夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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ALIVESHOUT!!

ツイッターやってます。こっそり→http://twitter.com/weeawu
基本、家にいるときはオルカライブつけっぱなしなので、
いま何が聞こえているかつぶやくかもね(笑)


帰国後そうそうではございますが、ライブレポが始まる前にお知らせをば。
わたくし、来たる10月16日に名古屋で音楽イベントを企画します。
生物多様性COP10のパートナーシップイベントです!!

aliveshout.jpg



フライヤーかっこいいでしょ。
ヒデさん(版画家・二川英一)に協力してもらって、作品を使わせてもらいました。


■2010年10月16日(土)@名古屋サンセットストリップ
[weeawu presents "AliveShout vol.1"]
OPEN:1730/START1800
前売1800円/当日2300円

-出演バンド-
■F-U(東京)
http://www.myspace.com/fxux666

■seth(東京)
http://www.myspace.com/sethgekijyo

■at Anytime(三重)
http://www.at-anytime.net/

■aoi(名古屋)
http://aoisite.net/

■AKIRAMONES(名古屋)
http://www.myspace.com/1004541534


サンセットストリップ→http://www.sonset-strip.com/
地図→http://www.mapion.co.jp/m/35.1666169444444_136.921615_7/

※COP10パートナーシップ事業です。
※収益が出た場合、IUCN国際自然保護連合を通じて生物多様性の保全のために寄付されます。


AliveShoutっていうのは単にALIVE(生きる)とSHOUT(叫ぶ)をくっつけただけの造語です。


10月に名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」が開催されるのを、耳にしたことがある方も多いと思います。
人間はこれまでにたくさんの生物を絶滅させてきたので、もうこれ以上絶滅させないように国どうしで話し合いましょう!!という、巨大な国際会議です。

でもこんな大きな会議が開かれて、開催期間中にいろんなことがニュースで流れても、ふつうの若い子たちの耳はスルーしちゃうと思ったんですね。


しかしわたしは愛する地球の生物をまもりたい!!!!!


そこで大好きな音楽の力を借りて、何かできないかと思ったのです。
このCOP10の開かれるタイミングでイベントをして、音楽を愛する若い世代がイベント自体や告知などで「生物多様性」という言葉を知れば、ふだん耳に入らないニュースもちょっと気になるんじゃないか、と思ったのです。
微力ですけど、何も行動せずに指をくわえてるよりましです。


人間のひとつひとつの行動は自然とつながっています。
たとえば、コーヒーが飲みたくて紙コップを使いました。
でもその紙は木材からできていて、その木材はカナダから輸入されていて、その木にはハクトウワシが巣を作っていたかもしれないんです。
ハクトウワシは海や川からサケを捕ってきて食べ残しを土に置きます。
食べ残しは分解されて土壌が豊かになり、また木が育つ、そんな自然のサイクルができあがってるところに人間は土足であがりこんでめちゃくちゃなことをするのです。
あげくカップはゴミになり、燃やすと二酸化炭素が出ます。

でもコーヒーを買ってるときにそんなことはふつう思わないでしょう。
カフェイン足りなくて切羽つまってたかもしれないし。
想像力の欠如です。
それぞれが自分のひとつひとつの行動について考えだして、自分にもできることを探そうって思わないと、現状は何も変わらない!

わたしだって地球のためにまったく正しい生活をしているとは思えません。
便利で欲深い生活についつい甘えてしまう。

でも、ひとつひとつの行動の前に、どれだけの選択肢があるか考えて、選ぶことは出来ます。
あータンブラー忘れちゃったよ…。
でもお店で飲むなら「マグカップでください」ってひとこと言えばすむ。


いままで知らなかった人は、どうか「生物多様性(=多種多様の生物がいること)」という言葉を覚えて帰ってください。
お近くの方はイベント遊びに来て下さい!
共感してくださる方はどうぞ遠慮なく話しかけてください。
おねがいします!


出演バンドはご存知MEANINGのvo.ハヤトさん率いるハードコアのF-U、
同じくMEANINGのGt.川口さんがベースボーカル、ドラムの井上さんがドラムをつとめるseth(セト)、
いつも心震わせる圧倒的なライブを見せてくれるat Anytime、
そして地元名古屋からはストリートライブやラジオなど幅広くご活躍中のaoiさんと、ブランキーの前身バンドで叩いていらっしゃったアキラモンさんのAKIRAMONES(ロック、ロカ)です。

…はい、すさまじくジャンルがバラッバラな件ですか。
生物多様性、音楽も多様性ってしたかったんです(笑)


予約・お問い合わせは各バンドさん、またはtomokito1128@hotmail.comに件名を「チケット予約」として、お名前・枚数をお知らせください。


それではまたライブハウスで。
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2010-09-25 : 未分類 : コメント : 0 :
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9月16日(今年の最終日)

この海の向こうにあなたはいるんだ。
10091603.jpg



コールのない静かな霧の朝。
A30sとGsはゆっくりと北へ、はるか遠い北へと進んでいた。
オルカのかわりにイルカたちがジョンストン海峡をにぎわせていました。
今日は変わったイルカのコールが聴こえたなぁー。
チックタック、チックタック。


ゲストハウスのカウチに座って、Pちゃんと晴れ行く霧を見つめてた。
もう日本の、都会の生活に戻れる自信がない…。
余計なものがありすぎるからさまよっちゃうんだ。
人間は本当はきっと、余計なものが何もないほうが幸せなんだろう。
はっきり説明された情報の渦の中では、脳に知識が飛び込んでくるだけだけど、
目の前に自然のものしかなかったら、ものを見て感じる、この感覚が戻ってくる。


ってか本当に日本の生活に戻れるんだろうか。おそろしい。
インターネットがほとんど使えなかったおかげで野球の順位もわからないし、
F.I.Bのライブ予定すら知りません。もはや末期。
(まっ、帰ったら即調べますが…)



晴れたので、わたしたちはキャッキャ言いながらラボの屋根に登り、ポールと一緒にスプリンガーの看板を掲げた。
美しい空にガーリーなグリーン、ピンク、ライトブルー。
これでスプリンガー喜ぶかな?笑
IMG_0960.jpg



「帰る前にひとつ仕事を頼まれてちょうだい。今年のA30sの録音の中から1分のクリップを抜き出して」
ヘレナがにこにこしながら荷物の片づけをするわたしに頼んできた。

断れない。。。
(゚д゚lll)


荷造り中止してヘッドフォンをつけて、今年のテープを聴きまくっていい録音をひたすら探す。
おかげで午後はバッタバタになっちゃった(笑)
ポールが「ディナーだよー」って呼びに来るまで、ひたすらオルカの声を聞いていました。


正直、今年ラボに来るまでは「今年でポールとヘレナも引退しちゃうのかな」って思ってた。
アラートベイに家を買ったし。
でも、きびしい冬をアラートベイで過ごせたことで、少しずつポールの考えも変わってきたんだと思う。
ポールはオルカラボと、オルカライブを続けたいんだ。

オルカラボ100の説明が足りなかったのでここでちょこっと補足するけど、
オルカライブの音声中継は現在、オルカラボの自腹でやっています。
もともとスポンサーがついてやっていたものを自腹で続けているので、かなり資金繰りが難しくなってきました。
書いていいのかわかんないけど、ポールはできれば音声を続けたいどころか、映像も復活させたいみたいです。
でもオルカライブを続けるじたいのお金も足りない(だから、安いけどインターネットの接続状態の安定しない会社を使うしかなくて、ネットのトラブル多いって裏話もあったりなかったり)。

そこでオルカラボの活動を応援しているみなさんに支援をお願いできないかと。
多くはお願いしてません、月コーヒー1杯程度(400円)のサポートでいいんです。
多くの人に自然へとつながるきっかけを作ってもらうために、あくまでもオルカライブ自体はチャージしないという方法で。

サポート会員はオルカラボと自分とをつなぐオルカを1頭選べます。
月額400円のサポート会員になる詳細はこちらの記事にあるのでよろしくお願いします。
http://a55lovestomoko.blog60.fc2.com/page-1.html#entry350



やっぱり本音は、映像届けたいな~。
ブログの写真じゃ限界がありますからね。
わたしが宝くじでも当てるしかないかな(笑)



薄暗くなってきた海岸。
子鹿を連れたシカの麗子さんが、浜で海草を食べている姿が遠くに見える。

彼女にはずいぶん悩まされました。
何度もガーデンをぼろぼろにされて、何度も遭遇したけど、
わたしは鳥目だし、あと他のアシスタントはみんな暗闇の中で懐中電灯で見てたからわかんなかったんですよね。


ある日、朝の美しい光の中、ポールが間近で麗子さんに遭遇したんだって。
そしたら彼女の前足のひとつが曲がっていて、人間でいう手首の部分で歩いていたんだって。
きっと生まれつきだろうってポールは言ってた。
その身体で野生で生きていくのは大変だろうに、彼女はうまく障害を乗り越えて、走ることだって出来る。
子どもだっている。


「ガーデンはこれ以上食べさせないけれど、今までのことは許すことにしようよ。だってナイスな鹿だからね」
といってポールとヘレナは彼女にバラの女の子「ローザ」という名前をあげました。



<シャチ、シャチ、こちらCP>
おいしいディナーを食べようとしたらCPにいるマリーから無線が入ってきた。
ちょうど手が話せなかったヘレナに代わってわたしが応答。


「CP、CP、こちらシャチ。ハーイ、マリー!」
<ハーイ、トモコ!今そっちの方にトランジェントのT14が向かって行ったわよ!>
「うわ~お!」


みんなでお皿を持ってラボのデッキに走る。
太陽は沈みかけて、ちょうど光が弱まってきた。
スコープを覗いてしばらくすると、海の真ん中にあの大きな背びれが見えました。
T14、今年は「東にいる」ってうわさを聞くだけで、もう会えないのかと思ってたけど。


やっと会えたね!
10091602.jpg


T14が北へと消え行く中、光が弱まった空は徐々にピンクへと色を変えた。
東を真正面にしているオルカラボは、朝焼けはあっても夕焼けは見えない。
でも今日は空全体がピンクに染まって行ったんだ。

「あなたのためかしらね、トモコ」
とノルウェンが笑っていました。
Pちゃんは何も言わないなぁと思っていたら、目に涙をためていました。


遠くでハクトウワシが鳴いていました。

10091601.jpg

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2010-09-21 : オルカ : コメント : 7 :
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9月15日

カカカカッ、カッカッカッ。


朝から大きなエコロケーションは気持ちがいいですね。
よく寝られたし朝からコールだしで気持ちいいのでストレッチしながらレコーディング。
ポールが淹れたてのブラックコーヒーを持ってきてくれた。

きのう、一昨日と同じようにA30sは西へと向かってきて、きのうから40分遅れでオルカラボの前に現れました。
なんて美しいんだ。
オルカのいる日々っていいですね。


…睡眠時間がとれるだけでこんな気持ちになるとは。


そのままA30sは北へと向かっていって、大きな群れと遭遇した。


10091503.jpg

雨が続いていたのでヘレナが豆スープを作りました。
降り続く雨を青空に変える魔法の料理。


さて今日は滞在も終わりに近づいてきたので3人で写真を交換したり、音楽を交換したり、スライドショーを作成。
2002年から毎年それぞれアシスタントたちの写真を3~4枚取り込んだムービーがあるんだけど、今年の写真をセレクトしていたらあまりにもみんなのいい笑顔の写真が多すぎて選べません状態だった。
ってことは今年はすごくいい年だったんだなー
ぶっちゃけ笑顔がひきつってる年とかもあるからね…(何年のいつとは言いませんが笑)

写真はいいね。思い出に残るからね。
でもまぶた自体もシャッターになる。


…1821分、コールズオンFI。


Pちゃんとノルウェンは急いでホワイトボートとマーカーとIDブックを持ってデッキに出ていった。
わたしはヘッドフォンをつけて、声の主を確認。
わお。

聞こえて来たのは8月末に聞いた、あのおかしなコール!G12sだ。
疲れていてもやはりあの時の衝撃が大きかったせいか、はっきり覚えていられるもんですね。
続いてG17s、G3s。コレは多分全てのG-Gが来たなぁ。なんでGsはいつもまとまって来るんだろう…。
そしてもちろんA30s。
わたしたちは夕暮れの中オルカを待ち続けた。


ヘレナの豆スープのおかげでいつのまにか雨はあがってた。
やがて雨上がりの空は、ブラックニー・パスに虹を落としました。


オルカたちはゆっくり、ゆっくり、次々と姿を現しました。
ラボ寄りではなくて少し遠かったけど、水面に浮かんで顔を出したり、ひれでパシャパシャやったり、尾びれを宙にあげたり。
その数約60頭。

時間が過ぎてどんどん光は弱まっていったけど、雨上がりの空、雲の色、波のない穏やかな海でリラックスして遊ぶたくさんのオルカたち。
そして何度か方向を変えて、虹の下を通過。

10091501.jpg


this is too much…。
10091502.jpg


涙が出ちゃうから、これ以上うつくしい光景を見せないで。
本当にこんな景色が存在するんだね。


ただわたしたちに姿を見せに来ただけだったのか。
オルカたちはターンして、ゆっくりと北へと戻っていきました。
2010-09-18 : オルカ : コメント : 2 :
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9月14日

おはよう。
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A30sは鳴き続ける。
思えばオルカたちが9月4日に帰ってきてから、一度もマトモに寝ていない。
でもおかげで慣れちゃった。
夜中のコールはけっこう美しかったし。


朝になってA30sは昨日と同じようにオルカラボの前を通過して北へ向かいました。
10091402.jpg

しかし昨日と同じようにウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡へすぐ戻る。
ここ2~3日、A30sはずっとA12sのコールを使っているので期待しまくっているのですが、そんなA12sはいっこうに現れません。


午後、A30sはCPの前にずーっと滞在。
このエリアで長い時間を過ごすってことは、きっとたくさんのチャムサーモンがいるんだろう。


ストレイトウオッチの監視の仕事はもう終わるので、「クリフ」のマリーがCPにステイしてくれることになった。
機材運びついでにわたしたちもCPに連れて行ってもらえることに!!

道中みんなで海を見ていたらマリーが「あそこにオルカがいるわよ、その横にイルカが飛んでいるわ」
と海を指しました。



…。



だまって海を見続けてボートがCPの方に近づいてしばらくして、ようやく水しぶきが見えてきました。



ど ん な 目 を し て る ん だ マ リ ー 。



わたし、自分で言うのも何だけど、けっこう目がいいほうだと思ってたんですよ。
両目2.0だし。
しかし県大会優勝レベルで調子に乗ってた高校生みたいだ。
世界の壁は厚かった…。
「クリフ」にいるというのはこういうことなんですね。
きっと裸眼でニック(背びれのキズ)も見えているんだ。

( ゚д゚)


このスーパーアイズを持ったマリーがCPにいれば秋のオルカラボも安心です。
っていうかA30sは沖を泳いでいてかすかにしか見えなかったけど、トドさんが格好よく魚を捕らえておりました。
10091401.jpg


オルカラボに帰ったらヘレナが
「北からこっちに向かっている新しい群れが目撃されたわよ!」
と教えてくれたので、A12sのコールが聞きたくてうずうずしていたわたしは、皆と一緒にディナーも食べずにひとりラボに残ったけど、聞こえてくるのはジョンストン海峡にいるA30sのコールばかり。

そしてめずらしく日付が変わる前にコールは消えた。
北からやってくる群れは結局現れなかった。

A30sは東へと向かっていきました。

2010-09-18 : オルカ : コメント : 0 :
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9月13日

白いモーニング。
10091302.jpg


A30sは水中マイクのエリアから出ない。
ムダにラビングビーチまで行って、ろくにラビングもせずに戻ってくる。
ふだん9月はオルカがいない日が2~3日あって、ゆるやかに時を過ごしているはずなのに
なんでA30sだけのためにこんなに寝不足にならなきゃいけないんだ…。
(でも大好きなA30sがずっといるのでヘレナは大喜び、すなわち島は平和)


睡眠時間の合計を知ったら余計疲れそうなので考えるのをやめました。
もうN3なんて聞きたくもなくなりました。
しかし家族でまとまってオルカラボの前を北へと向かう、朝の光の中のA30sはとても美しかったので許しました。

ちっさいウオッチングボートに追いかけられたせいか、オスの1頭がひっくり返っておりました。
A38かA39かわかんないけど。
10091301.jpg


っていうかもうDATのコンプリートは半ばあきらめ。
終わるとか終わらないとかそんな問題じゃない。
一生やってもきっと終わらないよ。新たな録音増え続けるし。
…って来年の今頃も悲鳴あげてるんですかね。

それが楽しいよね。笑


「スプリンガーの看板を塗りなおしてくれる?こんなに色あせたから、きっとスプリンガーは『わたしを何だと思ってるの!』って怒って、なかなか帰ってこないんだよ」
ってポールが言ってきました。
時間ないない思ってたけど、DATは来年続きをやればいいやとあきらめ始めていたのでソッコー引き受けました。


ポールに看板下ろしてもらって…
10091304.jpg

まず浮いている古いペンキはがし(約2時間)。
そして3人でペイント(約3時間)。

毎年気分によって違う色に塗りなおすのですが、今年はノルウェンが緑色が大好きなので、字をグリーンに。
スプリンガーも今年から10代の女の子なのでガーリーな配色になりました。

ディナー前にできあがり。
10091305.jpg



今日はポールもヘレナもクタクタだったのでディナー後コーヒーも入れずにみんなメインハウスを後にした。
先日の火事の疲れがとれてないんだろう。
ストレイトウオッチのリアは煙を吸ってしまって、具合悪くて寝込んでたみたいだし。
でも、火は消えました。

みんな焚き火をするときは、地面じたいが燃えないかどうかも確認してくださいね。


A30sは夜中も鳴き続けた。やっぱり20分に1回くらいね。
2010-09-15 : オルカ : コメント : 0 :
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9月12日

雨風の音がすごいうえに、イルカにまで水中マイクのそばで鳴かれちゃったら寝られないよ。

午前3時半、ようやく決心して寝袋から出る。
イルカのコールを少しだけ録音。
名前の通りオルカ専門の研究施設オルカラボではイルカのコールは研究に使わないので、テープも睡眠時間ももったいない(笑)から基本的に録音しないけれど、近い、ボートノイズがないなどクオリティが高いときには、まわりの研究者さんたちのためにイルカも少しだけ録音したりします。

ヘッドフォンをつけたらカマイルカの近いコールが耳に入ってきた。
キャピキャピ言ってる中、耳をすませばいくつか耳慣れたコールがあることにびっくり。
意識してなくても、聞き流していれば耳が追いつくようになっていくのかな。
こりゃCD聞くだけの英語勉強法みたいなやつもあながち間違ってるとは言えないな…。

イルカさんは静かになったので寝袋にもどってウトウトしかけたら、今度はA30sが鳴き始めました。
はいはいお帰りなさいー


結局オールナイトっ。


A30sはラビングビーチ沖でヴェーヴェー(N3)言ってたけど、ロブソンバイトまで戻ってまいりました。
録音をPちゃんに任せ、朝からちょこっと寝て、でも時間がもったいないので起きる。

朝食後ゲストハウスでくたばるわたくし。
10091201.jpg



A30sは午前9時くらいからCP沖でヴェー(N3)って言い始めました。
N3はレスティングコール、すなわち眠いっていうか、ソフトになってるっていうか、ぐうたらで平和なコールです。
バードカウンターでカチカチしたら5分間に50回のN3を出していました。


ランチ。
大事にとっておいたピンクサーモンの缶をあけて、
水にさらしてみじん切りにした玉ねぎ、リアルマヨネーズとまぜまぜ。
ブラックペッパー少々。
ヘレナのパン(もらった)をトーストして、サーモン乗せて、コーヒーをいれて。
なんて美味しいんだ。

10091203.jpg

ちなみに電気があまり使えない場所でのトースト方法はこちら。
(5秒くらい)
10091202.jpg



オルカもわたしもレスティングコール的な午後、ハンソン島では大変なことが起こっていた。


ポールとヘレナは情報を聞くと、すぐに消火ポンプとありったけのバケツをボートに積んで出て行った。
現地にはすでにストレイトウオッチやシー・オッターのボートが到着していて、消火活動に励んでいた。


ハンソン島山火事。


現場はダブルベイとドンチョンベイの中間あたり、
どうやらとても頭が悪い人間が、地面でキャンプファイアを焚いたらしい。
見た目でもすぐわかるくらい、このあたりの土は、岩場に落ち葉がつもって出来ている。
いくら雨続きで濡れていたとしても、長時間火を焚いたら乾いてしまう。
焚き火をするならビーチか、岩の上でするのがこのあたりの鉄則。

きっと焚き火をした人は、まさか消したつもりの火が地面にもぐりこんで、地下から燃え広がっただなんて思わなかっただろう。
火は地中で燃え広がりながら大きな木の根っこに燃え移って、地上に出た。

前日の嵐のおかげで地面がぬれていて燃え広がりが遅かったのと、発見してすぐにボートを出せるみんなが集まって消火活動したこと、その後ヘリで消防団が駆けつけてくれたことが幸いして、山火事はなんとか消し止められた。
ポールとヘレナはヘトヘトになって帰ってきた。


午前9時からヴェーって言い出したA30sは、ポールとヘレナが帰ってきた午後5時になってもまだCP沖でヴェーって言っていました!!
なにこの動かないオルカたち。
ほんとうにオルカ?
I68の件で見直したのがまた間違いのように思えてきました…。


A30sはその後もN3メインに鳴き続けた。
今夜も夜通し覚悟。
だけどせめて今日は波が穏やかで、星がうつくしい夜で良かった。

2010-09-14 : オルカ : コメント : 1 :
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9月11日

ポールが録音を止め、すべての電源を消してメインハウスに戻ってからほどなくして、ジョンストン海峡に入ったA30sはコールを始めた。
ヘトヘト状態でもコールで目が覚めてしまうのはなぜなのか。
レコーティング・スタート、しかしA30sはすぐに鳴くのをやめてしまいました。
あーあーあー。

ほんとにもう鳴かないかしばらく起きていて、あきらめて寝に戻る。
5時前に彼らはまたちょこっとだけ鳴いた。
今度はヘレナが「大丈夫だから寝なさいね」と録音してくれた。
アシスタントがいるのにヘレナ自ら録音なんて申し訳ないけど、昼間わたしがDATとか聞いてる間にまき割りとかの力仕事してくれてるノルウェンとPちゃんを真夜中に起こす気にはなれない…。

今日はストーム。
強い風で空はうねってゴーゴゴー。
森の中では高い木々が揺れに揺れてざわわ、ざわざわ。
海は白く波立ってざっぱーんざっぱーん。
しかも雨が横なぐり、全く外に出られません。

Pちゃんはそんな中まきを割ってメインハウスに運んだんだけど、
「今はやめなさい!」と言われたらしい。
ポールとヘレナはUSオープンの男子セミファイナルを見ていて、Pちゃんにその試合を録画して見せてあげる約束をしていたんだって(笑)
嵐だからまき割りやめなさいじゃなくて、テニスの結果わかっちゃうからメインハウスに入るのやめなさいだったんだね。


ランチターイム♪
Pちゃんは「ビーナス対キム」の試合をDVDに焼いてもらったので、わたしのパソコンを抱えてみんなでゲストハウスに移動。
Pちゃんがテニスを見て、わたしがちっさい方のパソコンで仕事をしてる間、ノルウェンがそば粉のクレープを作ってくれた!
これはフランスでもブリタニー特有の料理なんだって。
そば粉、たまご、水で作ったクレープを焼いておいて、ハムや玉ねぎやトマト、チーズ、溶きたまごなど好きなものを挟んで、再び焼いて食べるのです。
「間にはさむものは何でもいいのよ、チキンとカレーでもいいし、マッシュポテトとソーセージでもいいし、ラタトゥユでも。バリエーションは無限だから!」

ノルウェンは食後、同じ生地で、砂糖とバターだけをつつんで焼いたデザートクレープも作ってくれた。
クレープからはみ出た砂糖とバターが溶けてカラメル状に生地に焼きつき、 そば粉の風味と合わさって 激 ウ マ ! !
日本でもめちゃくちゃ簡単に作れるじゃないですか。
そば粉なんて今までそば自体か、そばがきくらいしか使ったことなかったよ。
何でこんな美味しいもの今まで知らなかったんだ…。


嵐の中A30sはオルカラボの前を通過して北へ。


コールはディナー前にはなくなった。
デザートのブラックベリー(摘みたて)・パイを食べて、後片付けをして歯磨きをしてラボに戻る。
Pちゃんとノルウェンにおやすみを言ってそれぞれ寝袋に入ったけど、マップルームでひとりのわたしは風と雨の音が怖くてなかなか眠れなかった。

こんな嵐の夜は、鳥たちはどうしているんだろう。
咲が濡れてないといいけれど。




2010-09-14 : オルカ : コメント : 1 :
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9月10日

午前4時に帰ってきたA30s。
いつもいつも真夜中に起こしてくれてありがとうございます。


A30sは自分たちしかいないのであまり鳴く必要がなかったみたいで、ちょこっと鳴いて黙り、また1時間後にちょこっと鳴いて起こしてくれました。
見かねたヘレナが交代してくれた…。
本当申し訳ないです。

トラブルメーカーが帰ってから精神的にはかなりラクちんなので元気なつもりなんだけど、そろそろ身体が追いつかなくなってきました!!
大変だ大変だ(でも休む気はさらさらない)。


波がなく、まるで鏡みたいな今日のブラックニー・パス。
10091001.jpg


さて今日は久しぶりにラボにお客さんがやってきました。
オルカライブの視聴者たちが集まって、ウオッチングボートのナイアッド・エクスプローラに乗って数日間ホエールウオッチングをしているみたいなんだけど、ちょうど満ち潮で上陸しやすいので1時間ラボ見学をなさるらしい。

ポールがクッキーを焼いて(前回と同じレシピだけど超おいしかった)、ヘレナがコーヒーと紅茶をいれて、
「アシスタントもみんなに紹介するからメインハウスに来なさい」ってわたしたちも呼ばれました。
オルカライブの視聴者の人たちはいつもインターネットでわたしたちのボイスノートを聞いているので、ここではわたしらはちょっとした有名人。
「あなたがノルウェンなのねー!!」とか言われてみんななんか変なかんじ(笑)。

この視聴者のみなさんの中には毎年このツアーに参加している人も何人もいて「トモコ、今年も会えたわねー!」とか言ってくれてうれしかったです。
遠い国の、生活スタイルの全く違う人たちとほんのりオルカでつながっていて、毎年会えたりするなんて不思議。


それはともかく個人的にナイアッドがハンソン島に来てうれしかった!
わたしは毎年、行きか帰りにナイアッドの船長、ビルとドナ夫妻のおうちに泊まっていくのです。
ビルに呼ばれてナイアッドに乗り込むと、むりやりハンドルを握らされて写真を撮られ、あげく
「こんな巨大なボートを無免許で操縦するなんて日本人はクレイジーだ」と言われる(注・ボートは停泊していますw)。
今年も全く変わりないビルで良かったです。


これ貼ったことあったっけ。あっても再び貼る。
youtube「キャプテン・スプラッシュ」

ボートからバッテリーを降ろして自転車にまたがったビルは…。
(監視カメラの映像。息子のタイソンによりアップロード)

再生回数が3000回を超えているところがさすがビルですね。
ホエールウオッチング界の「ロックスター」。



ナイアッドとオルカライブの視聴者のみなさんが帰って、ラボの前にはザトウクジラ。
ザトウクジラが行ってしまって、日が傾いたころA30sがラボの前にやってきた。
めいっぱいブラックニー・パスじゅうに広がって。

もうA30sの中にはI68はいない。
再び出会えたお兄ちゃんと一緒に北の海のどこかにいるんだろう。
子供を亡くして、お兄ちゃんとはぐれても、A30sに保護されるまでひとりで生き延びたI68は強い。
そしてお兄ちゃんのI46はもっと強い。
オスは普通お母さんを亡くしたら悲しさで死んでしまうのに(オスは精神的にものすごく脆いのです)、彼は生きた。
亡くなった姉・I36の子供(I80)をすごく可愛がっていたけど、その子も亡くなり、さらに妹のI68の子供も亡くなり、妹ともはぐれてしまい、さらに背びれに大きなダメージを受けたけど、それでも生きた。
だからきっとこの先も生きられるよ。
がんばれ、がんばれ。


わたしが直接してあげられることは何もないけど、せめて彼らが健康に安全に生きられる海だけは守りたい。


そんなI31sへの思いはさておき、北に出たA30sは、潮に逆らって戻ってこようと試みはじめました。
でもなにせ1日じゅう食べまくって疲れていて眠いので、ブラックニー・パスの前から動かない。
ジョンストン海峡からブラックニー・パスに入ってきてから6時間…
雨はちらつき、風は強くなり、凍えるような寒さ。
目の前の真っ暗な海から呼吸音だけは聞こえるのに、コールは全くなし!!

…やっぱりアシスタント殺し。


ポールは「録音状態のままテープは放置して寝ればいいよ、ブローはみんなで交代で確認しよう」と言ってくれて、とりあえずヘトヘトのわたしは寝袋へ。
日付がかわるころにようやくA30sは全く声を出さないままジョンストン海峡へ流れていき、
ひとり起きてくれていたポールはエンドボイスノートを入れて録音をストップした。


2010-09-12 : オルカ : コメント : 0 :
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9月9日

みんな眠りについたはいいけど、午前2時台にI15sが起きた。
朝まで寝ててくれればいいのに。


午前5時すぎ、西へと進んできたI15sはオルカラボの前を通って北へ向かった。まだ暗かったのでブローしか聞こえず…。
午前8時まえ、A30sとI31sも東から戻ってきてオルカラボの前にやってきた。
霧の中、かすかに姿が見えるA30sとI31sはうつくしかった。
あっという間に北へと消えていきました。

あんまり寝られなかったけど朝からうつくしいオルカ見たし、気分良く仕事始めようー!と思ったら、
今度はトランジェントがラボの前にやってきた!

T55sさん。
番号からして良いよね。
10090902.jpg



オルカがいなくなったのでヘレナが「ハイキングにでも行ってらっしゃい」と言ってくれたけど、わたしはDATの仕事が全く持って終わらないので、涙ながらにノルウェンとPちゃんを送り出しました。

そんなふたりはハンソン島のジョンストン海峡側、サンダンスへ!!

10年くらい前までオルカラボの観測ポイントとして使っていたのですが現在もう朽ちていて、プラットホームも使用不可能になってます。
でも高い岩場からジョンストン海峡を見渡せる絶景。


ふたりが遠足に行ってる間にわたしは必死にC10sとC6sの録音を探し出して聞いていました。
C10sは、C10さんのお母さんのC5さんが亡くなってからけっこうコールが変わったんだね。
探してるコールは見つからないけど、もう使わないコールのことは忘れて現在のコールのセットで満足していればいいのかも。
歴史の勉強は必要だけどオルカたちも現在を生きているのだし。


テープをひたすら聞いて使える録音を探している間は、ヘッドフォンをつけたまま日記アップデートしたりポールに頼まれた翻訳(素人翻訳です…)したり、ほかの作業もできるんだけど、いったんいい録音を見つけたらクリップ作業に入るので他のことは全くできません。
数時間、延々とこれの繰り返し。

でもね~いったんいい録音を見つけたらめちゃくちゃ楽しいんですよこの仕事…。
本当、ずっとこれを続けられたらどんなにいいことか。
オルカたちは日々コールをアップデートするから、どうせ終わりはないんだし。


夕方になってノルウェンとPちゃんは迷わず無事にラボに戻ってきました!
片道1時間半の山道(途中サラウベリーが生い茂って道もほとんど消えてる)だから、ちょこっと心配したけど迷子にならなくて良かった。
しかもふたりが帰ってきたのと同じタイミングでT55sがもういちど北からやって来たー!!
ハンソン島のまわりをぐるりと一周して、「うーん、ブラックニー・パスっていい場所だね。もう1回行こうか」ってなったんですかね。

ただし視界から消える直前に、島の影で2頭が完全に水上にジャンプしてるのが見えました。
絶対なんか狩ってましたね、あれは。
イシイルカか何か…。


今日の鳥はまたまたキクイタダキさんですが…
かわいらしさに悶絶。
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本日はノーディナーのため、ゲストハウスの暖炉に火を入れて3人で仲良くマカロニ&チーズを食べました。
デザートはノルウェン提供のフランスのチョコレート。
あまりのおいしさに悶絶。

凍えるような夜でした。
あまりにも寒いので、首にマフラーを巻き、ぽわぽわの室内スリッパをはいて、ひざかけ毛布を寝袋の中に入れてくるまって眠りました。
2010-09-12 : オルカ : コメント : 2 :
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オルカラボ100

★お知らせ★


8月からオルカラボの新しいマンスリードネーションプログラムが開始されました!
これは「オルカラボ100」と呼ばれ、オルカラボの活動をサポートしたいと思ってくださる方はどなたでも参加していただけます。
ドネーション金額は月額5ドル(2010年9月現在・約400円)からで、参加してくださった方はAポッドの中からお好きなオルカを1頭お選びいただけます。
サポートしたいけど、好きなオルカがわからないって方は1から100までの好きな数字でもいいです。


わたしはもちろんA55を選びました☆(ってか、どうしても他のオルカを選ぶことができなかった…)
A12でも良かったんですけどね。
Pちゃんは同い年のA50・クリオさんを選ぶそうです。


現在人気があるオルカはその美少年・A55(エコー)くん、A72(ベンド)、A60(ファイフ)など。
すでに亡くなっているオルカでもいいのですが、さすがにA6などは人気があるようです。
びっくりすることにスプリンガーはつい最近まで誰にも選ばれてなかったそうです…(笑)
人気がありそうなオルカを避ける傾向にあるようですが、別に大きなファンクラブつくればいいじゃないですか(笑)
またヘレナに確認したところ「A51の新しい赤ちゃんとか、まだ番号のついていない子も選べる」らしいです。

手続きはとってもかんたんなので、オルカラボの活動に魅力を感じてくださっている方は、ぜひご参加お願いします。


手続きの流れ→
オルカラボ・ブログ「OrcaLab needs your support」のいちばん下から、月額ドネーションの金額を選択、Subscribeをクリック(最小の金額はOption7の月額5ドルです)→
Paypalのページに飛ぶので、アカウントを持っている方はログイン→
持っていない方はNo PayPal account? Pay using your credit or debit card をクリック→
地域選択でJapanをクリックすると申し込みフォームが日本語表記に変わります。

手続きが完了するとオルカラボからThank youメールと「Orcalab 100インビテーション」のPDFが届きます。
そうしたら好きなオルカを決めて、オルカラボにメールしてください(名前と好きなオルカを書き込めるように簡単なフォームをつくっておくので、英語の苦手な方もコピー&ペーストしてメールしてくださるだけでいいです)。
すると、折り返しオルカラボからそのオルカの経歴が送られてきます。


日本にサポートしたいと考えてくださっている方は数多くいるだろうけど、英語であきらめてしまうのではと考えてここでお知らせさせてもらうことにしました。
よろしくお願いします!


以下、オルカラボブログ「OrcaLab needs your support」の簡単な日本語訳です。

「現在、オルカラボは厳しい財政難に直面しています。皆様にこのようなお願いをするのは初のことです。
これは、オルカラボの活動に価値を感じていただいている皆さまに、活動のための寄付をいただけたらというお願いです。

オルカラボの活動には基本的に年間1000万円が必要です。これは主な活動拠点であるハンソン島での研究を可能にし、アラートベイにあるもうひとつの拠点の活動資金も満たせる金額です。
アラートベイに準備されている施設は古い民家で、マイクロウェーブでハンソン島とつながり、インターネットで世界と繋がるプロダクションスタジオとして現在改装中です。

わたしたちの意志は、わたしたちが見ている美しい野生のオルカたちの姿と鳴き声をインターネットを通じて世界に届けること、2000年にスタートしたオルカライブを続け、これからも発展させていきたいということです。
しかしこのゴールを成し遂げるにはかなりの資金が必要です。
また、今までやってきたオルカラボでの研究をこれからも続けていくための方法も探し出さねばなりません。


オルカラボへの定期的なドネーションをしていただけると、それは私たちが安心して活動できる最高の方法となります。
金額は最小で月額5ドル(日本円にして400円強)から、上限は皆様にゆだねます。
また、個人の寄付だけでなく企業、団体、学校からの寄付も歓迎します。もしお心当たりがありましたらよろしくお願いいたします。
ご協力いただけたら私たちの大きな助けになります。


月額ドネーションにご協力いただけるレギュラーサポーターは「オルカラボ100」のメンバーとなっていただけます。
メンバーになっていただいた皆さんには過去・現在のノーザンレジデントのAポッドのオルカ(A1からA95まで)の中から、いちばん好きなオルカをEメールでお伺いします。
同じオルカを選んだことでよい仲間ができたりするでしょうし、1頭お選びいただくことは、私たちとの繋がりを保つ助けにもなるでしょう。

ドネーションにはPayPalのアカウントが必要となります。
アカウントをお持ちでなければマンスリードネーションの申し込みフォームに記入してください。
このプロセスはとてもシンプルで数分で完了できるでしょう。


マンスリーでなく1回の寄付をご希望される方はオルカラボ公式サイトのShop and Supportページをごらん下さい。
オルカラボの私書箱アドレス(ハンソン島は無人島なので、近くの島に私書箱があります)は
P.O. Box 510 Alert Bay, B.C. V0N 1A0 CANADA
そしてEメールアドレスは
orcalab@island.netです。

皆様のサポートに大変感謝しております!
ポール&ヘレナ」
2010-09-10 : オルカ : コメント : 0 :
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9月8日

あーあ。
せっかくコールがないのにもかかわらずトータリーワイドアウェーク。


ばっちり目がさえて眠れない午前3時。
これは時間がもったいなさすぎると気づき、起きだしてパソコンが充電されてることを確かめて電源オン、今までクリップしたコールの整頓をしようとしたら、背後のスピーカーからかすかなコールが。
あーもう。


A30s、I31sとI15sでした。
「お客さん」たちはまだ遠い東なのか、とりあえず彼らのコールだけ。
案の定コールを聞いたとたんに眠くなったけど午前6時までがんばりました。
Pちゃんに交代してもらって仮眠。


ものすごい霧。一日じゅう霧。
この日A30sとI31s、そしてI15sは、8時間にもわたってCPの前に居座った。


でもこれはかなりのグッドサインなんですね。
オルカたちはブラックニー・パスの入り口に集まるチャム・サーモンを食べているのです。
去年も一昨年も、チャムの数はゼロに近かったからオルカたちはなかなかこの居座りができなかった。

前にも書いたかもしれないけどサーモンは基本4~5年サイクル(種類によって違う)なんです。
2004年に孵化した稚魚が2009年に帰ってくるとしたら、2005年の稚魚は2010年に帰ってくるので、前年の数はほとんど関係ないんですってね。むしろ5年前の数に関係してくるっていう。

今年はまれに見るサックアイ(紅鮭)の当たり年だったけど、来年はどうなるかわからない。
悲惨だった去年、一昨年の代の稚魚はどうなっていることやら。
でもとにかく、今年はオルカが秋に食べるチャムがいて良かった!!

ノルウェンとPちゃんと3人で交代でのレコーディングだけど、夜中も鳴かれているにもかかわらず、不思議と人数が多かったときよりしんどくないです。
これは人間関係がラクだってことによる精神的余裕か。



オオアオサギさんはばたく。
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ディナー時もオルカは鳴き続けた。
しかし今日もUSオープンです。
わたしはレコーティングが気になるのでたびたびラボに戻ったんだけど、ポールに「録音はそのまま放置すればいいから、テニスを見なさい」と3回もメインハウスに連れ戻された。
「オルカが鳴いてるから…」と言ってみたら、
「でもフェデラーの試合なんだから、見なさい」と言われる。

メインハウスでみんなで並んで観戦。
へレナのガッツポーツや歓声、そしてたまに小さく真顔で「…シット」とつぶやかれる。
本当にこわい。笑
毎年とても不思議に思うのだけど、この「テニスを見る」という仕事はいったい何なのだろう…。
スポーツを見るのは好きなのに、おかげですっかりトラウマです。

とりあえずPちゃんがテニス好きで良かったです!!


霧が一瞬晴れたと思ったらものすごい星空。
こんなにたくさんの星、実家の勝山でも見たことないよ。
A30s、I31sと!5sは東へ向かい、わたしたちは日付変わってすぐくらいにレコーディングをストップ、眠りについた。

2010-09-10 : オルカ : コメント : 0 :
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9月7日

寝袋から飛び出てレコーディングスタート。
時計を見るとまだ午前12時半やん。夜はこれからやん。
さらに聞こえてきたのはI15sでちょっとガックリ、肩を落としてメインハウスに報告に外へ飛び出すと…



ブホオオオオオオオオオオオーッ、キュオオオオオーーーーッ。



…恐竜?Σ(゚д゚lll)

じゃないですよね。ザトウクジラだ。
イルカがまわりにいると、呼吸音が恐竜のように変わるらしいのです。
「おっおっ、おれの方がでかいんだぞー!!」
ってやつでしょうかね。
そのイルカたちもラボの前でなんかブホブホやってて、ブラックニー・パスはえらい騒ぎ。


とりあえず録音ほったらかして「オルカじゃないけど海がすごいことになってるから」ってノルウェンとPちゃんを起こす。
恐竜のザトウクジラ聞かせてあげたかったけど、イルカたちのほうが近くにやってきました。


夜光虫に包まれて!!


あまりの美しさに声も出なかったよ。
イルカが通ったあとがほうき星のように淡いグリーンの線になるの。
デッキの寒さに震えながらしばらくこの特別な光景を眺めていた。


ザトウクジラとイルカたちが行ってしまって、ラボの中に戻ってヘッドフォンをつけると…


キャー!!
I15だけじゃないやんー!!


濡れたデッキにすっ転びそうになりながらメインハウスに走る。
ヘレナに「Rs!Rが来たー!!」と報告し、ラボに戻ってまたヘッドフォンをつけると、なんか耳慣れないBサブクランのコール…。
なにこれ。AクランIポッド…???


AクランIポッドはこのエリアでは非常にまれな群れで、はっきり言ってまともな録音がほとんどないので、専門家ですらコールがよくわからないのです。
しかもこの日はちょこっとしか鳴かなくて、ほんとうにA-Iなのかもわからなかった。
やっと来たRもN32っていうコールしか出さなくて、バリエーションの少なさに「…ほんとに本物?」って疑いそうになったし。
しかもちょこっとAコールが聞こえたから「やっぱりA12sがレアな群れを連れてきてくれたのかな」って思ったけど、その後ほとんどコール出さなかったし。

なんにしてもぐうたらI15sが先頭だったためオルカちの動きはびっくりするほど遅く、しかもI15sはほかの群れが来たのがうれしかったのか、大声で
「こっちよん」
「こおおお~っちよーん!」
なんて先頭で道中ずーっと鳴き続けたため、わたしが仕事で欲しかったレアな群れのコールは、全て大きなI15コールにオーバーラッピングされました。
もう笑いしかこみあげてこない。

しかしこんなぐうたらI15sですらお客さんを連れてくるのに働いたのに(その陰でA12sが動いてるっぽいのは当然ですが)、過去「ジョンストン海峡の主」と言われたA30sはいったい何をしているのだろう…。
仲良しI31sとつるんで食べてばっかりでさ…。

コミュニティが200頭ちょっとしかいなくて、インブリードを避けるためか全ての子供のお父さんが違うノーザン・レジデントオルカの世界では、「お客さん」を連れてくることは重要なんですよ~!!



長い夜があけ、こま切れ睡眠のわたしはゲストハウスで朝ごはん。
カウチに座って窓越しに海を眺めながら熱いコーヒー。
なんて快適なんだ…。
9月おそるべし。


今日の鳥はノーザンシャべラー(ハシビロガモ)さん。
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「お客さん」たちは遠い東に行ってしまって、わたしたちは1日A30sとI31sのレコーディングをして過ごしました。
一方のわたしたち、今夜のUSオープンは、ナダルの応援。

ヘレナは「ナダルがノースリーブを着なくなって残念だわ(腕を見たいらしい)」
ノルウェンは「ナダルが黒を着ているなんて信じられない!!やめて!!」
とかなんとかメチャクチャ言ってたけど、結局今日のナダルは黒を着てたけどブライトグリーンのシューズを履いていたので、それでふたりとも納得したみたいでした。

謎です…。


オルカたちは夕方から東に行ってしまい、久しぶりに静かな夜を過ごせるかと思いました。

2010-09-10 : オルカ : コメント : 0 :
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9月6日

はい、半ば無理やり日記を追いつかせようとしていますね。
でもアップしおわらないとお知らせ載せられないんですもん。


うかぶI15s。
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I15sは真夜中にオルカラボの前を通過して北へ。
続いていたA30sとI31sは、明け方あらためてオルカラボの前を通過して北へ。

眠いけどオルカがいなくなった間にやることがたくさんあるのでのん気にしてもいられないのです。
今日はアシスタントの人数が少なくなった&9月に入りとても寒くなったので、ゲストハウスが解放されてわたしたちのキッチンになった!
夏が終わって、もうお客さんも来ないしね。

いつも海で洗っていたキャンプキッチンの食器を真水で洗いなおしてお片付け。
キャンプキッチンカウンターもガスレンジもきれいに磨いて、ねずみが出ないようにブリーチ。
みんなが使ったクーラーBOXも、激落ち君できれいに磨いてバスハウスの下に積み重ねて片付けた。
また来年よろしくお願いしますねー


8頭のトドがオルカラボの前を通過。
先日の1000頭に続いて今日も500頭のイルカ。
シフトもなくなり(時間は決めずに疲れたら交代)、いろいろ9月モードになってきました。
…そういやラットはいつのまにかいなくなったなぁ。
わたしらが知らない間にソロモンに食べられたのか、このエリアはあきらめてくれたのか。


やらなきゃいけないことが終わらないうちにオルカたちは帰ってきた!
A30sとI31sの仲良し軍団が。
ものすごく秋っぽい組み合わせだ。


かもめのうにちゃんも「うにの岩」に戻ってきました。
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今日もバタバタと録音の間に自分の仕事をして、「ディナーだよー」と言われてあわてて片付けてメインハウスへ。
わおわお。今日のディナーはヘレナ特製のピザとフォカッチャ~!!
クラスターからちゃんと薪オーブンで焼いて、トマトソース、ブラックオリーブと玉ねぎ、フェタチーズ。
フォカッチャは上にパルメザンとハープを乗せて焼いてある。
なんでこんな、手で簡単に食べられるメニューなのかというと、今日はUSオープンでフェデラーの試合だからです!!
みんなでテレビ(基本、この時しか電源がつけられない)に向かって座って、一緒に応援。


A30sとI31sは日付が変わる前に水中マイクのエリアから出て、東に向かっていきました。
2010-09-10 : オルカ : コメント : 0 :
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9月5日

オルカがいなくなってから4日めの朝、とうとうA30sが北から戻ってきた。
でも1日はボートベイパーティだったし、2日はトランジェント見たし…。
3日なんて1000頭のカマイルカが目の前の海に広がってるのを見たから、なんか忙しくてオルカさん久しぶりな感じがしなかった。
でもお帰りなさい(笑)。


日付はかわって翌、5日。
前日の夕方から東に行っていたA30sが戻って来た。
夕方ずっと水中マイクのエリアにいなかったのに寝袋に入って1時間くらいで鳴かれたのでちょっとご機嫌ななめのわたくし。
録音スタートして、ヘレナに報告するためラボの外に出てメインハウスへ走ると…


ブホーッ。ブホブホッ。



わー
Σ(・ω・ノ)ノ


コールの主A30sは、オルカラボの前ではなくロブソンバイトで鳴いている。
ってことは、目の前のこの呼吸音は誰のもの?
全ては真っ暗で見えない…。
 

謎グループは全くコールを出さずにジョンストン海峡へ。
まあこんなことをするのは大体どの群れか見当つくけど。
(「来たよー」とほかのオルカに伝えるのすらめんどくさがる怠け者なのに、なぜかそれが許されてしまうあの群れじゃないかしら)

そんなわけでA30sのコールしか聞こえなかった夜があけ、こま切れ睡眠のわたしは9時半起床。
ラボに入るとヘッドフォンをつけていたヘレナが「今オルカたちはラビングビーチ沖なんだけど、A30sとI15sのコールが聞こえたわ」って。
ほら、やっぱりI15sだ(笑)。


とか言ってみんなで笑っててふと顔をあげたら、ガラス越し、目の前の海にオルカが。


「うわーオルカーっっ!!」

急いでみんなデッキに飛び出て個体識別、しかしこの群れは超~簡単でした。
だって1頭のオスの背びれ真ん中には傷があるし、
もう1頭のオスはすごく幅広い背びれなうえに、今年衛星タグをつけられたあとの生々しいキズが。
お母さんのサドルパッチはとっても特徴的だし。


「I33sだー!!」


I31sの一部、I33sはオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ。
そのころラビングビーチの水中マイクから聞こえてきたのは、同じI31sのコール。
このとき、ジョンストン海峡では静かにドラマが起こっていたのです。


8月の終わり、たくさんのGクランのオルカが帰った後も、I31sのI68(大人のメス)はA30sと一緒にいた。
このときわたしらは「I68さんはふたつの姉家族と離れたうえに、自分の子供もお兄さんも亡くしてしまってA30sに保護されたんだ」って思ってた。
でも、実はお兄さんは何に巻き込まれたか知らないけど、何とか生きのびていたのです。

夜中、まったくコールを出さずにジョンストン海峡に入ってきたI15sは、実はそのお兄さん、I46を探して連れてきてくれていた。
はぐれた時にいったい何が起こったのか、I46の背びれはダメージを受け、以前とは違った姿になっていました。でも、しっかり生きていた。
A30sとI15sは離れ離れになった兄妹をそれぞれ探し出してめぐり合わせ、そこに知らせを聞いた(どうやって知らせたのかわかんないけど、同じ日に来たってことはやっぱりどこかで聞いたんでしょう。オルカって不思議…)姉家族のI33sがやってきたと。


うおおおお。


もうひとりの姉の家族I35sはまだどこにいるのかわからないけど、散り散りばらばらになっていたI31sは、また一緒に泳ぎ始めました。


最近、A34sにしてもA35sにしても、お母さんから独立して小さなグループで移動するのをよく見るけど、これはここ数年食べ物のサケが少なくなったからみたいですね。大家族で移動しても、全員ぶんの満足な食べ物を探すことができないし。
それを考えると、お母さんが亡くなってからも全ての姉妹がそれぞれの家族を伴っていつも一緒に移動しているI15sは本当にすごいと思う。
ああやってぐうたら潮に流されながらも、17頭全員ぶんの満足な食べ物をいつも手に入れているってことなのだから。


午後いきなり、ポールにCPに連れて行かれました。
「ちょっとA30の写真が必要になったから、カメラを持って一緒に来て!」って言われて。
A30sはクレイクロフト島ぞいに東から進んできていて、わたしのカメラでは少し遠かったけどポールのカメラには十分な距離。
小1時間で目的の写真が全て撮れてしまってポールは超ごきげん。


今日はお母さんといっしょにいたA39。
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ってかわたしとポールがちょろっとCPに行ってる間に、問題のあったアシスタントがひとり帰国。
ネットだから詳しくは書けないけど、わたしら…特にノルウェン(優しすぎて深入りしすぎた)は精神的にかなり追い込まれるくらいに参ってたので、意地悪な言い方はあまりしたくないけど…正直、帰ってくれて「バンザーイ!!」でした。
まあ窃盗癖あり罪悪感なしの人とは島で一緒には暮らせないですね。ぷんぷん。


ハンソン島初トマトですー!!
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まさかこんな寒い島でトマト栽培とか。
メインハウスのサンデッキに放置され、冷たい風に吹かれて弱ってしわしわになっていたところを、
「グリーンハウスに入れてもいい?」と、Pちゃんと共にヘレナに頼み込んだのがはじまりで、トマトはわたしたちの担当になりました。
室内に入れて毎日大事に世話をしたら、みるみる元気になってたくさんの実をつけた!!
今日、最初の実が真っ赤になって、みんなでセレモニーを開催。
大事に摘んで、メインハウスに運びました。
かわいすぎて食べられないよー


そんなこんなで今夜も夜通しレコーディングでした!
2010-09-10 : オルカ : コメント : 0 :
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9月3日

今日は波が荒れているなあと思ってよく見たら…
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全てイルカだったりね。
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いつのまにか9月に入っていました。
1日の夜から2日にかけて、仕事が片付いていないのにボートベイパーティに連れて行かれました。

ロブソンバイト生態保護区の監視や、知識のないボートがオルカを追いかけようとしていたらそのボートを止めて、ガイドラインを教えてくれる「ワーデンワン」「ストレイトウオッチ」「イーグルズアイ」の人たちが寝泊りしているボートベイキャンプという場所があるんですが、だいたい8月いっぱいで夏の監視は終わるので、周りのオルカ関係者を呼んで打ち上げをするのです。

こういう場が苦手なわたしは毎年「CP留守番」とか何らかの理由をつけて行ってなかったんだけど、今年はさすがにわたしが行かないとラボの新人3人が知らない人たちの中に放り込まれることになるので同行。

水中マイクの聞こえない(当たり前です)場所で落ち着いて寝られなかっただけでなく、4時間にもわたるトランジェントのコールを聞き逃したと翌日ログブックを見て知ったときには愕然としました…(ポールとヘレナがふたりで録音してくれてた)。
でもボートベイはいい場所だし、帰りのボートでのセイリングはとても平和で、心も体も完全にソフトになったのでそれで良しとしよう。
あっそういや帰りにボートからそのトランジェント見ました。T102さん。


ボートを降りるときに1週間わたしたちの相手をしてくれたオオカミ犬、ソロモンとさよなら。
さみしかったです。

そんなこんなで通常の日々に戻り、オルカがいないので今のうちにとDATを聞きまくりました。
しかし12年も水中マイクの音聞いてきたのに、あらためてこの聞きなおしの仕事スタートして、発見したことけっこういっぱいあるなぁ。
しんどいけどぞくぞくするほど面白すぎる!!
これがお金になる仕事だったらバイトしに日本にも帰らなくていいし、ずーっと続けられるんだけどな…(スポンサー募集中)笑。


本日のディナーはサーモンとじゃがいものグラタンで、パンはポールがこねて焼きました。
そういやこないだポールはクッキーも焼いていました(めっちゃおいしかった)。
島にいると家事も楽しいし料理もおいしいです。
まきを割るのもパンをこねるのもおいしくごはんを食べるのも生きるためにすること。
毎日の生活の中にこういう小さな楽しみと喜びを見つけられれば生きること自体が楽しいはず。


オルカがいないから「ディナー後に映画を見ていいわよ」とヘレナに言われ、ノルウェンが選んだのは「WHALE RIDER(クジラの島の少女)」。
何回も何回も見ている映画だけど涙が出ます。
主人公の女の子の表情が忘れられない。


オルカのかわりにイルカが夜通し鳴いていた。
でも眠くて、どの水中マイクから聞こえているのかチェックしに起きられませんでした。
2010-09-10 : オルカ : コメント : 0 :
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8月31日

午前2時まえ。
北にいたI15sが起きた…。
わたしも起きた…。


かなりこっちに向かってきそうな雰囲気だったけど外は大雨、波も荒くてブローは聞こえない。
どうせI15sしかいないし、わたしも限界だったので「1時間半だけ寝かせて」と、ちょこっと交代してもらってる間にI15sはジョンストン海峡に入った。

午前4時。
多少睡眠時間がプラスされたのでもうたぶん平気。
交代してヘッドフォンをつけると…わおわお。I15sのコールじゃないやん。

メインハウスに走って寝ているヘレナに
「東に行ってた大きな群れが戻って来たよー!」とだけ伝え、あとは耳をすませて割り出すだけ。
しかしボートノイズはひどいし、コールはかすかだし、ラビングビーチの水中マイクは引き潮のため波の音がひどく、コールはろくに聞こえなかった。
正確にいうと個体識別できるくらいのコールは聞こえるけど、自分の仕事に使えるようなコールはひとつもなかったということですね。
こんなにたくさんオルカいるのに海は静かにならないし。もう(もはや仕事が終わらないことで頭がいっぱいになりすぎててわけわかりません)。

まっとりあえず東から戻って来たリードグループはCsとI11s。続いてA12sA36sとGs。そしてA30sとA5s。
I15sはロブソンバイトで彼らを待ちうけて、一緒に遊んで…

とまあこんな感じでわたしはかなり確信を持ってログブックに書き込んでいたわけです。
すると、起きだしてきたヘレナが
「Csは昨日、キャンベルリバーで目撃されているのよ…こんなに早く来られるはずがないわ」
と言い出しました。

うん、そういえばちゃんと寝てないなぁ。
でもCsなんて聞き間違えるはずはないんだけどなー

自信が崩れ去りそうになった午前7時過ぎ、オルカラボの前に最初の群れが登場。
あらら?なんとA12sとA36sです…。

みんながデッキに集められて個体識別。
くもりで多少薄暗かったけど、個体識別するにはじゅうぶんな明るさでした。
続いて登場したのはGs。
今年はCPでもこんな近くで見たことないよ。ありがとうオルカさん。
そしてG39の背びれは大変なことになっているなぁー
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最終グループはI15sっぽかったのでわたしはいったんラボの中に戻ってヘッドフォンをつける。
あら?なんか違和感。
I15sがI11sっぽいコールを出してるっていわれればそうかもしれないけど、すっごい違和感…。


外に出てスコープをのぞく。
確かにI15sはいたけど、彼らに先行してなんかいるやん!!
G12sだーーー!!!


以前、ヘレナに言われたことが瞬時に頭をよぎりました。
「G-Gの群れの中に、G-Iのようなコールを出す群れがいるの。私にもジョン・フォードにも同じ混乱が起こったんだけど、Gsはいつもたくさんの家族が一緒に行動しているから、それがどの群れから出たコールなのかいまだにはっきり特定できないのよ」

こんなこと言われていなかったら、そして自分の目でその姿を確認していなかったら。
オルカラボの前とローカルレフトの水中マイクじゃなかったら、きっとこれがGクランGポッドのオルカのコールだなんて信じなかっただろう。
G-Gに分類されちゃってるけど実際はG-Iに近いんじゃないの?

オルカラボにとってめちゃくちゃラッキーモーニング。


しかし後続は現れなかった。
ヘレナが「G12sがG-Iコールを出すのなら、初めからG-IのI11sはいなかったんじゃないの?ジョンストン海峡にいた全てのGクランがオルカラボの前を通過したのにI11sだけよそへ行くなんておかしいでしょう」
と指摘してきたので、寝てないわたしはとても自信がなくなりました。
Csも消えたし、A30sとA5sも行方不明だし、もうどうしたものかわからない午前8時半。

とりあえずリア(ストレイトウオッチなのでかなり正確に個体識別ができる)と一緒に、ポールの撮った写真をIDブックを比較し、わたしがログブックに記入したコールの流れを抜き出しながらまとめる。

○リードグループはCsとI11s(オルカラボの前に現れず…眠かったうえにヘレナにいろいろ指摘されてもはや自信なし)
○続いてA12sとA36s
○続いてG17s、G29sとG31s
○最後にG12sとI15s
○A30sとA5sは消えた


その作業をしている間に、ヘッドフォンをつけていたノルウェンが「もうコールがなくなって25分たつけど録音止めていい?」と聞いてきた。
いいよー、と言って、ノルウェンがテープを巻き戻した瞬間、コールが。

「あらっ、これはA30sじゃん…」


そのときヘレナがニコニコしながらラボに入ってきた。
「A30sのコールがFIの水中マイクが聞こえてきたんだけど」というと、ヘレナは
「いいのよ、それで大丈夫」と言って、ホワイトボードの大きな地図にオルカたちの動きを書き始めた。


リードグループのC10s、C6sとI11sはブラックニー・パスには入らずに西へと進み、ピアスパッセージからコーモラント島(アラートベイのある島)の裏に抜けて北西へと進んでいき、発見されたらしい(眠くてもちゃんと耳は動いていました!よかった…)。Csは遠いところから戻ってくるのに相当がんばっただろうし(でも不可能ではないということですね)、I11sがほかのGクランと一緒に行動しなかったのも確かに変だけど、Csにかわいい女の子でもいたんでしょう。

わたしたちが確認した、オルカラボの前を通過した群れはそのまま北へ進み、マルコム島の沖へ。
いちばん最後に「もう誰もお客さん残ってないよね」とA30sがA5sと一緒にジョンストン海峡の見回りをし、ウェイントン・パスから北へ抜けた、と。
かなり複雑な動きをされて混乱したけどばっちり裏づけがとれてホッとしました。


北に消え行くA30sとA5sのコール。
それに続いて小さなかすかな、あるコールが…。

わたしとヘレナは顔を見合わせた。
これはたった1頭のI31sのコール…。

I68はまだA30sと一緒にいたんだ。
こんなにたくさんのGクランのオルカ(遠い親戚)が来たのに、血がつながっていなくて言葉も違うA30sの方が良かったのかな。

A30s、A5s、I68のコールは徐々に遠くなっていった。
「もう寝ていいわよ、トモコ」とヘレナは笑った。

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8月30日

I15sは日の出と共に目を覚まして(健康的ですね)、ウェイントン・パスからジョンストン海峡入り。
コールが聞こえ始めたのは午前7時まえ。

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わたしもポールもヘレナもちゃんと6時から起きててコーヒーまでもらったのに、トイレに行ってるすきに彼らは鳴き始めました。
森のスピーカーからコールを聞き、急いで駆け戻るとラボにはポールがいて、
「録音しようと思ってDATデッキの電源を入れたら、ヘッドクリーニングをしろって表示が出たんだよーハーッハッハッ」と笑いながらクリーニングテープを回していたので、まだ録音は開始すらされておりませんでしたとさ。
人々の心に余裕をもたせるI15s。


I15sのコールを聞いてほかのみんなも起きてきた。
しかし昨日のオルカたちが戻ってくると一気に忙しくなるので、なぜか「今日は早めにCPへ行こう。個体識別しないといけないからトモコとモモコが行きなさい。さあ準備して」とポールに言われる…。
2日連続でCPなのはいいけど自分の仕事まったくできてない。まあいいか。
(アナログテープなら持って行ったら聞けるのに、そのことは忘れることにしました)


そんなわけで午前9時、ゴージャスな天気のCP!!
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朝早かったためかボートもいないし、霧が少しだけ残っていて、空は青くて、空気が本当に冷たくておいしかった。
CPに向かう途中、あまりの美しさにポールは2回も「ごめん、ちょっとだけ待って」と言ってボートを止めて景色の写真を撮らなければなりませんでした!笑

I15sはバンクーバー島沿いに東へ進んできたけど、わたしたちの到着とほぼ同時に霧の中へ消えた。
ふたたびノーオルカ@CP。
わたしとPちゃんは顔を見合わせました。
ここでの仕事は「デッキに出て海の監視をしている事」。つまり、オルカがいなかったらそれさえこなしていればあとは別に…


リゾート。笑
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わたしたちはカフェオレを入れて、ラボから持ってきたお菓子(主に日本のみんなからの贈り物♪)をお皿にあけてバードウオッチングしながらサンシャインを楽しみましたとさ☆
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ベビーあざらしも出たし。
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ハンソン島に戻ったらやらなきゃいけないことが山ほどあるのに、わたしは何をやっているのだろう…。
しかしオフィシャルでここに連れてこられたのだし、電気もなくてほかに何もできないんだから仕方がありません。
目の前の風景を楽しむべし。
 

そんなふうに6時間くらい(長っ!)寝そべったり食べたりしゃべったりしていたらようやくI15sがCP前に戻ってきました。

17頭が、タテ10キロ横3キロくらいに広がって。
しかもI15sとは思えないようなスピードで、あっというまに過ぎ去りました。
個体識別ほとんど不可能(…)


しかも彼らが通り過ぎた後、急に天気が悪くなって雨が降ってきた。
わたしたちは凍えるようなデッキで雨に打たれながら監視を続けた(そうです、どんな天気になっても海を見るのが仕事…)。
リゾートリゾートしたバチがあたったのでしょうか。
結局期待していた大きな群れは戻ってこなかったしね。

I15sはいったんウェイントン・パスに入った後、またジョンストン海峡に戻ってバンクーバー島側に渡り、雨に打たれるわたしたちの目にはスコープですら見えるか見えないかわからないようなものがうつりました。
ミゼラブルですね。

ようやく迎えが来たときすでに午後8時近く。さむい…。


しかしハンソン島に戻ったわたしたちを迎えたのはあたたかいディナーでした。
今日はもともとディナーがない予定だったのに、ソロモンの飼い主、リアが彼を迎えにきたので準備されることになったのです!
ディナーもコーヒーも、ほんとうれしかった…。

I15sは昨日と同じように、日付がかわるまえにオルカラボの前を通って北へと進み、北で眠りました。


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8月29日

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えっと…2日間ほど飛んでますが、↑その間にラボの前がこんな感じでしたので。てんやわんや。


ほかのアシスタントに任せてたった2時間眠ったばかりに、夜中の動きがまるで不明…。
しかも手違いでその間のテープが録音されてなかったので聞きなおすこともできない。
なんてこったー


なんで眠気に負けてしまったのか後悔にくるしむ午前7時半、A30sのコールがCRPTの水中マイクから聞こえてきた。
すでにヘレナと一緒にログブックを見ながら昨日の動きを推測しあっていたので、録音開始後ふたりでヘッドフォンからの音を聞いていたら…


( ̄□ ̄;)!!
とつぜんC'sのコールが北のFIの水中マイクから聞こえてきた!!


ひっさしぶりのNEWグループですよ。
しかも今やってる仕事のなかでC10sのN18というコールを探してるんだけど、最近のテープをいくら聴いても遠かったり重なってたりボートノイズの中だったりで、どうしてもパーフェクトな状態で見つからなかったのです。
でも最新2010年バージョンが録音できるのでは?とわたしは一気にテンションダダあがり(超マニアック)。
こっちにくるかしら?とウキウキしながら待ちましたが、ハンソン島ダブルベイまで進んできた後、A30sの声にひっぱられるようにCsはウェイントン・パスの方へ進んでいかれました。ちーん。

お昼前にはみんな東へ。


しかもオルカたちの動きがいったん落ち着いたので仕事スタートさせようと思ったら、
「トモコとノルウェンの番だから」
といきなりCPに連れて行かれました…。
いきなりすぎて聞きたいテープも持ってこられなかった。
しかもターンするかと思ったオルカたちはそのまま東へ。


仕方ないのでノルウェンと日光浴♪
&バードウオッチング。

キングフィッシャーさん!
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キクイタダキちゃん♪
しっぽにキュンキュン。
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今年のCPはインバーターが壊れて電気まったく通ってないので、時間があるとはいっても中でパソコンをいじるわけにもいかないし、オルカがいなかったら無線連絡もすることがなく、デッキでひすら海の監視をするくらいしか仕事がありません。
ひゃー。
おかげで午後4時に迎えがくるまでひたすら海を見ながらノルウェンとガールズトークにあけくれました。
まあこれはこれで楽しかった!
精神的にも肉体的にもリフレッシュ。


その間にハンソン島に残されたPちゃんはひたすらオオカミ犬ソロモンのトレーニングにあけくれていたらしい。
島に来たときには「お手」くらいしか出来なくて、投げた棒を拾っても絶対に離さなかったソロモンだけど、熱心なトレーニングのおかげでボールも流木もダイビングキャッチ&持って帰ってきて目の前にそっと置いてくれるようになりました。

Pちゃん&ソロモン
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ラボに帰ってコーヒー入れて…。
さあ、ディナー前にちょっと仕事しようかなとマップルームに入ってヘッドフォンつけようとしたところに、コール。
え、まだ再生ボタン押してないよね。


1回にかけおりてラボに入り、レコーディングスタート。
キャー


こ れ は G ク ラ ン の コ ー ル ! !


とりあえずその場にいたPちゃんとノルウェンに「ヘレナにI11s/I31sタイプのコールと、GクランGポッドが来たって伝えて!」
ってメインハウスに走ってもらう。
ドキドキ。
超ドキドキ。
耳を澄ませたんだけど…。


あぁ、I31sじゃなくてI11sっぽい。
このふたつの群れは日によってコールがとても似ていることがあって、どっちとは言い切れないけど、今日は完全にI11sだ。
何に一瞬期待したのかって、A30sと一緒にいるI68さんを家族のI31sが迎えに来てくれたのかと思ったのですよ…。
でもI31sはいなくても、たくさんのGクランのオルカたちが来た。


ディナーはカートの超人気レシピ、ハワイアンサーモン!
…だったけど、わたしはラボに残されてひとり録音しながらお皿をつつく。

Gクランの大きな群れは東へと進み、東にいたI15sが西へ進んできて、しばらく同じ時間を過ごした後、Gクランたちは東に、I15sたちはオルカラボの前を通過して北に向かっていかれました。
ヘレナに「今夜はきっとややこしくなるからふたりで分担してレコーディングをしましょう」
って言われて、寝てないわたしはゲッと思ったけど、I15sは北で黙って(たぶん寝た)、残りのオルカたちは東へ消えていきました。


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8月26日

午前3時前。東から戻って来たI15sとA12s、A36sのコールで目が覚める。
3時間寝ている間にどうやらあれだけみんなを悩ませたA30sとA5sはジョンストン海峡に入り、東に向かったらしい。

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ヘレナが気を利かせてくれたおかげで久しぶりに3時間連続で寝られたのでわりと頭もすっきり。
っていうかA12sだから頭もすっきり。心もうきうき(えこひいき)。
午前9時まえに彼らはブラックニー・パスに入って来て北へと向かっていきました。
A55のうつくしい背びれ見られたー♪


そんなこんなですっかり
●A12sびいき
●A30s嫌い
になっていた雨の日の午後。


ピン。


わたしは震え上がってヘッドフォンを外し、メインハウスへ走った。
いた!まだいた!なぞのGクランのオルカがー!!

ヘレナは情報をきいて「これで謎がとけるわ!」ってガッツポーズしたけど、その後わたしらのもとに入ってきたのはちょっと胸がしめつけられるような情報だった。


A30sと一緒にいる謎Gクランは、やはりジェレッドが先日確認したとおりI68。
ただし、やっぱり彼女1頭だけ。
つまりI68は、A30sに保護されているんだ。


彼女が属するI31sは、お母さんのI31本人が亡くなってから、「I33s」「I35s」「その他」のみっつに徐々に別れていった。
I68は「その他」グループにいたんだけど、姉のI36が亡くなり、その子供の小さなI80も亡くなった。
さらに自分自身の子供も亡くなって、お兄さんのI46とふたりで泳いでいたところを、お兄さんも何らかの理由で亡くなってしまったんだろうか…。
遠く離れたどこかの海にいる上の姉たちI33sとI35sは、きっと彼女がひとりぼっちになったことを知らない。


そこに現れたのがジョンストン海峡の主、A30sですよ。
わたしら何も知らない人間は、なんでこの夏A30sがジョンストン海峡に来るのが遅れたんだろうって思ってたけど、きっとその間にひとりぼっちのI68を見つけたり、一緒に家族を探したり、いろいろあったんだろう。

親戚でもなんでもなく鳴き声も全く違う大人のメスを家族の中に受け入れて、気にするそぶりもなく(A39置いていかれるとか、完全にいつも通りだし)一緒に泳いでいるA30sのことを考えたら、今朝まで「アシスタント殺し」なんて言ってたのがはずかしくなりました。

そういやA30sはスプリンガーがジョンストン海峡で3日くらいだけA11sとはぐれた時も、家族の真ん中を泳がせて自分の子供と遊ばせていた。
優しいです…。


今日のディナーはマカロニ&チーズ(サーモン入り)。
簡単でおいしい、とても典型的なカナダ料理です。
マカロニをゆでてホワイトソースとみじん切りにした野菜・ハーブ、好みで魚や肉とあわせて、チェダーチーズをたっぷりかけてオーブンへ。
ケチャップを少しそえて。
いくらでも食べられます!!

オルカたちは今夜は日付がかわるころに東へ向かっていった。
久しぶりに睡眠時間・確保…。
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8月25日

A30sとA5sがいつまでたっても動かないし、睡眠不足もたたってイライラしてきた午前2時過ぎ。
「最愛の群れ」A12sのコールが聞こえてきてとつぜん機嫌がなおったわたくし。
これで寝てなくても朝まで録音できますね!ふんふーん♪

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…調子に乗りすぎてすっかりオールナイトしてしまいました。
非常に後悔。寝るタイミングはあったのに…。


午前8時にお客さんが来てメインハウスで朝ごはんを食べることになっていたこともあり、交代してすぐにラボ掃除、デッキのまわりもほうきで掃く。
オルカさんたちはウェイントン・パスを通過して北に向かい、8時まえにコールは聞こえなくなった。


お客さんたちはウオッチングボート「ギクミ」のジム・ボローマンさんの小さなボートでやってきて無事に上陸。
人の良さそうな家族だなーと遠めに見ながら思っていたら、ヘレナがやってきて
「トモコ、エリックを紹介したいからあなたもいらっしゃい」
とわたしをメインハウスへ連れて行った。


食卓には焼きたてのシナモンバンズと白パン、野菜の入ったオムレツ、ヨーグルトとフルーツ、そしてコーヒー。
ひゃー!!他のアシスタントに隠れてこんな豪華な朝食いいのかしら…と食べ物にばかり気をとられてたけど、ふと顔をあげるとニコニコしたとてもやわらかい雰囲気のおじさんが。



エリック・ホイト氏!!Σ(゚д゚lll)



「オルカ入門(佐藤晴子さん訳)」の著者であり、オルカ業界で知らない人はいないエリック・ホイトさんでした。
ご本人もご家族もみんな超いい人たち。
しかも朝ご飯も超おいしかった…。


洗い物をしてラボに戻って、アシスタントのみんなも「エリック・ホイトさんだー」とドキドキしていました。
ここで言いたいのは「わたしらの博士、ポール・スポングだって超ー有名人じゃん!!」ってことですね(笑)
この島で一緒に生活してると、その愛すべき天然っぷりに麻痺してくるけど。


ちなみに有名人と言えば、新人のジャネットがこの島に来たとき、わたしに
「写真家のポール・ティクシエさんと友達って本当!?すごいわね!!」
ってキャーキャー大興奮してたけど。


ポール・ティクシエって…あのそのつまり…子ポールやん。


数年にわたるこのブログのせいで、日本では子ポールは「CPでサーモン持ってスコープのぞいてる人」としか捉えられていないようですが、実際はその後、ラボアシスタントを卒業してから有名な写真家になっていたようです。

でも有名なところなんて知らんし。
いつもオートで写真撮ってた彼に「写真はマニュアルで撮ったほうがいいよ。オーロラを撮るときは光が足りないから、シャッターを長く開いて!」などと教えたなんてもう口が裂けてもいえません(言った)。


その子ポールは新人アシスタントだったとき、ラボの2階のベッドに横たわって
「僕はいまジャック・マイヨール(グラン・ブルーの主人公)が寝ていたベッドで寝てるんだー!!」と叫んでいたのでわからないものですね。
可能性のある人たちがいっぱい集まる場所なんですかね。
(都会の組織の中でうまく生きていけない人たちが集まるともいえます)


エリック・ホイト一家がギクミでホエールウオッチングに出かけたお昼過ぎ。

オリビエの出発です。
みんなさみしくて前日の夜から半泣きだったけど、泣かないって約束したのでみんなで笑顔でお別れしました!

ヘレナとハグをかわすオリビエ
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女の子みたいに話し出すと止まらないけど、本当に仕事にマジメで、いつもいつも発電機をチェックしてヘレナに「ミスター・ボルテージ」と呼ばれていたオリビエ。
ここの場所もここの仕事も大好きで「帰りたくないよー」と言ってた。
でも彼の進路的に考えると、ここのアシスタントとして働けるのは今年限り。

どれだけ見送っても慣れることはないなー
ほぼ24時間一緒で家族みたいに過ごした友だちと、きっともう会えないってわかっててさよならする瞬間。
いつか世界中を旅してまわって、昔のアシスタントたちみんなに会いにいけたらいいのにな。


長くなったけどそんなことはさておき。

午後6時まえ。北からA5sがいっせいにやってきました。
わーオルカだらけ。

わー
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続いてA30s…と思ったら、オス1頭しかやってこない。

いやな予感。
スコープで確認…A39ですね。


A5sの軍団がジョンストン海峡に消えかかったころ、A39はオルカラボの向かいあたりまで進んだけど、そこでようやく他の家族がついてきていないことに気づいた彼。



「おっおっ、おかあさあああんー!おかあさあーーーーーん!おかあさんーーーーっっ!!(N47)」



パニックに陥ったA39(35歳・マザコン)は何度も北と南を行ったり来たりしてウロウロ。
すると、彼の異変に気づいたA5sは、ゆっくりと方向を変えて戻ってきてくれたではありませんか。
なんて優しい仲間なんだ…。


一方、A39以外のA30sは、どんなに迷子のおっさんが泣き叫ぼうともこっちにこようとはしない。
マザコンのおっさんは、A5sと一緒にジョンストン海峡に行きたかったんです。
でも家族は北にいたかったんです。
パニック状態のまま泣き叫ぶA39、少しコールで返事はしたものの、決して彼を迎えに来ようとはしないA30s。
A39をそばで見守るもヒマになってきたA5sの軍団は、水面に浮かんでスパイホップしたり身体を水面でくるくるさせたりして遊びだす始末。


わたしは言いたい。
A39は2年前の「迷子のおっさん事件」でちっとも学習していなかったのかと!!


しかもあれよ。
水中マイクのこんなせまいエリアで2回めってことは、きっとわたしらの目が届かないほかのエリアでもやってますよ。
きっとA30sにとってはいつものことなんでしょう。
「あの子はいつも勝手にどこか行っちゃうから、ちょっと置いていってわからせないと」レベルなんでしょう。

その後A39は泣き叫びながらいったん北の家族のもとへ戻り、A5sもゆっくりついて行ったけど、午後7時から日付がかわる寸前まで彼らはちょこっとブラックニー・パスに入ってきたり、また北に戻ったりを繰り返したのでした。
凍えるようなデッキ。
徐々に消え行く視界。
動かないオルカたち。
コールズオンローカルレフト(ラボの前)6時間め…。

このままではアシスタント全員が死んでしまうので、とりあえずオルカがラボの前にいても外ひとり、中ひとりに絞って交代で休むことにした。
やっぱりアシスタント殺しのA30s(そりゃ勝手に水中マイクで聞いてるのはわかってるけど、眠気と疲れもたたって徐々にわざとやられてるような気になってきます…)。
日付がかわるころ、彼らはようやく動き出した。
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8月24日

スイマセン。
昨日までgoogle表示するのですら10分かかるインターネット状況でブログとかあきらめてました。
復旧したみたいなので少しずつアップしていきましょう。


A30sとA5sはラビングビーチ沖で夜中じゅう鳴き続けた。
6時まえにようやく移動しはじめてロブソンバイトに逆戻り~。


夜中は目撃情報は入ってこないし、無線連絡もない。
夜中のオルカたちの動きを追えるのは水中マイクの音だけです。
そんなわけで何か変化があったら他の人のシフトでも起きて、オルカの動きをチェック。
こま切れ睡眠に慣れていても、さすがにその合計が3時間以下になると身体も動かなくなってきます。


そんな疲れた心に癒し。
犬がいる生活。
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ソロモンです。大きいです。バーニーズとオオカミのmix。
もふもふ。ものすごく優しいし、めちゃくちゃ頭がいい。
ご主人様・ストレイトウオッチのリアが旅行に出るので置いてゆきました。1週間オルカラボに泊まるそうです!
うきうき♪


オルカたちもいろいろ動いたけどもう記憶がとぼしいので詳しく知りたい方はオルカライブを参照してくださいませ。
あ、そういやA55(エコー)は今日はA36sに入っていて、久しぶりにA36sが3頭になっていたようでした。
見ーーたーーいーー


そして何気にオリビエのラストDAY。
9月初めから学校がはじまるのでもう帰国しなきゃいけないんだって。
男手はいなくなるし、あのおしゃべりが今日で聞けなくなるかと思うと…それはそれでさみしくてたまりません。


田中がなんかたくらんでいますね。
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堂々とオリビエのパンを盗む田中(ひと口だけ)
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ディナーは今日も紅ザケ。
来る日も来る日も紅ザケ。
でも毎日でも全くかまわないというか、叶うなら今後もずーっと毎日食べたい絶品です。
日本の食卓に並ぶみたいな塩漬けじゃないよ(笑)
3枚におろして、にんにく・マヨネーズ・しょう油をまぜたものをハケで塗り、薪ストーブのオーブンに入れます。
じっくり焼いて、中まで火が通って、ソースが軽くこげてきたくらいが食べごろです。
ブリップリの身。はふはふ。うまうま。


ただ問題は切り身のレイヤーを見ると、スペクトログラムにしか見えなくなってくることです。
もしくは仕事中にN4のスペクトログラムを見ると鮭の身に見えてきます。
もはや末期。


A30sとA5sは今夜も延々と鳴き続けました。
2010-09-07 : オルカ : コメント : 0 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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