくさんのテープを聴きました。
ただし、オルカがいないと規則正しい生活でいられる。
あのめちゃくちゃな睡眠時間の生活のほうが、たまにはうれしい気もするけど。


最近、オルカラボの前の海にはミニミニざとうくじらのフレックルスちゃんがいます。
ほんとちっさくてカワイイ。
はじめて目撃したときオリビエは「巨大なイシイルカがいる!!」と言っていました。
巨大すぎるやろ(笑)

オルカがいないのでイシイルカもザトウクジラもブラックにー・パスでのびのびとしていらっしゃいます。
もちろんレジデントのオルカは、イルカもクジラもおそわないけど、少なくてもイシイルカさんたちはオルカのことが嫌いです。
声が大きくてうるさかったり、集団でうろうろしているからかなー
イルカたちのほうが、温厚なオルカをいじめたりしてるし。


美しく晴れて、午後には満ち潮になった。
海を見ていたノルウェンが
「泳ぎたいわ」
と言い出し、流木を浮き輪代わりにしてPちゃんと共に海の中へ…

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まだ8月だから海温も10度近くはあると思うけどね。
それでも外気温も低いからかなり寒い。
写真だけ見ると夏っぽいけど、Pちゃんのくちびるは紫色になっておりました(笑)

東にいるA23sは、今日はリップルポイントという場所で目撃された。
お母さんのA23さんリップルさんの名前のもとになった場所ですね。
この周辺やノダレスあたりには少々サーモンがいるらしくて、なかなかこっちに戻ってきてくれない。
サーモンがたくさんいた時代はこっちのエリアで100頭以上集まって楽しんでたものだけど、
オルカちにとっての食糧難の現在は、集まって楽しむ余裕なんてほとんどないんだろうなぁ…。


だけどわたしたちのディナーもサーモン。
昨日の残りの紅ザケ。
ほうれん草と、えびと一緒にカレーに入りました!!
本当においしいです。
おいしいからたくさん食べたいけど、世界中の人が欲望を押さえずに食べ続けたり環境破壊しつづけたら天然サーモンはいなくなっちゃうから、この先もずっと味わえるように守りつつ、たまにおいしさを味わえるといいですね。


「今日は流れ星が見えるはずだから空をしっかり見ておきなさいね」

とヘレナに言われて、わたしとPちゃんとノルウェンは長い間空を見つめていたけど、薄い雲がかかっていて流れ星は1個しか見えなかった。
しかも心の準備ができてなくて何のお願い事もできませんでした。

次に見たときは何を願えばいいかな。
シャワーのように流れ星降らないかな。
2010-08-11 : オルカ : コメント : 1 :
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8月8日

今朝も曇り空。
電力はどうかしらとボルテージをチェックして、キャンプキッチンの方へ歩いていくと、何やら口笛が聞こえてきた。
鉄腕アトム…。

キャンプキッチンにいたPちゃんに「朝からアトム?」と聞くと、
「力強くなれるような気がして…」と答えてくれました。
十万馬力。

それにしても秋吉はかわいいなぁー
お腹、去年の2倍くらいになってるけど。
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タウンランで洗ってきた洗濯物、昨日の夜サウナに干したけどまだ乾いてないし、まだ干してすらないのがひと袋ある。
ヘレナに「バスハウスのメインルームに干していい?」って言ったら
「いや、晴れるのを願って外に干しましょう」ですって。
Pちゃんとふたりでデッキの上に張ったロープに洗濯物を干して、サウナファイアのとこに座ってたらまたヘレナが来て

「今からハンソンアイランド・ブレッドを作るから作り方を見に来なさい。レシピを欲しがってたでしょう」

Pちゃんはあわててノルウェンを起こしに行って、わたしひとりでサウナの火を見てたらヘレナが
「トモコも来なさい。12年もいるんだから、この島のパンの作り方くらい知っておかないとね。とてもシンプルよ」
と無理やりわたしをメインハウスに連れて行きました。


すごく昔にレシピ書いてもらったんだけど、分量が書いてなくて、薪ストーブもないし、あきらめたんですよね。
ヘレナは陶器のボウルと、陶器のマグカップと、カレースプーンを用意しました。

「お気に入りのボウルと、お気に入りのカップと、お気に入りのスプーンであることが重要よ。そしてボウルに熱湯1杯、水2杯。触ってごらん、ちょうどいい温度のぬるま湯になるから。そこへブラウンシュガーとイースト。よく混ぜて、ボウルに布をかけて、暖かい場所にしばらく置いておきます。これで第1工程はおしまい。15分後にまたいらっしゃい」

分量が書いてなかったのは、ちゃんと計ってなかったからなんだ…。
「まわりの温度やイーストの具合で分量は変わるから、その日その日の感覚で増やしたり減らしたり、様子を見ながら作っていってね」
とヘレナは言いました。

その後わたしとPちゃんとノルウェンはひと工程ごとにメインハウスに戻り、作業を習い、生地をこねさせてもらって、オーブンに入るまでを見守りました。
ヘレナのお料理教室。超~楽しかった。
パンっておもしろいんだねー
水、ブラウンシュガー、イースト、小麦粉。あとオリーブオイルと塩少々。
みんながうなるハンソン島名物のあのパンは、たったこれだけの、計ってない材料からできてたのでした。


そこへポールが不思議な顔をしながら入ってきた。
ポール「ヘレナ、どうしてJストリーム(オルカライブを配信してくださっている日本の会社)のコバヤシさんに、パンの作り方なんかメールしたの?」
ヘレナ「いいえ、モモコのアドレスにレシピを送ったと思ったんだけど、モモコ、あなたの苗字は?」
Pちゃん「小林…です」

一通の間違いメール。
ハンソン島の名物パンの作り方、思わぬ形で日本上陸。


午後から晴れた!!!
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あまりにもいい天気でとても気持ちよかったので、たまにはマップルームの外に出ても叱られないだろうと、
わたしは率先して大量の洗濯物取り込んだり、空いた場所に濡れてるやつ干したりして日光を楽しんだ。
消毒のためにPちゃんと一緒にキャンプキッチンのお皿とナイフフォークも干していたら、そこへポールがやってきた。

「いま満ち潮だから、ボートをこいで沖に出て、この鮭の骨を捨ててきて」


渡されたボウルには、まだ身がいーっぱいついた紅鮭の骨と、カマ…。
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他のアシスタントならすぐに捨てに行ってただろうけど、日本人のわたしとPちゃんが揃ってるところに持ってきたのが悪かった。
わたしとPちゃんはそそくさとボウルをキャンプキッチンに運びました。
Pちゃんはスプーンで鮭の骨から身を全てそいで、カマから身をほじり出し、
わたしはフライパンにバターを溶かして、お皿いっぱいになった身をジューーーーッ。
クレイジーソルトをパッパッ。
黒コショウ。


うまっ。
衝撃的おいしさ。


自分たちのあまりもの意地汚さにおかしくてしょうがなかったけど、いちばんおいしい部分を黙って海に捨てられないよ!!
ぺろりと食べて、フライパンと食器を急いで洗って証拠隠滅。
ほんとうに全く食べられる部分がなくなった鮭の骨は、食後にちゃんとボートで沖に出て捨てに行きました。
「お魚さん、海に帰ってください。そしてまた戻ってきてね!」
ヘレナに習ったおまじないの言葉と一緒に、骨は海に沈んでいきました。


笑顔でボートをこぐPちゃん
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そんなわけで今日のディナーは紅鮭、
ハンソン島のパン、ブラウンライス、サラダ。
最高。


メールをチェックしていたポールが言いました。
「Jストリームのコバヤシさんは、パン作りに挑戦することにしたみたいだよ!」


オルカ情報を待っていたみなさん、ほんと情報がなくてごめんなさい。
A23sはまだ東に。
そして北からこっちへ向かっている群れが確認されたみたいです。
ジョンストン海峡の顔、別名アシスタント殺し、A30s。

2010-08-10 : オルカ : コメント : 4 :
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8月7日

午前5時45分。
人間がうなされてるみたいななんか変な音を聞いて飛び起きてレコーディングスタート。
ヘッドフォンをつけたけどすでに遅し。
録音できてないからスペクトログラムも見れないや。
なんだったんだろ。


窓の外を見ると、雨。久しぶりの本格的な雨。
なんか規則正しい生活になってるなぁと思ったら、オルカがいないからですね。
夜に寝られるというのはすばらしい。


今日はエミリーがカリフォルニアに帰ってしまうのでみんな早起き。
タウンランも兼ねているので、みんなそれぞれ食べ物のショッピングリストを書いて、洗濯物を袋につめて、
エミリーの荷物と一緒に小さいほうのボート「カー」に乗せた。
友達が帰っていくのはとてもさみしいです。
エミリーは本当の意味で動物が大好きで、知識も豊富でいろいろ行動にも移していたから、話してて楽しかったなー
また会えるといいな。

左からノルウェン、わたし、エミリー、オリビエ
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しばらくすると雨はやんだけど、今日も東に行ってるA23sは帰ってこない。
オルカがいない理由は完全にサーモンの量でしょう。
「オルカがサーモンを食べるから人間のぶんがなくなる」って怒る人もいるけど、
オルカはチャムサーモンやシュヌーク(キング)サーモンが好きなのであって、人間が好きな紅鮭やピンクサーモンは好んで食べないのです。


野生のサーモンがいる地域でむやみやたらにいけすを作って養殖する→
養殖所に寄生虫がわく→
寄生虫が野生サーモンの稚魚に移って稚魚が死んでしまう→
野生のサーモンが減る

こんな悪循環プラス温暖化の影響もあって、オルカが好きなチャムサーモンは、ここのエリアでは去年もゼロだったそうです。
何食べてるんだろうね、オルカたち…。
北とか東でちゃんとごはん食べられてるといいんだけど。


でもわたしはDATテープを聴きなおすので今日も忙しいのでした。
お昼からのシフトの時間が唯一の休息と言ってもいいかも。
ヘッドフォンをつけ、双眼鏡で今日も楽しく水鳥ウオッチングをしていると…。

ウオッチングボートのナイアッドエクスプローラ。


まっすぐにオルカラボのほうに向かってきたので、急いで外へ出る。
「何も聞いてないんだけど、どうしたのかしら」
と、ヘレナもデッキに出てきた。

満員のナイアッド、ふたりでスコープをのぞいて乗客の顔を見てみると…。

「エロディーっ!!」

1999年、そして2001年のアシスタントだったエロディーが乗っていました!!
夫と、1歳になった息子のリアムと一緒に。
「エロディーってば、全く変わってないじゃない」
ヘレナも超~喜んでた。
昔のアシスタントが顔を見せてくれるっていうのは本当にうれしいものですね。
なんだかんだ言ってみんな就職したり結婚したりしてからも遊びに来たりするしね。


オルカがいなくても目の前の海にはたくさんのイシイルカ、カマイルカ、ザトウクジラのミナミちゃん。
トドたちも増えてきたし、アザラシのジョーイ三郎も子連れだし、カモメたちは舞って、シノリガモは潜って、ハクトウワシはつかまえた魚が重すぎて羽で岸まで泳いで、海の光景は生き物たちの生活でとても忙しいです。
シフトが終わった午後からはずっとマップルームに缶詰で仕事したけど、窓の外にはずっと咲が待っててくれるからしあわせ。
キャンプキッチンにお茶いれにいったり、トイレ行ったりするとき「おいで」って言うとついてきて、ちょこっと遊ぶのです。
ほんと生きててくれてよかった。


でも今日の鳥はハクトウワシにしてみよう。
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タウンランで出した洗濯物は、ポールがコインランドリーで洗濯だけして帰ってくるので、
わたしたちは洗濯物を乾かすためにサウナの火をつけてポールの帰りを待ちました。

ノーディナーの日だけどヘレナが昨日の残りのチョコレートケーキをくれたので、それぞれの食後、コーヒーをいれてケーキタイム。
さらにその後にノルウェンがスイスチョコレートをくれました。
ヨーロッパのチョコレートってどうしてこんなにおいしいのだろう。
ひとくちのしあわせに倒れそう。


じめじめした寒い夜。
明日はオルカの声が生で聞けますように。
2010-08-09 : オルカ : コメント : 0 :
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8月6日

今日もふわふわした霧の朝。
太陽が高くなると少し空も見えてきたけど、なんかどんより。
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シカの麗子さんは全くもってレタスをあきらめられないのね。
今朝早く、メインハウスから出たポールは、屋根の上にシカが立っているのを見て腰をぬかしたそうです。

網が張ってあるから、どうしてもガーデンには歩いて入れない。
それなら屋根を登って、空中から行けばいいって?
そんなばかな!笑


ガーデンはもちろん目と鼻の先だったけど、さすがの麗子さんも
「レータースー!!」
なーんてここから飛んでいこうとは思えなかったらしく(足折れるでしょ)、ここからどうしようか考えている最中にポールに発見されたらしい。
おじいちゃんを驚かさないでください。


今日は朝からまじめにテープを聴いて働きました☆
まあ、曇ってるし霧が出て寒いから、朝の日課にしてる鳥の写真が撮れなかっただけなんだけど。
秋吉がまたひとりでマップルームの窓にピーナッツをもらいに来て、超カワイイと思いました。
おそるおそるだし。
首かしげてるし。


午前中いっぱい一生懸命テープ聴いて、お昼からシフト。
そのとたんにうれしい目撃情報が入ってきた。

「A23sが北からこっちに向かってるって」


オルカ界のワイルド系イケメンA60くんがいるこの群れ。
1960年代に捕まってサンディエゴシーワールドでまだ生きている「コーキー」の家族であることでも有名ですね。
みんな大興奮でデッキに集まったけど、あいにくオルカたちはウェイントン・パス…ハンソン島の裏側を通ることにしたみたい。
姿は見られなかったけど、しばらくしてコールが聞こえてきた!
ひっさしぶりのコール。


ここで初めて録音の仕事をすることになったジャネットだけど、
「右、左、センター、どこから聞こえているのかわからないわ」
と言われてわたしはとても困りました。
音の左右がわからない人は毎年のようにいるけど。
視力と同じようなものなのかなー
でも、これはF.I.BだったらどっちがペロさんでどっちがJJさんのギターかわかんないようなもんですよ!?笑
若さ(16歳)で何とかカバーして、一刻も早く仕事ができるようになりますように。


夕方。
A23sは東へ進んでCRPTを通過、ラビングビーチのほうへ。
もうすでに薄暗い。
メインハウスへ行ってヘレナに無線で聞いてもらってオルカたちの位置を確認したわたしは、マップルームに戻ってもくもくと仕事を進めていました。
すると、何者かがコツコツと窓を叩くのです。


顔をあげて一瞬、呼吸が止まったかと思いました。





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咲。





12年もずっとそばで見続けている、間違えようがないその姿。
割れたお腹。笑
ふてぶてしい態度。笑
でもちょっと甘えた声。
わたしをまっすぐに見る、大きな黒い目。



「咲----------っっっ!!!」



今日ようやく山を降りてきたばかりの咲にとっては、夏になってこの窓に来ればわたしがいるのは当たり前で
「何をそんなびっくりしてるの?」って感じだったろうけど。
わたしにとってはまるで、9回裏0-5で負けててテレビ消したのに、試合結果メール来て見たら6-5で勝ったようなそんな気持ち。
ってか、勝手に死んだとか思っててごめんね。笑

ジロとか秋吉は降りるの待ちきれなかったんですかね。
まあ何でもいいや。
あなたがいればもうそれでいい。
大好き。
人間であるわたしと友達でいてくれてありがとう。


ディナーの手伝いをしていたノルウェンがメインハウスから走ってきた。
「ごはんよ~~!!」

今日はPちゃんバースデーパーティ(本当は7日だけど)&エミリーのさよならディナー。
お腹いっぱい食べたあとにポールが花火のついたチョコレートケーキを持ってきた!

Pちゃんが花火を吹き消して拍手。
そして用意したプレゼントとカードと木彫りのオルカをみんなで渡しました♪
「泣きそうです」
なーんてカワイイこと言われてうれしかった。

この島で誕生日を迎えられるっていいなー
誕生日ってみんながハッピーな気持ちになれるしあわせな日だよね。


動けなくなるくらいケーキを食べて、猛スピードで皿洗いを終わらせて、夜の霧の中みんなでラボへ帰りました。
A23sはラビングビーチで少し遊んで、東へと向かったようでした。
2010-08-09 : オルカ : コメント : 3 :
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8月5日

霧が島の奥まで上陸してくるくらい深い朝。
この霧はバンクーバー島のキャンプファイアによる山火事のためなんだって。
わたしらも気をつけないと。

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それでも霧はきれいだけど。
あ、今日からまた少しずつ写真載せられることになりました!
最初はちょこっとだけど、さかのぼって添付できるようならするから、楽しみにしててください☆


午前8時。
Pちゃんがこれから2時間シフトでラボから出てこないので、みんなをたたき起こした。
今のうちに誕生日プレゼントを用意するのです!!

みんなで海岸に出ててきとうな流木を探し、ぺたぺたと色をぬる。
カラフルにぬったこの色を乾かして、後でこの上から黒を塗って、塗ったすぐに木の枝かなんかで線を描くと、乾いていない黒だけがはがれて下のカラフルな色が線となって現れるしくみやね。
とりあえずカラフルが乾くまでいったん待ち。

わたしが作っていた切り絵のカードと、木彫りのちっさいオルカも完成。
ヘレナに紙やすりをもらってぴかぴかに磨きました。
喜んでくれるかなぁ~

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オルカは今日もいないけど、40年ぶんのテープを聞くというわたしの仕事はちっとも減りません。
「とりあえず去年やったぶんはいったん忘れて」というおそろしいことも言われたので、今年のテープの良さそうなところから始めて、さかのぼっていくことにした。
単純計算したら1日1年分聞けば、あと40日で40年分なんて楽勝ですね。
1年分のアナログテープは500本くらいあるけど。


お昼前にウォータータクシーが来た。
毎年このエリアで写真を撮っているエレンと、エレンのお母さんを含むオルカライブ視聴者の団体さんでした。
メインハウスでお茶やコーヒーを飲んで団らんしているところにアシスタントも招かれたので行ってみると、焼きたてのクッキーが出されていた。
おいしくて3つ食べました。
エレンのお母さんが「レシピを教えて」とヘレナに聞くと


「このクッキーはポールが作ったの」


とうとうデザートまで作れるようになったんだ、ポール!!
スーパーおじいちゃんですね(70歳超え)。


海岸では2頭のミンクがけんかをしている。
ブラックニー・パスにはイシイルカの群れと、ザトウクジラのミナミちゃん。
わたしの足もとにはミソサザイ。
そういえばコンポスト閉鎖してから誰もラットを見ていない。

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自然はいっぱいでわたしは何の不満もないけど、エミリーは明後日に帰っちゃう。
オルカたち戻ってこないかなぁ。


ディナーがにんじんのクリームスープ(サーモン入り)と、焼きたてのスコーンだったことにアシスタントたちは大はしゃぎして「しあわせだ」「しあわせだね」と喜んでいたことにヘレナは「なんてラクな子たちなの」と大笑い。
でも、おいしいものを食べてお腹いっぱいになることがしあわせを感じるいちばん早い手段ですよね。


霧の夜。でも今日はそんなに寒くはなかった。
わたしたちは早めにディアー・ネットを閉じて、
「グッナイ」
「ボンヌイ」
「オヤスミ」
と口々に自分の国の言葉ではないおやすみなさいを言い合って、それぞれの寝袋へと向かいました。
2010-08-06 : 未分類 : コメント : 5 :
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8月4日

午前7時半。
起きて、空を見て「しまった」と思った。
全体に広がるオレンジ色の淡い光と強い日光。
絶対にきれいな朝焼けだったろうなぁ~。もう少し早く眼が覚めていれば…。


久しぶりの晴れの日。
ソーラーパネルで発電できるから今日はあまり電力の心配をしなくてもいいみたい。
本格的に自分の仕事(延々と古いテープを聴く)をスタートさせるためにちょっとヘレナと話し合った。
去年から割り当てられたこの超めんどくさい仕事だけど、内容を聞けば聞くほどこの世にわたし以外にできる人がいなさそうなので、コールを聞き分けるほかになーんのとりえもない日本人のわたしとしては、この仕事をやらせてもらえるだけでありがたいと思わなくてはいけないのでした。


オルカはいない。たいした目撃情報もなし。
しかし全くもって動揺していないアシスタントたち…。
今年のアシスタントはみんなオルカ以外の自然も好きですからね。
ザトウクジラのID(固体識別)ブックを引っ張りだしてきてあげたら、さっそくみんな夢中になって、目の前の海のザトウクジラのしっぽをスコープでくいいるように見ていました。


最近、いつもオルカラボの前の海にいる1頭のザトウクジラ。
不思議なことにいつ見ても南に向かっています。
しっぽを上げて深くもぐって、また水面に出てくるときには、また同じ箇所を南に向かっています。
もぐっている間にターンして北に戻っているのだろうか。
おかげで最近、Going Southさんと呼ばれるようになりました。
ザトウクジラのミナミちゃん。


イルカもたくさん来ていました。
北のFIの水中マイクから1時間以上、カマイルカの鳴き声が聞こえてた。
あまりにもかわいかったのでちょこっと録音までしました。
オルカ以外の生き物はいっぱいいるんだよねー


学校がはじまるから土曜日に島を出なきゃならないエミリーだけは、さみしがって
「わたしが帰るまでにオルカ戻ってきたらいいのにな…」
と言っている。
こりゃ明日はみんなでケルプホーン(a.k.aブブゼラ)でも吹くしかないかな…。


ノルウェンがすごいイキオイで日本語を覚え始めた。
もともとノルウェンとオリビエのフランス人ふたりは、わたしが来る前からPちゃんに日本語を習っていたのだけど、
先日、Pちゃんがひらがなを教えてからの上達スピードがはんぱない。
ちょうどマップルーム(テープ庫だけではなく、書庫にもなっている)に、なぜか3歳児用のひらがな練習本があったのでノルウェンにあげたんだけど、もうひらがなは読めるので「りす」「りんご」「あり」など、イラストつきの単語を見て、みるみる新しい言葉を覚えていく。
ノルウェンの横でそれを覗き見して習っているオリビエに至っては、日本のマンガおたくのため、自分でも気づかないうちに最初っからおそろしい量の単語を知っている。
ぐるぐる書いてあるイラストを見て「これはなんていうの」というから
「うずまき、だよ」と教えたら
「そっか!ナルトの苗字だ!!」と言っていた。
日本の次に日本マンガが読まれているというすごい国、フランス。


オルカがいなくてみんなは外仕事終えてキャッキャやってるけどわたしは監獄でテープ聞きまくりです。
さみしいです…。
でも今日は手持ち無沙汰じゃないです。
7日がPちゃんの誕生日なんだけど、エミリーが7日に帰るから、誕生祝いをたぶん6日にするのね。
それでみんなでプレゼント用意してるのです!
わたしはテープを聞いている間に切り絵でカードを作って、あと流木を拾ってきてオルカの形に削ってネックレスでも作ろうと思ったのでした。
削ってる間にちょこっと指も切ったけど、プレゼント用意している間って自分もうきうきして楽しいから痛くもないよね。


今日はノーディナーで夕食は各自で。
セロリと玉ねぎを炒めてマカロニを入れたスープに、残り物でもらったブラウンライスを入れて食べました。
外で食べているからか、この島では自分の作ったものですらもおいしいです。
今日も1日ごはんがおいしくてお腹いっぱいになってしあわせ。


寝る前に空を見上げたけど、うっすらとしか見えなかった。
昼間はずっと晴れてたのになぁ…。
また明日は霧かな。

2010-08-05 : オルカ : コメント : 0 :
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8月3日

NO オルカ情報。
そのかわりにトド。
ミンククジラ。
イシイルカ。
カマイルカ。
目の前の海はいろんな生き物が行き交っていて、けっこう忙しい。


でも今朝、とてもショックなことがありました。


ステラーカケスの秋吉がひとりでピーナッツをもらいに来た。
マップルームの目の前の枝に。
秋吉の後ろからもう1羽、換羽でボロボロになったメスが飛んで来たので、
「あっ」
と思ったけど、枝に止まったとたん、足元をつんつん(というか、ザクッ、ザクッて感じ)した。
羽はボロボロだけど、この行動は間違いなくジロキチです。
ってか前々から気づいてたけどジロキチってメスよね。
まっいいか。もう定着しちゃったし…。

ヘレナに「ベルベット(咲の英語名)の子供は来たけど、ベルはいなかった」と言ったら
「ベルがいないのならその子たちはベルの子かどうかわからないでしょう」と希望を持たせるふりをした。
でもヘレナだって実際に見たらわかるくせに…。
自分の柴犬がたくさんの柴犬の中にまぎれても、飼い主だったらすぐにわかるのと同じように。


カケスは20年くらい生きるんだって。
思えば咲に出会ってから12年、出会ったときには咲はすでに大人でした。
だからそろそろわたしらの時間にも終わりがくるだろうなとは思ってた。


犬は強いものに服従し、弱いものを守ってくれます。
でも鳥にはそういうのはない。
鳥が人間になつくかどうかは、その人の立場の強い弱いに関係なく、
「鳥が、その人のことを好きかどうか」
で決まるんですって。

ジロも秋吉もピーナッツめあてに窓に来ます。
咲だって最初の数年はそうだった。
でもいつしか咲がわたしのそばにいるのにピーナッツはいらなくなってた。
ふたりで森を散歩しました。
「咲おいで」
というと、咲はどこまでもついてきました。

シーズンが終わるとさよならしました。
お互い、夏以外はどこで何をしているのか知らなかった。
そしてまた夏が来るとわたしはハンソン島に来て、咲は山の奥からオルカラボにおりてきました。
そして一緒に遊びました。


野鳥と友達になることなんてもう二度とないだろうな。


霧は少しずつ晴れてゆき、午後からは青空が広がってた。
ノルウェンとPちゃんはヘレナに言われてサウナのかまに火を入れて、シャワーのお湯をわかしました。
ずっと凍えるような海でアタマ洗ってたから、久しぶりの真水のシャワーにみんな大興奮!!

真水できれいになったはいいけど、カナダ行くちょっと前から手足にアトピーが出てかゆくて困ってたのです。
そしたらちょうどノルウェンが同じ症状で、てきめんに効果のあるクリームをくれました。
アレルギー仲間ばんざい!!


そして本日からアーカイビング(今年はまだやってなかった)の仕事も再開。
今までのテープ(カセットテープとDATテープ)をすべてパソコンに取り込んで、デジタルデータ化する。
2006年にアーカイビング開始したんだっけ?
そこから1年ずつさかのぼっていって、現在1989年のテープを取り込み始めたところ。
1年でテープ500本使う年もあるから気の遠くなるような、地道な仕事だけど、
これが全部終われば今までのデータはみんな、データライブラリとして、いろんな研究者が使えるのです!!
そしたらポールとヘレナが引退してもオルカラボのデータはムダにならないし、
研究者たちは自然やオルカに負担をかけることなくデータを入手することができるし、
きっといろんな新しい発見もあるだろうし、
オルカたちを守る道も見つかるかもしれないし、
もういろいろ、ワクワクがいっぱいです!!


アーカイビングのやりかたを説明するポールの話を聞きながら、そんないろいろなことを考えてました。
今日はどうも、物思いにふけりがちで困る。


オルカたちの目撃情報は、レジデントは北のポートハーディエリア。
トランジェントはここからそんなに遠くないナイトインレット、
以上です。


ディナー後、メインハウスの皿洗いを終えて、みんなは歯磨きするためにバスハウスへ向かっていった。
わたしも向かおうとしたけど「朝ごはんに食べなさい」とサラダの残りをタッパーに入れてもらったのを忘れてきたので、いったんメインハウスに取りに戻ってからラボに懐中電灯を取りに戻り、キャンプキッチンへ向かおうと、ラボのドアを開けた。


まだ完全に暗くなってなくて、おろしていなかったディアー・ネット。
ちょうどそこをくぐってこっちに歩いてこようとしているのは、シカの麗子さん。

「あのー、ちょっと…」

わたしは一歩二歩歩き、そこからダッシュで麗子さんのほうに突進した。
海岸の方に追いやるつもりだったのに、あろうことか麗子さんはガーデンから離れたくなかったのか、セカンド・ラボのほうに登っていってしまった!
えーーーー。

空はまだ明るいとはいえ、森の中は暗くて鳥目のわたしはうまく登れない。
しかもヘタにおいかけてまき割り場のほうに走られたら、そっちのネットもまだ上がったままでガーデンに入られちゃう。
どどどどうしよう。
お互いを見つめたまま動かないわたしと麗子さん。
すると、ちょうどバスハウスの扉が開いた。

「ノルウェンたすけてー!シカ、シカ!!」わたしは叫んだ。
「シカ!?ちょっと待って、すぐに行くから!!」


歯磨きを終えたノルウェン、Pちゃん、オリビエがすぐに駆けつけた。
鳥目で森を走れないわたしに代わって、オリビエが回り道をしてセカンド・ラボの方に登り、その後ろからPちゃんも走っていって、ふたりで麗子さんを森の奥へと追い出してくれた。
ノルウェンとわたしと、戻ってきたPちゃんはすぐに全ての方向のディアー・ネットを閉じてポールとヘレナに報告。
危機一髪。

夜の間はディアー・ネットが下りていて、どうやってもガーデンに入れないことに気づいた麗子さん。
それでもレタスは食べたい。
そうか、ネットが下りる前に来たらいいんだ。と判断したらしい。
きっと何度も何度も偵察しに来てたんだろう。
でも、完全に暗くなってなくても来ちゃうんだ…。
しかも人間の使う道を通って、上がっている網を堂々とくぐるなんて…。


「 こ の 雌 ジ カ が っ 」


とPちゃんが声色を変えてつぶやいていた。
こわい。笑


「予報によると今夜はオーロラが出る確率が高いはずよ」
とヘレナに言われて、みんなはうきうきして寝ずに空を見ていたけど、星がきれいなだけでオーロラは出なかった。
オレンジ色の三日月がブラックニー・パスを照らしていた。
2010-08-05 : オルカ : コメント : 0 :
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8月2日

A12sとA36sは今夜も美しいコール。
でも今夜はN47というコールばかり出している。
つまりA30sを呼んでいる。

A30sは…けっこう遠い北で目撃されているようです。



午前4時に寝たのに7時に目が覚めちゃった。
別に起きなくても良かったんだけど、ここ最近の睡眠時間が短かったのでそろそろ身体が慣れて来たんでしょう。

今朝は霧と雨。
ぶるぶる震えながらイングリッシュマフィンにバターを塗って、さらにその上から少し酸っぱいラズベリージャムを塗ったものを食べました。
霧で白い海を見ながら熱いコーヒー。
お腹いっぱいになってしあわせ。


外来種ラット上陸のため、ハンソン島のコンポストに新ルールが適用された。
今まではふつうに野菜くずを森のコンポストに捨てて、その上からケルプとか海藻を重ねてガーデンの肥料を作ってたんだけど、ラットのえさ場になってしまうのでしばらくの間そこは閉鎖。
これから生ゴミあまり出さないように気をつけなきゃ。

「生命力の強いラットの上陸によってハンソン島の生態系がぼろぼろになってしまうわ。どうやって勝てばいいのかわからない」
コンポストをスコップで埋めながらヘレナはぽつりと言った。


ジャックラッセルテリアでも飼うべきですかね。


午後、オルカラボ全体をわざと停電させて、ポールがインバーターのバッテリーを交換してくれた。
しばらくはこれで様子見かな。
無人島で電気を使うのはとても大変です。


そしてヘレナから、ちょっとドキドキする伝達があった。
ゲストが見学に来るからラボを片付けなさい、ですって。

今年はひとつもツアーを受け入れていないので、アシスタントたちはお客さんに慣れていない。
誰かも、何人かもわからないゲストが来る予定の時間が近づくと、シフト中のエミリーをのぞいてみんなが逃げるようにラボから抜け出し、寒いキャンプキッチンに自然と集
まってしまった。
ログブックに書いてるのとか覗き込まれたり、写真撮られたり、質問攻めにあったりするの何かこわいもんね。


やがて大きなセイルポートがラボの前に停泊。
ゲストたちはゾディアックボートに乗り移り、なんとわたしたちのいるキャンプキッチン側の入り江から上陸しはじめた。
わたしたちは怯えた。20人くらいいるやん!!

すると…ひとりのおじさんが群衆の中から出て来て、こっちに手を振った。
「ハーイ。トモコ、元気?」



ロブ・ロットーーーーーーーー!!!!!!



何を怯える必要があったんでしょうか。
お客さんたちはここに毎年来るイギリスのWDCSという団体のツアー客。
このツアーのガイドをしているロブは、元オルカラボアシスタント。笑
何者かわかって一気に安心しました。

昔はポールとヘレナにも余裕があって、WDSCのツアーも3~4日くらいオルカラボに滞在していたんだけど、料理とかベッドメイキングとか、ツアー客の受け入れはかなりの労力がいるので、ここ数年は見学だけにしてもらっている。
WDCSのツアーはベッドもトイレもシャワーも装備した大きなセイルポートに1週間くらい寝泊まりして、ゆっくりオルカたちを見ながらセイリングするんだって。
いいな~♪


そんなわけでロブ・ロットと話し込んだりお客さんにいろいろ説明したり、雲のすきまから少しだけ見えた青い空に喜んだりしてるうちにもう夕方。


WDCSのツアーが帰って行くと、メインハウスからおいしそうな匂いが漂って来た。
カートがピンクサーモンを2匹釣ったんだって。
先日釣ったタラもソテーして、今夜は魚料理の豪華ディナー、しかもデザートはわたしの最も好きなレモンメレンゲパイ!!


うは~しあわせ。


A12sとA36sは結局A30sを迎えに行ったのかな。
遠い北に向かって、帰ってこなかった。
わたしは念のため午前3時にいったん起きてボルテージをチェックしたけど、新しいバッテリーは調子が良くて、朝を迎えるまでじゅうぶん持つくらい蓄電されていた。
ガーデンにシカはいなかった。


ハンソン島は平和でした。
ラットが存在すること以外は。
2010-08-05 : 未分類 : コメント : 0 :
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8月1日

A12sとA36sはロブソンバイト沖でうつくしいコール。
午前2時までレコーディング、エミリーと交代して寝に戻る。
これで朝までぐっすりできるよー
…と思ったら5時に停電で目が覚めました。笑

まだ新人のみんなは「何の音も聞こえなくなって起きる」ようになるまでには至ってないので、もぞもぞと寝袋から這い出て、ジェネレーターを始動させ、30分待って蓄電できたのを確認して寝に戻る。
いちおうガーデンもチェック。
シカはいない。
良かった。


そして今度こそ朝までぐっすり眠りました。
何の心配もなく寝られるって本当にすばらしい。


寒かったので、みんなでラボに集まってノルウェンとかエミリーの撮った写真を見ていたら、ポールがバスケットを抱えてやって来た。

「ヘレナからだよ」



ママママママママフィンーーーーっ!!!!



マフィンの詰まったバスケットには「オルカラボの留守番をしてくれてありがとう」と書かれた小さい紙が入っていた。
ひとり2個ずつ味わって食べて「わたしたちの世話をしてくれてありがとう」と書いた紙を入れて、バスケットを返しに行きました。


オルカたちは東。
なんで最近いつも日中を東で過ごして、夜になると帰って来るんだろう。


キャンプキッチンでセロリのスープを作って食べていたら、Pちゃんが
「カモが3羽になりました」
とわたしを呼びに来た。

カメラを抱えてメインコーブへ行くと、シノリガモの2兄弟が3兄弟になってる!!
なんかよくわかんないけど数年ぶりに1羽増えた。
水鳥ってほんとしあわせそうよね。
生まれ変わったら水鳥になって、水かきのついた足でいっしょうけんめい水をかいて進むのが夢です。
アレって水面下で見ると、足を前に出す時は足の指を閉じていて、後ろにかくときは指と指のあいだをめいっぱい開いて水を押してるんですよね。
あーすてき。
見てるだけでうきうきする。


スープを食べつつ、オリビエとジャネットがまき割りをしているのを見つつ、メインハウスのサンデッキでPちゃんやノルウェンと遊んでいたら、ヘレナがメインハウスのドアを開けた。
「手があいてる人ちょっと来て。トモコ、いま忙しい?」
「スープ食べてる」
「いいからいらっしゃい」

中に入るとテレビの前にイスが置いてあって、わたしはそこに座らされた。
「これは2002年のベストオブオルカライブのDVDマスターなんだけど、ここに座って最後まで見て、画質が乱れたりする箇所がないかチェックしてちょうだい」
わ、とても楽しい仕事!!

様子を聞きつけて、外にいたみんなもワラワラとメインハウスに入って来た。
DVDスタート。

すると、わたしの後ろに立っていたみんなが、いっせいにこう言いはじめました。
「全体で7~8頭かな?」
「オスが2頭、メスが3頭、ベビーが2頭…」
「オスの背びれの先にキズがある」
「オープンサドルのオルカがいる」


DVDなんだから楽しめばいいのに、これにはヘレナもびっくりして大笑い!
えへへ。
ポールとヘレナが留守の間に、みんなで一緒に仕事がやりやすいように、
「オルカを見たらどんな時でもまず最初に全体の数のカウント、その次にオスとメスと子どもの数、そして特徴を把握して、個体識別ね!これベリーインポータント!!」
って、徹底して叩き込んでおいたの。
たまにクイズ形式で出題したりして。
そしてみんなオルカを見たら、写真でも映像でも、条件反射みたいにこう言いだすようになりました。

今年のアシスタントは全員が新人でみんなが仲いいから、自分だけ仕事ができないとか劣等感を感じることもなく、むしろ他の人と競うようにもりもりオルカの仕事を憶えてくれてほんと楽ちんです。


「CPに行かせてあげたいわね…」
キラキラした目で個体識別をしながらDVDを見ているみんなを見て、ヘレナが言った。
ほんと、今年の仲間にはみんなCP経験させてあげたいなぁ…。
あの場所は特別だもん。
海岸から1メートルも離れていないところにオルカが来るなんて、そうそう味わえるものじゃない。


東に行っていたC6sは、ディナーの間に東から戻ってきてラビングビーチへ。
そのまま西へと進んで行った。


ってかディナー時にヘレナが教えてくれたけど阪神首位やん。
インターネット制限されてて野球の結果も見られなかったから知りませんでした!
2010-08-03 : 未分類 : コメント : 4 :
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7月31日

午前12時。
A12sとA36sは東に進んで、CRPTの水中マイクに近づいて来た。

きれいなコール。
「カッカッカッカッ」というエコロケーションの音がたくさん聞こえる、ということは、オルカたちが魚を見つけて食べているということ。
言わばオルカが生まれながらにして持ってる魚群探査機のようなものですね。

マイクに近かったのか、たまに「ガリッ」と魚を骨ごと噛む音まで聞こえて来たよ。
おいしかったですかねー


午前2時。
オリビエに交代してもらって、コールを聴きながら仮眠。
いったん熟睡。

午前4時半。
オリビエと交代して録音していたPちゃんがわたしを起こしに来た。
「コールズ・オン・FIです」



うわわわっ!!



飛び起きて下に降り、ヘッドフォンをつける。
A12sとA36sのコールは相変わらずジョンストン海峡から聞こえてるけど、それは今どうでもいい。
北の、FIの水中マイクから聞こえて来たのは、今までとは違う群れ…
Bサブクランに属するオルカのコールだった!!


いつもと違うオルカが来たからには寝てもいられないのでそのままPちゃんと交代。
「北からオルカたちが来るから外で監視してて」
とお願いして録音。
どのBサブクランだろう。
Csっぽいな~。

Pちゃんはかなり長い間、寒いデッキでオルカ待ちして粘ってくれたけど、
いったんこっちに来かけたオルカたちは北に戻っていかれました。
気がつけば明るくなってるし。


ねーむーいー
1時間だけ寝に戻って、またすぐ起きてマリーに電話。
「Bサブクランの誰か、たぶんCsが来たよ!」って報告。
やがてウオッチングボートたちが北に向かって、個体識別をしてくれました。

C6sですって。
オスがいっぱいいてかっこいい群れです。
やったーーーーーーーー!!


11時すぎ。
C6sはもういちど方向を変えて、オルカラボの方に来てくれた!
しかもハンソン島寄りで。
あんな薄暗い朝に来なくて良かったー!!笑
野生のオルカを初めて見た新人アシスタントのジャネット(16歳)は感激であわあわしちゃってました。


昨日、オルカ見たい見たいってみんなでダダこねてたら見れたなぁ。
この島ではほんとよく(ピュアな)願いが叶います。
夏のサンタクロースがいるからかな?
(今年こそは島にいる間にサンタ狩りする☆)



夕方、ようやくポールとヘレナが帰って来た。
わたしたちはみんなで海岸に飛び出てお出迎え!!
心配していたシカの件も、ヘレナは一瞬顔をしかめたけど、
「これがこの世の終わりってわけではないわ」
と許してくれました。良かった…。

ポールとヘレナは街でわたしたちの食料の買い出しもして来てくれた。
みんな大興奮。
食べものが届いただけでこんなに喜べるなんていいよね。


「時間が遅くなったけど、マカロニ&チーズでいいなら」
と言ってヘレナはディナーを準備してくれた。
ようやく肩の荷が下りて、食べ物の味がわかるくらいリラックスできたのもあったけど、涙がでるほど美味しかった…。


でもディナーの席で、思わぬ問題が明るみに出て来た。


実は、エミリーが29日に「シカの麗子さん」を見つけることができたのは、以前目にした巨大ネズミとやらを探していたせいだった。
目撃者はエミリーとオリビエのみだけど、数回見たとか。

ハンソン島のネズミはどんなに大きくても10センチ。
「もう12年もここのアシスタントやってるけど、ドブネズミ並の20センチ以上もあるでっかいネズミはハンソン島にいないよ」ってわたしは否定したけど、2人は絶対見たって言ってて。
そしてこの日の夕食前、オリビエがとうとう写真に撮ることに成功した。

それをヘレナに見せたところ、一瞬で空気が凍り付いた。



「外来種だわ」



考えれば、今までこんなことが起こらなかったのが不思議なくらいだ。
ハンソン島は無人島だけど、島の北の方では夏だけ営業しているダブルベイリゾートという施設があって、大きな船が停泊することがある。
その中にネズミが紛れ込んでいてもおかしくない。

何度か視界に入るということはきっと島全体で100匹には増えているだろう。
そして今まで島にいなかったこの生命力の強い生物が上陸したということは、島にもともといた動物の生活が迫害されるかもしれないということだ…。

もしネズミが新たな病原菌を運んで来て、リスたちが病気に冒されたら。
もしネズミが地面に巣を作る鳥たちのたまごを全部食べてしまったら。
しかもこの種のネズミ(ラット)は、研究によると「日本語と英語の違いを判別できる」くらいアタマがいいうえに、繁殖力なんて想像を絶する。
考えれば考えるほどおそろしくなる…。


ネズミのプレデターは何だろう。
この島には大蛇もいないし、ふくろうも少ない。
わたしたちはみんなで、オオカミが上陸してくれることを願った。


寒くて不安がつのる夜。
でも、オルカたちのコールはやっぱり今夜も美しかった。
2010-08-03 : オルカ : コメント : 0 :
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7月30日

オルカたちは夜中じゅう鳴き続けてくれました。
外に出るたびにシカがいないか、ガーデンの見回りをしました。
いつのまにか朝になってて、クリフのマリーに電話する時間になりました。
おかげで今朝も目の下にクマさんです。


さすがにちょこっとフラフラ…
(でもほとんどシカの麗子さんによる精神的疲労のおかげ)。
ポールとヘレナが帰ってくるまで乗り切らないと!


A8sは夜の間にオルカラボの前を通って北へ。
A12sとA36sはジョンストン海峡うろうろ。
A11sは行方不明(A8sと一緒かな?)。
な感じ。

情報やりとりや、ヘレナに渡すデイリーレポートの仕上げや、録音もろもろでわりと忙しく午後を迎えた。
他のみんなは施設の掃除をしてくれた。
ガーデンがシカに食べられた件で、ヘレナに激しく怒られるのは覚悟しなきゃならないので、せめて他のところだけでも何かほめられることをしておかないとね…。


オルカたちは午後から寝ていた。
寝るっていっても、イルカクジラ類は完全には寝ません。溺れるから。
でも休息状態の時間はちゃんとあって、そういうときは「レスティングライン」っていって、家族や仲間でお互いを見失わないようにきれいに横一列に並んで、浮かんでるような、ちょこっと泳いでるような状態になるのです。

クリフのマリーがくれた情報によると、オルカたちはレスティングラインで東へ。
ハッスルばあちゃんA12が、A36sの兄弟の間にちょこんと挟まれていて、その3頭の後ろにA34sが横一列に並んでいたのだそうです。

今年からここを読んで家族構成がよくわかんない人のために説明すると、
遠い昔にお母さんを亡くしたA36sというオルカの兄弟がいたんですね。
その兄弟と元々仲良かった元気なばあちゃん(A12さん)がいるんですが、ばあちゃんは去年、息子を亡くしたんですよ。

そしたらねー、ばあちゃんと兄弟は、去年の夏からまるで本当の家族みたいにずーっとずーっと一緒に泳いでるの。
ばあちゃんは新しい息子たちを、A36sの兄弟は甘えていいお母さんを手に入れたような感じで。
(オルカのオスは想像を絶するくらいマザコンです。自分で魚とれるのに、お母さんに魚わけてもらったりするし)
暖かい光景ですね。

それを見守るように後ろを泳いでいるのが、今やたくさんの子どもが生まれて9頭にもなった、ばあちゃんの実の娘家族。
それはそれはかわいい光景だったそうです。
いいなーーーー
見ーーーたーーーいーーー(しばらくオルカ見てない)


夕方。
しばらく仮眠しようと寝袋に入ったけど、なんか胸騒ぎがして寝られず。
メインハウスへ向かうと、なぜかそこにいたPちゃんがこう言いました…。

「ポールとヘレナは今日帰ってきません…」


えっ?(;¬д¬)


「遅くなっちゃったから帰るのは明日にするよ~」という電話があったんですって。
その場に倒れ込もうとしたわたしをノルウェンが支え
「トモコ、ビー・ストロング!!」と笑いながら言いました。
よく見たらディナーの準備がされている。
本日はマカロニの野菜たっぷりトマトソース。
あ、ということはもう1日、ノルウェン母さんのごはんが食べられるのね。


そこに電話がかかってきた。
電話を嫌がるみんなが「トモコ出て!!」とわたしの背中を押すので電話応対。

「ハロー?」
「ハロー!サムです。みんな元気?」

電話がスピーカーになってたから、Pちゃん、オリビエ、ノルウェンが
サムーだ!!って言って電話のまわりに集まってきた。

サムは今年わたしが到着する前に、病気で泣く泣く島を離れたアシスタントらしい。
知らない人だしなぁ…と思って、電話の前をみんなにゆずって、ただ話を聴いていようとしたら…

「トモコもそこにいるの?憶えているかどうかわからないけれど、僕は2年前に両親と弟ふたりと一緒にオルカラボのゲストハウスにステイしたんだ」



パ ー フ ェ ク ト ゲ ス ト の サ ム じ ゃ ん !!
( ̄□ ̄;)


ゲストであるにもかかわらず、海岸で輪切りにチェーンソーで切った重い丸太を全て運びあげ、信じられない量の薪を割り、歩きにくかった森の通路や建物の破損箇所を大工さんなみに修復、燃料用の小さな流木を山のように積み上げ、あいた時間に海岸で音楽を奏でた一家の長男やん!!

※2008年の日記を参照
http://a55lovestomoko.blog60.fc2.com/blog-entry-179.html


うっひゃー。
この瞬間、わたしのアタマの中で2008年と現在が、そしてわたしがいなかった7月前半までもが複雑にからみあってつながり、とても不思議な気持ちになった。
でもわたしが来る前に帰っちゃうなんて…。
会いたかった(Pд`q)
おおお…。


ディナーと後片付けが終わってラボに戻る。
22時半、A12sとA36sはようやく目覚めて鳴きはじめた。
夜の方がボートノイズも少ないから、オルカたちもお互いの声を聴きやすいんだろう。

ノルウェンが録音。
わたしは日付が変わるまで仮眠させてもらうことにした。
室内なのに、寝袋に入ってもまだ震えるくらい寒い夜だった。

パジャマの上からフリースとカーディガンを着て、首にマフラーを巻き、レッグウォーマーをはいて、凍えた足の先をホッカイロで温め、オルカの鳴き声を聴きながら少し眠りました。
2010-08-01 : オルカ : コメント : 0 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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