夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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8月2日

東に向かっていたA36sの兄弟が出会ったのは、とっても賑やかなメスの多い群れ。
人呼んでパーティポッド、I15s!!
(※現地の皆さんいわく、登場テーマはABBAのダンシングクィーンだそうで)


ふたつの群れはひとしきり騒ぐと、午前2時半ころオルカラボの前を通過して北へ。
水中マイクのエリアから出て、暗い海へと消えて行きました。
毎年仲良しでいいね☆



朝、ラボ前はいちめんの霧。
霧に包まれただけで静かな朝を迎えた気になっていたんだけど、午前8時をまわったところで静寂はかき消されました。
唯一ジョンストン海峡に残っていたA5s(A8s、A23sとA25sという、A5ポッドに属する3つの群れ)が東から戻って来たのです!



ここで、長年見ていらっしゃる皆様にひとつ説明しなければならないことが。
A25sは、A61(サージくん)とその甥っ子A85ちゃんの2頭で構成されている群れ。


2011年。
A51というメスのオルカが子供(A85ちゃん)を残して亡くなりました。
わたしたちは悲しみにくれながらも、A51の弟のA61…サージくんがお姉さんの残した子どもの面倒を見るであろうと考えていたんです。


しかし、あろうことかA85は叔父のサージと泳ぐどころか
別の家族であるA23s一家の魅力的なオス、A60(ファイフくん)に弟子入りしてしまったのです!!


ちっさいA85ちゃんはオスで、世話をしているA60(ファイフくん)もオス。
里子ではありません。弟子入りです。
ぴったり寄り添って泳ぐようになりました。


A60(ファイフ)はたいへんアクティブで魅力的なオルカです。
ボートの起こした波に乗って遊んでいてプロペラにはねられ大けがをおったのに、1年後キズがいえたら再び波乗りを始めるというかなり危険な男です。

大けがを負ってもなおまた波に乗るなんて学習能力のないようにも見えますが
なぜかこの個体は常にたくさんの仲間に囲まれているんです!!
やっぱりオルカたちにとっても危険なやつはカッコイイんでしょうか。


一方、A85ちゃんの叔父、A61(サージ)。
ファイフと同じ年頃の若いオスですが、サージくんのほうは人間から見ても地味な個体です…。
リードをとることも活発な動きもほとんどなく、常にそっと他のオルカたちのあとをついてまわっています。


なぜ、小さなA85ちゃんはおとなしい実の叔父A61(サージ)より、アクティブなA60(ファイフ)を選んだのか。
もちろんはっきりとした理由はわたしたち人間にはわかりません。
しかし家族であってもやはり相性というものはあるようです。


唯一の家族である甥っ子が別の家族についていってしまってひとりぼっちになったA61(サージ)は、小さいころお世話になっていたA8s家族に加入しました。

実はサージくんと、亡くなった姉A51も、幼い頃に母親を亡くしました。
幼い姉弟の身寄りがなくなったとき、そばにきて世話をしてくれるようになったのが親戚のA8s家族でした。
A61にとってはA8sは育ての親のようなものですから、姉に死なれ、甥に離れられ、またひとりぼっちになったときに戻るべき場所はここしかなかったのだと思われます。涙

そのまま時が過ぎて…



今年ふたたび動きがありました!!
なんとなんと、A61(サージ)は一大決心をして小さな頃からずっとお世話になっていたA8sを離れ、甥っ子がお世話になっているA23s一家についていくことにしたようなのです…!!

なので、今年のA85ちゃんは実の叔父A61(サージ)とも、お母さんを亡くしてからずっと世話をしてくれていたカッコいい兄ちゃんA60(ファイフ)とも一緒に泳いでいます。
良かった、ほんとうに良かった…!



ようやくひと息ついて作業場に戻ると、窓の向こうにはいつもの青い鳥の姿。
ステラーカケスの咲。

13080201.jpg


ほんと、カケスって何年生きるんだろう?
知り合ってから少なくても15年は経ってるんだけど。



お昼過ぎころ北から戻って来たA36sの兄弟。
この群れはオルカラボの前の海ブラックニー・パスを使う頻度が多く、わたしたち観察者にとってはありがたい限りです。



忙しい1日だったけどディナーにバーベキューサーモンを頂いてご褒美をもらった気分になりました☆
A36sとA5sはずっとジョンストン海峡をうろうろ。
北に行っていたI15sも夜遅くなってからウェイントン・パスを通過して戻って来て、わたしたちは夜中じゅうオルカたちの素晴らしいコールを聞く事となったのです。
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2013-08-31 : オルカ : コメント : 2 :
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8月1日

日本の皆様、お久しぶりです!!

まずは8月1日にハンソン島入りしていたにも関わらず、ブログ開始がここまで遅れてしまったことのお詫びをしなければなりません。
楽しみにしていてくださった皆様、ごめんなさい。



今年のネット環境は過去15年間でもっとも悪いです。
オルカラボではオルカライブの配信を行っており、世界各国の皆様に「無料で」ジョンストン海峡の自然と、水中マイクの音声を生中継で楽しんで頂くことができます。

しかしこの配信には莫大なお金がかかっています。
それは現在、オルカラボの自腹で行っています。
なんでこんなにお金がかかることをやっているのかというと、ポール・スポング博士の「世界中の人たちとこの光景を共有したい。多くの人がこの美しい光景を感じることができたら、世界の争いも減るだろう」という一心からです。
ばからしいと思われる人もいらっしゃるかもしれませんが、博士は本気でそう信じてます。
そしてわたしたちアシスタントはそんな博士の気持ちに共感し、少しでもサポートできればとボランティアとしてオルカラボで働いているのです。


ハンソン島のような離島では都会のネット環境と違って上限がないので、カメラが増えた今年はインターネットだけでも何万円もかかってしまうみたいです。
しかし、どんなにお金がかかっても音声と映像の配信は行いたい、というのがポール・スポング博士の想いであり、カメラが増えたぶんだけ他のサイトの閲覧は削ることになり、今年はアシスタントのインターネットの個人使用は緊急時以外ほぼ禁止ということになって、レポートも自粛していました。



もともとオルカラボからの日本語レポートは、日本からアシスタントを派遣している「OSS オルカラボ・サポート・ソサエティ」にEメールで送ってOSSのホームページに掲載させてもらっていたのですが、スプリンガーの帰還後は書く量が増えたため、2006年からレポートはこちらのブログに掲載して、リンクして頂いていました。

現在はオルカラボからの日本語レポートはこの場以外になく、わたしが書かないと日本の皆様にこちらの様子をわかりやすく届けることができないことを考えて博士と相談した結果、テキストのみで頻度も落ちますが、滞在中のレポート更新の許可をもらうことができました。

写真は島を出てからそれぞれの記事に追加しようと思います。
今年もよろしくお願いいたします!


(iPhoneでの更新も考えたのですが、海外での3G使用がいったいいくらになるのか見当がつかないため、恐ろしくてできませんでした…。
身内の皆様、個人メールのチェックもほぼできませんので、もし急用の場合はオルカラボに電話するか、オルカラボのメールアドレスに連絡してください)



オルカの訪れる島、ハンソン島。
ブラックニー・パスに面した入り江にたつ、ソーラーパネルがいっぱいついた手作りログハウスがオルカラボです。わたしたちはここで野生オルカ(シャチ)の鳴き声を水中マイクで拾って録音・分析しています。

130801_01.jpg

今年からソーラーパネルが増設されて、オルカラボはほぼ完全に太陽光発電になりました。
それまではお天気がぐずついたりした日にはジェネレーター(ガソリンで動く発電機)を回さないといけない時もあったけど、現在のソーラーパネルは発電の効率がとてもよいらしく、ちょっとくらい曇りの日もなんのその。



わたしを迎えにくるついでに食料品の買い出しをして、近くの港テレグラフ・コーブまで写真家のピーター・トーマスさん一家を迎えに行ったためボートはパンパン!笑
みんなで長い列をつくって全ての荷物をおろしました。
アシスタントのみんなはテント生活ですが、15年めのわたしはいちおうラボの中に「マップルーム」と呼ばれる作業場&寝床のようなものがあります(要するに研究所の中に軟禁です!笑)。


荷物を片付けたらすぐにディナーの時間になったので、博士夫妻の住むメインハウスへ集合。
今年は10年ぶりにボランティアシェフを採用した(2003年のイングリッドぶり)のでヘレナは料理をしなくてすむのです!!
ヘレナの負担が減るのはうれしいけど、ヘレナの料理のために毎年ここに来ているといっても過言ではないわたしら「リピーター」にとってはけっこう悲しい現実でもあります…



でもボランティアシェフのクリスは素晴らしい料理を振る舞ってくれました!
本日のメニューはローステッド・レッドペパースープにカマンベールチーズを2かけらずつ落としたもの、ガーリックトースト、ガーデンでとれたフレッシュサラダ。
合わせるワインはサウスアフリカの赤と白、1本ずつ。
うっま。



それでは今年のアシスタントご紹介☆

Pちゃん…(日本)ここを読んでくださっている皆さんにはもうすっかりおなじみだと思います。アシスタント歴4年目でカメラの腕をぐいぐい伸ばしているオルカラボ期待の星。ただ者ではないレベルの働き者で休んでいるところを見たことがありません。

クリス…(カナダ、ビクトリア)シェフ。毎日のディナーを担当、鼻ピアスでちょっとギャルっぽい外見だけど、毎日みんなの健康状態を観察し、気配りをして声をかけてくれるムードメーカー。

ケイト…(カナダ、ケベック)みんなより早い4月の終わりからボランティアスタッフとしてハンソン島に滞在。人を笑わせることやいたずらが大好き。

アリー…(アメリカ)とても仕事が早く、てきぱきとした性格の女の子。大学を卒業したばかり。アシスタント1年目にしてコールの聞き分けや個体識別もこなせるようになってきている。

バーバラ…(アルゼンチン)英語はまだ苦手だが誰よりもオルカを愛している。ユーモアにあふれ、いじられキャラのためみんなに可愛がられている。日々ケイトから怪しい英語を覚えさせられている。

メーガン…(イギリス)昨年、北にあるセテーシアラボでボランティアを経験。話がおもしろくおしゃべりで、ディナー後のコーヒーのセッティングを毎晩担当。面倒見がよくみんなの姉御的存在。


左からメーガン、ケイト、Pちゃん
13080103.jpg


そして2名がCPに派遣されています。

エミリー…(イギリス)学生。最初のころハンソン島でもメイクを欠かさずまき割りもできなかったが、ある日突然すっぴんになりまき割りも大得意になり、生まれ変わったようにイキイキとしている。

マーク…(カナダ、地元)CP要員。数年前からハンソン島の中央にある仙人ウォーラスのキャンプに出入りしていたらしい野生児。今回のスタッフの中で唯一の男子。




ディナーを終えて、さて皿洗いに取りかかろうとしたその時!!


「オールカー!!」


ひとりラボでシフトに入っていたケイトのシャウトが聞こえました。
ゲストのピーターさん一家に声をかけ、みんなデッキへ…
冷たい風のデッキ、目の前広がる海峡に見えたのはふたつの背びれ。
遠くてごま粒みたい。




ふたつの背びれの正体はA36sの兄弟。

もともと、お母さん含めて4頭だったこの家族。
お母さんが亡くなって3兄弟のみの群れとなったけど、兄弟仲良く数年生きました。

いちばん上のお兄さんが亡くなって2兄弟となったとき、ちょうど同じタイミングで息子を亡くしたばかりのお友達家族のおばあちゃん、A12さんが彼ら兄弟のもとへやってきました。

もともと仲は良かったんだけど、A12ばあちゃんは新しい息子たちを、兄弟は新しいお母さんを手に入れたかのように…まるで本当の家族みたいに彼らは数年、3頭でずっとずっと過ごしてました。



不思議な光景だったなあ…。
オルカっていう生き物は血のつながった家族を大事にすると思ってたんだけど、血がつながっていなくても家族というかたちを大事にするのかな。



数年を共にしたばあちゃんが去年のはじめに亡くなって、また2頭になったA36s。
オルカという生き物はわたしらが知る限りストレスにとても弱く、もしどちらかが先にいってしまったらもう1頭も長く生きてはいないとわたしたちは感じています。
だけど、ずっとずっとこの勇姿を見られるといいなあ。
2頭とも今年も元気で嬉しいよ!!



すっかり日が暮れて、A36sの2兄弟はジョンストン海峡を東へと向かっていました。
そのころ東からは、とてもにぎやかな群れが彼らの方へと近づいて来ていたのです…。
2013-08-27 : オルカ : コメント : 2 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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