夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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カマイルカさん。

帰国しちゃって今さらなんですが、今年の写真の整理をしていたら
めずらしいカマイルカちゃんの写真が出てきたのでご紹介します。


ふつうのカマイルカと一緒に、2頭でオルカラボの前を泳いでいました。
(この写真もクリックでちょこっと拡大します)
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そして拡大っ
20110808_616_02.jpg



うっひゃーーーーーーー。
なにこれ。
こんな三角形の背びれ見たことないよ。

ほかのイルカちゃんと重なってるわけではないです。
ごらんのとおり、一緒に泳いでた子は何てことないふつうのカマイルカの背びれでした。



信じられない人のために別角度だ!
(画像荒くてごめんなさい)
背びれの前がわになんかボコッとした出っぱりもあるのですね。
20110808_618_3.jpg



ポールとヘレナに聞いても「え?何じゃこりゃ?」だったので、このへんのカマイルカの研究も手がけてるかたに一応写真を転送してもらいましたが、この子がどこの誰なのかはいまだ不明なようです。
(ナイアッド船長ビルは「イシイルカとの交雑種なんじゃね!?」と言ってました…)


ジョンストン海峡のエリアはシャチの研究者がわんさか集ってはいるのですが、
ほかの種についてそれほど詳しくやっている人がいるわけではありません。
(ここにいたらみんな時間の許す限りシャチのことをやるからね)

もし日本でこれを読まれて「ああこういうの見たことある~」ってかたは、無知なシャチ専門のわたくしたちに教えてくださるとありがたいです☆



ちなみに、以前にも書いたことがあるかもしれないけど
イルカちゃんたちもたぶん群れごとに好きなコールというかパターンがあって
わたしでも聞き取れるコールがいくつかあります。
イルカさんたちはめちゃくちゃ早口なだけで、録音して拡大するとちゃんとオルカみたいなスペクトログラムになってるんですよね。

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テレビにうつったり写真で見たりしたらみんなにとってイルカはただのイルカの中の1頭で
「イルカかわいいー」
で終わるかもしれないけど

海の中では彼らは独自の言葉を発して
1頭ごとにそれぞれ個性があって
ただのイルカの中の1頭じゃなく、お互いにとってそれぞれが特別なイルカで
それぞれの時間の中でそれぞれの人生(イルカ生)を送るわけですよ!!





お、面白ーーーっ…(llllll゚Д゚)!!






ひとりで興奮してすみません(だって誰も止めてくれないし)…。
日本近海にもカマイルカはたくさんいて
いるってわかっててもふつうの人にとっては「どこかの知らないイルカ」なんやろうけど


きっとイルカにもそれぞれに個性があって、
今はまだ自然の海にすむものとわたしたちの間にカベがあるのかもしれないけど


研究者の言葉ってむずかしいからね。
それを一般の人にもわかるように翻訳できたらなあ。
できればわたしみたいに「人間と動物のかけはしになりたいな」と思う人が日本でもふえて
一般のみんなにも野生動物の本来の姿とそのおもしろさをうま~く伝えていくことができて
どこぞの知らないイルカではなく「わたしたちの海に住むイルカ」になって



わたしたちのイルカを守りたいからもうこれ以上絶対に海は汚染させない、絶対に!!



っていう意識もわかないかなぁ?
と思いました 。





…またわたしは夢みたいなことをほざいてるだけですかね?




また必要以上に燃えてしまってみなさまにドン引き去れると悲しいので今日はこのへんで。
よい10月をお迎えください。

ばいばいきーん
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2011-09-29 : オルカ : コメント : 2 :
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0925@松阪マクサ

そんなわけでカナダの無人島からライブハウスの世界に戻ってきました。

今年は「AIR JAM」という大イベントがあったので、急いで帰国したわけです。
しかし当日アクシデントがあり、現地にいながらにしてわたしは見ることができなかったのです。
その悲しさはF.I.Bで発散してきたのですが(F.I.Bのレポは長くなるので、また後ほどゆっくり書きます)。


25日は松阪マクサでat Anytimeの企画でした。
The BRYAN
S.M.N
COUNTRY YARD
LABRET
at Anytime
という超~豪華メンツ!!


しかし帰国直後(2ケ月カナダにいたので働いていない)で資金難のわたしはなかなか松阪まで行くことを決意することができなかった。
でも当日になってやっぱり行かないとひどく後悔するような気がしてきました。
そして「AIR JAMを見ることができなかったのだから、この資金難の状態で松阪にアトエニを見に行ってもバチはあたらないだろう。わたしは三重のハイスタを見るのだ!!」と考え、いざ高速に飛び乗ったのです。



そしてマクサに着いた直後のこと。
入り口にいたat Anytimeの直矢さんが、遠くからはるばるやって来たわたしを見つけて声をかけてくださいました。
しかし。


口を開くなり彼は(わたしがAIR JAM見られなかったのをご存知だったはず…)腕についたままのAIR JAMリストバンドを見せてきて、AIRJAMとハイスタへの想いを事細かに語ってきたのです!!笑
目をキラキラさせながらー!!笑

あまりにも潔いその自慢に、あぁもう、よっぽど楽しかってんろうなぁwと、自分がAIRJAM見られなくて悲しかった気持ちもすっかり失せてしまいました。笑

ツイッターの健さんのつぶやきで見たのですが、AIR JAM'98のとき、当時15歳の直矢さんは「夜行バスで三重から東京まで何日かかるかわからない」と考え、1週間まえに会場に着いて公園の遊具の中で野宿してその日を待ったそうなんです。
その少年の日から現在。
夢って、信じれば本当に叶うんやなぁ…と思いました。


たくさんの友達にも会えたし、マクサのけいさんにも会えたし、
ライブは大好きなバンドばっかりだったってこともあって最初から最後までめちゃくちゃ楽しくて、とてもしあわせでした。遠くまでがんばって来て良かった!!
特にカントリーがマクサの雰囲気に似合いすぎてやばかったなー


そんな中ちょっといろいろあって、友達のひとりがしくしく泣いてしまったのです。
「とも姉、わたしアトエニ見て元気出します!」
って言ってたから、本気で楽しめるといいなぁと思った。


そんなアトエニは期待どおり、めちゃくちゃ力強くて前向きになれる、光がさすみたいなライブを見せてくれました!
友達も笑顔になって、本編が終わってメンバーがいったんそでに下がりました。

でもまだRainbowやってなかったから、会場みんなで必死に声だして呼び出しました。
すごーく長い時間、なかなか出てこなかった。
でもメンバー全員が戻ってくるまでみんなで必死にワンモアーワンモアー言って粘りました!

そしたら出てきた直矢さん…「アンコール何がいい?」って。


リクエスト( ゚д゚)?
れ、Rainbowじゃないの?


なんか場の空気的に誰もレインボーとは言い出せなくなり、曲が決まらないまま1分経過。
場内シーン…。


誰も何も言わない、とても静かな、微妙~~~な空間。
わたしはあせりました。
せっかく泣いてた友達が笑顔になったのにこのままじゃ…
早く、何か言わなくては!!


そのとき、ステージ上の手首に今もまだ輝くAIRJAMリストバンドが目に入ったのです。



直矢さん「それで、アンコール何がいい?」
わたしは叫びました。




「ステイゴールド!!」












なんか場内がありえんくらい大爆笑になって、直矢さんが「みんなこれツイッターに書いて!」と言ってから、ようやくわたしはまた自分が盛大にやらかしてしまったことに気付いたわけですが、そこでちっさくなっても時すでに遅し。
泣きそう。
あとで謝りに行かな…。





「ステイゴールドは名曲や!」
ひとしきり笑ったあと、直矢さんはこう言いました。
「でも、俺らが塗りかえます」


ドラムが鳴り、ベースが入り、ギターが鳴る。
「俺らは俺らの時代を作っていきましょう!」

流れて来たのは、わたしらの愛してやまないアトエニの名曲、Rainbow。



みんなが心から憧れたバンド、Hi-STANDARDは、今もわたしらと同じ時間の中にいてくれています。
でもそのハイスタに憧れて音楽を始めた世代が現在こうやってライブハウスのステージに立っていて、この場所に音を求めて集まったみんなに、胸いっぱいの希望を与えてくれています。

今日出ていたバンドさんたち、ほんとうに格好よかったなあ。
きっと今日出ていたバンドさんに憧れてこれからバンドを始める子達もきっとたくさん出てくるんだ。
そうやってわたしらの愛するバンドの世界も、強く未来に繋がっていくんだ。


わたしライブハウスが好きで良かったな。
こんな想い、普通に暮らしていたらそうそうできないやろうな。


心から、素晴らしいイベントでした。
この1日を用意してくれたat Anytime、ありがとうございました!!



それではまたライブハウスで。
2011-09-27 : ライブレポ : コメント : 2 :
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9月12日

今期オルカラボ滞在、最終日の朝。

今朝も霧です。
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咲も霧のなか佇んでる。
ここ最近いつもの愛しい光景。
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荷造りをしているわたしに、ヘレナが
「本当に帰るの?」と聞いてきました。
「うん、帰らなきゃ」
とわたしは答えました。


しばらくしてラボにいたわたしに、ポールが
「ホントに、ホントに帰るのかい?」と聞いてきました。
「うん…」
とわたしは答えました。


ふたりの心配もやむ終えない。
いまの日本人から見たらいまいち実感わかないかもしれないけれど、
情報が規制されていない海外の人にとって、わたしは「放射能の国」へ帰ると言っているように見えるのです。
逆の立場だったらきっと自分も止めるだろう。


「でもまたいつものように、夏になったらここに戻るよ」
とわたしは付け加えました。


午後。
わたしはほんの少しの間、CPに連れて行ってもらいました。
オルカたち…A36sとA12さんはずっとCP前(そんなに近くにはこなかったけど笑)。
A30sとA23sはバンクーバー島沿いに東へ向かっていった。
青く晴れていて、でも日差しは強すぎなくて、吸い込む空気はほんのり冷たかった。
美しい日だなあ。


でも、この世でカナダだけが美しいわけじゃないんだ。
もしこんなふうに心をきゅんとさせる美しい自然の風景が、まだ日本に残っているのなら。
もうこれ以上、、絶対に失いたくないなあ。


夕方、リアが「カー号」でオルカラボまで送ってくれた。
(リアは今日1日カーを使っていたのです)

「CPから帰ったよ~」とメインハウスに入ったところ、
テレビの前にイスを並べているのはポールとヘレナ、そしてPちゃん。

みんなおそろしい表情をして、無言。
それは、この世で最も悪いタイミングだったのでした。



USオープンの男子決勝!!
(llllll゚Д゚)



フェデラーが負けてしまったのでオルカラボではもう本気のUSオープンは終わっているわけですが、ヘレナはどうしてもがんばり屋さんのナダルに優勝してほしかったのね。
しかしゲームを見ていた方はわかるように、ナダルは史上最大の不調っぷり!!
しかも相手はケガをしているのに…。

どう声をかけていいのかわからず
「き、きっと巻き返すよ…」
とテニスに詳しくないわたしは簡単に励ましてみたんだけど、最後はもうテレビを消してリモコンを投げたくなるくらい(これがもし阪神戦だとしたら)に散々なゲームになってしまいました。

全員でがっくり。
な、なんて雰囲気の最終日なんだ…。


ポールが「CPでオルカは見られた?」と聞いてきてくれた。
「見られたけど遠かった」と答えると、オウ…と心配そうなカオになってしまったので
「遠かったけど、オルカが普通にいる風景はとても美しかったんだよ」とあわてて付け加えました。


今年はたくさんのアシスタントがCPへ行って、オルカを近くで見ていい写真を撮ろうとしていた。
「近くに出たかどうか」で自慢しあっていた。
でもわたしにとってオルカを近くで見ることはたいして重要じゃないんです。

近くで見られたらそれはそれでうれしいけれど、
水中マイクから彼らのコールが聞けて、暗闇の中や霧の中からの呼吸音を聞くことができて、オルカたちの存在が毎日の生活の中にあることがとてもうれしかった。
鳥たちやほかの動物たちも一緒です。
(咲は近くに来るけれど、あいつはまぁ置いといて。笑)

ミソサザイやハクトウワシや大好きなシノリガモが暮らしの中にいることも、
松ぼっくりを投げてくる田中りすたちも、
さらりと前を横切るミンクたちも、
姿を見るだけで震えちゃうような大きなクマさんも。



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(くまPhotoのみ by Pちゃん)

彼らに触れることはないけれど、わたしらは確かに同じ島に生きてる。
わたしも彼らもオリの中にいない、同じ自然を共有して生きてる。


まきを割ったり、
火をおこしたり、
魚を釣ったり、
きのこを摘んだり、
お風呂に使う水をくんだり。

ソーラーパネルを太陽の方向に動かしたり、
かまどに入れるまきの数でパンの焼き加減を調節したり。
船の底にこびりついた苔をみがいたり。

生きるためにやらなきゃいけないことは楽しいです。
それだけでとても「生きている」感じがします。
ものが溢れている都会ではきっと味わうことができないだろう。


わたしらが都会で手にしている便利なものは、あると便利なだけで、本当は生きていくのに必要ないんだ。
ほんとうは、豊かな自然と太陽さえあれば人間は生きていける。
人間だって生きものなんだからね!

そして「生きている」人間は、病むなんていわないの。
きっと心もイキイキしていると思うのです。



いろいろあって(ってか要するにテニスだよね)最終日にわたしがあまり楽しめなかったのではないか?と心配したポールは、海岸においてあるバスタブ(五右衛門風呂)を川から汲んだ真水でいっぱいにして、流木をいっぱい拾ってきて、お風呂を炊いてくれました。
ディナーの後、ポールが言いました。

「ちょうどいい温度になったよ。そして今日は満月だから、お月様を眺めながら時間を気にせずゆっくり入りなさい」


海岸のあったかいバスタブに浸かって、空にはお星、ほんものの露天です。
目の前の海からはイシイルカやトド、ザトウクジラなどたくさんの動物たちの呼吸音。
雲を割って顔を出したのは、まん丸のお月様だ。

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ずっともやもやといろんなことを考えていたんだけど、ふっとある曲が頭をよぎって、目が覚めたように思いました。

ほんとうは今どうなっているかわからない日本に戻るのが怖かった。
でも「その音」が頭の中を流れたとき、ぼんやりとした不安の雲から、希望の光が差したように思えました。


日本に帰るにあたって、いろんな不安はあります。
でもこの現状に疑問を抱いているわたしたちが言葉を発しなきゃ、この世界は何も変わらないじゃないか。
わたしたちが叫ばなきゃ、未来に繋がらないじゃないか。


日本をこのまま「放射能の世界」になんてさせないよ。
わたしはそんなところに戻るんじゃないんだ。


moonlightが夜のブラックニー・パスに響いてた。
自分の愛する音楽をやっている人たちが、自分と同じ意見でいてくれるのはどんなに心強いことか。
声の限り叫ぶために、日本に戻ろう。



この世でただひとつしかない「F.I.Bの世界」に戻ろう!


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2011-09-22 : オルカ : コメント : 3 :
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9月11日

霧の森を通過して来たのかな
ずぶぬれの咲ちゃん
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午前3時58分。
トイレに行きたかったんだけど、森のトイレは遠いから
「あともう少しガマンできる」
と起きていたわたくし。

メインハウスから歩いてくるポールの足音が聞こえました。
自然に目覚めたポールは、ヘレナに
「そろそろ君のシフトの時間だと思うけど、何も起こってないか僕がラボに確かめに行って来ようか?」
と言って、水中マイクの音を聴きにきたのです。

そして何も聞こえていなかったので、メインハウスへ戻ってゆきました。


その直後、午前4時1分。
…コールズオンCRPT!!


わたしとPちゃん(同じくトイレに行きたかったらしい)は同時に起きてラボに飛び込み、録音スタート。
A30sだ…。


なんでシフトを代わってもヘレナの時だけオルカが鳴くのか?
「か、代わろうか…?」って聞いたけど、ヘレナは
「私のシフトだから私がやるわ」と笑ってヘッドフォンを奪ってゆきました。




っていうか今日は9月11日だ。
毎年この日を迎えると思い出すなあ。
あの時の朝焼けがどんなに赤くて怖かったかを。



ディナー時にテープルを囲んで食事をとりながら
「10年まえのその日、何をしていたか」
を話あいました。


わたしは10年前のその時、オルカラボにいました。
朝焼けと共に起きて先輩アシスタントのギギと一緒に写真を撮り、また寝袋に戻って目が覚めると、全てが変わってしまってた。

ヘレナは水中マイクを受信しているラボのラジオのひとつをニュースに変えた。
そしてしばらくしてラボに戻ると、そこにラジオを聞きながらひとり立ち尽くすヒデさんを見たのを強く覚えているそうです。

わたしはテントの前でギギに何が起こったかを聞いた。
でもパニックに陥っていたギギはわたし向けにかんたんな英語で説明する事ができず、聞き慣れない単語ばかりですぐに全てを理解するには時間がかかって、ラボに行ってずっとラジオを聞いていたヒデさんに「何がどうなったの?」と聞いた。
ヒデさんは「戦争が始まるんだよ」と答えました。


大げさな表現だったかもしれないけど、その時のヒデさんの言葉は真実とさほど遠くなかったと思う。



ポールはその日アシスタント全員をラビングビーチに連れて行って水中マイクの修理をしました。みんなの気分をまぎらすためだったと思うけど、みんな無言だった。
こんな時にもかかわらずヘレナはディナーを作ってくれました。
そしてその夜は全員がひどい頭痛に悩まされて眠れなかった。


わたしはここにいたから、空港が閉鎖されて日本に帰れなくなっただけで済みました。
たまたまその時のチケットがアメリカン航空(ハイジャックされた飛行機の)だったし。
だけどポールとヘレナが「いつまでもいればいいよ!」って言ってくれて、ハンソン島にいる限り安全だとは思いました。
でも、もう日本に帰れることはないのかもしれないなと思った。
とてもとても怖かった。

日本には予定より3週間遅れて帰国しました。



水中マイクの音を聴いていて眠れなかったり、へんなアシスタントと一緒に働かなければならなかったりするけれど、自分にとって平和ないまのこの時間がどんなに大事なものか。




わたしはだいたいカナダではバンドTシャツを着ています。
毎年違うのを持って来ていて、なぜかポールとヘレナがそれを見るのをけっこう楽しみにしているのです。


そして今年持って来たTシャツの中でヘレナが
「世界一のTシャツね。そしてこの日のためのTシャツと言えるわ」
と言っていたのがこれ。


WE ARE FUCKIN' ONE
全世界に祈りをこめて。
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2011-09-14 : オルカ : コメント : 0 :
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9月10日

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最近姿を見れなくてコールしか聞いてないから、いつものごとくオルカってどんな動物だったか忘れかけています。よく見るとかわいいんだね。


午前2時。
わたしはぼんやりとした中でオルカたちのコールを録音していました。
コールの主がA30sなのは知っていました。
潮の流れに逆らって東から戻ってきたことも。

でもしばらくしてヘレナのボイスノートを聞いて「あれ?」と思った。


わたしが録音してるわけじゃない、録音してるのはヘレナだ。
じゃあわたしは何をしてるの?


寝てるんだよ…!!
( ̄□ ̄;)



がばっと起きてラボに飛び込む。
かすかなコールでも起きる自信はあったけれど、夢の中で録音していたらそれはもう起きられないですね…。
ログを確認すると午前2時01分に録音を開始してくれたのはPちゃんで、ヘレナが「自分のシフトだから」と交代したらしい。

「コールで起きられました!!」とPちゃんは果てしなく喜んでおりました。
(実はコールで起きて録音を開始したのが初めてだったそうです)


そしてヘレナのシフト時間が終了する午前4時前にコールはぴたっとやみました。
わたしはまたしても録音をとめて寝袋に入る役目。
ふんふんふーん


再び霧の朝。

ほとんどコールも出さずに東から戻ってきたのはA12ばあちゃんとA36s兄弟。
霧の中をCP前まで進んできた。
そこからブラックニー・パスに入って来るかな?と思ったけど、いったん西へ進んでビグベイ沖でターン。今度は本当にブラックニー・パスに入って来た。


でもオルカラボ前は視界ゼロの霧!!
Pちゃん、カースティ、わたしの3人はデッキに出て、霧の中のブローの音を楽しみました。
見えなくてもかっこいいです、A36sは。



少し霧が晴れて来たのでお洗濯を干したり。
霧が入り込んできて洗濯物にふりかかるのを見てあわてて中に入れたり。

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午後になってダメ子がCPから連れ戻された。
イギリス人がふたりになるので、多少気分も楽になるのではないかというヘレナの配慮です。CPにいつまでも置いとくわけにもいかないしね。


日本人アシスタントはOSS(オルカラボ・サポート・ソサエティ)の面接の時に会えるので多少は性格が把握できるけど、外国人はほぼメール採用なので来てもらってみないとわからない。
「OSSの面接はとてもいい方法ね、私たちもそれができたらどんなに助かることか」とヘレナは嘆いてた。


ヘレナによると、今期のアシスタント採用のメールのやりとり上で、すでにあのルーウェン君はアシスタントとして働けるかどうかあやしいと思っていたらしい。

でも中国系アメリカ人という、ここに申し込んでくるには非常にめずらしい(そしておそらく国際的に生きていく上で差別されてしまいがちな)バックグラウンドや、今まで知らなかったものをとても知りたいという彼のすなおさを評価して「チャンスをあげたいんだ」とポールは言ったそうです。

「うちはソーシャルワーカーじゃないんだからね、全くもう!」
とヘレナは笑っていました。

ここに来たときはYouTubeで見たものばかり信用して何もできなかったルーウェンは、まき割りやブローを数えることは他の人よりも得意になったし、現地での生のオルカの知識のほかに、今まで全くできなかった料理や掃除など、いろんなことを覚えて帰って行きました。

「彼のいいところは、何か注意されても言い返さずちゃんと謝るし、間違いは素直に受け止めて直そうと努力するところね。ああいう人は受け入れる側も気持ちがいいわ」
とヘレナは笑っていました。

(※これからアシスタントをめざす方は参考にしてください)



ダメ子が帰ってくると同時に、フェデラーが負けました。
USオープンはまだ続くけど、オルカラボにとってのUSオープンはほぼ終わりです。


ディナー後、A30sがオルカラボの前を通過して北へと向かって行った。
もう暗くて、またしてもオルカたちの姿を見ることはできなかったけど、新人アシスタントのカースティは「呼吸音を聞いてオルカたちがすぐそこにいるのが感じられたわ。すごくうれしい」
とブローだけでもとても喜んでいた。
こっちまで何かうれしいものを聞いた気分になったし(^ω^)


録音止めたけど、さて今夜はどうなるかな?
潮の流れが満ち潮に変わるのは午後10時半。

「そのまま北からウェイントン・パス入って東へ進むと、ロブソンバイト近くに来て美しいコールをあげるのはまた2-4時のヘレナの時間帯じゃない?」
と、わたしとPちゃんはバスハウスで歯磨きをしながらぼやいていました。

そこにポールがドアをあけてちょこんと顔を出して
「トモコ、ヘレナがシフトの時間を代わってほしいって言ってるから、君が2-4時をやってくれないか?へレナは4-6時をやりたいそうなんだ」
と言ってきました。


代わらない理由がありますか?
今夜こそ久しぶりにまっとうな夜シフトをするんだ!!
2011-09-12 : オルカ : コメント : 0 :
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9月9日

山雲森霧、そして海。
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午前零時。
レコーディングはまたしてもPちゃんからポールにバトンタッチ。
ポールはボートノイズの中のかすかなコールを録音しつづけました。
しばらくしてコールが聞こえなくなったので、メインハウスの寝室に戻って、
「ヘレナ、君のシフトの時間だけど、もう10分くらい何も聞こえていないから起きなくてもいいと思うよ…」
って確認したらしいんだけど、ヘレナは「いや、ここは私のシフトだから」としっかり起きてきたらしい。


そこでヘレナがラボのイスに座ったその瞬間。
オルカたちが高らかに声ををあげ始めて、ヘレナは2時間の間その素晴らしいコールを聴き続けました。
ところが午前4時にわたしが起きてくると、全てはぴたりと止みました。
またヘレナが全部もっていった…!!


しょうがないのでそこからまた寝袋に戻ったんだけど、午前7時過ぎにコールで目覚めました。
東からオルカさんたちが戻ってきたようです。


午前9時、タウンランに行くポールとカートを見送ってまた録音に戻る。
外はものすごい霧。
知っている群れがごくふつうの動きしかしていなかったので、わたしたちは午前中いっぱいかけてカースティに録音の仕方を教えたりしてゆっくりとした時間を過ごしていました。


そろそろお腹がすいてきたなぁと思った午後12時41分。
カースティに実際に録音をしてもらい、わたしは教えるために隣に座っていた。
コールはジョンストン海峡からブラックニー・パスの入り口にかけて聞こえていた。
この霧の中、オルカたちがこちらに向かってくる可能性もゼロではなかったので、Pちゃんがデッキに出てブローが聞こえて来ないか待ってくれていた。
ヘレナはメインハウスで洗濯物などを整理するため、寝室と1階の間を行ったり来たりしていた。



突然、水中マイクの音がプツッ、プツッと途切れはじめた。
水中マイクで拾った音をラボに飛ばすのはFMラジオの電波を使っているので、たまにとても大きな豪華客船などがアンテナの前を通過すると途切れることはあるんだけど、大きな船は見当たらない。

「どうして音が途切れるの?」とカースティが聞いて来た。
わたしもよくわかっていなかったんだけど、
「大きな船が通るとこんな感じになるんだけど…」と答えました。


そしてしばらくして揺れを感じました。


こんな場所で揺れるわけがないと、まずわたしはカースティが貧乏揺すりをしていないか確かめた。
でもそんな様子はない。
次にちょっと背伸びして、デッキに立っているPちゃんが飛び回ってないか確認してみる。
いちおうスコープを覗きながらおとなしく立っているようだ。


するとカースティが言いました。
「どうしてラボ全体が揺れているの?」

天井を見ると、ぶら下がっているケーブル類が全て揺れている。
ようやくことを把握しました。


地震だ…


急いでメインハウスに走りヘレナに
「揺れたよね」
と聞きに行ったんだけど、動き回っていたヘレナは揺れを感じなかったらしい。
「本当に?」と言われたので、目の前に釣り下がっているオルカやハミングバードのオブジェが左右にゆーらゆらと揺れているのを指すと、その表情が一変した。
おそらくヘレナにとって、生まれて初めてその目で体感した地震!!


その直後、無線でナイアッド・エクスプローラ号のビルが
「たった今、自宅(ポート・マクニール)にいるドナから携帯に電話があって、家全体が揺れたそうだ。みんな大丈夫か」と連絡をしてきた。


興奮…というか、初めての地震に半ばうれしそうに見えるヘレナをよそに、わたしは恐ろしくて仕方なかった。
自分たちにとって感じるか感じないか程度の揺れでも、震源地もその規模もわからない。
何よりオルカラボは海岸に建てられているのです。

ヘレナは地元の気象ページやニュースのサイトを開いて調べてくれたけれど、地震なんてめったに起きない(起きても震度1くらいで、感じることはないそうです)この地域ではそんな速報サイトなんて用意されていない。


そんな時はツイッターです。
オルカラボのツイッターページを借りて「earthquake BC」で検索したところ、一発で情報があがってきた。
たくさんの人のつぶやきで「カナダで地震、震源地はバンクーバー近く、マグニチュード6.7、ローカル津波警報が出ているらしい」とありました。
近い!!( ̄□ ̄;)


「リュックにパスポートと財布、そして各自の貴重品をつめて逃げる準備をしなさい。その用意ができたらマップルームにラボ内のテープやログブックを全部移動させて。もし津波が来るようなら急いでクリフに登るしかないわ」
ヘレナの指示でわたしらはそれぞれリュックに目についた大事なものを放り込み、ラボ内のものを高いところに移動させた。

ヘレナいわく、大きな地震が発生することなんて人々の間では想定されていないこの地域だけど、400年ごとに大きな地震が起こった記録があるそうです。
そしてこの400年、地震は起こっていなかったのだとか。


とにかく今は何より怖いのが津波だ。
オルカラボの施設はすべて海岸ぞいに建てられています。
気がつくとオルカたちのコールは完全に消えていて、目の前の霧と灰色の海から生きものの姿がまったく消えていた。
トドの姿もなく、カモメの1羽もいないなんて!!
よく見ればカモメたちはみんな飛び回るのをやめ、ハンソン島の岸にとまっている。
ちょっとぎょっとするような光景に目を疑いました。


海に出ていたウオッチングボートたち、特にSOS担当「海の救急車」とも呼ばれる高速船ナイアッド・エクスプローラは、こまめに無線で情報をひろって流してくれた。
アラートベイ、ポートマクニール、ポートハーディなどわたしらの地元では、揺れただけで被害は確認されていないこと。
各地のボートと連絡をとっているが、高い波はまだどこにも確認されていないこと。
そして遠くで少しでも高い波を確認したら瞬時に伝えるから、海岸に住んでいるみんなも安心しなさい、大丈夫だと。


しばらくして、ようやくインターネットのニュースサイトに公式な情報があがってきた。
正確な震源地はバンクーバー島のポートアリス80km沖(すなわち太平洋側)、マグニチュードは6.4、津波警報は解除。


震源地がバンクーバー島をはさんで反対側なのを知って、今にもクリフに逃げようとしていたわたしたちも、ようやくひと息つくことができました。
地震のときにいちばんしちゃいけないことが「海のそばに行くこと」だもんね。
海のそばどころか海岸だからね…。
日本人のわたしたちはやっぱり敏感になりすぎているのかもしれないけれど、情報が届くまで本当に怖かった。
ヘレナとカースティは、初めての体験になんかうれしそうだったけど。


リュックの中身も元に戻せばいいとヘレナに言われてあらためて中身を確認すると、指示されてつめたパスポートと財布、懐中電灯のほかに、自分で必死につめたものが合羽と阪神キャップとチョコチップクッキーとポテトチップスだったのを見たときはとてもがっかりしました。
貴重なデータがいっぱい入っているはずのパソコンすら入れてなかったし。
遠足か!!


わたしたちが安心しはじめたのと同時にオルカたちが再びコールを出しはじめ、目の前の海にゆっくりと生き物たちが戻ってきました。
いつものようにカモメが舞い、トドが泳ぎ、イシイルカたちがあちこちで呼吸していました。
すごく不思議だった…。


ヘレナに呼ばれてメインハウスに行くと、ニュースにバンクーバー島がうつっていた☆
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ことが落ち着き、またそこであらためて思い出しました。
揺れの直前に水中マイクの音が途切れたこと!


急いでテープを聞き直し、時間を確認(ラボの時計もずれていたので、この時に正式な時刻に直して計算しました)すると、地震発生時刻の公式データよりも20秒ほど早い時間にこの強い電波妨害が録音されていました。
これはあれです。
日本で言う「緊急地震速報」と同じシステムだ!

もちろん日本と違って、めったに地震のないこのエリアにそんな便利なものはないけど、オルカラボには独自の緊急地震速報システムがあるんだ。
これでまた地震が起きてもわたしらにはちょこっと早く知ることができて、カウンターの下などにもぐる時間があるので安心です(たぶん…)。




地球には逆らえないなぁ。
少しずつ晴れて行く霧を見ながら思いました。
すごく怖かった。
地球が震えて、たくさんの人の命を奪うこともある。
だけどこうやってわたしらを生かしてくれてるのも地球だ。
畏れ、そして敬いました。

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午後8時、ポールとカートが無事にタウンランから戻ってきました。
ポートマクニールにいたポールはクルマを運転していて地震には気がつかなかったらしい。
アラートベイのスーパーで買い物をしていたカートは、棚のものが全てぐらぐらと動くのを目の当たりにしてとてもびっくりしたんだけど、他の人たちが普通にしていたので平静をよそおったらしい…。


午後9時前、オルカたちは東に戻って行きました。
潮の流れもしばらく東向きだったので、わたしたちは安心して寝袋に入りました。
2011-09-12 : オルカ : コメント : 1 :
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9月8日

トド(シーライオン)たちが続々と集まる季節になってきたね。
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午前零時。
それまでレコーディングしていたPちゃんがポールを起こして選手交代。

そうなのです、アシスタントが少なくなったので、ポールとヘレナも夜中シフトをしてくれることになったのです!!

こんな感じ
10pm-12am Pちゃん
12am-2am ポール
2am-4am ヘレナ
4am-6am わたし
6am- Pちゃん

これで夜の間の動きが謎になる確率はほぼゼロに近いですね。
夜シフトとしては最強メンバーだ。


しかしコールはずっと遠くてかすかで、いちばん良く鳴いて素晴らしかった時間帯をすべて2時?4時のへレナがかっさらって行きました。
午前4時にわたしが起きたときはオルカたちはラボの前を通過して北へと向かっていて、わたしは5時までもう誰も鳴かないか確認して録音をストップしただけでした。
ふんふーん


ワールドオブホワイティ…
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わたしたちは朝からちょっとソワソワしていました。
今日は新しいアシスタントが来るのです!!
3週間しかいられないらしいんだけど、ダメ子しかいないよりずっとマシだろう。


新しいアシスタントのカースティがストレイト・ウオッチのボートに送られてCPにたどり着いたその瞬間、トランジェントの群れがCPのまん前に現れたそうです。
その口の中にはあざらしが…。


あざらし大好きなカースティにとってはショッキングな初日になっただろうけど、来た瞬間にまん前でオルカが見られるなんてすごくラッキーだ。
わたしとPちゃん、CPに5日間いたけどろくにオルカ見られなかったし…笑

カースティがCPでポールの迎えを待っている間、ハンソン島沖には実はお客様たちがいらしていたのでした。


ラボの目の前に来たのはウオッチングボートのナイアッド・エクスプローラ。
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乗っているのはわたしらがラボから配信している「オルカライブ」の視聴者たち。
いつもインターネットで見ている世界をじっさいに目の当たりにするというとてもエキサイティングなツアーです。
いわゆる「オフ会」ってやつですか。


引き潮でナイアッドが岸につけられなかったこともあって、今回はいつもとは逆にポールが「カー」でナイアッドに訪問しにいきました。
なんか今朝ポールはへレナに散髪してもらってたなぁと思ってたんだけどこのせいか!笑
わたしたちもデッキから一生懸命手をふりました。
いつも視聴してくださってありがとう。


カースティ(from イギリス)が無事にやってきて、テントを建てて、施設や千年杉を案内して…といろいろバタバタしていたらスピーカーからコールが聞こえてきた。
霧の中いつのまにか北からウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に戻ってきていたA23sが東に向かっていきました。


ディナー時、引き続きUSオープン。
フェデラーの試合があるのでわたしたちは強制的にテレビの前に並んで座らされ、一緒に応援することになりました。
テレビを見やすいように今日のメニューはペンネとスープとスコーン。
試合を見るポールとヘレナのうなり声。
多少ひやひやしたけど、フェデラーが勝って本当に良かった…。


後片付けをしていると、ジェネレータをまわしにいったはずのPちゃんが走ってメインハウスに戻ってきて
「ブローが聞こえます!」と教えてくれた。

うそぉ?と思ってみんなでデッキに走ると、みっつのブローが先行、そして後からバタバタとたくさんのブローが聞こえた。水中マイクからちょこっと聞こえたのはA1コール。


こんなのめちゃくちゃ期待するじゃないですか!
(いや、A12さんとA36s、そしてA34sが戻って来たのかと…ね)


でもその謎の群れはN3というレスティングコールちょこっとしか出さず、ろくな挨拶もなしにジョンストン海峡に入ってゆきました。
わたしらは内心思いました。
ジョンストン海峡に入る時に「アナウンスメントコール」つまり挨拶もしないなんて、A30sしかいない…。


A30sは暗闇のジョンストン海峡を東へと進んでいきました。
そして実はその後ろを、本物のA12さんとA36s兄弟が追っていたのでした…!!
2011-09-12 : オルカ : コメント : 0 :
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9月7日

グッドモーニン、世界。
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午前6時。
この朝焼けを見るために自動的に目が覚めたと思ったんだけど、うきうきしながらカメラを持って外に出たらデッキのスピーカーからコールが聞こえてたっていうね。
朝焼けを感じたのではなく、結局コールで起きたのですね(´Д`;)



東から戻ってきたA30sとA23sのみなさんはジョンストン海峡をゆうゆうと泳ぎ、久しぶりにウオッチングボートさんたちを満足させてくれました。
オルカのいなかったこの2日間、ウオッチングボートたちは見るものがなくて、ザトウクジラを見終わったらトドとかイーグルの巣とか見てたからね☆
(イーグルの巣も素敵だけど!!)


西のターンポイントでA30sとA23sはターンして東へ進みはじめた。
他の群れがいなくても楽しそうだね…。



みんな大好きカモメのうにちゃん。
おいしいウニを捕らえて、大喜びで自分の岩に登ります。
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「6分ごとにうにちゃんがウニを捕ってる」
って、ヘレナがホワイトボードに落書きしてた
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午後4時。
わたしはDATテープを聞いていて、ポールとヘレナはメインハウスで仕事をしていた。
いろんな仕事が重なって疲れていたPちゃんは「10分間だけ横になる」ってラボの2階へ。
偶然にも誰も海を見ていなかったその瞬間。



「オールカー!!」



メインビーチの向かい側から大きく叫んだのは、大工さんのカート!
でもA30sとA23sは東へ行ったはずだし、コールも聞こえていないのになぜ?


「本当にオルカ?」とポールが言う。
「今日は1日じゅうトドが浮かんでいるから、トドの胸びれと背びれを間違えたんじゃないの?」
と疑いのまなざし&腕を組んでデッキにやってきたヘレナも、スコープの向こう側にあがった6つの背びれを見て顔色が一変!


確実にトランジェントの群れでした。
コールも出さないし、レジデントと比べたら呼吸音も静かだから、カートが自分の仕事場から見つけてくれなかったらわたしらは彼らが通ったことすら気付いていなかっことでしょう…。
感謝。



しかし大工さんとはいえ何十年もオルカを見ているはずのカートが、ポールとヘレナに
「本当にオルカを見たのか」
と疑われたことにPちゃんは大爆笑していた。
この施設を建てたころからここにいるカートは、確実に新参者のわたしらよりオルカ見てるからね!



夜になって東から戻って来たのはレジデントのA23s。
彼らはオルカラボの前を通過して北へ向かおうとしていたんだけど、北に消えるか消えないかという瞬間、東のラビングビーチで

「どこー?」
とばかりにA30sが声をあげると、

「ここー!!」
とばかりに叫んで、ターンしてまたオルカラボの前を通過、ジョンストン海峡のA30sの元に戻ってゆかれました。
このわずかな鳴き交わしで再び一緒に。オルカってほんとオモシロイ。


なんでこんなに仲がいいんだ、この群れたち。
そういや2008年にA39が「まいごのおっさん」になったのは、A23s一家のA60くんと遊んでいて夢中になりすぎて家族に置いて行かれたのが原因でした。
去年ブラックニー・パスの前で家族に置いて行かれそうになったときも、そばにいたのはA23sでした。
すごくいいお友だちなんだね。


お月様をパパラッチするポール
(をパパラッチするわたくし)
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平和な夜が過ごせるかと思ったけれど、わたしらはここから録音オールナイトに突入するのでした☆
2011-09-12 : オルカ : コメント : 0 :
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9月6日

きのう北に向かっていってしまったI31s一家のI46くん。
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あのかっこ良かった背びれが見るも無残な姿になりました………が!!


Gクランの男オルカさんたちにはこういうボロボロ背びれが多いんですよね、なぜか。
Gクランにとってのファッションなのかしら?とヘレナがつぶやいていました(違います)。


早起きした。
うつくしいよね。

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午前8時すぎ。
Pちゃんがポールのちっさいほうのボート「カー」でCPに送られていきました。
かわりにCPから戻ってきたのはリア。
今回は交代するわけではありません。
リアの愛犬ソロモンが獣医さんへ行くことになり、CPにダメ子ひとりというわけにもいかないのでPちゃんが派遣されることになったのです。


ソロモンは深刻な病気になったわけではなく、耳がカユイカユイになり、できものが大きくなって悪いにおいがするようになったのです。
たぶんホースフライに刺されて引っかきすぎた結果です。
さらに垂れ耳だから悪化したんやね。
でもその状態でCPにいるのはとても可哀想なので、ヘレナが「獣医さんにかかりなさい」とのおふれを出しました。


リア自身が「カー」を運転して動物病院のあるポートマクニールへ行くので、今日のオルカラボにはポールとヘレナ、そしてわたしだけ。
わたしは気楽なもんですがかわいそうなのはCPに送られたPちゃんです。
あんな狭い場所にダメ子とふたりだなんて…笑


Pちゃんは「ポッドキャストで英語のレッスンを聞く」と言ってiPodを持参してゆきました。
(※ダメ子はイングリッシュスピーカーです。「じっさいに英語を話す人間よりもポッドキャストの方がマシなのね!」とヘレナが大笑いしていました…)


午前9時前。
目の前の海、ブラックニー・パスがざわざわいうのでスコープで確認すると、たくさんのカマイルカたちがジョンストン海峡へ消えてゆくところでした。
イルカたちってすごくおしゃべりだ。
でもスペクトログラムを見ると、オルカと同じような曲線を描いているのです。
ただオルカよりもとてもとても早口なのです。
何しゃべってんだろうなあ?


もしもオルカが来たらひとりで仕事をする気まんまんだったんだけど、オルカたちは東に行ったきり戻ってこなかった。
わたしはDATテープを聴いて、4時間ごとに過去テープのアーカイビングをして、まきを割ろうとメインハウスの近くに行ったら、かすかなテレビの音と

「オーノー!!」
「イエス!」

と、ポールとヘレナがあからさまにテニスを見ているような叫び声が聞こえてきたので
「録画か中継かはわからないけど、どちらにしろいま騒音をたてるわけにはいかない…」
とすごすごとラボに戻りました。
USオープンの季節なんだね。


そういや空気の読めないダメ子は、ヘレナがフェデラーの試合を見ている最中に
「ヘレナ、あなたのパソコンで私のEメールをチェックしてもいいかしら?」
と聞いたことがあるんですが、このことを


恐 怖


と感じる人は、オルカラボマニア、もしくは元アシスタントですね。



夕方、リアとソロモンが無事にポートマクニールから帰ってきた。
ちゃんとした病院で消毒してもらったソロモンは元気そうで、耳のカユイカユイも気にならなくなったみたいで何よりでした。
そして刺しバエとブユの国・CPへ帰ってゆかれました。


同時にPちゃんが無事にCPから帰ってきた!
優しい我らがPちゃんはダメ子にホットケーキを焼いてあげて機嫌をとったりしたそうです。
お疲れ様でした…。


ディナー(ホットドッグでした☆)を終えてメインハウスを出ると、目の前の海からはザトウクジラの呼吸音。
KC(ケルピー)だね。
今日はブラックニー・パスにずっといる。


ポールが海岸の五右衛門風呂をたいてくれたので、真っ暗になってからわたしらもお風呂を楽しみました。
バスタブの下にまきを突っ込んで温度を調節して、やけどしないように底に薄い板をしずめて入りました。

これが本当の露天風呂やなあ。
空にはいちめんの星、海からはトドたちとザトウクジラの呼吸音。
お金は一銭も使ってないけれど、なんて贅沢なんやろ…。


ほかほかになって寝袋に入る。
オルカたちはめずらしく、翌日の朝まで帰ってきませんでした。
2011-09-11 : 未分類 : コメント : 0 :
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9月2日

CP滞在日記つづき。


CPは「夜の間は眠れて、昼間はオルカが見られる」
という、アシスタントにとって夢のような観測ポイントであるはずなんですが、真面目がとりえのわたしたちにそんなドリームはありません。

ラジオスキャナからコールが聞こえれば、たとえ夜中であろうともどこの水中マイクか確認してメモをとる。
窓をあけて寝ているので、外からブローの音が聞こえたら数と方向を確認してメモをとる。
午前6時、あたりが明るくなってきたらスコープを外に出して監視開始。
たとえオルカがいなくても海を見渡していなくてはならないので、Pちゃんは1時間おきにフィッシングボートの数をかぞえていました 。

「待つこと」「ひたすらデータをとること」
野生動物の研究は大変な精神力がいります。
でもこの地味なことの継続にこそ意味があるんじゃないかな。


でもせっかくCPに来たのになぜか昼間オルカいないし。
オルカがいなくて監視以外にすることがない…となると、昼間はもうこれしかありません。



リゾート。笑

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わたしたちはたっぷりと時間を使ってかわいい料理を作り、コカコーラを飲み、おやつを食べ、海を見ながらたくさんのものを味わいました!


パンケーキ・バナナキャラメリゼ
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桃缶
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そんな感じで何しに来たのかよくわからなくなったCP最終日。
夜中じゅうブローを数えたりコールを聞いてメモとったりして寝不足の朝。
霧の中をオルカたちが通り過ぎました。
また見えないやつだ。



しかし霧が少しずつ晴れ、太陽の光に照らされて見えたのは…

レインボウならぬ、フォグ(霧)ボウ!!!
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ほとんどのオルカたちは北へ向かったけど、A30sはCPの前に残りました。
ゆったりとしばらく食事をとる彼らの姿をオルカラボのビデオカメラで撮影して、わたしたちのCPの仕事はこれにて終了!!


シティカ。
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お昼過ぎ、ポールが迎えに来てくれて、わたしたちはオルカラボに帰ることができました。
CPも楽しいけどやっぱりラボがいいや。
わたしがラボにいたらヘレナにゆっくり寝てもらえるし。


ラボに戻ったとたん、北からI15sが南へ。
ほとんど同時に、ジョンストン海峡からA30sが北へ。

ふたつの群れはオルカラボのまえでちょこっと挨拶するとすれ違い、それぞれの向かう方角へ消えてゆきました。
2011-09-11 : オルカ : コメント : 0 :
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8月31日

8月31日から9月4日にかけて、わたしとPちゃんはCPに送られていました☆


CP(クレイクロフト・ポイント)はオルカラボとは別の島に設置された観測ポイント
です。
オルカラボからはボートで10分くらいなんだけど、ラボとは違ってジョンストン海峡がわを見渡せるので、監視をするのにとても重要な場所といえます。

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CP初日。
CPを管理しているリアがアラートベイに数日間行くことになり、わたしとPちゃんが留守番を任された。
リアは午前7時にCPを出発したいというので、わたしらは早起きして荷物をまとめ、まだ薄暗い午前6時半にCPに着きました。

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水中マイクのエリアにオルカがいなかったので、今日は休息をとれる感じかな?と思ったのもつかの間、西と東でトランジェントの群れが発見されたというウオッチングボートからの無線連絡が。


しばらくして東からCPの前に現れたのはT46Bs。続いてT10sとT146s。
西から向かって来たのはT37sとT34s。
こんなにたくさんの群れが同時に現れるなんてめったにない。
今日はトランジェントのスーパーポッドか!?


個体識別とログにバタバタしていると、今度はヘレナからの電話で「RBの水中マイクからI15sのコールが聞こえて来た」と教えられました。


しばらくして、CPの前を通過して西へ向かうI15s。


またバタバタしていると、今度はまたヘレナからの電話で「A30sとI31sのコールもRBの水中マイクから聞こえて来た」との報告が。


太陽が西へ傾いて、西の海がまぶしくて何も見えなくなった(=I15sが見えなくなった)と思ったら、たくさんのオルカたちがぞくぞくとCPの前を通過してブラックニー・パスに向かって行きました。

A30sとI31s、そして先に向かったI15sのコールしか聞こえてなかったから最初はわからなかったんだけど、なんとこの群れの中にはI11sとC10sとC6sがいました。
すべてのオルカたちを見送ってようやくCPシェルター内に入り、ぐったりしたわたしとPちゃん。
初日からこんなにオルカだらけなんて!!






CP2日め。
昼の間、オルカたちの動きはなし。

その日の夜、こまめにソーラーパネルを太陽の方角に動かしていたわたしたちには十分な電力があったんだけど、今日は天気もあまりよくなかったし「いざという時のため、寝る前にちょこっとだけ蓄電しておこう」とジェネレーターを始動させようとしたところ、まったくもって動く気配がない。

わたしとPちゃんはあせりました。
ガソリンの残量や起動方法をチェックしたけど原因はわからず、暗闇の中シェルター内に戻って取扱説明書(英語)を開く。
トラブルシューティングのページを懐中電灯で照らし、泣きそうになりながらスパークプラグを掃除したり、エアフィルターを掃除したり。
しかしそれでも動かない。


ジェネレーターとはいわゆるエンジンなので、「もうエンジンオイルを交換するくらいしかできることがない」とわたしは思いましたが、この時点で車に乗らないPちゃんは「エンジンオイル」というものの存在すら知らなかった。

23時30分。
深夜のジョンストン海峡が見渡せる崖っぷちで、暗闇の中、電池が減って弱まる懐中電灯のあかりでオイル交換…。
ジェネレーターから出て来たどす黒く汚れた液体を空っぽのヨーグルト容器に移し、新しいエンジンオイルを注ぎ入れる。

かわいそうにその日エンジンオイルというものの存在を初めて知ったPちゃんにとっては、自分が深夜の暗闇の中で何をやってるかもよく把握できていなかったことでしょう。
そしてあらためて始動させようとするも、全く動く気配なし。
わたしたちは修理をあきらめ、ヘトヘトに疲れて寝床につきました。


翌朝、日光がソーラーパネルを照らして蓄電量がどんどんあがっていく。
停電の心配はなくなったし、何より明るくなったので取扱説明書がはっきり読めるようになりました。

それで最初のページから読み進んで行くと。
45ページくらいに
「もしエンジンが停止して動かなくなったらトラブルシューティングの前に、エンジンオイルがこぼれる寸前までちゃんと入っているか確かめてください」
って書いてあるじゃないですか!!( ̄□ ̄;)

そしてその通りにこぼれそうになるギリギリまでエンジンオイルを足し入れたら、今までの悪夢がうそのように軽々とジェネレーターが動き出しましたとさ。
しかも壊れる前は4Aだった発電量が一気に10倍になりました。。
深夜のメンテナンスのおかげだ!

しかしこのことはせめてトラブルシューティングのページに書いておいてほしかった…。
パニックに陥ったとき誰も中途半端な45ページなんて開かないと思うんだけど。



はい、誰もジェネレーター修理日記なんて読みたくないよね。
オルカの話題に戻りたいんですが、いなかったんですよ…。


そんなCP滞在は続く。


ムーンライトブリッジ。
CPからカイカシュ川へ月灯りの橋がかかりました。

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2011-09-10 : オルカ : コメント : 0 :
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8月28日

言葉どおりポールとヘレナが夜の間の録音をすべてやってくれて、わたしは朝起きてログブックを見て初めて夜のあいだのオルカたちの動きを知ることができた。
せっかく来たGsはA12ばあちゃんの一家とA36s兄弟に見送られて北に帰ってしまって、A30sだけがジョンストン海峡に残されたらしい 。


午前10時、ウオッチングボートのナオミWがわたしたち(わたし、Pちゃん、ダメ子、そして大工さんのカート)を迎えにやってきた。
ボートをチャーターしているのは元アシスタントのパット。
パットの娘も元オルカラボアシスタント。
親子2代でラボアシスタントをつとめたイギリス人のパットはすっかりこのエリアが気に入り、ハンソン島のもよりの町であるアラートベイに家を買ってしまったのです。
教師である彼女は、夏休みに入るとカナダにやってきてアラートベイの別荘で夏休みを過ごします。
そしてアラートベイのお友達と一緒にボートをチャーターして、オルカラボアシスタントを遊びに連れ出してくれるのです!!


今回はアラートベイの奥様方に大人気の大工さんのカートも一緒。
いつも行き先はエコーベイだったんだけど、ナオミWが今回向かうのはクレイクロフト島の上にあるターナー島という秘島です。
しかも、いつもトランジェントたちが好んで使う水路「バロネット・パス」を通っていくということでわたしたちは大興奮!
準備万端なPちゃんがコーヒーをポットにつめてくれていたので、寒いボートの上であったかいコーヒーを飲み、うつくしい島々を見てキャッキャ言いながらターナー島に向かいました。


ターナー島到着。
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白い海岸は…
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貝殻でできてるとか。
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ここはファーストネイションの「クワカワカワク族」の人々が暮らしていたんだってね、でも次第に大きな町に移り住んでここはいつしかさびれてしまった。
ドックも土台しか残っていないし、残されたおうちの屋根も穴があいていてひとめで誰も住んでないってわかる。

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好奇心旺盛なわたしらはおうちの中に入って探検しました。
でもまず入り口で「こんにちは、おうちの中を見せてください」とごあいさつすることを忘れずに。
誰もいない壊れた家とはいっても、あいさつもなしに勝手に踏み込むわけにはいきません。
ご先祖様が見てるからね。

中はほとんど空っぽに近かったけど、ベッドのマットが残されてたり、皮のやぶれたソファがあったりでわりと最近のものであることがわかりました。
誰もいなくなって20年ってところかな…。

探検し終わったあとは「中を見せてくださってありがとうございました」とごあいさつすることを忘れずに。



海岸ぞいには数週間まえのディナーで出た「シー・アスパラガス」がわさわさ生えていました。
シャキシャキ食感でほんの少ししょっぱくて、すごく日本人好みの味なんだよね。
そのときのディナーではヘレナがパスタとあえて出してくれたけど、ゆでてマヨネーズと鰹節であえたらどんなにおいしいだろう。

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その岸沿いにまたブラックベリーが鈴なりで、わたしたちはひたすらベリーを摘んでは食べ続けました。
なんて素敵な場所なんだろう!!


これでわたしたちは十分満足だったんだけど、ウオッチングボートに乗っているのでパットはどうしてもわたしたちにオルカを見て欲しかったらしい。
ナオミWはわりと音の大きなボートだし、オルカラボのアシスタントであるわたしたちが仕事期間中にわざわざウオッチングに行って、ボートノイズを出しながらオルカたちを追い回すというのはちょっと意味ない気がしてあまり乗り気になれなかったんだけど、せっかくボートをチャーターしてわたしたちを招待してくれたパットの手前イヤだともいえず、そのままオルカウオッチングに行く事になりました。

船長のポージが無線で確認してくれたところ、近くにザトウクジラとオルカたちがいることが判明。
ボートが向かったのは…


ブラックニー・パス。


ボートのとなりにあがったのはザトウクジラのフレックルス。
わたしたちは写真をとりました。

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そしてボートはブラックニー・パスからジョンストン海峡へ。
CPが見えました。
まわりにオルカたちもいる!


オルカを目にして一気に遊び気分が吹っ飛んだわたしとPちゃんは、時間と場所をメモしてログをとりました。
個体識別…
あ、A30sか。

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ウオッチングボートに乗って、ブラックニー・パスの入り口で
A30sとフレックルスちゃんを見るとか!!!笑


うまく伝わらないかもしれないけれど、これはわたしらにとっては「バードウオッチングに行く」と言って、オルカラボで咲を見るようなものです。
あまりにもおかしくて笑ってしまいそうだったけど、わたしたちに楽しんで欲しかったパットをがっかりさせるわけにもいかないので
「すばらしい、すばらしい、ありがとう」と伝えました。
へんな気持ちになったオルカウオッチングはともかく、わたしたちを喜ばせようとわざわざ誘ってくれたパットの気持ち自体には心から感謝しました。


ボートを一隻チャーターするのにどれくらいのお金がかかることか。
それも毎年ですよ。
なのにパットは「あなたたちが喜んでくれたらわたしもうれしいから、どうか仕事の疲れを忘れてこの小旅行で楽しんで」って言うんですよ。
どうやって恩返しをすればいいのか。


楽しい小旅行が終わってオルカラボに帰る。
案の定、ダメ子はそこから昼寝してしまったので、ヘレナが続けていてくれたレコーディングをわたしとPちゃんが引き継いだ。

午後9時前。
昼間わたしたちに姿を見られたA30sは、オルカラボの前を通過して北へ。
わたしたちは暗い北の海へ消え行く深い呼吸音を見送りました。

2011-09-06 : オルカ : コメント : 0 :
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8月27日

ポールとヘレナのいない深夜。
午前1時13分、A12sとA36sは鳴き始めて東へ進みロブソンバイトへ。
午前2時過ぎにラビングビーチ到着。

ラビングビーチとは、丸いすべすべした砂利がたくさんあるビーチのことで、ここでオルカたちが身体をこすって(Rubbing)遊ぶのです。
マッサージ、お風呂みたいなものかな。


午前4時ころ、オルカたちは東に進んでいきました 。
そして午前9時半に戻ってきました。
まあまあかな。
少しのギャップがあったおかげで、オールナイトしたわたしもちょこっと休めたし。


蓄電量もこまめにチェックして節電したおかげで、発電機を全く使うことなく無事に朝が来た。
朝になってからは太陽光のおかげでみるみる蓄電量があがっていきました。
晴れてるから電気がいっぱい使える!ってルンルン気分でカメラのバッテリやパソコンやiPhoneを充電。
いつどの電気を使うか、無駄遣いせずにうまくリズムに乗ればソーラーパネルだけでぜんぜん生きていけるやん。

でもこの「晴れてるからたくさん電気が使えるよ!」とか
「夜になったからちょこっと節電しよう」とか
そういう自然のリズムに合わせて生きていくにはある程度の心のゆとりがないとできないのかな。
わたしらは電気も水道も、何もない無人島に暮らしているからできるのかな。


朝からわたしとPちゃんが忙しく働いているのを見て、めずらしくダメ子が
「何か手伝うことある?」
と聞いてきた。
こんなことはめったにないんだけど、プライドの高いダメ子は人にものを教わるのが大嫌いなので、録音以外のどの仕事もまともにできません。
まあ、録音もまともにできないんだけど。

でも手伝うって言ってくれたから、喜んだPちゃんがデッキの掃き掃除を頼んだところ、ほうきの使い方をよく知らないダメ子は超不機嫌になって何を言ってもキレ狂い、その後まともに録音すら手伝いませんでした。
こんなものがいるだけストレスなのでPちゃんとふたり残される方が良かった…(´;ω;`)


まあこんなところに愚痴ってもしょうがないのでオルカたちの動きを。
午後2時半、ウォッチングボートのナイアッドエクスプローラ(わたしたちの愛するナイアッド!!)が、A30sとG17sの一部が北のブラックフィッシュ・サウンドにいると教えてくれた。
午後3時過ぎ、彼らはオルカラボの前を通過してジョンストン海峡入り。
久しぶりのGコールにわたしは大喜び☆


すると入れ違いにジョンストン海峡からA12sとA36sが出て行くことになりました。
午後5時前、A12ばあちゃんとA36s兄弟がオルカラボの前を通過して北へ。
午後5時半、A12ばあちゃんの娘A34家族がオルカラボの前を通過して北へ。

こういうことはよくあるのです。
新しい群れが到着すると、すでにジョンストン海峡にいた群れが場所をあけてあげて彼らを通し、またジョンストン海峡に戻ってそれぞれのスペースを確保しながら一緒の時間を楽しむ。
オルカたちは本当に不思議な動物です 。



午後8時まえ。
ようやくポールとヘレナがジューン・コーブ号で帰ってきました 。

「午後には帰る」と言われてたわたしらは午後1時くらいから水中マイクにジューン・コーブ号の音が聞こえていないか何度も確認したりデッキに出たりして待ってたんだけど、ぜんぜん思ってた午後じゃなくて夜でした。
ポール・スポング・タイム。


「ぼくたちが戻ってきたからにはもう大丈夫だ、トモコは寝なさい!」
とポールが笑いながら言ってくれたけど、歯磨きを終えてラボに戻って寝ようとすると海から聞こえるのはブローの音!


ブホーッ、ブホーッ


A12sとA36sが戻ってきたのか、A30sがジョンストン海峡から入ってきたのか、
よく判断がつかないうちにブローの音はブラックにー・パスで消えてしまった。
どういうこと?
もう眠くて頭がまわらないのかな?


よくわからなかったけど、ポールとヘレナが
「夜のあいだの録音も心配せずにとりあえず寝なさい」
というのでわたしは素直に寝袋に入った。
ヘトヘト…。


でも翌日は、また別のイベントが控えていたのでした。
毎年恒例、ナオミWでの小旅行というイベントがー!笑
2011-09-06 : オルカ : コメント : 0 :
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8月26日

午前5時41分、Calls on ラビングビーチ。
まだ暗かったけど、これくらいの時間だと水中マイクのエリアで鳴き始めてくれてもすなおに「おかえり」と思えるものです。
しかも大好きなA12s(A12ばあちゃんひとりじゃないよ!ばあちゃんの本来の一家全員だよ!)とA36s兄弟だし。


でも今日は恐れていた日でもあるのです。
ビアンカ、セリーナ、ルーウェンの3人が帰ってしまうのと共にポールとヘレナもアラートベイへタウンランに行ってしまうので(しかも今回は一泊、明日の午後まで帰ってこないんですよ…)、ラボに残されるのはわたしとPちゃんと、あと問題児の女だけ。

その女はイングリッシュスピーカーなんだけど、オルカラボ史上でもまれにみる性格の悪さでまったく信頼できないので、ヘレナはまたしてもレコーディング、無線、電話、オルカライブの全てをわたしひとりに任せると

「大変だろうけどモモコがいるから大丈夫でしょう。あとは頼んだわよ、安全第一にね」

とだけ言い残してジューン・コーブに乗り込みました。


この夏、苦楽を共にした3人の仲間とも涙のお別れ。
仕事としては使い物にならなかったルーウェンも、帰ってしまうとなるとさみしいものです。
ビアンカが「帰りたくない…」と言ってぽろぽろ泣き出してしまったのでみんな一緒にもらい泣き(´;ω;`)
遠くなっていくボートの上でセリーナがビアンカをハグしてなぐさめていました。


やっぱりこのお見送りは、慣れることはないなあ。
家族のように毎日一緒に過ごしても、夏が終わったらもう一生会えないかもしれないなんて。
元気でいてくれるかなあ。
いつかまたこの島で会えるかな。


わたしたちの大好きなビアンカ(正面)とセリーナ(横顔)
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メインハウスに缶づめのわたしの気持ちを知ってかしらずか、A12sとA36sはジョンストン海峡であんまり動かなかった。
特にA36sの弟、A46くんはこの日のほとんどをCPの前で魚をとってすごしました。


問題児の女を怒らせないように気を使いながら、わたしとPちゃんはラボやメインハウスの仕事&こまめに蓄電量をチェック&節電。
ポールとヘレナは「気にしすぎないでいいよ」っていうけれど、もし電気をムダにたくさん使って、たくさん発電機をまわしてガソリンを使ったらポールとヘレナのお金を無駄遣いすることになるので、せめて自分たちが管理している間だけでも…とがんばりました。
うまく蓄電と節電を管理できたら、わたしらにはソーラーパネルという最強の味方がいるし!


そうやって体力よりも気力を使いながら夜はふけていきました。




わたしらの活動を何年も昔から追って、ここの仲間たちのことをよく知っている人にお知らせがあります。

みんなに愛されたホエールウオッチングボート「ブルーフィヨルド号」の有名な飼い犬、シャドウさんがこの日、亡くなりました。
秋に18歳を迎える予定でした。

大きな犬は普通はそんなに長生きしません、このサイズの犬としては大往生です。
オルカラボの犬、リオがずっと片思いしていた相手でした。
そんなシャドウはオルカラボの先代犬・フレディのことが大好きで、ボートから海に飛び込んでまで会いに来ていました。

いまは3頭とも天国で、かわいい三角関係を続けながら自由に走り回ってることでしょう。
ありがとう、ゆっくりお休み、シャドウ。



食べ物大好きシャドウさんのぷりぷりおしり
そして彼女にふられてばかりでしょぼくれるリオ
(2006年)
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2011-09-04 : オルカ : コメント : 2 :
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8月25日

日付がかわったころ、北に消えていこうとしていたA30s率いるオルカたちみなさま。


午前2時53分、A30s、I15s、A24sとA8sはウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に戻ってきた。
そしてハンソン島ぞいに東へと進み、ロブソンバイトのほうへ向かうのかと思いきや、そのままハンソン島のまわりをぐるっと回って午前3時半にブラックニー・パスを通過してまた北へ。
午前4時半にみんな北へと消えていきました 。
どうせ北に消えていくのなら、なぜ真夜中にハンソン島のまわりを1周しに戻ってきたのだろう…。


そんなわけで眠い目をこすりながら迎えたこの日は、わたしたちの大好きなビアンカとセリーナ、そして「かわいくはないけれど、もはやペットと思うしかない(Pちゃん談)」と最終的に言われていたルーウェン、3人の最終日です。


ルーウェンはこの日までしばらくCPのリア(オオカミ犬使い)に預けられていた。
たくさんのオルカを間近で見たはずなので「CPで何がいちばんうれしかった?」と聞くと


「美しい女の子がボートに乗っていたんだよ…」


ある日ルーウェンがスコープで監視をしていると、一隻のボートがCPに近づいてきた。
その子は黒いカールのかかったヘアスタイルで服装はダークブルーの服に黒パン、ラブラドールレトリバーを連れていたのだとか。
そしてそっぽを向いてチューインガムを噛んでいたそうです。
お父さんと思われる人がしばらくリアと話している間、ルーウェンは彼女から目が離せなかったのだとか。
でも彼女はボートの上だし、両親が一緒に乗っていたのでメールアドレスすら聞けなかったと。
この旅で見た「たったひとりの美少女」だったそうです。

10人もの女子に囲まれて生活しておきながらなんて失礼な!!笑


まあとにかくルーウェンのそんなアホな話を聞いて笑いながら、ビアンカとセリーナの荷造りを手伝ったり、食べ物の残りをもらって喜んだりしながら、1日が終わっていきました 。


ディナー時に、アメリカのピュージェット湾でわたしたちが必死に探していたザトウクジラ「カナック」が発見されたことをポールから聞きました。
カナックは今月、かに捕り網(だったはず)に絡まってうまく泳げなくなったところを発見され、たくさんの人が救助を試みようとしたんだけど行方不明になってしまっていた。
「ザトウクジラのカナックを見なかったか」たくさんの観測ポイントに情報がまわされ、こっちまで来ているかどうかはわからなかったけど、わたしたちも毎日ザトウクジラを見かけるたびに個体識別にあけくれていました。
まぁラボの前にいるのはだいたいケルピー(KC)かフレックルスなんだけど。

以前もっと北の方でザトウクジラが網に絡まったことがあって、その時はたくさんの人が協力して漁業局も動いて、すぐにそのクジラは見つかり、網が切られて開放されたんです。
なのにどういう背景からか、カナックの場合は上が動いてくれない。
だからどこかで見つかったというレポートがあってもすぐにまた見失ってしまう 。
網はまだ絡まったままで、おそらくそのままでは深く潜れない。
うまく食べ物を食べられているのかもわからない。
皮膚の状態はどんどん悪くなっているようです。

 
なんかこんなことがオルカの場合でもあったなあ。
北の子はみんながうまく協力して助かったけど、南の子の結末は…


みんなの意向が「助けたい」という方向に向いていたらいいんだけど、
広い海にすぐ消えてしまう大きなクジラを助けるのは、すごく大がかりなプロジェクトになってしまうんだと思う。

人員も時間もお金もかかることを面倒がるえらい人はたくさんいると思います。
広い海にすぐに消えてしまう大きなクジラの追跡をすることも、
網を切ったり外したりするプロのチームを手配することも、個人の力ではどうしようもないときがあるのかな。



でも人間と海の生き物の架け橋になりたいわたしたちは、たとえ手遅れだと考えられようとも、ここのみんなで情報をまわしてこのクジラを見つけたい、そして助けたい。

生きて、カナック。
2011-09-03 : オルカ : コメント : 0 :
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8月24日

今年も無事にかもめのうにちゃんが帰ってきました。
ヘレナ談「この世のみんながピンクの足になるべきだわ」

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日付がかわったころオルカさんたち(A12さんとA36s兄弟、I15sのお姉さま方、そしてサメと呼ばれるA24s)はジョンストン海峡を西へと進んできました。
午前1時まえ「ジョンストン海峡出ます!」コール。
オルカラボの前を通過して、午前2時半に北でコールは聞こえなくなりました。


安心して寝袋へ…


と思ったけど今回はむりだった。
午前4時台に再び北のFIの水中マイクからI15sのお姉さま方のコール。
ため息をつきながらレコーディングスタート。
ただし今回はA30sつき。
数日前にA35sとスプリンガーを遠い北に送っていったA30sが帰ってきて、I15sたちと出会ったらしい。

真夜中に「アシスタント殺し」と呼ばれるA30sとI15sのコールが聞こえ始めたときほど地獄を感じることはそうそうない。
オルカたちが近づいてくるには少し時間がかかって午前6時、まだ薄暗い中A30sが先頭きってオルカラボの前に登場。
徐々に視界が明るくなる中、I15sとA8s、A24sはオルカラボぞいを泳いでくれました。
寝られなかったけどそれでちょっぴり満足。
そしてかもめのうにちゃんが帰ってきたのを見てポールとヘレナとおおはしゃぎ、大満足。
「うに、君はなんて美しいんだ!」
と歓声をあげながらポールはたぶん50枚くらいうにの写真を撮っていました。


眠いけどなんか寝るタイミングなくしたし、朝ごはんでも食べるかなとてくてく森の中、キャンプキッチンの方へ。
誰かがデッキから
「オールカー!!」
と叫ぶ声が聞こえました。
あれ?さっき通った群れたちが戻ってきたのかな。


デッキに走ってスコープを覗いたわたしの目にうつったのは、A36s兄弟とA12ばあちゃん、そして…

「いやまだだめ、A34の背びれの傷を確認しないとこの群れはA34sだなんて断定できないよ」
とわたしはうれしさでこみあげてくる笑いを抑えきれずに言いました。
「もうこの群れが誰だかわかってるみたいじゃないですか」
とその様子を見たPちゃんが笑いながら言いました 。
そこにやってきたヘレナが
「高い確率でそう言えるわね」
と笑いながら言いました。


なんて美しい群れなんだろう。


しばらく何も言わずにシャッターを切っていたPちゃんがこの群れのお母さんA34さんの写真をその場でポールに見せてその正体は確定。
デッキでみんな飛び上がってバンザイして、ジョンストン海峡へ消え行く背びれたちに何度も何度も「お帰りなさい!」を叫びました。

お帰りなさい、A34s。
そしてお帰りなさい。
わたしの最愛のオルカ、A55くん!!

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お母さんのA34(サイムーン・右)さんと一緒に泳ぐA55(エコー・左)
もちろんPhoto by Pちゃん


「うにとA34sが同時に戻ってくるなんて1日の始まりとしてはトゥーマッチね。とりあえずトモコは寝なさい」
とヘレナはまた笑いながら言ったけど、興奮でとても寝られそうにありませんでした。
これは何のごほうびでしょうか。
クリスマスかと思ったよ。
時刻はまだ午前8時。


お昼ころ。
残っていたゲストたち…ヘレナの親戚のティムやケイティたちが帰っていきました。
しかしこの親戚たちはじっとしてられない人たちで、たっぷり薪を割って、燃料にする流木を集め、お風呂をたいてくれたりデッキ掃除したりなんやかんやずっと動いてたなあ。
そして夜遅くまでたき火のまわりで酔っ払いながら楽しそうに歌っていた。
今回滞在したゲストの人たちみんなそれぞれに素晴らしい思いを抱えて帰ったみたいで、受け入れた側のわたしたちもとても嬉しかった。


全てのゲストが帰ったので、朝食、昼食、ディナーとずっと料理してがんばってたヘレナに休みをあげるため今日はメインハウスでのディナーはなし。
ポールとヘレナがCPに視察に行ってしまったので、わたしとPちゃんとビアンカはラボの仕事をしたり掃除をしたりちょこちょこ動いていました。
そして少し休憩しようとキャンプキッチンで3人でくつろいでいたところ。


がさっ、ガサガサ。


完全に3人とも硬直するくらい大きな生き物が動く音。
お皿を洗う入り江の、隣の茂みからだ…。


すぐさまわたしたちは大きな声で歌いながら食べ物を片付け、キャンプキッチンをピカピカに磨いて食べ物のにおいが残らないようにし、メインハウス側の入り江でお皿を洗って片付けるとラボにかけ戻ってブルブル震えました。
姿こそ見えなかったけど、いやいや、これはちょっと近すぎ。


クマさん、襲ってこないでね☆


CPから帰ってきたポールとヘレナにそのことを報告するとなぜか大喜びでした。
まぁ、クマは子連れでもない限りあんまり向こうから襲ってはこないからね…。
(こちらが犬連れの場合でも攻撃されることがあります)


クマもオオカミももとからこのあたりの島々に住んでいて、ハンソン島にも定住している個体がいました。
でもクマもオオカミも毛皮目当てで撃たれてしまって、ここ数年ハンソン島には住んでいなかったんです。

人間が住む前から森にはたくさんの動物が暮らしていて、あとから入り込んできた人間がむやみやたらにその命を奪ったり、その暮らしをめちゃくちゃにしたりしたこともあったけど。
一緒に暮らそうと思えばこうやって同じ島でそれぞれの生活をして、領土を共有して、お互いの存在を尊重しあって暮らしていける。
ずっと昔の人たちはみんなそういう暮らしができてたんだ。


そして時が流れ、ここハンソン島ではその暮らしが戻って来た。
こんな嬉しいことがあるかなあ?


他の場所でも取り戻せないのかなあ?
2011-09-03 : オルカ : コメント : 0 :
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8月23日

ハンソン島のアイドル田中さん。
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落としたり集めたりした松ぼっくりの1パーセントしか食べられないそうです。
食べものを隠して忘れる動物であることは知っていたけど、まさかここまで忘れんぼうだとは…!!!
でも種を隠し、忘れてくれるおかげで植物の芽が出るんだよね。


田中のぼっくり倉庫見つけちゃった。
ここも忘れ去られてしまうのか…。
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食べ物を隠した場所を2000箇所以上覚えていられるとされる咲ちゃん(カケス)たちとはえらい違いです。


しばらくぶりに夜の間コールは聞こえず、朝になって東からオルカたちが戻ってきてくれた。
I15s、A23s、A24sという典型的な「ジョンストン海峡うろうろしたがり組」は西のはしっこまで来たりまた東に戻ったり、ラビングビーチで数時間遊んだりして1日を過ごしていました。


今日はゲストのトーマス一家と渡辺さんが帰ってしまう日。
ランチ前に渡辺さんとPちゃんと一緒にクリフに登って、オルカラボの目の前の海、ブラックニー・パスを見下ろしました。

この海をいつもいつもオルカたちが泳いでいるんだ。
海草やプランクトンが豊富で、小魚たちが集まってきて、鮭が群れをなして登ってきて、ハクトウワシやクマやオルカたちがそれを食べてる。
ワシやクマは魚を陸に運んで、その食べかすで栄養豊富になった土からたくさんの芽が生えて森ができる。
雨が降ると森たちはよろこび太陽が出ると呼吸して酸素を大気に放つのです。
そして食物連鎖のトップであるオルカたちや人間がつとめを終えると、その身体は森に還り海に解けて新しい命をはぐくむ大きなパワーとなるのです。
自然のサイクルでは何も終わることはなく途切れることもなく、全ては未来につながっていくんだ。
わたしらもそのサイクルの一部なんだよ。
全てはつながっていくのだから生きることは何も怖くない。



海を見ながらそんなことを思いました。


クリフから戻ってきたあとみんなでメインハウスでランチをごちそうになりました。
フィッシュ・サンドイッチ。
フィッシュと言えば、この地域ではほかのどの魚でもなく鮭のことです。
地元でとれた天然サーモンにいったん火を通し、完全に身をほぐしてリアルマヨネーズであえるのです。
ヘレナのガーデンでとれた摘みたてのミニレタス、水にさらしたスライスオニオンとトマト、
好みでハーブを少し振れば最高。

日本では鮭の臭みがイヤだったいう人多いけど、
そういえばよそで食べる鮭には臭みがあったよなぁって忘れかけてしまうくらいここの鮭は旨い。
ただただ、旨いのです!!


午後2時のジューン・コーブ便でゲストのトーマス一家と渡辺さんが帰っていかれました。
ヘレナの甥っ子のティムたちはもう1日ステイ。


1日を終えてオルカたちも東へと向かい、さあ寝られるかな?と思ったところにコールズオンCRPT。
再び長い夜が始まりそうな予感がしました。
2011-09-02 : オルカ : コメント : 0 :
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8月22日

東からブラックニー・パスの入り口まで進んで来たA12ばあちゃんとA36s兄弟、そしてA24sとA5ポッドの皆さん。

午前2時半ころオルカラボの前をササッと通過して北へ。
午前3時過ぎにはオルカさんたちは北のFIの水中マイクのエリアから出たようで、コールも聞こえなくなりました。


安心して寝袋に入る。


午前6時過ぎ、再びFIの水中マイクのエリアに戻ってきたオルカさんたちが元気に鳴いて目が覚めた。
はいはい、おはようオルカさんたち。
北に行ってた皆さんはI15sのお姉さんたちを連れて帰って来たようです。


オルカラボのお客さん(渡辺さん、トーマス一家、ティムたち)はまだみんな寝てたけどもう午前7時近くになってたし、オルカたちが北からブラックニー・パスの方に近づいて来ているようだったので、みんな起こしてデッキに集まってもらいました。

あたりはいちめんの霧。
でもこの霧の中から聞こえるブローの音がとても幻想的なんだよね。




と思ったら!!



濃い霧がブラックニー・パスを完全に包んでいるのに、しっかり姿が確認できるオルカラボ側をすべての群れが通るとか!!!!!!


ここだけの話いつもゲストが来るとこういうことが起こるんですよね。
ほんとポールがオルカたちに賄賂(サーモン?笑)送ってるとしか思えない(してませんw)


霧の中、オルカラボの目の前を通過するたくさんのオルカというあまりにも不思議な光景を見送ってしばし呆然、そしてあらためて時計を見ました。
午前7時半。
なんていう1日の始まりだろう。


午前9時。
ゲストたちがメインハウスで朝食をとることになっていたので、わたしとPちゃんも招かれました。おもに渡辺さんの通訳係だったはずなんだけど、完全におこぼれにあずかった感じです!!
ヘレナの作ったヨーグルトスムージーがめちゃくちゃおいしかった。

・ギリシャスタイルヨーグルト(上質なヨーグルトなら何でもと言ってました)
・アーモンドミルク(なければ普通のミルクでも可)
・たっぷりのバナナ
・冷凍した桃やベリー類

これらをフードプロセッサでぎゅい~ん。だそうです。



ていうか渡辺さんを交えて、久しぶりにPちゃんと日本語で会話しました!!笑
去年、Pちゃんをアシスタントとして採用したときの約束が
「他のアシスタントの前では、たとえ日本人どうしでも、他の人に関係ない話であっても、できるだけ英語で会話する」
だったんです。

だっていつも日本語でしゃべってたら他のアシスタントには何を話してるのか見当もつかないし、会話の内容もわかんないのに目の前で笑われたりしたら気分悪いやん。
いろんな国の人どうしが同じ空間で過ごしてるけど、こういうほんのちょこっとの配慮で人と人の壁がなくなるんです。

それで去年とかは、日本語でしゃべっていても他の人が来たら英語に切り替えていたんだけど、その切り替えがめんどくさいし自分たちにとっても英語の練習になるのでずっと英語でしゃべるようになりました。
ほかのアシスタントにも常に会話の内容がわかるし、しょうもない日本の話題でも別の人が話に飛び入りしてきてくれたり、人間関係もずっとラクになったしみんなと深い友だち関係をつくりあげることができました。
この約束を守ってくれてるPちゃんにはほんと感謝してます。

そしてここを読んでいる人の中にこれからオルカラボアシスタントをめざす人がいたら、こういう小さなことも理解してくれるとうれしいです。



まあそれはさておき。
オルカラボの前にはザトウクジラが出たり、トドがゆうゆうと泳いでいたり。
ランチのあとゲストの皆さんはジューン・コーブ号でCPへ出かけたり。
雨があがって青空が広がったり。


雨上がりの落ち着いた午後。
オルカラボの前でカモメたちが大きく舞い上がり、そこに大きな虹が出ました。
ダブルレインボウ。

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きっと、またここに来るのをずっと夢見てたひとがいらしてたんじゃないかな。
こんな不思議なことって起こるのかな。
雨のち霧、曇りのち晴れ、またしばしの雨からの虹と青空。
ハンソン島の全てを1日に凝縮したようなマルチウェザー。


夜になってオルカたちが東から戻って来た。
A8sはクレイクロフト島沿いを西へと進んできて、オルカラボの前を通過して日付がかわるまえに北へと消えていきました。


2011-09-01 : オルカ : コメント : 2 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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