夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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8月21日

日付がかわった。
A30sに見送られてA35sとスプリンガーは北へと旅立ちました。
A35sご一家とスプリンガーの属するA4ポッドの皆さんは、だいたい8月はジョンストン海峡を離れてどこかで時間を過ごして9月ころにまた帰ってくるんだけど、今年はけっこう遅くまでいてくれたね!

でも残りのA4/A5ポッドの皆さんは北に旅立つどころかラビングビーチで遊んでいました。


午前4時すぎ、A12ばあちゃんとA36s兄弟がオルカラボの前を通過して北へ。
残りのA4A5さんたちはわいわいとジョンストン海峡を西へ。そしてターンして東へ。
わたしとPちゃんは無事にシフトをビアンカに引き継いで、ようやく寝袋にもぐることができました。

※今日からゲストが滞在してヘレナが料理などにあけくれるため、スペシャルシフトが作られたのです!!すなわち夜の間も間違いなくオルカの動きを追うために、わたしとPちゃんが毎日夜中シフト、その前後の早朝と深夜をビアンカが担当します。ヘレナが作ったシフトだから誰も文句は言えないよ~わーいわーい



世界でも日本でもいろんなことが起こっていたり終わっていなかったりするのに、こんな世界のすみっこの無人島でシフトに一喜一憂するなんてどんなにありがたいことか。


夕方。今回のゲストが3組同時に来ました。
ヘレナの親戚のティム(2008年に来たティムね)、その彼女のスー、ティムの姉ケイティ、ナタリー。
ドイツ人写真家トーマスさん一家。
そして日本からポールの友人の渡辺さん。
ちょうど島に向かう時に、1日じゅうジョンストン海峡を行ったり来たりしていたA4/A5ポッドのオルカたちを見られたようで、ゲストの皆さんにとっても幸先いいスタートです。お天気だけがぐずってた。


午後9時半ころ、たぶんA12ばあちゃんとA36s兄弟がオルカラボの前を通過してジョンストン海峡に戻ってきました。
もう暗かったうえに雨と波の音の中、ブホーブホーと2回くらいしか呼吸音も聞こえず、おまけにひとことも鳴かなかったから「たぶん」としか言えないけど。


その後コールも聞こえず、わたしたちはめずらしくとても静かな夜を過ごしました。
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2011-08-29 : オルカ : コメント : 2 :
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8月20日

オルカラボがツイッターをやっているのは皆様ごぞんじ?
アカウントは@orcaLab1です。
昔流していたアラートメールのような感じで、オルカライブでいい鳴き声が聞こえているときにツイートでお知らせします。



昨日の続き。
いったん北に消えたと思われた午前零時のオルカさんたち(A34sをのぞく全てのAポッドとI15s)だったんですが、方向を変えて今度はみんなでオルカラボの前を南へと大移動!!


それでも午前2時にはみんなジョンストン海峡に入り、3時前には東に進みはじめ、5時すぎには先頭グループがラビングビーチへ。
夜中でシフトに入っている人は寝られなかったにしろ、オルカたちはまあ順調な動きをしていたと思われてわたしもヘレナもぐっすりだったんですが。


午前8時前に例のぐうたらのくせに人の文句ばかり言う女子アシスタントの怒鳴り声で目が覚めた。
アシスタント同士の間でシフトの勘違いが発生し、午前6時から午前8時のラボが「コールが聞こえていて録音状態のまま」無人になったらしい。

ヘレナとわたしは「まあまあ、わたしらがテープを聞き直せばすむから」とその人をなだめ、(わたしら大人だから!を合い言葉に)朝からがっつり聞き直し作業に励んだのでした…。


夜はウオッチング船や観測ポイントでの目撃情報がすべてなくなるから、オルカラボで聞こえた音だけが頼りになる。
でも夜の間に起こったことを午前9時くらいにみんなに無線連絡するので、それまでにテープを聞き直して動きを把握してればだいたい大丈夫です。
オルカたちが水中マイクのエリア内でも沈黙してたら終わりなんですが…。

ざっとテープを聞き直したところ、オルカたちはみんな声を出してくれていたし、午前3時まで録音に入っていたPちゃんがしっかり重要なところをメモしてくれていたので、びっくりするほど簡単に確認作業が終わってしまった。

I15sはジョンストン海峡に入ってすぐに、東に行くみんなとわかれて西へ流れ、ウェイントン・パスから北のブラックフィッシュ・サウンドに出たんやね。
良かった良かった(´Д`;)ホッ



そんなめんどくさい朝のこともすっかり忘れたくなるようなスペシャルな事件がありました☆


オルカラボの前をすいすい泳ぐクマさん
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そしてわたしらがお皿を洗う入り江のすぐそばに上陸。
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<(゚ロ゚;)>
え、えっと…。


ただの黒クマとはいえ、ほとんどの人は野生のクマさんを目にすること自体が初めてだったようで、見られてうれしいのと同時に震え上がり、この先もテントで寝たいという人は「クマにおびえない勇敢な男になりたい」と謎の言葉を吐くルーウェンを除いてひとりもいなくなりました。
やつら身体はおっきいけどゴールデンレトリバーみたいに走るからなぁ。

わたしが知ってる日本のツキノワグマ(勝山のクマしか知らんけど)ってずんぐりむっくりまさしく日本体型で鼻づらも短いです。
カナダのブラックベアは手足も長く鼻も長いんですね。
そういえばオルカも日本近海のはずんぐりむっくり、カナダのは頭が小さくてすらりとした体型のような気がする。


その後、キャンプキッチンや森のトイレやお皿を洗う入り江に向かうたびに、誰もが震えつつむりやり鼻歌をうたいながら歩くようになりました。



午後4時まえ、オルカたちがラボの前にやってきた。
オルカラボのアダプションプログラムに入っているA8sが中にいたので、写真家をめざすPちゃんがポールに連れられて撮影スポットに向かった。


スプリンガーは最近、親戚のA35sと一緒にいます。
(いけすに入っていた2歳当時、迎えにきてくれたあの群れ)
誰とでも仲がいい非常に社交的なオルカなので、メインで世話になってるA11sだけでなくどの群れと一緒にいてもおかしくはないんだけど、最近はA35s一家のA70(サニー)さんと気が合うらしくずっと一緒で、A35sのちっさい子たちの面倒も見てるっぽい。

サニー(左・A70)とスプリンガー(右・A73)
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Photo by Pちゃん


A30sとA11s、A35sは北に出るとウェイントン・パスからジョンストン海峡に入り、ハンソン島のまわりを一周してまたブラックニー・パスに入って来た。
ほかのオルカたちはラビングビーチでゆっくりラビング。
今年のオルカたちはめいっぱいコア・エリアを使って遊んでる。

AポッドとI15s以外の、ほかのオルカたちがなかなか来ないのだけが気になるけど、サーモンもたくさんいるみたいだしオルカたちも健康で楽しそうで良かった。

今日もオルカたちのコールが消えないまま日付がかわっていきました。
2011-08-26 : オルカ : コメント : 2 :
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8月19日

日記の更新が少しずつ遅れる季節になってまいりました☆


人間関係にもイライラする季節に突入し…おおっと、やめておこう。
わたしとPちゃんは「わたしら大人だから!」を合い言葉にがんばっております。


真夜中のI15sのコールに打ちのめされたわたしくたち。
午前1時半から午前2時にかけて、A12さんとA36s兄弟、そしてI15sのお姉様方はオルカラボの前を通過してジョンストン海峡入り。
その中にかすかなRコール。
だけどそんなにたくさんいる感じではないなぁ…。


オルカたちが東へ進むごとにRさんたちのコールは少なくなり遠くなり、ラボの中で震えながらやっと朝が来たと思ったらあたりは視界ゼロの霧…。
みんなが東に進むのに、Rさんたちだけ霧の中を帰ってしまったのか。
おかげでどのRsかは断定できなかった。
誰かのイミテーションじゃないよね?もう…。



そして今日はよりによってタウンランの日だ。
ポールとヘレナ、そしてアシスタントの中からビアンカとルーウェンが街へ買い物に行ってしまうので、ラボにはわたしとPちゃんと…あと口はうまいけどあんまり働かない(ぼそっ)女子ひとりです。


タウンラン組が霧の中ボートで出かけてしまい、たった3人のオルカラボ。
午前9時前、I15sが霧の中を北へと向かった。
その綺麗なお姉様方のあとを追って、A36s兄弟の末っ子A46(カイカシュ)くんがひとりでウキウキとブラックニー・パスを北へと向かっていきました。


それでわたしら(厳密にいうとわたしとPちゃん)は長い間寒いデッキでお兄ちゃんのA37くんと、彼らの母親がわりになってるおばあちゃんA12さんを待ってたんだけど、待っても待っても彼らはブラックニー・パスに来ませんでした。


A46くんは北でちょこっと鳴きはじめました。
返事なし。


再び鳴くA46。
返事なし。


するとたまたまジョンストン海峡でそれを聞いてたのが、A30sご一家のA39(ポインター)くん(a.k.a まいごのおっさん)。
A39くんがなんか叫んでA46くんのもとへ泳ぎ始めました!
ブラックニー・パスにA39(ポインター)くん、そしてそのあとに続いてお友だちのA11sとA35s、A43sがぞろぞろと登場。


A46のお兄ちゃんもばあちゃんも来ないけど、さっそうと現れたA39くん。
しかしここで初めてA39は気づいたらしい。
友達のそばにきたはいいものの、自分の家族がそばにいないことに!!


けたたましいN47(A30sの家族コールです)。



わたしはカイカシュくんに言いたい。
綺麗な女性たちについていくあんたが悪いやろと。
そしてポインターくん(あらためて通称・まいごのおっさん)に言いたい。
何度目ですか。
あんたは「学習する」ということを知らないのかと…。


とりあえずオルカラボでは家族とはぐれて悲鳴をあげる「A46」と「A39」単体の鳴き声がたっぷり録音できました。
家族がいつも一緒に泳ぐオルカの世界では、1頭ごとの鳴き声ってなかなか録音できないので、貴重なデータがたくさん録れてよかったよかった。


A46に至っては、スプリンガーが1年ぶりに仲間のコールを聞いたときみたいな「ギャウッ、オウッ」ってコールにならない叫び声を出しておりました。


そんでこの迷子男子たちはどうなったかというと、
A39(ポインター/まいごのおっさん)のほうはその後、めずらしく家族が追いかけて来てくれました。
北のブラックフィッシュ・サウンドでめでたく家族と合流。


A46(カイカシュ)くんのほうは、うるわしいお姉様たちと一緒にいったん北に出たものの、いくら鳴いても叫んでも家族に迎えに来てもらえないので、結局I15sと別れてひとりぼっちで北のブラックフィッシュ・サウンドからウェイントン・パスに入り、すごいスピードでジョンストン海峡に戻る姿が目撃されました。
そしてジョンストン海峡にいた兄ちゃん、ばあちゃんのもとに無事にもどりましたとさ!


オスってバカやなあ。
でもちょっとかわいいけど…。


その後もラボとメインハウスをばたばたと行ったり来たりしながらコールの確認とレコーディング。
CPにいるリアと連絡をとりながら全体の動きを把握できるだけ把握して、オルカライブにアップデートしていく。
しかし今日はオルカたちは複雑な動きはしなかったし、Pちゃんが掃除やまきわりなどを片付けながらラボを見ていてくれたのでわりとリラックスしてお留守番できました。
ぐうたら文句たれ女子アシスタントはほとんどラボの2階で寝てたので気にもならなかったし。

がんばった。


夜20時をすぎてタウンラン組が戻ってきました。
大量の買い物と洗濯で疲れているだろうに、帰ってくるなりビアンカが
「あなたは1日じゅうレコーディングしてたんだから後は私にやらせてね」
と笑顔でヘッドフォンを奪ってゆきました。
やはり天使かとおもた…(Pд`q)


ジョンストン海峡にいたA36s兄弟とA12ばあちゃん、A4A5ポッドの皆さん、そしてI15sのお姉様方(結局、潮の流れと共にジョンストン海峡に戻ってきていた)は南からブラックニー・パスに入って来た。
そのとき北からはA30sのご一家がブラックニー・パスに入ろうとしていた。

ブラックニー・パスの前で出会ったオルカさんたちは、数時間ぶりに会っただけなのに何がそんなにうれしいのか、興奮してわいわい大合唱!!


わたしたちは全員デッキに出てその凄まじい数のブローを聞いていました。
あがったばかりのお月様がオレンジ色でみかんのような形をしていました。
すると海上から大きく「ある音」が聞こえました。


え?(゚Д゚)


うそだと思って耳をすませた…。
もう一度聞こえました。
A30sの方言、N47!!


今までオルカが水上で鳴いても「ぶー」とか「ぷぁーん」とか、なんか情けない音しか聴いたことなかったから「サーフェースコールってそんなもんか」と思ってたけど。
今回のはいつも水中マイクで聞いているのと何も変わらない、そのままの強く美しい音でした。


オルカは声帯じゃなく、おでこにあるメロンという器官を自在に震わせて音を出しているので、興奮してつい顔を上にあげた瞬間に鳴いちゃったのがわたしらにも聞こえてしまったんやね。笑

「おおっと水中じゃなく水上だったぜ!!」

なーんてヘマをしてくれたのはやっぱりA39(ポインター)かなあ?
目の前の数えきれない呼吸音と、数えきれないほどの星と、目の前の海から聞こえたN47。
寒かったので、ビアンカとわたしとPちゃんは3人くっついて
「今日凄すぎるんだけど、どうしよう」
と静かにしなきゃならないのに笑いをおさえきれなかった。
その瞬間。



=======================☆
大きな流れ星が~!!
( ̄□ ̄;)



さすがにこれはトゥーマッチ。笑
ここまでいい思いさせてくれなくても大丈夫ですから自然さん!!


オルカたちは暗闇に神秘的な呼吸音を響かせながら北へと消えて行きました。


終わりよければ全てよしかな。
いい夢見られそう。

あとはオルカたちが北で鳴かなくなるまでPちゃんがレコーディングしてくれることになっていたので、わたしはすっかり安心して寝袋に入りました。
まさかこの先、地獄が待っているとも知らずに…笑
2011-08-25 : オルカ : コメント : 2 :
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8月17日

午前1時57分。
むくり。


CPのラジオスキャナにはミキサーがないので、全ての水中マイクの音を同時に確認することができない。
ふだんはCP水中マイクのみの音か、ラボでmixしたメインシステムの音を聞いてるんだけど(オルカライブで流れているのと同じもの)
CPから「どこの水中マイクか」を確認するには、それぞれの水中マイクのチャンネルにひとつずつ合わせてみないとわからないのです。

どこかわからないうちにコールは聞こえなくなってしまったので、とりあえず外に出てみると、ブラックニー・パスから


ブホーッ、ブホーッ


とたくさんのブローが出てきた。
いったん小屋の中に戻り、時計とログブックを取り出して再びデッキに出る。
わたしがごそごそやってるの聞いてPちゃんも起きてきて、ふたりで東へ進む呼吸音を数えました。
10頭前後くらいかな。


A1ポッドのコール。
そしてジョンストン海峡に入る時には「入ります!」アナウンスメントコールを出すのが基本のオルカの世界で、N4ほんのちょこっと、CP前でN3ほんのちょこっとしか出さないというテキトーなこのふるまい。
間違いなくA30sだ…。


A30sはそれ以上ほとんど何も言わず、ジョンストン海峡を東へと進んで行きました。
午前3時まで鳴くのを待ってたけど何もなく、寝袋に戻る。



午前4時半。
あまりにもボートノイズがひどいので、メインシステムからCPの水中マイクにチャンネルを変える。

午前5時半。
メインシステムで何か聞こえているのではと気になって眠れず、とうとう寝袋を出てチャンネルを戻すと、すでに東から戻ってきたI15sのコールが…。
でも音からするとまだボートベイ沖くらいだろうし、時間的に余裕があるだろうと思っていったん寝袋に戻る。


午前6時。
外が少しずつ明るくなって来たので、そろそろ水しぶきくらいは見えるのではと気になって眠れず、とうとう寝袋を出てデッキにスコープをセッティング。
時計とログブックを用意する。
Pちゃんも起きてきました。




CPで眠れるとか絶対うそだよね。


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I15sはクレイクロフト島…つまりCPぞいに来て、A30sは向かい岸のバンクーバー島沿いに西へと進んできた。
まだ完全に明るくはなかったけど、オルカたちの姿は美しかった。
だんだん明るくなって来る空を見ながら、わたしとPちゃんは寒いデッキで熱いコーヒーを飲み、ヘレナに持たされたチョコレートチップマフィンを食べたのでした。


A30sとI15sはそのままウェイントン・パスの方へ進んで行きました。


CPは小さな小屋でデッキの下がすぐ海だから、いろんな人がカヤックやボートで近づいて話かけてきます。
みんなここがシャチの観測ポイントだって知ってるんだよね。
「いまオルカがいるところを教えてくれ」ていう質問ばかりされるけど、
近かったら追いかけ回すし、遠いと答えると死ぬほどがっかりされるし、英語が母国語でないわたしらはどううまく切り抜ければいいのかよくわからない。

野生動物の観測をするにあたってとても大事なのは「我慢強く待つこと」です。
オリに入ってるわけじゃないし、いつでも遭遇できるものじゃないよ。
だから出会えたときが「特別な瞬間」になるんだよ。




バックトゥ・オルカラボ!!

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午後、ポールがジューン・コーブ号で迎えに来てくれて、わたしたちは無事にハンソン島に帰ってきた。
ボートベイパーティ組は案の定二日酔い。
帰って来たとたん昼寝しはじめてしまったので、わたしがみんなのかわりにシフトに入って、Pちゃんがヘレナのディナーの手伝いに行きました。
こうなることはわかっていたからCPでは寝たかったんだけど…まあ仕方ないよね、ここではオルカたちの動きに合わせて1日を過ごすしかないんだから。笑


ディナーを食べている時に東からA12さんとA36sが戻ってきて、CRPTの水中マイクからコールが聞こえて来た。
ここの家族はそんなむやみやたらに鳴きわめく群れではないし、今夜はまあまあ気楽に過ごせるかなあ?



そうやってふけていく夜に、
I15sのコールがFIの水中マイクから聞こえて来た時の絶望感といったら…笑
2011-08-22 : オルカ : コメント : 0 :
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8月16日

午前0時13分。
ほとんどのオルカたちはジョンストン海峡へと消えて、あとは北に残ってるA30sを待つのみ…。

ヤマは超えたと思ったので、シフト中のルーウェン以外のアシスタントにはみんな寝てもらった。
するとデッキでブロー(オルカたちの呼吸音)を数えていたルーウェンが「ブローが北へ戻っている」と窓の向こうからホワイトボードに書いて見せてきた。



うそぉ(´Д`;)



ジョンストン海峡からは今入って行ったA12さんとA36sのコール、A5ポッド(そのなかのA23s)、A4ポッド(A4ポッドに含まれるのはA35sと、もとからジョンストン海峡にいたA24s)、そしてI15sのコールが聞こえてる。

北のFIの水中マイクからはA30sのコールが聞こえてる。
じゃあ、この戻ってるブローたち(5~6頭前後)はだあれ?


1時間後。
A12さんとA36sはラビングビーチまで到達しました。
のろのろI15sとA4A5たちのコールはまだロブソンバイト。


ブラックニー・パスを北へと進んでいた謎の群れはまだオルカラボの前の海にいた。
ていうかブローは止まって同じ位置から動かなくなりました。
A30sはまだ北にいたまま。
え、何なのこれ(´Д`;)


デッキでブローを数えていたルーウェンが「寒い、眠い、中に入っていいか」と何度も聞いてきてめんどくさくなったので、じゃあもう寝ればいいよ…と言ってテントに追いやり、何が起こっているかをひとりで必死に考えることにしました。


ブローたちは少し南へ進んだり、また少し北へ戻ったり、オルカラボの前の海でずっとうろうろ。

わたしは外に出てブローの位置を確認。
ジョンストン海峡組の位置に変化があるたびにメインハウスに走って、寝室で寝ているヘレナに向かって鮭んで随時状況を報告。
再びラボの中に走り戻ってヘッドフォンをつけて動きを確認しました。

忙しかったけど、不思議とパニックにならなかった。
それよりも何度もラボの扉を開けしめするので、扉のとなりのグリーンハウスで寝ていたジョージアナが寒いとかうるさいとか文句を言わないかのほうが心配だった…。


午前1時38分、なぞの群れはようやく鳴きました。
同じA4ポッドの方言を使うA24sがジョンストン海峡にいたからなかなか確信もてなかったけど、やはり正体はA35sだ。


それから午前2時にかけて、A35sはゆっくり北へと向かいました。
そして北でA30sと合流したかと思ったら、ある子が大きく鳴きました。
スプリンガー見~つけた☆


ジョンストン組はみんな東向かって、のろのろI15sですらもラビングビーチにたどり着こうとしてた。
A30sとA35sはやっと北に戻ることを決めたみたいだし、東と北、どっちも見送ったら(聞き送ったら)寝られるかな。
とちょこっと油断したそのとき。





ウィーアーウー






北に消えたはずのA35sのコールがLLの水中マイクから元気に聞こえてきた!!
再びオルカラボの前の海に戻ってきた…。

いったい何やってんのこのオルカさんたち?
いつもは通過するだけのブラックニー・パスに、いったい何の用事があるっていうの?



ブローを確認しようとしてデッキに出て、
「ああ、そういえば月が明るいな」と思いました。
鳥目のわたしでもがんばれば背びれが見えるんじゃないかな。


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そしてふと後ろを振り返ると、数時間まえにかかげたばかりの
「お帰りなさいスプリンガー」
の看板が目に入りました。








ひょっとしてA35sとスプリンガーはこの月灯りで
「お帰りなさいスプリンガー」の看板を見ようとしているんじゃないの?笑










なーんて本気で信じちゃいそうな気分になりました。笑
A30sとA35sは今度は完全に南へと動き出し、ジョンストン海峡へと向かってほかの群れのあとを追って行ったんだけど、わたしの耳はその中に、いつのまにか増えてた3頭「A11s」の鳴き声を聞き逃さなかったよ。
A30sとA35sは、遅れて来たA11sを待ってあげてたんやね。


全てのオルカたちは東へと進んでいきました。



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そんなわけで寝不足気味の朝。
A30sだけが東から戻ってきてウェイントン・パスを通過して北に戻って行った。
それより今日は年に1度のボートベイパーティの日ー!!


クレイクロフト島にある観測ポイント「ボートベイ」のキャンプパーティにオルカラボのアシスタントも毎年誘ってもらえるのです。
とはいってもパーティに行くのはジョージアナ、ルーウェン、セリーナ、ビアンカの4人だけ。たき火を囲んでお酒を飲んで、彼らならきっと楽しめるでしょう。
わたしとPちゃんはCPのお留守番だー!!


泊まる準備をして、お昼ご飯をつくってお弁当にして、荷物を積んでカートのセイルボートでまずCPへ。


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わたしとPちゃんはここで降ろしてもらってみんなとサヨウナラ。
東から戻ってきたオルカたちがちょうどCP前に来たのでさっそく仕事だ。


わたしがスコープでサッと個体識別、気になる個体を見つけたらプロカメラマン見習いのPちゃんに個体識別用写真を撮ってもらい、同時に遠くにいる群れの位置と数も数えてノートにとる。

ややこしい仕事だけど、ラジオスキャナでCPの水中マイクを選択して後ろで流していれば「今こっちに向かって来ているのはどの群れか」が瞬時にわかるので、背びれに目立つキズとかがなくてもコールを知っていれば識別はそんなに難しくはないのです。


大まかにいうとオルカたち(A4とA5とI15)は西へと進み、ターンして東へと戻りました。みんな遠かったけど、優しくやんちゃでかっこいいA60くんだけがCPの目の前にざばっとあがってくれました。キュン。


夜になるにつれて風が強く冷たく波も荒く、オルカたちもどんどん遠くなって行ったけど、真面目でおりこうさんなPちゃんとわたしは、オルカたちが5キロ以上先まで進んで、背びれも潮吹きも全くスコープで確認できなくなるまでデッキで震えながら記録をとっていました。

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ヘレナがディナーをタッパーにつめて持たせてくれていたので、夜はふたりでそれをあっためて食べました。
撮ったオルカたちの写真を確認し、なぐり書きだった1日のログも丁寧に書き直し、眠る前に蓄電量を確認して、発電機でちょこっとだけ充電して、すべてがOKであることを確認してから寝袋へ。
おりこうさん!!


CPに来たからには夜は眠れると思っていたので、そのぶん昼間がんばろうと思ってめっちゃ働いたんだけど、いやいや、世の中そんなに甘くはないよね。
2011-08-21 : オルカ : コメント : 1 :
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8月15日

ラボのデッキで眠くなったかわいこちゃん
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あ、起きた

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また寝た

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午前2時半すぎ。
むくり。


録音ボタンを押してヘッドフォンをつけ、鳴き声のぬしがいつも通りのA24sたちなのを確認してああ…と思いながら午前6時まで。


一緒にいたA8sは遠い東へ行ってしまいました。
というわけでジョンストン海峡には今日はA24sだけ。
西へ東へ行ったり来たり。


でも今日はわたしたちにはでっかいプロジェクトがあったのでした!!
再び「おかえりなさいスプリンガー」看板の塗りなおし☆


お母さんをなくして迷子になった赤ちゃんオルカ・スプリンガーが人間の手でジョンストン海峡の仲間のもとに戻されてからもう9年です。来年は10周年だ。
(仲間たちの元に戻ってから、のほうが大きなドラマがあったのですが…詳しくは古本屋でwee a wu カナダ・ハンソン島・オルカ日記という本を探してみてください)


それで毎年、スプリンガーが親戚と一緒にジョンストン海峡に鮭を食べに来るシーズンの前に、「おかえりなさいスプリンガー」の看板をペンキできれいに塗り直してたんですよ。
そして今シーズン、わたしが来る前にみんなで塗り直したらしいんだけど、何をどう間違ったのか白色の部分だけ水彩絵の具で塗ってしまったらしい。
そのため雨に濡れた看板は白い血がだらだらに…



キャー




そんなわけでポールが街でウォータープルーフの白いペンキを買ってくれて、先日の日記にあるとおりPちゃんとふたりでさらに塗り直しにかかったのですが、
「確かに白いペンキは買ったんだけど、買ったお店に置き忘れて来たようだ(眉間にしわをよせて頭をかきながら…ポール談)」
とのことでその日は白色以外のみの塗り直し。
今回はようやく最終仕上げのホワイト!!


やはり今日もわたしとPちゃんは日に焼けてピンク色になりました。
わーいわーい


看板が汚いままではスプリンガーが「わたしを何だと思ってるの!」と怒るかもねってポールとヘレナが心配してたから(笑)、無事に完成して良かった。
しかしここはれっきとした研究所のはずなのに、たまにこういうなぞの仕事を頼まれるのはなぜだろう(考えちゃダメです)。


ディナーを食べているとき、研究仲間のジェレッドから「A12とA36s、A30s、I15s、A23sとA85、そしてA35sとスプリンガーが北からそっちのほうに向かっているよ」という電話がかかってきました。



えっ、さっそく( ̄□ ̄;)



スプリンガーはふだんはA11sに面倒見てもらってます。
母親が家族のリーダーであるオルカの世界では、お母さんを亡くしたスプリンガーちゃんは(メスなので)自分自身がA73という群れの代表なんですね。
メンバーひとりだけど。

それで今も昔もスプリンガーはわりと自由にA11sから離れて他の群れと泳ぎます。
今日は親戚のA35sと遊んでたみたいで、A11sはまわりにいなかった。
しかし看板塗り終えたとたんに急にオルカラボに向かって来るなんて、みんな笑ってしまってディナーになりませんでした。



とにかく看板は無事に完成してるものの、まき割り場の裏で乾かしたまま…!!
「はやく看板をラボに持っていかなきゃ」とわたしらは急いでディナーを食べ、Pちゃんとふたりで看板をラボのデッキに運びました。


北のFIの水中マイクからコールが聞こえて来た。
あたりもそろそろ暗くなるしもう時間がないので、わたしらはそのままデッキに看板を飾ってスプリンガーを迎えるつもりだったんです。
そしたら、後からついてきたポールが明らかにハシゴを抱えて片手にドライバーを持っている…。


あたりがどんどんオレンジからピンク色にかわり、光が弱まる中、わたしらはポールに続いてラボの屋根に上りました。
「急げ、急げ!!」
看板を持ち上げて動かないように屋根のすきまに差し込んで、ポールがさらに上に登ってねじとドライバーで看板を固定しました。


ま、間に合ったのかな…?
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ハシゴを使って屋根からおりて、あとはオルカたちが来るのを待つだけ…のはずだったんだけど、先頭をきってるはずのぐうたらI15sが 動 か な い !!

そのうちあたりは完全に真っ暗になってしまいました。
やっぱり遅かったか…(´Д`;) 




I15s、ほんとうに遅かった…。
真っ暗な中、いつもなら10分で消える道のりを、今夜のオルカたちのブロー(呼吸音)は2時間くらいかかってジョンストン海峡に消えて行きました。
A30sだけが北に留まり、他の群れはみんなジョンストン海峡を東へと進んで行ったとみんなが思っていました。
2011-08-19 : オルカ : コメント : 2 :
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8月14日

バナナカスタードパーーーーーーイ!!
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へレナのデザートのいいところは、余計な味をつけすぎず素材の風味を思いっきり生かしてくれてるところですね。
丁寧にこねて薪ストーブで焼き上げたパイ生地、バニラの香り高い甘さ控えめ生クリームに、相性抜群のバナナとカスタード。
皆震えたし、うなったし。



午前4時15分、コールズオンCRPT。
東からA4ポッドとA5ポッドの皆さんが戻って来られたのです。
8時ころ西のターンポイントあたりでA24sとA5ポッドの方々は東へ方向転換し、その中からA11sとA35sの方々はウェイントン・パスを通過して北へと向かって行きました。


A4A5しかいないのでわたしの1日はわりと落ち着いていました。
ヘレナに世話を任されているトマトの植え替えをしたり。
マップルームの窓から鳥の写真を撮ったり。
ランチの食べすぎで苦しんだり。
DATテープ聞いたり…。


と思ったら笑えない情報が入って来た。
ジョンストン海峡でザトウクジラがボートと衝突したんだって。
ちょうど背びれのところと船の舳先がぶつかって、血が出たけどプロペラにやられたわけではないからとりあえず命の危険はなさそうだとか…。

船の行き来が激しい場所にたくさんの鯨類が集まってくるから、数年に一度はこういったたぐいのニュースが飛び込んでくるけどほんと生きた心地しないです。

A60くんなんて一度プロペラにはねられて大けがしたのに、まだこりずにボートの波に乗ってるのが目撃されてるからね。
(※A5ポッドのオルカたちは波乗りがとても好きです)

瀕死の重傷からまたゲレンデに戻るプロスキーヤーみたいだね。
男ってのはわからん。


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A5sとA24sはいったんラビングビーチでマッサージを終えると東へ向かい、ディナー時に水中マイクのエリアに戻ってきました。
そして午後11時ころオルカラボの前を北へと向かいかけたんだけど、確認したかっただけなのか途中で引き返してジョンストン海峡へ戻ってゆかれました。
日付が変わる前にコールも消えてめでたくおやすみなさい。
できればまた明日…。





この日の夜から日付がかわって何度も時計で日本の時間を確認したなあ。
いつライブがはじまるのかな。
どのバンドがやってるのかなって。

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大好きなライブハウスに直接ありがとうとさよならを言えたら良かったけど、地球の裏側の小さな島にいるわたしには、これくらいしかできんかった。

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ありがとう京都ウーピーズ。
カナダから愛をこめて。
2011-08-18 : オルカ : コメント : 1 :
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8月13日

咲が自分のなわばりに入ってくる幼いステラーカケスを追い回してる。
くちばしの端っこがまだやわらかそうなピンクということは巣立ちしてまもない子かな。

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幼子に対しては大人のステラーカケスがなわばりに入って来たときみたいに羽をちぎったりしないから「さすが優しい咲ちゃんやなぁ」と思ってたんだけど、この子がどんなに追い払われても咲のそばに戻り、プルプル羽を震わせながらえさをねだるのを見て涙がこぼれ落ちそうになりました。がんばって生きるんだ。





午前6時。
ああよく寝た~~~!!
夜の間コールも聞こえなかったし。


と思ってスピーカーから聞こえる音に耳を澄ませると、コールどころかボートノイズも、ほとんど何も聞こえてこない…
( ̄□ ̄;)


やはり犯人はルーウェン。
朝イチからシフトがあったからマップルーム下のグリーンハウスで寝たんだけど、ボートノイズがうるさかったから音量を下げたらしい。
グリーンハウススピーカーの音量を下げると、自動的にマップルームのスピーカーの音量も下がるのだと朝からこっぴどく叱りました。

「おおソーリーソーリー、でもゆっくり寝られたんならよかったんじゃない?」
とルーウェンは相変わらずへらへらとしていてイラッとしました。笑

わたしがすやすや寝ている間に録音してくれていたのがPちゃんで良かった…



キャンプキッチンで朝のコーヒーを飲んでいるとスピーカーからA30sのコールが聞こえてきた。
なんか来そうな予感がしてラボに戻ると、ちょうどポールが「オルカが来るよ」と教えに来てくれたところだった。
CPにいるリアが「A30sがブラックニー・パスの方へ向かって行った」という電話をくれたらしい。


しばらく待って登場した朝オルカ、エー・サーティーズ。
第一陣は兄A38さんと姉A50一家で、すこし遅れて母A30さん。
第二陣は妹のA54一家。
あれ?迷子のおっさん(弟A39)は?
(゚Д゚)


いつも先頭をつっ走るA39は、今朝は最後尾でのろのろ泳いでました。
どちらにしてもひとり行動が好きなのね。
置いてかれたら鳴きわめくくせに。




しばらくしたら北からA12とA36sが戻ってきました。
北のブラックフィッシュ・サウンドでA30sとすれ違ったってことかなあ?
A36s兄弟の大きな背びれふたつの間に、ばあちゃんA12の背びれがちょこんとありました。


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ここの一家は、血は繋がってないけどもう完全に家族と言えるよね。
母親を亡くした大人の兄弟と、老いた息子を亡くしたばあちゃんがずっと一緒に泳ぐようになって2年がたちます。



ジョンストン海峡をウロウロして1日を過ごしたA12さんとA36s兄弟、そして今日も西へ東へ流れていたI15sは、ラビングビーチでマッサージを終えると西へと進み、オルカラボの前を通過して北へ向かいました。
「ジョンストン海峡出ます」の素晴らしいコールがPIの水中マイクに響いていました。



今日は流星が見えるかなと思ったけど雨が降っててむりだった。
木造のオルカラボの屋根を雨がたたく音に包まれながらわたしらは寝袋に入りました。
2011-08-16 : オルカ : コメント : 4 :
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8月12日

はくとうわし。
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その目には何が見えてんのかな。
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寝ている間にシフトに入っていたPちゃんが
「A5コールがRBの水中マイクから聞こえてきました!」
って枕もとで叫んでくれて、
(A8sが東から戻ってきたんだ)
って思ったけど、信用できる人が録音してくれてるし、何が起こってるかもわかってるのでどうしても寝袋から出ることができませんでした。
気付いたら午前6時…。


起きてログブックを確認したとき、深夜2時間にわたるヘレナの筆跡を見て激しく後悔。I15sがわけわからんことしたのでラボに来て録音してくれてたんですね。
寝かせてあげられなくてごめんなさい(Pд`q)


わたしが寝ている間にA30s、A12&A36s、A4sとA5sはジョンストン海峡を東へ進んでいたんだけど、一緒に入って来たI15sは途中でみんなと離れて北に流れて行った。

タイドテーブルっていう「潮の満ち引き時刻表」みたいなやつで確認したら、「引き潮に変わった時間」と「I15sがみんなと離れて逆方向に流されはじめた時間」が完全に一致してネタかと思ったし。


※I15sは泳がずに水面に浮き、潮に流されて移動する新世代の群れです。



今日はタウンランの日なのでポールとヘレナ、そしてPちゃんとジョージアナがアラートベイに行ってみんなの買い物と洗濯をしてくれるのです!!
つまりラボに残るのはわたしとセリーナとルーウェンだけ…。


これはしんどいぞ。
どうしよう。


お出かけまえのヘレナに
「レコーディングでオルカたちの動きを追って、無線連絡を聞いて、CPと電話して情報を共有して、オルカライブのコメントを更新してね!!」
と言われて膝から崩れ落ちそうになりました。

ルーウェンは人数に入れられないからセリーナとわたしがラボにいてセリーナが無線と電話番できたらいちばんいいんだけど、母国語がドイツ語のセリーナに専門用語だらけで電波状況も悪くわけわからん無線はきつすぎる。
どうやって分身すればいいんだ。


留守番なう!
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とりあえずCPにいるリアに泣きながら電話すると、
「オルカライブのラボコメントは、CPで見たぶんはCPから更新するから、トモコはラボの水中マイクで何が聞こえたかを書いてくれればいいわよ」
と言ってくれたのでそこは思い切り甘えることにしました。


ジョンストン海峡にはA12とA36s、A30s、A24s、A11s、A35s、A8sとA61、A23sとA85。みんな一緒に移動してくれればいいものをそれぞれごっちゃごちゃに動き回ってくれました。楽しそう。


わたしはメインハウスとラボを走って往復しました。
どこの水中マイクから誰の声が聴こえているかをラボで確認。

リアに電話して「ぼわーんと響いた遠いA36sとA12の声がCPの水中マイクから聞こえているから、CPのちょうど向かいあたり、バンクーバー島の岸ぞいにオルカがいないか探して」など情報をまわして確認してもらう。

しばらく待って、リアから電話がかかってくる。
リア「確認とったわ、オス1頭が先頭にたって、残りの2頭はちょっと後ろにいる。バンクーバー島沿いカイカシュ川のあたりよ」
わたし「ちっさいA5sの群れも近くにいないかな?音的にブラックニー・パスの入り口よりちょっと西、海峡の真ん中あたり」
リア「オーケー、探してしてみるわ」

またラボに戻ってコールを確認、リアから電話がかかってくるといけないからすぐにメインハウスに戻る。
ヘレナのパソコンでオルカライブに音情報のコメントを投稿。


こういうことを何度も繰り返して1日の動きが見えてきました。
わたしがいなかったらヘレナはコレをひとりで毎日こなしてるのか…。
(´Д`;)


タウンラン組が帰ってくる予定の午後7時、ボートからは何の音沙汰もない。
無線で「A24s、A12とA36sがウェイントン・パスから北に出てハンソン島のまわりを時計回りにぐるりんぱ、ブラックフィッシュ・サウンドからブラックニー・パスに向かっている」
という情報を耳にしたわたしはセリーナに録音を続けてもらい、遊びに出ていたルーウェンを探し出してデッキに立ってもらい、北からオルカたちが来るのを待ち構えていました。

しばらくしてデッキに出ていたルーウェンが
「ああ、南を見てごらん。大きなオスのオルカだ。彼は北へと向かっているよ」
とかわけわからんこと言うので
「北へと向かってる、じゃなくて北から来るんだよ!!そして南の方に行くまで見逃してたんか!!」
って言ってスコープを覗くと、そこにいたオスはどう見ても完全に、ジョンストン海峡にいるはずのA39さん。



A39?(゚Д゚)



びっくりしたわたしはラボに戻ってヘッドフォンをつけました。

A39のご家族、A30sのコールはやはりジョンストン海峡から聞こえてる。
でもラボの目の前LLの水中マイクからも同じ方言が聞こえてる。
つまり目の前にいるのはA39で間違いありません。














またやらかしたか、迷子のおっさん…。
(´Д`;)

と一瞬本気で思いましたが、今回はA39は迷子ではなく、みんなよりもすごくすごくリードしていただけだった。
しばらくして彼のご家族のコールもどんどんオルカラボに近づいてきて、南からたくさんの背びれが現れました。

ってかA30sはなんでここにいるの?笑
わたしら北から来る群れを待ってたんじゃなかったっけ?笑


そのわたしらが待ってたはずのA24sも北からちょこっとだけわたしらの前に姿を見せたけど、A30sと合流して北に帰ってしまいました。
ばいばいき~~~~ん


オルカたちが行ってしまってすぐにようやくタウンラン組が帰って来た。
ヘレナがラボに入って来て
「忙しかった?」と楽しそうに言うので、涙をこらえながら
「だ、大丈夫でした…」というのが精一杯。


「わたしたちも帰ってくる途中で1頭だけオルカを見たわ。急ぐイルカみたいに水面に飛び上がって泳いでた。あれは誰だったのかしら」
とヘレナは言いました。

「全くもってわかりません…いまジョンストン海峡からはA4ポッドとA5ポッドのコールが聞こえてる」
とわたしは言いました。

そういやひっきりなしにwee a wee a wu っていってるやつがいるなあ。


スプリンガーのコールとして有名になったwee a wuは、彼女のもともとの家族であるA24sの方言です。
スプリンガーは今は親戚のA11sの世話になってるけど、亡くなったお母さんから受け継いだこのコールは好きらしく、現在もよく使っています。



そしてwee a wuの使い手であるA24sは、さっきA30sと合流して北にいるわけですけれども。
親戚のほかのA4ポッドも、A24sほどではないにしろwee a wuは使うからあまり気にしてなかったんだけど、同じコールの繰り返しが40分ほど続いたので、さすがに
「何かあったんじゃないか」と思いはじめたころ。

wee a wuを繰り返しているそのオルカの鳴き声がどんどん移動し、PIの水中マイクから聞こえてきました。
オルカがこっちに来るよー!!




「オールカー!!」



ポールのシャウトでみんながデッキに集まりました。
視界に現れたのはたった1頭、しかもざっばーんざっばーんと水面から飛び上がって泳いでるやん。イルカみたいに。
こいつ、タウンラン組が見たひとりぼっちオルカと同じ子じゃないの?


ものすごく長いダイブをしてすごい速さでざっばーんと水面にあがるので、写真を撮るのもスコープで追って見るのも至難の業だったんだけど、一瞬だけ背びれ真ん中かそれより上に欠けたキズがあるのがスコープではっきり確認できました。






A71、オス。
ジョンストン海峡で他の群れのオスと楽しく遊んでいて、家族に置いて行かれるの巻。




これが40分にわたるwee a wuの理由ですか。
なんかオルカのお母さんって、遊びほうけてる息子に対してたまにすごく冷たく見えるときがあるよね。「迷子のおっさん」として一躍有名になったA39を見た直後だからかもしれないけど(´Д`;)



若いA71くんは
「wee a wee a wuーーー!!」
と何度も何度も叫びながら、すごいイキオイで北へと消えてゆきました。
がんばれー



みんなが北に消えてコールも遠くなって、ジョンストン海峡に残った群れも東へと消えて、さてコレで今夜は眠れるかな?と思ったそのときだった。



北のFIの水中マイクからI15sのコールが聴こえてきたのは…
2011-08-15 : オルカ : コメント : 4 :
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8月11日

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しのり鴨です。憧れです。
わたし生まれ変わったらこんなやつになりたいのです!!


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鼻水たれてるけど。



前日のつづき。
全てのオルカたちが北に出たからといって「さあこれで眠れるね☆」なんて上手くことが進むわけもなく…。


ある群れが北のクイーンシャーロット海峡に近づいて来ていたのです。
オルカさんたちはその確認に来ただけだったのです。
チェックを終えて満足したオルカさんたちは再びオルカラボの前、ブラックニー・パスを通過してジョンストン海峡へ。

午前3時20分、「ジョンストン海峡入ります」コール。
午前4時43分、「ロブソンバイト着きました」コール。
→その後オルカたちはメーメー言って少し寝る。


午前6時3分、起きだしたオルカたちは「おはようございます」コール。
ラボでそれを聞いていたわたしも真似して「おはようございます!」コール。

ってかわたしは寝てないし。
ずっと寒いラボでヘッドフォンつけて耐えてたし。


ふと明るくなった窓の外を見れば、水面に次々と上がるサーモンの背びれが。
サックアイサーモンかなあ。チャムサーモンかなあ。
鮭のいない不安な数年を過ごしたけど、どうやら本当に今年はうるおってるみたいだ。


2時間だけ仮眠して、起きてキャンプキッチンで昼ご飯を作っていると、スピーカーから予期していないコールが聞こえてきました。
「こっちよぉ~~~~ん」


ラボに走ってヘッドフォンをつける。
まさしくそれはオルカ・クイーン、潮に流されて移動する超おしゃべりなお姉様軍団、I15sの演歌こぶしのかかった鳴き声でした!!


オルカたちは合流して東へ進みラビングビーチへ。
その後西へターンし、A30sはウェイントンパスを通過して北へ、他のみなさんはオルカラボの前を通過して北へ出ました。
そしてちっさいA4sの群れだけがすぐに方向を変え、またオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ戻りました。



こないだまで平和だったのに、ケルプホーンを吹いてからというもの他のことが全くできないくらい、なんかめちゃくちゃ忙しいんですが…(゚Д゚)
「今日のTシャツ」っていうやつの写真もとってないし。


今日はメインハウスでのディナーはなかったので、キャンプキッチンで各自夕食をとりました。
日本のお月様の中には餅つきをしているうさぎがいるけれど、
イングランドの月の中にはおっさんのカオがあるそうです。コワイ。

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2011-08-14 : オルカ : コメント : 0 :
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8月10日

午前3時までがんばって録音して、朝起きたら枕もとにコーヒーが置いてあった…。



セリーナのしわざでした。
長い夜をほとんどひとりでがんばったから、って持って来てくれたんだけど、わたしがまだ寝てたからそっと置いといたらしい。

「冷めてしまっておいしくはなかったでしょ?」って心配してたけど、本当にうれしかったよ。
サンタさん来たかと思った。起きたらコーヒーあるなんて。


コーヒーはわたしの命の水。
これがないとほんとにわたし生きていけないです。
今年カナダに来る時はお友達のmomoちゃんとイチローさん、どちらもコーヒー屋さんで働くふたりが、島で飲むぶんをたくさん持たせてくれました。
そのおかげでわたし今日も生きてます。
毎日感謝して飲んでるよー!!


オルカさんたちは東から戻ってきて、12時まえにRBの水中マイクからコールが聞こえはじめた。
その間に北のブラックフィッシュ・サウンドには肉食トランジェントの群れが…。


「オールカー!!」


ポールとヘレナのシャウトでマップルームでの仕事中断、急いでデッキに出てスコープを覗くと、見覚えのあるオスの背びれ。
このへんではおなじみのT18sとT19sでした。
すぐに潜ってしまって、ジョンストン海峡に入るまでもう水面に上がってこなかった。



ジョントスン海峡にいた我らがレジデントさんの群れ(A12s
A36s、新しくやってきたA11sとA35s、そしていつものA24sとA23s+A85)は西へびよーーーんと進みました。
昨日来た群れの中からA8sだけが東のノダレスに行っちゃったんだって。
A5ポッドは東を好む傾向があるよね。


そして15時過ぎにFIの水中マイクからコールが聞こえてきました!!
また新たな訪問者…っていうかジョンストン海峡の本当の「主」のはずのA30sだー!!
おかえりなさ~~~い


久しぶりにハンソン島の岸ぞいにオルカが来てくれました。
島の角、バーンポイントから現れると超緊張する。
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仲良し親子A30さんとA38さん
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A30sもジョンストン海峡入りして元からいた群れたちと合流、そこからオルカたちの動きはもうごっちゃごちゃ。
オルカたちも久しぶりにたくさんの仲間で集まって嬉しかったやろうなあー。
あちこちの水中マイクからそれぞれ別の群れのコールが聞こえていました。


あと今日のブラックニー・パスにはずっと2頭のザトウクジラがいたなあ。
1頭は有名なストライプ、もう1頭も昔からこのあたりにいる背びれにニックがある子でa.k.aノッチョス。
とりあえずトランジェントに襲われなくて良かった。


こんな状況だったのでわたしはいつもの仕事ほっぽり出してほぼ1日じゅう録音サポートにまわってたのですが、そのごほうびにヘレナがピンク色のサラダを作ってくれました。おいしかった。

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午後10時ころ。
シフトに入っていたのはPちゃん。


オルカたちはラビングビーチ沖にいて、いつもならそのまま東へ向かい、水中マイクのエリアから出て行ってくれるパターンだ。
「でも何か嫌な予感がするから早めに寝るね」
とわたしはPちゃんに言い残して寝袋へ入ってみました。


イヤな予感なんて感じちゃいけないんですよ。
ろくなことがないから。


寝袋に入ったとたん、絶対に方向変えて西へ向かっていると思われるあやしげなコールが…


泣く泣く寝袋を出てPちゃんのとなりでヘッドフォンをつける。
オルカたちはそのまま西へと進んで来て、PIの水中マイクから
「ブラックー・パスに入りますコール」が聞こえてきました。

誰が残って誰が旅立つのが確認しなきゃいけないわたしは必死に録音、Pちゃんは真っ暗なデッキで北に向かうブロー(呼吸音)の音を数え、日付が変わるころにはすべてのオルカたちは北へ向かったのでした。
(つづく)

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2011-08-13 : オルカ : コメント : 0 :
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8月9日

オルカラボの入り江にとても小さいカモメさんたちが集って来てさあ。
強い風にプルプル揺れながら、次々と水中に飛び込むの。
イワシかニシンか何かちっさい魚がぞろぞろ入り江にいるんだ。
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もうその光景が美しすぎて泣きたい。
混じりたい!!
なんでわたし人間なんだよーもう。


午前中にWDCSというイギリスの団体さんのツアーが上陸した。
このツアーを率いるのは元アシスタント、おなじみのおじさんロブ・ロット。
12人のツアー客さんが2時間にわたってラボを見学して行きました。



その途中でメインハウスに行ったらヘレナがこう言うんですよ。
「なんだか予感がするからFIの水中マイクのボリュームをあげておいて」
って。


別の群れが北に来ているの?
もちろんA23sとA24sそしてA85の目撃情報しかないし、何の根拠もないんだけど。
でも今朝からオルカたちの鳴き方がちょっとそわそわしているのもあり、もしかしたら…とわたしも一気にその気になって、今日1日FIの水中マイクの音量をいつもよりあげておくことにしました。



そして「監獄」マップルームで一生懸命仕事をしていたら、Pちゃんがお昼ごはんに誘いに来てくれました。

こないだ大工さんのカートがイクラをくれたんですよ。
こっちの人は鮭のカマもイクラも食べないのでふつうは

何の躊躇もなく海に捨てちゃう
(゚Д゚;)

んだけど、日本人としてはその光景は見ていられない。
「捨てるならください」と涙ながらに頼み込んだところ、メスが釣れた時にはイクラを持って来てくれるようになったのです。


というわけで今日のランチは洋風ちらし寿司だー!!
炊きたてあつあつのタイ米にイクラをまぶして半熟状態にしました。
お醤油とわさび。
そしてそこに摘みたてのフレッシュバジル。


こないだメインハウスで料理に刻んだ生バジルを乗せて食べさせてもらったとき、
「これひょっとしたら青シソ代わりに使えるんじゃね?」
と思ったんですよ。
これが大当たりでめちゃくちゃおいしかったー!!
オルカラボアシスタント料理の定番になりそうや。
付け合わせはステアフライドベジタブル。
玉ねぎとパプリカが甘かったので、ほとんど味付けもいらなかった。


しあわせ…。

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お腹もいっぱいになり午後はめいっぱい働いた。
またディナー時になっておいしいサーモンのグラタンを食べている時にへレナが言いました。

「誰かがコールズオンFI!!って言いに来てくれる、新しい群れが来る瞬間がなつかしいわ。」

わたしは言いました。
「たぶん今夜!!わたしらスプリンガーの看板塗り直したから」

「はっはっは、今夜だといいね。そしてそろそろI15sも来てもいいころだね」
とポールが笑いました。


ディナーが終わってお皿を片付けて、シフトでラボにいたPちゃんが帰って来てかわりにセリーナがシフトに入った。
コーヒーのお湯をわかしていると、セリーナがとことこメインハウスに戻ってきました。



「ヘレナ、コールズオンFI…」



信じられない早さでわたしとヘレナはメインハウスを飛び出しラボに走った。
わたしは確認用ヘッドフォンを、ヘレナはシフトに入ってたセリーナのヘッドフォンを奪い、かすかに聞こえたA4コールで

「キャーーーーーーーーー!!」
と2人でバンザイして飛び上がりました。

「いや喜ぶのはまだよトモコ、A4sにはふたつのグループがいるからね」
ヘレナが落ち着きを取り戻そうとわたしをなだめる。
A4コールを出すのはA11sとA35s。
スプリンガーがいるのはA11s。
さあ、来るのはどっち?





みんなはデッキで長い間北から新しい群れが来るのを待っていたけれど、無情にも夜はふけていった。

何も見えない真っ暗な中で先頭にたってブラックニー・パスに入って来たのはおそらくA4ポッドのA35s。
少し遅れてなんとA5ポッドのA8s!!
そして…最後に再びA4コールを出す群れがブラックニー・パスに入って来た。
その中の1頭が、若いのにしゃがれ声で強くこう言いました。
「wee a wu」


ポールもヘレナも他のアシスタントたちもみんな眠りにいってしまって、わたしは夜中のオルカラボでオルカたちの動きを聞いていました。
新しい群れがやってきたのを聞いて、ずっとジョンストン海峡にいたA24sとA23sがラビングビーチ沖で興奮して鳴いていた。

全てのオルカたち(すべてのA4ポッドとA5ポッドが揃ったようです)はジョンストン海峡に入り、再会を喜びながら東へ進んで行きました。
わたしは午前3時まで録音し、みんなが東へ進んだのを確認してからシフトに入ってたジョージアナを起こしてかわってもらい、寝袋にもぐりこみました。
2011-08-12 : オルカ : コメント : 2 :
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8月8日

咲ちゃんの見返り美人。
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巣立ちしたばかりのステラーカケス軍団とベビー田中たちが森の中でうるさいです。
子ども同士でケンカしてる声とか超かわいい。


朝いちばんにわたしたちの大好きなふたり、エリザベスとメルセデスが島を出ました。
エリザベスの家族は近所に住んでいるので、お父さんがボートで迎えに来てくれました。これから2週間、エリザベスはセイリングボートのクルーとして海に出るんだって。いいなー


前にエリザベスとこの島の人間関係について語ったことがあったんですよ。
やっぱりアシスタントの中にはわけのわからない人もいるから、そういうやつと24時間同じ島に住まなきゃいけないっていうのは気が触れそうになるよね、って。

そしたらエリザベスはこう言いました。
「セイルボートではたった数十メートルの中に36人が乗り込むの。そして海の上に出るからもう逃げ場はない。もちろん毎回人々の間で衝突も起こるけど、そうやっていろんな人との関わり方を知ってわかりあっていけるの。セイリング自体も楽しいし大好きだけど、それ以上のものを得られるのよ!」

わたしは思いました。
か、かなわない…



20歳の女の子に人間的に全くかなわないんですが!!
もう土下座しようかと思ったし…(Pд`q)


どうして若いエリザベスがものすごくリーダーシップがあって、海と関わるいろんな知識があって、みんなの心を汲み取れるのかよくわかった気がしました。

地元の子だからまた会えるよね。
元気でねー!!
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午後は毎年恒例、「おかえりなさいスプリンガー」の看板を塗り直した。
でもポールがせっかく買って来たホワイトのペイントをアラートベイに置き忘れて来たので、白色以外だけ塗りました。
寒い場所とはいえ直射日光の下だったので、わたしもPちゃんもピンク色になりました。
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A24sとA23sそしてA85は今日もジョンストン海峡でうろうろ。
真夜中に東へ向かい、日付が変わって1時ころにラビングビーチ、そして東へ消えてゆきました。
2011-08-11 : オルカ : コメント : 2 :
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8月7日

Pちゃんお誕生日おめでとう!!
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8月7日はPちゃんの誕生日☆
お昼前にわたしらはキャンプキッチンを飾り付けパンケーキを焼いて、Pちゃんのシフトが終わるタイミングを見計らって全員で「ハッピーバースデー」を歌いながらラボに迎えに行きました。


最初のバースデープレゼントはビアンカがとってきたでっかいケルプ!笑
これでケルプホーン作って吹いたらきっとオルカ来るね♪
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エリザベスが焼いてくれたシナモン入りのパンケーキめちゃくちゃおいしかった。
ランチのあと無邪気なみんなは「ヨーロッパではバースデーガールがお皿を洗うのよ」とPちゃんを騙そうとしました。
そしたら「本当に!?じゃあ洗うね」とPちゃんがぜんぶ洗い物をしようとしたので「んなわけない!!」ってみんなで必死に止めて、「わたしが洗う」「いや私が」とやり合った結果、全員で仲良く皿洗い。

人数が減ってくると不思議とまとまってくるんだよね。
明日はエリザベスとメルセデスが帰っちゃうからもっとさみしくなっちゃう。


オルカさんですか?
今日もA23sA24sが元気に行ったり来たり、食べたり、寝たり、流されたり…。
やっぱりこんなにボートノイズばかり聞こえる地域は他の群れはイヤなのかなー。
でもいつも必ずエリア内にオルカがいて、声が聞こえるっていうのはとてもありがたいことです。
このありがたみを忘れちゃダメです。
ぜいたく言わないよ!!



夜はもちろんポールとヘレナ、そして大工さんのカートも含めてのバースデーパーティ!!
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プレゼントに埋もれるPちゃん
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コーヒーの準備をしだしたころ、PIの水中マイクからコールが聞こえて来た。
「もしかしたらオルカたちもPちゃんの誕生日祝いに来てくれるのかな」と思ってしばらくデッキで待ってたけど何も現れない。
今日Pちゃんが誕生日プレゼントにもらったケルプホーンをエリザベスがぶおーぶおー吹きはじめたけど、それでも何も現れない。
(なんか来ないモードなのにそんなに吹いて、これで来なかったらケルプホーン伝説が崩れるからちょっとやめてほしいとわたしは内心思いました…)


その後CPにいるリアから無線連絡があって「オルカラボの方へは曲がらずに、そのまま急いで西へと進んでいったわ」
やはりこれが現実だよね…(´Д`;)


でも日が傾いてとても美しい景色だ。
美味しいディナーもケーキも食べられたし、みんなでがんばった甲斐あってPちゃんの笑顔も見られたし、わたしらは満足だ。
と思っていました。


そしてメインハウスに戻り、ディナーの洗い物をすませて、コーヒーカップにコーヒーを注いだその時。


「オルカー!!」


外に出たポールのシャウトでみんな慌ててラボに走る。
いったん西へ進んだはずのA24sとA23sがそこにいました。


ジョンストン海峡からほんのちょこっとブラックニーに顔をつっこんだ程度ですごく遠かったけれど、彼らは夕暮れの水面に浮いていた。
そして何度も水上に顔を出しました。

この顔を出す行為は「スパイホップ」っていうんだけど、双眼鏡で見ていた大工さんのカートが「12回スパイホップしたよ」って数えてくれた。
12回スパイホップしたオルカたちは浮くのをやめ、ゆっくりと泳ぎだして、ジョンストン海峡に戻って行きました。



ずっとジョンストン海峡を行ったり来たりしてただけの群れが、このバースデーパーティのしめに…

いったん「西へ進んだ」と思わせる→
すごい勢いでターンして一瞬だけブラックニー・パスに入る→
夕暮れの穏やかな水面に浮く→
12回もスパイホップ→
そして颯爽と泳ぎだし、ジョンストン海峡に帰る


そんなことが普通ある?
いやいやおかしいやろ!!笑
ポール、オルカたちに賄賂送ってる疑惑が再浮上しました。笑
「今回はサーモン5匹でどうだ」
って…笑



写真を撮ろうとがんばるPちゃんと、そんなPちゃんを隠し撮りするポール
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わたしも誕生日を8月に移動させたくなりました。
うらやましすぎるぞ!!笑

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2011-08-10 : オルカ : コメント : 2 :
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8月6日

逆さになる田中さん。
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今年はハンソン島に住むたくさんの田中(りす)にとってつらい年だったのです。
というのもシーズンの最初にオオカミ犬のソロモンがいたから。
彼はいちおう飼い犬でとても優しい子だけど、動き回る動物を目の前にしては生まれ持った野生の血を押さえきれず、1匹のリスを八つ裂きにしました。
内蔵が飛び散り見るも無惨な姿だったそうです。


ソロモン…。
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そしてヘレナにこっぴどく叱られてしょぼんとしていたそうです。
でもダメってわかってても動くものを見ると血が騒いでつい追いかけてしまう。
オルカラボ周辺に住む田中さんたちはみんなどこかに逃げてゆきました。


ソロがいなくなって平和が戻ってきた田中ワールド。
いまは人間がそばにいても平気でポリポリ松ぼっくり食べてるよ。
良かったねえ。
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さて。夜中鳴き倒したA24sとA23s、そしてA85は午前4時前にオルカラボの前の海に入って来ました!!
ラボの2階で眠っていたエリザベスとルーウェンを叩き起こし、デッキに出てもらう。
もちろん暗闇で何も見えない寒いデッキ。
ふたりは北に消える呼吸音を数えて、録音を引き継いでくれました。
役目を終えたわたしは寝袋へ…。


寝袋の中で北に消えるA24sの鳴き声を聞きながら
「今日は真面目に鳴いてるなぁ…」
と思いました。

最近、A24sとA23sしかジョンストン海峡にいなくて自分たちでも飽きて来たのか、ふざけたような鳴き方しかしてなかったんですよ。
それはもう「不思議なきのこでも食べたかな?」ってくらいに。

でも真面目に鳴いているということは、自分たちの存在を誰かに知らせてるということじゃなかろうか。
ということは、誰か他の群れが近くまで来てるんじゃないか?
だいたいずっとジョンストン海峡に居っぱなしだったこのオルカさんたちが北までやってきたのっていつぶりやろ?
寝袋のなかでそんなことを考えながら明るくなる空を見ていました。
そして午後。





A12とA36sがきたーーーーーーーーーーーーーっ!!
( ̄□ ̄;)



ケルプホーン効いたし。
少なくてもひとグループ呼び戻せたし。

同時に30頭以上の群れがこっちに近づいているという報告もあったのですが、彼らは結局やって来ませんでした。
吹き方が足りなかったのかな。


ディナーのときポールが食べられるお花をひとつずつみんなに配ってくれました。
根元がちょこっとわさび味なのね。おいしかった。
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A12とA36sはそのまま東へ。
A24sとA23sも、しばらくの間だけ東へ進みました。
2011-08-08 : オルカ : コメント : 0 :
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8月5日

ワタリガラスさんが巻貝をとりました。
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岩の上に数回落として割って食べるんだって。
おいしかったかな。
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もう無理。
もう限界。
なんでこの世(ジョンストン海峡)にはA24sとA23sそしてA85しかいないの!!


限界に達したわたしたちはとうとうケルプホーンをふきました。
いっしょうけんめい吹きすぎて酸欠になりかけてたけど、がんばれP。
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今日は朝からポールとヘレナ、そしてセリーナとメルセデスがタウンランに行ってくれて、わたしらのもとに新鮮な食料と洗いたての洗濯物が届きました。
うれしかったです。



ケルプホーンの効果、どうなることやら。
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2011-08-07 : オルカ : コメント : 3 :
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8月4日

充電なう☆
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ソーラーパネルのついたランプさんたちです。
昼間、明るいところに集められて充電されます。
夜にそれぞれの守備位置に戻り、わたしらの足もとを照らしてくれるのですよ。

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午前7時前にA24sとA23sは東から戻ってきて鳴きはじめました。
今日も1日ジョンストン海峡をうろうろ。
そろそろ心配になってきたよ。
どうしてこの群れたちしかここにいないのか。
オルカラボの前にも来ないしさ。


午前中、すごく引き潮になったので船底みがきの仕上げをみんなでしました。
わたし、Pちゃん、メルセデス、エリザベス、ジョージアナ、ビアンカ、ルーウェンの7人(シフトに入っていたセリーナ以外の全員)で一気にみがきあげました。


ルーウェンは箱入り息子なのでふつうに暮らす知恵がありません。
わたしらは何とか前向きに「少年の心を持ったおっさん」だと思いたい。
だが実際は「髪はうすくても脳内は幼児」なので、何でも辛抱強く教えなければなりません(幼児なので言われたことはわりとすなおにきく)。

船底みがきの仕上げをしていて、「掃除でバケツの水をまくときは、他の人にあまりかからないようにする」ということをみんなで教えました。
ボートみがきが終わるころには何とか覚えてくれました…。
女7人でおっさんひとり育ててるんですが。
何なんだこの仕事。



今日の鳥はキツツキさんだ!!
盗撮してるのがバレたのか、とてもコワイ顔だ!!
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わたしが鳥を撮るといつもカメラ目線なんだけど、
どうやらそれは確実に存在がバレてるからですね。
きっと動物の写真を撮るのがうまい人は気配を消してうまく盗撮できるんだ。


明日はタウンラン。
ポールとヘレナ、そしてアシスタントの中からメルセデスとセリーナがみんなの洗濯と買い物に行ってくれるので、わたしらは食べもののショッピングリストを書き、たまった洗濯物を袋につめ、ピカピカになったジューン・コーブ号に乗せました。


A23sとA24sは毎日似たような動きをしてます。
最近は夜になると東に行ってくれることが多くてありがたい。
今夜も日付が変わる前にはロブソンバイトを離れ、翌日の午前2時にはコールは聞こえなくなりました。
2011-08-06 : オルカ : コメント : 0 :
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8月3日

飛ぶミンク。
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ポーズとってくれたし。
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オルカさんたち(A24sとA23sそしてA85)は夜のあいだも朝になってもジョンストン海峡を西へ東へ、東へ西へ。
でも本当になんでこの群れしかいないのかなー。
ごはんの鮭はいるはずなんだけどな…。



お天気で気持ちの良い日でした。
夏なのに寒いハンソン島だけど、こんな日は泳ぎたくもなるよね。
(5℃くらいです)
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リアと犬のソロモンがCPに送られました。
かわりにCPに送られていたアシスタントのエリザベスとメルセデスというゴージャスな名前のふたりが帰ってきました!!

エリザベスは地元の子で、森の中をはだしで歩くんですよ。
ちっさいころからクジラに接しているから「経験を伴った」豊富な知識がある。
いちばん一緒に働きやすいタイプですね。
もっとずっと長くいればいいのに、来週アタマに帰るのでCPからオルカラボに連れ戻されてきたのです。
(´;ω;`)
さみしいなぁ…。


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こんな晴れた日に「監獄」マップルームに1日閉じこもっているとこの世の終わりのように思えてくるので、息抜きに咲と森を散歩しました。
別に何をするわけでもないんだけどさ。
わたしが森を歩いて、咲が木々の間を飛び移ってついてくるだけです。
犬の散歩みたいなもんやろか。
犬と違って、咲は年がら年中自由の身だけど。



ヘレナに言われてガーデンのちっさい木に水をやったり、
バスハウスのかまどの掃除を手伝ったりしてゆっくりと午後が過ぎました。
(あれ?DATの仕事進んでない…汗)


今夜もディナーにおいしいサーモンをたっぷり食べた後、アシスタントたちは雑談をするためラボに集まった。
今年のメンバーの中でいちばん大人のメルセデスが「日本の状況はどうなの?」と聞いて来てくれました。
わたしは、日本を出る前に自分が把握していたこと全部を正直に話しました。


今ここでおいしい魚を食べているけれど日本はどうなっているんだろう。
ここで牛乳を飲んできのこを食べて、しとしと降る雨にうたれているけれど、日本じゃこんなこと怖くてできなかった。
ハンソン島に来てからもしばらくは3月以降からのクセで
「何でできているのか、材料はどこから来たのか、どういう加工をされたか」
をつい考えてしまって、食べものを見るたびにそういう考えが自然に出てくるのが怖かった。



レタスはアラートベイの、ポールとヘレナのガーデンからだよ。
ドレッシングは毎食ごとに混ぜてビンを振って作ってる。
パンもイーストと砂糖と塩から作り、薪オーブンでヘレナが焼いてる。
サーモンは目の前の海でとれた野生のやつ。

引き潮になったらウニを拾って、秋になったら森の中にきのこを狩りにいくんだ。


いろいろ考える以前にわたしらはここの食べものがどこから来たのかよく知っていました。すごく身近なところからだった。

地元の勝山でも何とか「自分的に許容範囲内」のものを探して食べていました。
でも東京のコンビニに行った時は何も買うことができなくて悲しかった。
わたしは大人だからいいけど、小さな子どもも同じものを食べるのかな、食べ続けるのかなと思いました。
今はインターネットがあまり使えないので日本の現状はわかりません。


メルセデスが話してくれました。
(スペイン語→英語→日本語だから、ちゃんと訳せてるかはわからないけど)

ある地域で貴重なイルカがいました。
でもその地域で漁をしている船の混獲によって絶滅しかけているんだと。
研究者たちは必死に何年もの歳月をかけて漁師さんたちと話し合いをして、すごくがんばって大変な額の募金を集め、漁船をウオッチング船へとシフトしていくことで漁師さんたちの生活も、イルカも守ろうとした。
そして政府が間に入ってお金の整理をしてくれようとしたんだって。


そして政府は預かったお金を、どこにも支払うことはなかったんだって。


漁師さんたちは怒りました。
仕事もない。漁船も売ってしまった。
新たに漁船を手に入れて漁を再開しました。
だって彼らにはその仕事しか生き延びる方法はないからね。
研究者たちは呆然としました。
全てが水の泡になってしまった。
このままだとそのかわいいイルカは絶滅してしまうだろう。
でもいくら叫んでもその声が表に出ることはない。
新聞記者もテレビの取材陣も、何も聞こえないふりをするのです。


もし本当にこのようなことが世界のあちこちで普通に起こっているのなら。
文明が始まったころから何も変わることなく、こんなことが続いて行くのなら。


もう何にも属したくないし、国や法律なんかに縛られたくないや。
わたしは広い海に出よう。
そして海賊になろう!!

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2011-08-05 : オルカ : コメント : 2 :
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8月2日

ミソサザイさんあなたは。
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そのかわいらしさで悶え死にさせる気ですか。
頭に葉っぱつけてさ。
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午前2時まえにオルカたち(A24s、A23s+A85)は東に向かって行ってくれたので、そこからゆっくりと眠ることができました☆


来る日も来る日もA24sとA23s。
もうず~~~っとこの群れたちがジョンストンを行ったり来たりしているだけだからいい加減ほかの群れに来てほしくなったけど、でも誰もいないよりマシか。


子ポールたちとかお客さんたちも帰ってしまって、少し落ち着いた雰囲気のハンソン島。雨が少しだけ降りました。


引き潮になったからみんなで「ジューン・コーブ号」の船底の掃除をしました。
船底のフジツボやコケをきれいに取り除くと燃費がアップするのです。
金タワシでコケをこすって手がみどり色になったよ~!!

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夕方になって
「3頭のトランジェント(肉食のオルカ)がブラックニーパスに向かっている」というレポートが飛び込んできた。

そのときブラックニーパスには100頭くらいのイルカがいました。
「もしや」とわたしらは思ったけど、トランジェントがちょこっとブラックニーに入りかけたとたんイルカたちはぞろっと方向を変え、1隻のセイルボートを見つけたかと思うとそのボートを盾にして北へ逃げはじめました。

トランジェントたちもお腹が空いていなかったのか、
セイルボートにまとわりつくイルカを狩るのもめんどくさかったのか、
たった3頭で100頭のイルカに突っ込む気もなかったのか、
わかんないけどブラックニーに来るのはやめて、そのままジョンストン海峡を西へと進んで行きました。


波乗りイルカさん
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今日のディナーはサックアイサーモン(紅鮭)!!
ヘレナが薪ストーブで焼いてくれました。
世界的にすごく減ってしまった天然の鮭だけど、人間が食べる紅鮭も、オルカが食べるキングサーモンも、今年はそんなに悪くないみたい。
良かった。


この島に来るまで「塩漬けにしていない鮭は生臭いものだ」と勘違いしていたけれど、
こんなにおいしい魚がこの世に存在するのかってくらいここのサーモンはおいしいです。

もともとサーモンがたくさん獲れる地域だから、ハンソン島の典型的なディナーはパンとサラダとサーモンだったのね。近年はサーモンが少なくて、かわりにいろんな料理食べさせてもらってるけど。

でも毎日サーモンでも全然いいや。
この食事が1年間続いてもかまわない。
絶対飽きることはないし!!
何でこんなにおいしいのやろ…。


オルカたち(A24s、A23s+A85)は今日は東へ行かなかった。
水中マイクのエリアで、元気に朝まで鳴き続けました。
2011-08-04 : オルカ : コメント : 4 :
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8月1日

午前2時をすぎたころオルカたちは水中マイクのエリア外に出て行った。
これで眠れるーーーっ!!
いや、ゆっくり眠っていられないんだった…。


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午前5時。
みんながもぞもぞとテントの中から出て来ました。
ラボに来ていた取材陣と一緒に、ノルウェンとカミールが帰ってしまうからです。
ふたりは取材陣が呼んだ水上タクシーに乗っけてもらって島から出るのです。


カミールはすごく気が利く優しい子で、1週間だけしか一緒に働けなかったけどそれでもさみしいよ。ノルウェンはムードメーカーだし去年からのつきあいだから、いなくなる現実を受け入れられないくらいさみしい。
(´;ω;`)


日本語でバイバイは何というのか聞かれたのね。だからこう教えました。
「さよなら」と「またね」という言葉があって、わたしらの場合は「またね」を使うんだよ!!


寝起きのわたしたちはまだ暗い海岸でふたりとハグしあい、島から離れて行くボートをぼんやりと見送っていました。



寝なおしたかったけどなんか無理だった。
でも今日はずっとこの子が窓にいるからね、つらくないよ。
わたしにとって咲がいる窓よりも愛しい光景なんてこの世に存在するのかな。

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素晴らしい天気でした。
わたしたちはヘレナに言われて夜のバーベキューのための流木をたくさん拾いました。

さすがに1ヶ月もたてば、新人アシスタントたちもたき火をつくるのがうまくなってきた。
最初は「こんなに何もない島で生きていけるのか」と不安がってた人でも、結局住んでいるうちに何でもできるようになって「住めば都だなぁ」って感じだすっていうね☆


流木集めの途中でなぞの「7番」を拾って超ゴキゲンなわたくし。
藤俊!!藤俊!!
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今日は訪問者が多かったなー。

冬の間オルカラボの管理をしてくれているリアと、犬のソロモンが来たり。
(Pちゃんと大の仲良しのわんこです。)
セイルボートでポールとヘレナの知り合いが尋ねて来たり、
カヤックで男女が流れて来たり。

いつも男ひとりぼっちのルーウェンは自分以外に青年が来たので喜んで話しかけていた。

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ってかこの青パン、子ポールやん。



元オルカラボアシスタントの子ポール。
現在フランスとクローゼを行ったり来たりしてオルカの調査をしたり写真家として活動したりしています。

クローゼは現地に行くのに船で6日かかるうえに雨ばかり降っているんだって!!
風も強く波も荒くて、相当な腕力がないと船の上でカメラを構えるなんてことはできずにふっ飛ばされそうになるらしいです。三脚を使おうだなんてもってのほかだと…。
1年に3回しか船が来ないので現地についても動物としか話せません。

でも人間がいなくてもオルカがいるから彼はしあわせだそうです。
よ、良かったねぇ~。笑


わたしたちはこないだみたいにたき火でホットドッグを焼き、デザートにマシュマロを焼いて食べました。


お茶の準備を始めたころ、薄暗い海の向こう岸側にオルカたちが浮かんでいるのに気がついて、みんなでいっせいに仕事モードに戻って記録をとりました。
遠すぎてA85が誰と一緒に泳いでるのかいまいちよくわかんなかったけど、今日も大好きな親戚のお兄ちゃんと一緒だろうな。


子ポールはアシスタントを卒業した身分だからゲストハウスに泊まれるんだってさ。うらやましい。
オルカたち(A24s、A23s+A85)は今日も魚の集まるロブソンバイトへと進んで行きました。
2011-08-03 : オルカ : コメント : 0 :
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7月31日

※※※
こうやって何の不都合もないみたいにブログを書いていますが、こちらのインターネット環境は去年と変わらず悪いです。
無人島なのでネットも定額制じゃないため、メールチェックやこのブログの更新など最低限しか使えません。
なので調べものができる状態ではなく、日本の状況はほとんどわかりません。
阪神の順位すらわかりません…
緊急に知らせたいことがあったら、わたしの耳にはまず届いていないものと思って身近な方々はメールをくださるとありがたいです。
(大好きなライブハウスが閉店することを今日まで知らなかったんですよ…涙)
※※※


日記に戻ります。
ジョンストン海峡を東へと向かう深夜のオルカさんたち(A24sとA23s)。
枕元のスピーカーでその声を聴きながら、寝袋の中でウトウトするわたくし(熟睡できない)。


東へ進んでそのまま水中マイクのエリアから出て行ったと思ったのに、またかすかにコールが聞こえて来た。
いつもなら「もう寝かせて…」と頭を抱えるんだけど、その声を聴いたわたしは寝袋を引きちぎるイキオイで飛び出し、一気にはしごを飛び降りました!!


「こ、こ、このコールは…!!」


ラボの中で録音していたカミールはいったい何事かとビビっていました。
でもそんなの気にしていられない。
ヘッドフォンをつけ、あらためて確認をとって、真夜中にうれし涙にむせぶ寝起きの日本人。
さぞおそろしかったでしょうね。


外に飛び出てポールとヘレナの寝室へ走り、わたしは大声で叫びました。
「A34sが来たよーーーー!!」


わたしの最愛の群れ、A12s。
でも群れのリーダーであるおばあちゃんのA12さんはもう引退なさって、A36sという新しい息子たちと一緒に余生を送っているので、娘のA34さんが新たなリーダーとなって一家を支える事となりました。
最愛の群れの鳴き声。
どんなに疲れていてどんなに寝ぼけていても、この声だけは絶対に間違えることはないです。


彼らはちょこっとしか鳴かなかったけど、わたしは意味なくシフトに入っている人の隣に座ってヘッドフォンをつけたまましあわせな気分に浸り、気付いたら午前6時。


また朝になってしまったうえにオルカたちは静かになってしまったのでしぶしぶ寝袋に戻る。
A34sはジョンストン海峡で先にいた群れ・A24s&A23sと出会うと、方向を変えて西へと進み、ハンソン島のまわりをぐるっとしてオルカラボの前に向かったのでした。



「トモコー、オルカがこっちに向かってるから起きて」
午前10時。
セリーナがわたしを起こしに来た。
おはようございます。


ラボの取材に来ていた人たちもみんなデッキに出てスタンバイ。

準備万端だったのが裏目に出たのかオルカたちが目の前に現れたのは12時過ぎてからでした。
しかも最愛の群れどっか行っちゃったし。
目の前に現れたのA24sとA23sだけだし。
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お母さんをなくした6歳のA85は、今日も「大好きな親戚のお兄ちゃん」A60の隣で泳いでいました。
どうか生き延びて、元気に。


でも最愛の群れを見ることはできなかったけど、今日はもっともっと素敵な再会があったのです。


ギャー、ギャー。
オルカを待っている間、上の木の枝がバサバサと揺れて、わたしを呼ぶ懐かしい声が聞こえて来た。
「ほら、ベルが来たわよ」
とヘレナが笑いました。

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野生の友だち、咲ちゃん。
羽が抜け替わる季節だから顔きったないなぁ!!笑
デッキに人がたくさんいてみんながいっせいにカメラ向けたらやっぱり逃げちゃったけど、あとでまたきっと窓に来てくれるだろう。

本当に良かった。
この青い鳥がいつもそばにいることは、わたしが毎年この島に来る大きな理由のうちのひとつだから。




7月の終わり。
実は今日は、ノルウェンの滞在最終日。
わたしが遅く来たせいで、ちょっと早すぎるさよならだ。
でもいいんです。ノルウェンは友だちだから、絶対また会える。
きっと世界中どこでも会えるよ!!


ノルウェンがマーブルチョコ入りのクッキーを焼いてくれました
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「空と海が優しいオレンジ色だよ!」
と誰かが言って、ディナーを食べていたみんなが次々と外に出た。


綺麗やなあ。
ネットも満足に使えないし、電気も水道も通っていないこの島だけど、この景色の価値ってそんなものにはかえられないんじゃないかな。


いったい誰がこの景色より、開発してお金がめぐるほうがいいなんて思ったんかな。
もし地球上から自然がまったくなくなって廃墟になってしまったら、地球上にお金なんて残ってもどうしようもないのにな。

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2011-08-02 : オルカ : コメント : 2 :
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7月30日

午前3時。
「ううう…」
わたしは動かない身体をムリヤリ動かして寝袋から出た。
ヘレナがメインハウスから走ってくる音が聞こえる。
オルカが鳴き初めても誰も録音スタートしたことを報告に来ないので、ヘレナ自ら確認しに来たんだ。
起きられなくてごめんなさい(Pд`q)


水中マイクのエリアに戻ってきたのはA24s。
群れのリーダーA24さん、日本人アシスタントの間での通称は「サメ」
(こんな呼び方してるのはポールとヘレナにはナイショね♪)

だって、普通のオルカとはかけ離れた行動ばかりするんだもん。
エサのいないへんな水路を通ったり。
人間の目の前で子どもを生んだり。
子ども放置でオスオルカばかり追いかけたり。
かわいい孫(スプリンガー)を置いていったりさ!!
さらに、空に飛行機雲でバッテンができると現れるというわけのわからない登場のしかたするし(…まじで?)。


A24sは夜中じゅう鳴きながらジョンストン海峡を行ったり来たりしました。



レインアゲイン。
でっかいやつ見つけた!
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唯一の男子であるルーウェンが録音。
一緒にシフトに入ってるPちゃんがとなりで必死に録音のやりかたを教えていました。

アメリカ育ちのお金持ち中国人のボンボンであるルーウェンには働くという概念があんまりありません。
しかも普段はインターネットを頼りに生きているインドア派なので外仕事もあまりできません。
誰かに刷り込まれた知識上だけで地球温暖化を心配しながら毎日を過ごしているみたいだけど、特にオルカに興味があるわけでもなく、なんでこの夏ここにいるのかもわたしたちにはよくわかりません(笑)

絶対ポール、男子ってだけでEメール採用したよね…。

だけど基本的に悪い人ではないし、何も知らない生まれたての人なつこいおっさんと思えば害はないので、女の子たちがみんなで辛抱強く仕事を教えています。
現在9人の女子に囲まれている彼はガールフレンドを3人作りたいそうで、心優しいノルウェンとPちゃんとわたしは、



「ニンテンドーDSをみっつ購入して、それぞれでラブプラスというゲームをおやりなさい」



と親切にアドバイスしてあげました。

毎年ほんとうにいろんなアシスタントが集まりますね。
こんな無人島でオルカの研究してひと夏過ごそうっていうのだから、あまりふつうの人が集まらないのは当たり前かもしれないけれど。
そういや子ポール(写真家のポール・ティクシエ)がカヤックでこのあたりを漂っているというウワサも耳にしました。
「きっと嵐の日になったら流されてくるでしょう」
とヘレナが言っていました。



今日は雨のせいかわけもないのに気分がすぐれなくてイライラ。
そういう時は元気が出るこの言葉を。
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オルカたちのことに話は戻りますが、A24s(さめ)は夕方くらいにA23s(+みなしごのA85)と合流していたのね。こっそりと。
彼らは日付が変わるころゆっくりと東へ向かっていました。
ロブソンバイトへ、そしてラビングビーチのほうへ…。


このふたつの群れの鳴き方がおかしくなって来たなぁと思ったのは、わたしがちょうど寝袋に入った23時30分ころだったでしょうか。
きっと彼らは別の群れがジョンストン海峡に近づいて来ていることを知っていたんだ。
2011-08-01 : オルカ : コメント : 2 :
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7月29日

ラボの前で動かないA30sとA24sはとうとう「N3」という鳴き声を発しはじめた。
N3って、レスティングコールですね。
オルカさんたちお休みになっているようです。

美しいコールを聞けるならまだしも、こんな寒い夜中にラボの前に寝ながら居座られたら、ひとりで眠気や孤独と戦いながらブホーブホーという呼吸音の記録をとり続けなければならないのです。
打ちひしがれそうになったPちゃんも、何とか正気を保って彼らがゆっくり北へ消えるまで起きていてくれたのでした。


午前2時半ころ。
再び鳴きはじめたし。


寝袋から這い出し、無人のラボにおりて録音スタート。
シフトに入っている新人のセリーナを起こして録音を代わってもらい、ちょこちょこ教えながら寝たりまた起きたりして午前5時。
その間にオルカたちはオルカラボの前を2回通過して結局また北へと消えてゆかれました。


なんかわたしも寝ぼけてて動きがわけわからなかったので、そこからテープを全部聞き直してログブックを赤ペン先生して午前7時。
ようやく寝袋に入れる。

おはよう。
おやすみなさい。
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でも朝になってから寝て午前中をすべて棒にふったせいで、わたしは自分にとってものすごく大切なものを逃したのでした!!


午後。
またお昼まで寝てしまったよ…とがっかりしながら寝袋を出て1階へ降りたわたしの目にヘレナの後ろ姿。
ヘレナはわたしの気配に気付くと振り返ってこう言いました。
「おはよう!ベルに会った?」


急いでラボを飛び出て
「咲!!咲~っ!!」
と空に向かって叫んだけれど、青い影はそこには見当たらなかった。

ヘレナは「ほんとにベルベット(咲の英語名)だったわよ」
と言う。
同時に見たというノルウェンも
「丸くて人なつこいステラーカケスだったし、意地悪な息子(秋吉)を連れてたから間違いないと思うわ」
と言う。

でも本当に咲が山から下りて来たのなら、どうして窓を叩いてわたしを起こしてくれなかったのかな?
寝袋に入ってたから、窓の外から見ただけじゃわかんなかったのか…。



なんで咲が帰って来たのに寝てたんだろう?
わたしのバカー!!
(Pд`q)


とにかくオルカよりも会いたかった鳥に会えずじまいでご機嫌ななめのわたくし。
咲、わたしが来てるって知らずに山に戻っちゃったかな…あ~もう。


あなたはわたしの窓におらな。(写真は去年の)
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今朝からオルカラボにはひと組の取材陣が来ています。
日本のじゃなくてこっちのメディアだけど。
ボートノイズ等の海中の音について取材してるんだって。
どこを撮られても恥ずかしくないようにアシスタントのみんなで施設を掃除したり、さりげなくお花をつんで飾ったりしました。


ゲストが来るとディナーにデザートがつくのがうれしい♪
これはアーモンドケーキ。杏仁風味、めちゃくちゃ(゚Д゚)ウマー
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オルカたちが近くにいないし録音もしていないのでこういう時に早寝すればいいものを、わたしたちはラボに集まり、Pちゃんのパソコンに入っていた故郷の写真を見てキャッキャ騒いで気付いたら夜中になっていました。
2011-08-01 : オルカ : コメント : 0 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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