夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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8月24日

午前1時51分、ラビングビーチの水中マイクからA30sのコールが聞こえてきました。
引き潮に乗った彼らは西へと進み、ウェイントン・パスから北のブラックフィッシュ・サウンドへ。
そのまま北で魚を捕っていたらしく、FIの水中マイクから6時間ほどコールが聞こえていました。
あんまり動かないのね。

午後1時になってようやくオルカラボの前にイン、ありがたいことにハンソン島沿い。



アシスタントはみんなデッキに並んでたんだけど、メーガンが海岸におりたのをきっかけにケイト、バーバラ、アナ、サンドラ、Pちゃんと続々と海岸におりてゆきました。
デッキに残されて個体識別をしなくちゃいけないのはわたしとアリーと、シェフのクリスだけ。笑
特別な日だしまあいいか!

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今日はケイト、アリー、クリスの最後の日。
アリーのボーイフレンドがアメリカから車で迎えに来てくれるので、あとの2人は途中まで乗せてもらって一緒に旅をすることになっていたのです。
にぎやかな3人がいなくなるので、わたしたちは最後の思い出に1日を笑って過ごそうと必死でした。
涙もろいバーバラはすでに何度か泣いてたけど。笑


ハンソン島ぞいに来てくれたA30sに感謝しつつ3人はテントをたたみ、みんなでブラックニー・パスのザトウクジラを観察しながら、午後の太陽の光のなかデッキでずっとおしゃべりしていました。
女子会みたいだったなー



夕方になって少し天気がくずれ、雨がぱらつきました。
わたしは電波がよいところを探して一瞬だけiPhoneの3Gをオンにして、料金を恐れながらひとつだけツイートしました…。

「Enjoy YOUR FESTIVAL, I miss you all」

日本時間、わたしの大好きなバンドにとっての大事な日でした。
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2013-09-30 : オルカ : コメント : 0 :
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8月23日

午前零時。
A30sと全てのA5s(A23s、A25s、A8s)はオルカラボの前、ブラックニー・パスを通過していました。
どうも様子がおかしい。



わたしはヘッドフォンの音に集中し、何が起こっているのかを必死に聞き出そうとしていました。
5分ほど前からジョンストン海峡とブラックニー・パスの境目くらいで、A5sと共にジョンストン海峡入りした「A30sのうちの1頭」がとっても興奮している様子。

残りのA30s一家は…というと、北へと戻り始めました。

こうしてほとんどのA30sは北へ戻り、一方のA5sはジョンストン海峡入り。
A5sについてジョンストン海峡まで来てしまった「A30sのうちの1頭」が、ひとりぼっちにされてやたらめったら興奮したコールをあげている。
あれっ、この状況なんかおなじみですね!!



迷子のおっさーん!!\(^o^)/



その「やたらめったら興奮したコール」がわたしにとってはものすごく聞き覚えがあるものだったので、やっぱり…と思うと同時に、お母さんが亡くなってもこの行動は続くのか…とがっかりしました。笑


思い返せば「迷子のおっさん」が最初に確認されたのは2008年8月1日。
ジョンストン海峡にいたA23sのA60(アクティブな個体として有名なファイフ君)と、A30sのいい年のおっさん(1975年生まれ)A39さん。
2頭はその日の午後から夕方まで、胸びれでパシャパシャと水をかけ合って戯れておりました。


残りのA30sが何度コールをあげてもそうやって遊び続けていたA39さん。
とうとう家族は彼を置いて、オルカラボの前を通過して北へ。
一緒に遊んでいたA60(ファイフ)くんが去ったとき、A39はようやく自分の家族に置いて行かれたことに気づいたらしく、けたたましい叫び声をあげたのです。
ぎょえっ、ぎょえっ、ぎょわっ。


時はすでに遅く家族は北へと消えてしまっていて、彼は数日ジョンストン海峡で家族の帰りを待つはめになり、わたしたちはA39単独での鳴き声サンプルをたっぷりと録音することができたのでした。


あんな目に会あったのだからもう二度と同じあやまちは繰り返さないであろうとわたしたちは思っていたんですが、A39さんはそれからも数回(数時間程度ですが)似たようなことをやらかしました。
わたしたちはその度に同じ興奮したコールを聞きました。
ぎょえっ、ぎょえっ、ぎょわっ。
これはもう個性で、なおることはないのでしょう。笑



A39を容赦なく置いて行ったお母さん、A30さん。
ジョンストン海峡を代表する群れ「A30s」のリーダー。
ジョンストン海峡にいつもいること、カーブした背びれは特徴的で個体識別が楽だったこともあって、誰もが知っていて、誰にも愛されたオルカでした。

去年わたしとPちゃんがCPに派遣された時は9月で、チャムサーモンの季節だったこともあり、A30sはずっとCP前で魚を捕っていました。

その時からわたしたちは気づいていました。
他のオルカたちが魚を追ってめまぐるしく動き回っている間、A30さんは水面で休む行動を頻繁に見せていました。
I15sみたいに年がら年中水面に浮いているのだったらまた話は別だけど、こんなに浮いて休むということは身体の具合がよいとはいえないのだろうなと、うすうす感づいていました。

だから「群れからいなくなった」と聞いたときも悲しかったけどそんなに驚きませんでした。
でもA51がいなくなって、A12がいなくなって、今年はA11、A24、A30と続々とAポッドの家族のリーダーがいなくなったのか…オルカのめすはわりと長生きなのに、それほど年を取っていないリーダーまでもがこの数年で次々といなくなるなんていったいどういうことだろう。


救いがあるとすれば、お母さんをなくしても、A30sはジョンストン海峡に毎日いるということです。
すぐ迷子になってしまう弟A39は置いといて、お母さんにべったりだった兄のA38はもしかしたらお母さんと一緒に死んでしまって、娘のA50とA54はそれぞれの家族として独立してもおかしくないとわたしたちは思っていたので。

A30さんがいなくても、この群れはA30sとしてジョンストン海峡にいる。
そして彼らの家族コール「N47」は子どもたちへと受け継がれてゆくのです。



話を夜中に戻します!
A30sは北へ、A5sは逆方向のジョンストン海峡へ消えました。
いったん全てのブロー(呼吸音)が聞こえなくなったブラックニー・パス。

デッキでブローを数えていたPちゃんとバーバラの話によると、全てのブローがいったん聞こえなくなった後、1頭のブローがジョンストン海峡のほうから登場し、オルカラボの前を通過して北へと消えていったそうです。
水中マイクからは興奮しきったときのA39さんのコールが聞こえ、オルカラボの前を通過して北へと消えて行きました。お疲れさまでした。

すでにベッドについて眠っていたヘレナを起こし、このややこしい動きを説明するのはしんどかったです。笑



いったん北へ消えていたA30sは午後になって戻ってきました。
オルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ入り、ようやくA5sと出会うことができました。
数時間ぶりの再会に興奮したコールをあげるオルカたち。
人間もこれくらい純粋になれたらいいのにね。笑
2013-09-30 : オルカ : コメント : 0 :
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8月22日

午前6時、素晴らしい朝焼けと共に起床。
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朝シフトに入っていたメーガンと共にデッキに出て、写真を撮りながらしゃべっていたらポールがコーヒーを運んで来てくれました。
ラボ前の海岸に広がる海藻の森にひょっこり顔を出したのは、5頭のカワウソ。
海にいるけれどSea otter(ラッコ)ではなく、River otter(カワウソ)。
細身のからだでケルプの中をすいすいと泳いでゆきました。

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しばらくするとPIの水中マイクからコールが聞こえてきました。


「オルカー!!」
A30s、A23s、A25s。おはようございます。


朝の光に包まれて北へ向かうオルカたちはとっても美しかったです。


それから50分ほど遅れて、A8sもオルカラボの前を通過しました。
今年のA8sは皆と一緒に行動したりしなかったりとけっこう自由気ままです。
オルカたちはブラックフィッシュ・サウンドを北へと向かい、コールは午前9時半ころに聞こえなくなりました。



今日はメインハウスでスタッフミーティングがありました!
コーヒーとバナナブレッドがふるまわれ、今後についてみんなで話し合いました。
今週末にアシスタントが3人帰り、さらにメーガンがCPへ派遣されるので、残るアシスタントの負担は増えます。シフトも2時間交代だったものが3時間に増えることになりました。
さらにアシスタントが少なくなったらシフトは消滅して「疲れたら交代」というシステムに代わります。
毎年こうなってくると、夏の終わりを感じてしまいます…。



ミーティング終わりでみんなが揃っていたところに、大工さんのカートがまき割りの仕事をくれました!
カートがチェーンソーで丸太を切り出します。
それを女子みんなで運んで、斧をハンマーで打ちこんで2~3個に分割し、さらに斧でそれらを細かくしてストーブで使える大きさにしていきます。
ハンソン島で1ヶ月も暮らしていれば、女子でもこれくらいのことはこなせてしまいます。
なんてったって今年のアシスタントの合い言葉は「ストロングウーマン!!」



まき割りも終わって汗をふきながらブラックニー・パスを眺めました。
小さなカモメたちが舞っていました。
でもそこに、わたしたちの愛するあの姿はまだなかったのです。

「ポールはウニがもう死んでしまったと思っているの、97年の写真に成鳥として写っているのだから、カモメにしてはけっこうな年のはずでしょう。でもわたしはまだあきらめられないのよ」
ヘレナが主なき岩を見ながら言いました。

わたしもまだあきらめてないよ、だってまだほかのワシカモメの姿を確認していないもの。
いつもより遅いのは確かだけれど、まだワシカモメ自体がこっちにやってくる季節じゃないのかもしれないでしょう?
ねえ、カモメのウニちゃん。




昼間ずっといなかったオルカたちは午後11時まえに水中マイクのエリアに帰ってきました。
全員で出て行ったから、もしかしてこれで夏が終わるんじゃないかって心配してたんだ、よかった。お帰りなさい、オルカさんたち。

温かい気持ちでオルカたちをラボ前に迎え入れたわたしたちだったのですが、どうも様子がおかしいことに気づきました。やけに、進み方が遅い…。
A30sとA5sのコールがFIとLLの水中マイクから聞こえていました。
次の日へ続く。
2013-09-30 : オルカ : コメント : 0 :
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番外編のお知らせ

今年はオルカラボホームページ内のブログにて、アシスタントたちがそれぞれレポートを書く機会をもらうことができました。
そしてわたしも「ハンソン島日記番外編」としてレポートを書かせて頂いております。

カモメとカラスに関するお話でオルカのことではありませんが、日本語レポートですのでハンソン島の自然に興味のあるかたはどうぞ読んでみてください。
(※ なお記事に添付されている写真はただのハンソン島の動物と風景で、残念ながら本文とはなんら関係がありません。笑)


↓↓カモメとカラスのレポートはこちら↓↓
http://orcalab.org/2013/09/23/tomokos-blog/
2013-09-25 : オルカ : コメント : 0 :
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8月21日

午前零時すぎ、A23sとA25sはロブソンバイト沖を東へと進んでいました。

彼らの鳴き声を録音していたケイトが機材トラブルに気づき、メインハウスへ。
バタバタした足音で目を覚ましたわたくし。
1階へおりてヘッドフォンをつけ、機材トラブル対応するケイトとヘレナの横で、眠い目をこすりながら水中マイクからの音を聴いていました。

機材トラブルは深刻なものではなかったのですぐに解決。
「じゃあ、あとはよろしくね」
メインハウスに戻ろうとするヘレナ。

わたしは言いました。
「あの…トラブル対応中だったから言い出せなかったけれど、A30sとA8sもウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に入ったみたい」



本日も元気に同じメンツ(A30s、A23s、A25s、A8s)でお送りしております!!




数時間ぶりに仲間に出会ってご機嫌のオルカたちは、ラビングビーチに立ち寄って久しぶりに長いラビングを楽しんでいました。

今日もA30sとA5sだけで終わるのかと思いきや、夕方になってトランジェントのT18s、T19s、T002csがオルカラボの前を通過して北へと向かいました。
びらびらした背びれですっかりおなじみのT19Bくん、今やジョンストン海峡を代表するトランジェントですね。
カッコイイ。

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A30sとA5sのみなさんは18時ころオルカラボの前を通過して北へ。



行列のいちばん最後にいたのはA25sの2頭でした。
控えめな性格のオスA61(サージくん)と、その甥っ子であるA85ちゃん。

以前にも書きましたが。
A85の母親である「A51」が亡くなった時、A85ちゃんはなぜか家族のA61(サージくん)ではなく、親戚のオスA60(ファイフくん)のいるA23sに世話されることを選びました。
ひとりぼっちになったA61(サージ)は、幼い頃、母親が亡くなったときに姉とともにお世話になっていたA8s家族のもとへ行くことを選びました。
こうして同じ家族だった叔父と甥の2頭はばらばらになり、お互いジョンストン海峡にいてもそれぞれ別の家族と一緒に過ごしていました。



だけど今年になってA61(サージ)は決意したようで、A8sのもとを離れ、甥っ子の保護されているA23sについていくことにしたのです。
A61(サージ)はほんとに物静かなオルカで、どの家族について行くときも常にいちばん後ろをそっと泳いでいます。
甥っ子のA85ちゃんはずっとハイパー・アクティブなA60(ファイフ)と一緒にいるし、叔父がそのあとをそっとついていってるなんて、最初はきっと変な光景だっただろうけど。

今日のA85ちゃんは、実の叔父であるサージくんの隣にいました。
たった4頭なのに賑やかなA23sの後に続いて、2頭ぴったり寄り添って北へと泳いでゆきました。



オルカっていうのはほんとうに不思議な生き物だな…。



専門学校に招かれてオルカのお話をしているときに生徒さんに言われたんです。
「動物に感情や心はない、感情があるのは人間だけでほかの動物はすべて本能で生きている、って教えている先生がいるんですけど、動物に感情はありますよね?」

わたし個人としては動物に感情や心がないなんて思いません。
もちろん人間の感情をそのまま動物に当てはめられるとは思いません。
でもオルカにはオルカの社会があって、いろいろな個性のオルカがいて、そのなかでうまく適応できたりできなかったり、適応に時間がかかることもあったり…。
本能だけではどうにもできない何かがあることも認めざるを得ないと、彼らを観察すればするほど思うのです。



午後8時47分、美しい月が登りました。
そして午後11時前、月明かりに照らされて、オルカたちはブラックニー・パスを通過してジョンストン海峡へと戻ってゆきました。

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2013-09-20 : オルカ : コメント : 0 :
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8月20日

CPに完全なる休息の時間はありません。
午前3時、トイレに起きたわたくし。
「こんなに月明かりがまぶしかったら夜光虫も見えないなあ」
と思いつつCPの小屋に戻りました。

わたしがたてた物音で目を覚ましたPちゃんも、起きたついでにトイレにたつことにしたらしく小屋を出て行きました。
起こしてごめんなさいと思いつつ寝袋にもぐってうとうとしていると、枕もとのスピーカーからぽつり、ぽつりと聞こえて来たのはN3(レスティングコール)。
ん…?

やがて戻って来たPちゃんがこう言いました。
「ブローが聞こえます…」


西でしばらくの時間を過ごしていたオルカたちがようやく東へ向かうことにしたらしい。
わりと沖を泳いでたからCP正面に来ないと聞こえなかっただろうに、なんてタイミング。
ポールとヘレナは寝てるだろうなあと思いつつ、わたしたちは月明かりのなかノートを取りました。



午前6時、わたしの目覚ましがけたたましく鳴りました。
おはようございます。



「朝だよー!!」
わたしは遅くまでブローを数えていたためくたくたになっていたPちゃんをイキオイよく起こし、外に出ました。

外はまだ薄暗く、デッキも雨と霧で濡れていて涙が出そうなくらい寒い朝。
わたしたちはコーヒーをいれ、デッキにスコープを運び出し、ぶるぶる震えながらコーヒーを飲みました。
やがて霧の中、東からこちらに向かってくるブローが聞こえてきました。
なんとなく予感してたけどやっぱり来た!
おはよう、オルカさんたち。

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無線機からポールの声。

わたし「こちらCP、おはようございます」

ポール

わたし「オルカたちは東から戻って来て現在ブラックニー・パスの入り口、霧で姿は見えなくて個体識別はできません。あっそれと、午前3時半に東へ向かってゆくブローが聞こえました。そのときCPの水中マイクからN3コールが聞こえました。」

ポール <3時半に東か!なるほどパズルのピースが埋まったね、情報ありがとう>



時刻は午前6時半。
CPとしては可能な限り全ての情報を渡せたはず。
まじめに早起きして良かったー!!

A30sとA8sはブラックニー・パスの入り口でうろうろしたあと、ブラックニー・パス…すなわちオルカラボの方へと向かって行きました。


霧!
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霧の虹 フォグボウ
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ボートベイパーティー組は毎年だいたい午前中に帰ってくるので、わたしたちも荷物をまとめて帰る準備。
午前11時、スコープでアシスタントたちの乗ったセイルボートを確認。
そしてそのセイルボートが、オルカラボ方面ではなく、アラートベイ方面に消えてゆくのを確認…。



…え?(゜Д゜)



アラートベイ方面?
アシスタントのみなさんたち、どこへいったのかしら…?



お昼12時半ころ。
東へ行っていたA23sとA25sは、クレイクロフト島ぞいにCPの方へと進んできました。
わたしはオルカライブ中継のためのビデオカメラ、Pちゃんは大きなレンズのデジタルカメラを手に彼らがやってくるのを待ちました。
ドキドキ



けっこう待っていたのにA23sとA25sが通り過ぎたのはほんの一瞬でした!
ざっぱーんざっぱーんと凄いスピードでCP前を通り過ぎ、ハンソン島ぞいに西へと進んで行きました。



その後、別のボートに乗せてもらっていたマークがCPに帰ってきました。
しかしセイルボートでアラートベイ方面に向かって行ったほかのアシスタントたちからの連絡はなく、わたしたちは結局19時過ぎまでCPで迎えを待っていました。

風もなく、強い日差しのCPはまるで日本の真夏のように暑く、あわや脱水症状。
ジョンストン海峡でこんなに暑い思いをするなんて生まれて初めてで、午前中に寒い寒いと震えながらコーラを飲み干したわたしたちは、なんであの時飲んでしまったのだろうと本気で後悔しました。
マークが心配して遅いランチを作ってくれました。ご飯の上にさまざまな種類の野菜を乗せてドレッシングをかけたもので、想像以上に豪華で驚きました。笑



トドさんが泳ぐよー
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19時過ぎ、セイルボートに乗ったアシスタントたちがオルカラボに到着。
乗せてくれた人がとても親切で、なかば拉致に近いかたちでセイリングに連れて行かれたらしい。笑
たくさんの食べ物や飲み物ももらって「こんなに親切な人たちがこの世にいるのだろうか」と思ったそうです。
無事にラボからの迎えも来て、わたしたちもなんとかハンソン島に帰還!!



海岸に建てられたただの小屋であるCPから帰ってくると、オルカラボは本当に都会だと感じられます…。
森の中に掘ったトイレもあるし、川が干からびると使えないけど、いちおう蛇口から水も出るし。



アシスタントたちが帰ってくるのが遅かったため、もちろんメインハウスでのディナーはなし。
遅いランチを食べたわたしとPちゃんはディナーを食べるのはあきらめ、お湯をわかして梅干しをひとつずつ入れたものを飲んでリラックスしました。
ふー。



A23sとA25sはジョンストン海峡をうろうろ、A30sは日付がかわる直前まで北のブラックフィッシュ・サウンドにいたようでした。

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2013-09-20 : 未分類 : コメント : 0 :
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8月19日

ボートベイ・パーティの日!!

本日はロブソンバイト生態保護区の向かいにある保護区監視キャンプ「ボートベイ」にてこのあたりのオルカ関係者のパーティが行われる日です。
パーティとはいってもキャンプサイトでのことですので、たき火のまわりに集まってマシュマロを焼いたり、アコースティックギターや民族楽器で歌ったり、テキーラを飲んでひっくり返ったり…な感じで、夜がふけたらみんなそのへんで寝袋にくるまって寝ます。楽しそうですね☆



そんなボートベイパーティに、CP組も含めて今年もオルカラボアシスタント全員が招かれることになりました!

…とはいっても、水中マイクの音から遠ざかって全ての仕事をポールとヘレナに任せ飲んだくれるなんてとてもできないわたしとPちゃん(ほんと日本人)。
わたしたちは自ら率先して、
「CPでお留守番をしたい!」
と申し出て、CPに1泊2日滞在することになりました。

もしわたしたちもパーティに行ってしまったら、ヘレナがひとりラボで、ポールがひとりでCP滞在だったらしい…そんなの心苦しくて、とてもじゃないけどパーティで楽しむことなんてできません。



お昼12時。
わたしとPちゃんはCPに送られ、かわりにCPにいるマークとアリーがオルカラボに帰ってくることになりました。
その後、ボートベイパーティにゆく他のボートがラボまでアシスタントたちを迎えに来てくれます。
せっかくのパーティの日なのに天気はぐずついて雨が降ったりやんだり。

わたしたちは荷物(おもに食べ物)をまとめ、ポールの小さなボート「カー」に乗り込みました。



CPに到着すると雨は少し弱まっていました。
今年のCPを担当しているマークにざっくりと機材の説明をしてもらい、CPスタッフ交代の記念写真をポールに撮影してもらって、ラボに帰ってゆくカーを見送りました。



さてお仕事!!



A30sはずっとCP前で食事をしているようだったので、わたしたちは個体識別をしながら絶え間なくノートをとりました。雨が降ったりやんだりしていたので、両サイドに穴をあけたゴミ袋をスコープにかけて、濡れないようにしながら監視を続けました。寒かった!!
15時半ころようやく食事を終えたA30sは対岸のバンクーバー島サイドに渡り、A5sと出会って西へと進み始めました。

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イシイルカやトドたちも目の前に来ました
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その後暗くなってから何度かCPの水中マイクから遠い遠いコールが聞こえました。西のテレグラフコーブあたりで何度か方向を変えたのだと思われます。
CPの水中マイクは今年もかなり西のほうまで音を拾うみたいです。


くたくたになったわたしたちは暗くなる前にたまごと梅干し入りのおじやを作って食べ、その日撮った写真を確認し、ベストオブオルカライブ2001のDVDを見てアナ(ポールとヘレナの娘)のフィルミングに感嘆し、寒い寒いと言いながら寝袋にもぐりました。

あまりにも寒かったのでいったん寝袋から出て持参したホッカイロを足もとに入れ、毛布も寝袋のなかに引きずり入れ、なんとか眠ることができました。

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パーティ組は楽しんでるかな。
もうすぐ満月。
2013-09-20 : オルカ : コメント : 0 :
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8月18日

ここのところ雨が降ったりやんだりのハンソン島。
わたしたちの靴はデッキですべりやすく、みんなひやひやしながら歩いています。
だけど8月上旬まで乾いていた森は輝きを取り戻し、日に日に緑色を増しています。



午前3時50分、A5sのコールがCRPTの水中マイクから聞こえてきました。
おはようございます。


おはよう…ございます…(;´Д`)まだ眠いよ〜




毎日雨が降って小川の水量も少しずつ増してきたため、わたしたちはサウナファイアを焚いて真水のシャワーを浴びられることになりました☆
いつものように冷たい海水でそのまま髪を洗うのもいいけど、雨が降ってると凍えそうだからあったかいシャワーは実にありがたかったです。
息を吹き返したような気分になれました。




大工さんのカートが鮭を釣って来たので、今日のディナーはバーベキューサーモン!
美しいコーホーサーモンでした。
コーホーは以前は数が少なく、釣るのが禁止になっていた時期もあったそうです。

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「少しずつ数が戻って来たからわたしたちも頂けるのよ。感謝しなきゃね」

ヘレナの言葉に、心から感謝して頂きました。
おいしくって涙が出そうでした。




<ポール、A30sはドンチョンベイを通過してハンソン島沿いにオルカラボの方へと向かっているよ>

ディナー途中に飛びこんできたボートからの無線連絡に、みんないっせいにデッキへ。
北から戻って来たのはA30s。
太陽が傾いて淡いオレンジの光の中、ハンソン島ぞいにゆっくり、ゆっくりと南へ向かって行きました。



ヘレナがデッキのスピーカーに手を伸ばし、音量をゼロにすると水中マイクからのボートの音が消え、目の前の世界だけの音になりました。
最初はカメラのファインダをのぞきこみ必死にシャッターを切っていたみんなも、カメラを置いて顔をあげました。


夕日の中、家族でひとかたまりになって、ゆっくりと遠ざかるA30sは美しかった。
言葉が見つからず、誰も何も言いませんでした。
そのうちバーバラが泣き始め、つられてまわりのみんなも涙ぐみはじめました。
ただただ、オルカたちは美しかった。

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(ねえオルカさんたち、わたしたちも夕飯にサーモンを食べたよ!)
わたしは心の中でつぶやきました。笑



あまりの美しさに流れた涙をふきながらメインハウスに戻ると、クリスが用意してくれていたのはコーヒーにぴったりのマフィンと、フレッシュピーチ&生クリームというダブルデザートでした。
2013-09-20 : オルカ : コメント : 0 :
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8月17日

おはよう。
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朝、ゲストが帰る準備と共に、わたくしたちアシスタントはタウンランの準備。
ごみをまとめ、洗濯物をまとめ、プロパンガスの空タンクと共に全て海岸に運び、それぞれ食べ物のお買い物リストを書いてお金と一緒にジップロックに入れ、タウンランに行くメーガンとケイトに渡しました。

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オルカラボではディナーは週5~6回くらいメインハウスでみんなで食べるので、食事についてはそんなに心配しなくていいのです。
朝昼だけ自分で何とかすれば、夜は栄養たっぷりのディナーが待っています。



タウンラン組を見送ってしばらくすると、スピーカーからコールが聞こえてきました。
オルカたち、お帰りなさい!!


ラボ前のシノリガモが2羽に増えました
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泳ぐ巨大くらげ(バスケットボール大)
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東から戻って来たのはすべてのA5s。
いつものように1日中ジョンストン海峡をうろうろし、午後10時過ぎにオルカラボの前を通過して北へと消えてゆきました。
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8月16日

午前2時ころA5sは東へ向かいました。
入れ違いに東から戻って来たのはA30s。



A30sは凄いスピードで西へと進んできました。
ちっさい赤ちゃんまでもイルカのように水面から飛び上がって泳がせたのか?と思われるくらいのスピードでブラックニー・パスの入り口へと進んでくると、オルカラボの前を通過して北へ。
真っ暗な中の呼吸音はとてもクリアでした。



午前8時過ぎ、ウェイントン・パスからA30sはジョンストン海峡入り。
ブラックニー・パスの入り口まで進んで来て、午後1時前に再びオルカラボの前を通過して北へ。

たのしそうねー
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ハンソン島1周旅行ですか。
そのごしばらくオルカなし、ザトウクジラのみの時間をわたしたちは過ごしました。



今日はゲストのウェディングカップルの滞在最終日だったので、わたしたちは海岸でキャンプファイアを焚いてディナーにホットドッグを焼き、その後は細い木の枝にマシュマロを刺して焼いて食べました。


嬉しそうにマシュマロを焼くポール博士
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じょうずに焼けました!
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わたしは連夜の仕事で疲れてはやめに休んだのですが、他のアシスタントたちはキャンプファイアを囲んで夜中までしゃべり、夜光虫を見たり、極寒のなか泳いだりしたそうです。笑
2013-09-19 : オルカ : コメント : 0 :
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8月15日

午前1時、北のFIの水中マイクからA30sとA8sのコールが聞こえてきました。
ウェイントン・パスを通過して北へ抜けたのかな。



午前2時44分、A30sとA8sはオルカラボの前に登場。
ジョンストン海峡へ向かうかと思いきやいったん北に戻ったりして、午前4時半ようやくジョンストン海峡へ向かって行きました。
今年は夜の間にブラックニー・パスを使うことが多いなあ…。


どしゃ降りー
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どしゃ降りのあとの虹ー
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ここ最近オルカラボでは、オルカの仕事の他にザトウクジラの個体識別も行っています!
15年前はこのあたりでは見ることすら困難だったザトウクジラだけど、少しずつこの海域にも戻ってくるようになり、今ではオルカラボの前に5頭いても驚くことはありません。

見かけるほとんどは個体識別されているザトウクジラで、深く潜る時にあげた尾びれの模様で見分けることができます。

今年の夏、オルカラボの前にいつもいるのは尾びれが真っ白のガーディアンさん。
名前の意味は「見守る者」だそうです。ほんと見守られてるかと思うくらいいつもラボまえの海にいます。

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名前といえば、冬期にオルカラボの留守番をしていたリアとマリーが個体識別されていないザトウクジラを発見し、ちょうどそのときアイスホッケーのスタンレーカップが行われていたため、バンクーバー・カナックスにちなんで「カナック」と名付けたそうです。
しかしその後カナックスは惨敗。一方のカナック君は魚網に絡まれそのまま行方不明になり、しばらくのち発見されて網が切られるまで満足に泳ぐこともできず散々な目にあったようで…
名前は注意してつけなければいけないと思いました。



A30sとA5sは今日も1日ジョンストン海峡を行ったり来たり。
しきりに他の群れのコールを真似するので、「ほかの群れがやってくるのかな」とわたしたちも期待したりしたんだけど、8月だというのに他の群れはいっこうに来ません。

最初は「なんでやって来もしない群れの鳴き声を真似するのだろう、はやく連れて来たらいいのに」とはじめはむすっとしていた私たち。
だけど、わたしたちが待っている以上に、他の群れがやってくるのを待っているのはほかでもないA30sとA5sなのだということに最近気づき、わたしたちはとっても胸が痛くなりました…涙



ここ数年Aポッドのそれぞれの家族のリーダーである母親が続々となくなりました。
A12が亡くなって、A30も亡くなって、あのスプリンガーを預かってくれたA11も、そしてスプリンガーの実の祖母、A24までも亡くなってしまったと考えられているのです。
わたしは、この目でA24sを確認するまでは信じないけれど、研究者の多くはA24が死んでしまったと考えているようです。世代交代により好きな場所が変わることもあるでしょう。
ジョンストン海峡には、オルカたちがもっとも好むシュヌーク(キングサーモン)はもうあまりいないと思われるし。


ジョンストン海峡を離れたオルカたちがどこで餌をとっているのかはほとんどわかっていません。
おそらく冬のように広い海に散り散りばらばらのままなのでしょう。
このような状態でも、オルカがいちばん確認できる場所はやはりジョンストン海峡なのです。

確認できる群れの数は少なくても毎日ジョンストン海峡からオルカたちは離れないのだから、この鳴き声を聴けて姿が見られることに感謝しなければ…。



ザトウクジラがこのエリアに戻って来たように、サーモンが戻って来て、他のオルカたちもこのエリアに戻ってきますように。
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8月14日

午前3時半。
コールズオンPI、コールズオンRB。
2カ所の水中マイクから同時にコールが聞こえて来たので、たとえシフトに入っている人がいるとしてもわたしも眠るわけにはいかなくなりました!
おそらくPIすなわちブラックニー・パスの入り口にいるのはA30s。
RBすなわちラビングビーチ組はA5sたち。


一部(A8s?)はオルカラボの前を、一部(A30s)はウェイントン・パスを通過し北へ。
午前6時半、A30sはウェイントン・パスからまたジョンストン海峡に戻り、またブラックニー・パスの入り口まで進んできました。



午前6時からはPちゃんのシフト。
ポールが朝のコーヒーを運んできました。
コーヒーの誘惑に負けたわたしは、寝に戻らずにしばらくPちゃんとしゃべっていたところ、A30sがオルカラボの前に現れました。おはようございます。


こんな朝焼け見てたから寝られなくなっちゃうんだよ
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ほんとハンソン島のまわりを行ったり来たり、オルカたちは毎日いったい何をしていらっしゃるのでしょう?笑
食べ物があるということなんだろうけど、シヌークサーモンいないのに何食べてるんだろ…


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A30sが北へ行ってしまってようやくわたしも眠ることを許されました。
3時間眠って目覚めると、外は嵐になっていました。



まるで9月のような激しい雨風。
そんなに寒くはないけれど波が荒くて満潮時はおそろしかったです。



午後。
きのうの夜、森の中でふしぎな鳴き声を聞いたらしいPちゃんが、わたしにフクロウの鳴き声はどんなだか聞いてきました。
フクロウにもいろいろ種類があるので、わたしたちはケイトに頼んでiPhoneアプリの「iBird Pro」で、このあたりに住んでいそうなフクロウの鳴き声を聴かせてもらうことにしました!
ほんと欲しい、このアプリ。


これね。高っ
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「これです、これこれ。たぶんエクリプスです」
とPちゃんが言ったのは、Barred Owl(アメリカフクロウ)。その鳴き声はなんと



「Who cooks for you, who cooks for you, all ?」
(誰があなたのために料理してくれるの、みんな?)



なんだって!!
鳴き声を再生しながらみんなで「クリスだよ!」と答えてゲラゲラ笑いました。笑

実は去年オルカラボでは、迷い込んだ幼いフクロウを森へ返したことがあったのです。エクリプスと名付けられたそのフクロウが元気にしているのだと、Pちゃんはとても安心していました。



シェフのクリスが振る舞ってくれた今夜のディナーはアジア風の麺(ビーフン?)で、デザートはアップルパイとブルーベリーパイの豪華2本仕立てでした!!
ブルーベリーパイには生クリームを、アップルパイにはアイスクリームを添えて食べました。
体重?気にしないよ♪


パイを切り分けるオルカラボ専属大工さんカート
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オルカたちはジョンストン海峡でうろうろしていましたが、午後10時前に鳴き声はぴたりとやみました。
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8月13日

午前零時すぎ、東から戻って来たのはA8s、ジョンストン海峡を西へ。
午前4時すぎ、東から戻って来たのはA30s、ジョンストン海峡を西へ。


午前5時まえ、A8sはまだ暗い中、オルカラボの前を通過して北へ。
午前10時半ころ、明るくなってからA30sはオルカラボの前を通過して北へ。
霧のなかのA30sは美しかったです。

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オルカラボの前の海には2羽の鴨。
うとうと眠るシノリガモと、羽の掃除に忙しくプルプル休むことないBufflehead。
一緒に泳いでいてもまるで正反対の行動を観察し、朝からみんなで笑いました。

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潜る水鳥(Pigeon Guillemot)が入り江の中で小魚を集め、さっそうと現れたハクトウワシが両足でガシッと水面の小魚を奪って去って行きました。

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小魚いっぱい掴んじゃった
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今日はほぼオルカたちのコールは途切れることがありませんでした!
A23sとA25sは1日中ジョンストン海峡をうろうろ、北にいたA30sとA8sも午後7時過ぎにはウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に戻って来て、みんな東へと向かいました。
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8月12日

前日の疲れを引きずりすっかり疲れていたわたくし。
目覚ましを止めまくり、聞こえて来たコールに身体が動かず(物音が聞こえたので誰かが録音を始めたと確信したため)、録音を始めたPちゃんのボイスノートまでも無視して午前4時過ぎにようやくあきらめて1階におりました。

東から帰って来たのはA5ポッドのA23sとA25s。
危うく寝落ちしそうになりながらなんとか午前6時、新人アシスタントのアナに引き継ぎそのまま寝床へ…

※オルカラボでは、夜はマンガなど読まずに早めに眠りましょう。



海を眺めるPちゃんと、Pちゃんを眺める窓の咲
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そんなわけでほんのちょっと寝坊している間にみんなが施設の掃除をしてくれました。
グリーンハウス、メインハウス、そしてラボ自体もていねいにほうきで履いて片付け、いつポールとヘレナとゲストカップルが帰って来ても大丈夫な状態にしてくれました。

みんなががんばってくれたので、わたしもポールとヘレナが帰って来た時にご機嫌になるようにオルカたちの移動マップを描きました。
1日のオルカたちの行動をまずサマリーに書き出して、それから手書きで地図に記して行くので大変な作業なんだけど、どのように移動したかがひとめでわかるので留守中のオルカたちの動きを説明するにはもってこいです。



夕方になってポールとヘレナがようやく帰宅!!
一緒に到着したゲストカップルは、週末に結婚式をあげたばかりのヘレナの甥っ子夫妻。
そのカップルのプロポーズは2年前のハンソン島、千年杉の下だったのです。
当時のアシスタントみんなで、ハート形の石をプレゼントした記憶があります。


甥っ子夫妻にMAPの説明をするヘレナ
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結婚式の話を聞きながらみんなでディナーを食べました。
小さな島に建てられた結婚式場には広いウッドデッキがあり、海を見ながら音楽を奏でたりダンスをしたりして夜を迎えたのですが、流星群のピークで空には止まらない流れ星、海は夜光虫で全ての波が淡い緑色に輝き、ついには空にオーロラが現れて…


「これは現実ではないよね…?」


と信じられなくなって逆に冷静になっちゃったりしたそうです。
ん?この感じ、知ってる!笑



本日ジョンストン海峡をうろうろしたのはA23sだけ。
A30sとA8sは遠い東、A36sとA34sは遠い北へと進んで行ったようでした。
コールは夕方には途切れたので、
「静かな夜を迎えられるかなあ」
と期待しながら、寝袋に入りました。
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8月11日

お留守番、4日目!!

疲れていたのにワイドリー・アウェイク。
全くもって眠れなかったわたくしは、とうとう出国前に移動時のバス対策としてiPhoneでダウンロードしておいたマンガを読み始めるという暴挙にでました!
読み終わりました午前3時。
こ れ は い か ん …。



がんばって寝ようとするも、スピーカーからの途切れないコール。
シフトに入っている人がいるので、わたしは寝床で「誰が鳴いているか」さえ把握していれば良かったのですが、午前5時半…とあるコールに全身鳥肌がたって、急いで1階に駆け下りました。



シフトに入っていたサンドラが、突然かけこんできたわたしを見ていったいどうしたのかと怪訝そうな顔…
確証がないと何も言えないので、とりあえずヘッドフォンをつけてしばらく待ったけれど、聞こえてくるのは北にいるA30sのコールばかり。

「ごめんなさい、多分夢を見てただけ…」
しょんぼりして寝床へ戻りました。



8月半ばといえばそろそろ、アシスタントの皆にいろんなストレスがたまってくるころです。
新人とはいえ4月からオルカラボにきてボランティアをしていたケイトとふたり、海岸で愚痴のこぼしあいをしていると、フライパンを持ったメーガンがわたしたちを呼びに来ました。



メーガン「ともこ、クレープ食べる?」

わたくし「た、食べるー!!」

メーガン「バナナとはちみつは?」

わたくし「もちろん!!」



こんなとき、甘いもの以上にストレスに効果あるものなんてあるのかな?笑
わたしたちはキャンプキッチンに集まり、次々とクレープを焼くメーガン姉さんに感謝の言葉を浴びせかけながら焼きたてのクレープを味わいました。最高。

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「あ、そうだ…今日は流星群の日だから…」
ふと、日本からたんざくを持って来た事を思い出しました。
7月7日には間に合わなかったけど、ここはハンソン島なのでいつでもお星様に願い事をしていいのです。
ちょうどみんながキャンプキッチンに集まっていたので七夕を説明し、星のお祭りだからきょう流星群の日に願い事をしようと、それぞれに願いを書いてもらう事にしました。

「ちなみに世界平和とかあまりにも大きな事は叶いにくいけれど、個人的なわがままな願いのほうが叶う傾向にあるから」とPちゃんが説明していました(ハンソン島での七夕4回目ならではのお言葉)。

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みんながそれぞれ願い事を書き終え、キャンプキッチン横のウィッシュツリーにつるしたその時!!



「オールカー!!」



デッキからのシャウトでみんないっせいにラボに向かって走りました。
北から現れたオルカは…見慣れないシャープな背びれ。
トランジェントだ。



ぱっと見、トランジェントは15頭以上…
まさか、ブラックニー・パスでこんなにたくさんのトランジェントが見られるなんて!!

その場での全ての個体識別は無理だったのでPちゃんに写真撮影を任せ、メーガンとケイトにカウントを任せ、わたしはスポット識別に入りました。
スコープでピントを合わせると…あれっ、トランジェントの群れと並走するように、向こう岸ぞいにも大きな群れが!!



「えっ、えっ、A30sだー!!」



わたしの叫びにみんなが驚きました。
レジデントとトランジェントは交流する事はなく、同じ海域で出会うとトランジェントのほうががレジデントをさけるのが通常です。
こんな近くを一緒に泳ぐ事なんて今まで見た事あったろうか?

ひととおり個体識別が終わるとわたしはデッキからラボの中に駆け込みました。
トランジェントが大好きなバーバラが録音に入っていたので「デッキで見て来ていいよ!」と録音を交代し、パソコンで監視カメラの操作。



全てのオルカたちがジョンストン海峡に入ったところでわたしたちはようやくひと息ついて、先ほどまでの信じられない光景にようやく笑い出す事ができました。
「で、レジデントとトランジェントを一緒に見たいっていう願いを書いたのはだれ?笑」



今日は新人アシスタントのエミリーがラボを離れる日!
エミリーはオルカラボでのボランティアを終え、今日からカマイルカ研究のロブとエレンのところへ研修に行くのです。それが終わったらそのままイギリスに帰国してしまいます。
オルカラボにいる間はみんなで家族のように過ごすけれど、ここを離れればまた合えるかどうかなんてわからない。何回経験してもこの寂しさは慣れる事はありません。

なのでバーバラとアリーは
「またエミリーの顔が見られますように」
なんていうカワイイ願い事を短冊に書いていました。

バーバラの願いを覗き込むと「オルカのブリーチ(水面から飛び上がる行動)が見たい」と書き加えていました。わがままな願いでよろしい。笑



しばらくすると研究者のジェレッドから、ひとつの情報が飛び込んできました…。





えっ… A 3 4 s !?




その場に膝から崩れ落ちそうになりました…
ゆ、夢じゃなかった!!



真夜中に聞こえたあの鳴き声、夢じゃなかったんだ!!
A36sの兄弟に連れられてやってきたのは、わたしの最愛の群れ、A12s…
ばあちゃんA12さんが去年亡くなったから、その娘A34さんが家長となって現在はA34sと呼ばれています。
会いたかった、ほんとうに会いたかったよ(´ノω;`)


なに?なんなの?
ハンソン島の七夕凄いんだけど。
効果はやっ


ちょっと遠いですが、今年も美しいA34s
そしてA55くん!(いちばん大きな背びれ)
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A36sとA34sはオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ入り、しばらく食事をしていたようでした。



夕方、研究者のロブが操縦する小さなボートが迎えに来て、エミリーを連れて行きました。
わたしたちは全員、エミリーから小さなお手紙をもらいました。
エミリーが行ってしまった後、わたしたちはそれぞれにお手紙を読んで少し泣きました。


抱き合って別れをおしむアシスタントたち
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ディナー前、A36sとA34sがジョンストン海峡からオルカラボの前に再び姿を見せました。
A34s、たった数時間で行っちゃうのか…。

A34sのA55くんは、何度も何度もブリーチを繰り返しました。
大きなオスの全身が宙にひらりと舞うさまに、わたしたちはただ言葉をなくしていました…。



そこを通過したのが1隻の小さなボート。
あれっ、このボートは…
みんなでスコープを覗いていっせいに叫びました。




「エミリー!!」
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A36sとA34sが北に行ってしまった後わたしたちは大笑い!!
願いを書いてからたった数時間しかたっていないのに、トランジェントやA34sどころか「エミリーの顔を再び見られた」し、「ブリーチも見られた」のだから!笑

「あの木はいったいどんな力を持ってるの?そして何で個人的な、ちょっとわがままな願いしか叶わないの?笑」

それはほんとうに謎です。笑



とても忙しくて楽しい日でした。
明日はいよいよ、ポールとヘレナが帰ってくる日!!
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8月10日

午前1時、A30sのコールで目覚めました。
おそらく昨夜ブラックニー・パスに入りかけたり北に戻ったりしていたA30sが、オルカラボの前を通過してジョンストン海峡に入ったんでしょう。
1階に降りかけたらラボの電気がついていたので「ふむふむ、誰かが録音している」と安心して寝に戻ったわたくし。今年はどうも眠くてだめです…日本でもあまり寝てなかったからかなあ。



ジョンストン海峡に入ったA30sは東へと進んでロブソンバイトへ。
(このあたりでわたしもようやく身体が動くようになり、録音を代わりました)
すでにジョンストン海峡にいたA23sとA25sはラビングビーチ沖を東へ。
午前5時ころ、A30sは方向を変えて西へと進んできました。
そして明るくなったオルカラボの前へ。
いちめんの霧。

A30sは霧の中、美しい呼吸音をブラックニー・パスに響かせながら北へと消えて行きました。



霧は続く…午前10時になっても世界はまだ真っ白。
そんなブラックニー・パスに再び聞こえて来た呼吸音。
まったくコールもなしにジョンストン海峡に消えたため、誰もが

(A30sだ…)


と思いましたが、少し霧の晴れて来たジョンストン海峡で見つかったのはトランジェントの群れ(T18s、T19s、T002Cs)でした。
A30sのみなさま、疑ってごめんなさい!!笑


ザトウクジラ(ID不明個体)
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午後になってジョンストン海峡を西へと進んで来たA36sがオルカラボの前に現れました。
…といっても向こう岸沿いだったのでごまつぶのようにしか見えなかったんですけれど。
彼らはお食事中だったらしく、魚を追いかけて行ったり来たりして、2時間半かかって北へと消えてゆきました。
A5ポッドたちはジョンストン海峡を行ったり来たり。
オルカたちがそれぞれ別々の動きをしたため、群れごとの動きを追うだけでてんやわんやの1日となりました。



今日はシェフのクリスのデイオフのため、メインハウスでのディナーがなかったのでみんな各自に夕飯をとりました。
早めに夕飯を食べて早めに寝ようとしたのですが、オルカたちの鳴き声はとぎれることがありませんでした。
ポールとヘレナが留守だとほんとうに気が休まる事がないな…。
(次の日へと続く)
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8月9日

お留守番ふつかめ。



午前3時にイルカたちの鳴き声で起きると、そのごしばらくしてオルカたちの声も聞こえてきました。
A23sとA25sが東から戻って来たみたいでした。

起きて来たケイトにあとは任せていったん眠りに戻ったんだけど、A23sとA25sはほとんど鳴かなかったので、しばらくしてケイトは録音を止めて寝に戻った様子でした。

午前5時にエコロケーションで再び起きて、録音スタート。
まだケイトのシフトだったのでもう一度代わってもらって、寝に戻る…


午前7時すぎにA30sとA5sのコールが同時に聞こえてきました。
A5s(A23s、A25s)はいいけど、A30も戻って来たか…と思ってラボのなかへ。


夜中もいちおう録音のシフトは決まっていて、何もなければみんな寝るのですが、オルカが鳴けばコールで起きた人が録音をスタート、シフトに入っている人を起こしてその後は引き継いでもらうしくみです。

午前6時からはシフトに入っている人が常にラボ内でヘッドフォンをつけています。
なので、この午前7時のコールはシフトについていたアリーがすでに録音を始めていました。
A30sのコールはFIの水中マイクから聞こえていたので、わたしはデッキに出てオルカたちが来るか来ないかと待っておりました。
ブラックニー・パスは霧で真っ白、視界ゼロ。



午前7時半。
とつぜん、右手で聞こえたブホオオオオオオオオオオオオオッという大きな音に驚いて見ると、なんと霧の中、カートのキャビンの岩のところにザトウクジラの影が!!
キャー


あまりの近さに硬直していると、今度はオルカラボの目の前にあがりました。
ブホオオオオオオオオオオッ。


2、3メートル沖くらいかな…。
ラボ前は浅いから、近づける限界まで岸に近づいてたということでしょうか。
霧は深かったけどすごく近かったので、水中を泳ぐザトウクジラの全身を見下ろす事ができました。
なんて朝だ。



わたしはこの遭遇でけっこう満足してしまったので、安心してみんなを送り出す準備をすることができました。
実は今日は、アシスタントのみんなにとっての遠足…ボート・トリップの日!!


旧オルカラボアシスタントのジュリのお母さんであるパット(fromイギリス)は、娘を訪ねてこのエリアに来た時にすっかりここが気に入ってしまい、ハンソン島からボートで40分のアラートベイに家を買ったのです。
そしてオルカラボアシスタントのことを自分の子どものように可愛がり、自腹でボートをチャーターしてわたしたちを毎年ボート・トリップに連れて行ってくれるのです。

去年まではチャーターするボートはナオミWという木製のウオッチングボートで、小さな島々の間をのんびり通り抜けて、自然を楽しむ旅をしていました。
しかしナオミWは老朽化で引退してしまったため、今年からウオッチングボートのナイアッド・エクスプローラに乗せてもらえることになりました。
(ホエールウオッチングのために設計されたナイアッドは特殊なエンジンを持っているため、水中ではとても静かなボートで、少なくても音の面では罪悪感を抱かずにすみます)



しかし!
今回はポールとヘレナが留守なので、誰かがラボに残らないといけない…
ということでわたしひとりがお留守番をして、みんなを数時間の船の旅に出してあげることになりました。
わたしは何度もナイアッドに乗せてもらってるからね(´;ω;`)
がまんがまん。

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午前11時、ナイアッドはみんなを乗せて、広い海へと向かって進んで行きました。
オルカラボに残されたのはわたしとステラーカケスの咲だけ。



A30sは霧の中北へ、A23sとA25sはジョンストン海峡でうろうろ。
すごく濃かった霧もお昼を過ぎると晴れて来て、午後には素晴らしい天気になりました。
ボートトリップ日和ね。


いつもはにぎやかなオルカラボだけど自分ひとりだったので逆にリラックスできたりもしました。
録音も海の監視もわたしにとっては楽しい仕事で、ちっとも苦痛ではないしね。
しばらく鳴かないだろうなと思ったらヘッドフォンを置いて、スピーカーの音を聴きながらキャンプキッチンでホットチーズサンドを作ってコーヒーをいれて、またラボに戻って。

天気も良かったし、空も目の前のブラックニー・パスも青くて奇麗でした。
ラボの窓越しにわたしの様子をうかがう咲に手を振ったり、ザトウクジラの個体識別をするためにデッキに出たり。

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午後3時、ジョンストン海峡の旅を終えたナイアッドは、アシスタントたちを乗せて帰ってきました。
仕事を離れてオルカやザトウクジラを見られたこと、船の上でのランチ、キャプテン・ビルのレクチャーがみんなはとても楽しかったようで、ひとりラボに残されたわたしは悲しんでないかとっても心配されました。笑
いやいや、わたしもそれなりに楽しかったよ!笑



ジョンストン海峡にいたA23sとA25sはそれきりほとんど鳴かずに夜になりました。



ディナー後「今夜はジュラシック・パークを見よう!」ということになったのだけど、なーんか嫌な予感がとまらなかったわたしは映画タイムのシフトに入っていたバーバラと交代してもらい、ひとりラボに待機。

ほら。
案の定、北のFIの水中マイクからコールが聞こえてきました…。
誰のものともいえないレスティングコールが。


一方、ジョンストン海峡のA23sとA25sはロブソンバイトで魚を捕り始めました。
激しいエコロケーション、そして魚をかじる音!
北の謎グループは午後10時すぎにいったんオルカラボの前まできたものの、1時間かけてまた北へと戻ってゆきました。レスティングコールしか出さないし。
95%わかってるけど…



謎グループは北へ消え…、A23sとA25sは存分に魚をとったあと、東へと進んでいきました。
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8月8日

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日付が変わって8月8日。
東に残されていた最後の群れ、A36sの兄弟。
ラビングビーチのあたりまで戻ってきました。

一方、北のブラックフィッシュ・サウンドに出たA30sとすべてのA5s(A23s、A25s、A8s)はA30sを見送ると、再びオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ戻ったのです。
真っ暗闇のなかでのオルカたちの動きにわたしたちはあたふた!

A30sは北へ、すべてのA5sは東へ進み、午前5時まえにロブソンバイト沖、午前6時まえにラビングビーチに到着してラビング(すべすべの砂利に身体をこすりつけて遊ぶ行動)を楽しみ、さらに東へと進んで水中マイクのエリアから出て行きました。



はてさて、今日からわたしたちアシスタントにとっては恐ろしい日々がスタートすることとなりました。
お留守番です!!
ポールとヘレナが親戚の結婚式のためオルカラボを離れ(大工さんのカートも一緒にアラートベイまで出ることになりました)、わたしたちアシスタントだけで数日間生き延びなければならないのです。
キャー


イッテラッシャイ…。
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わたし以外のリピーターはPちゃんだけのためちょっといやな予感はしていたのですが、ポールもカートもいなくなってオルカラボは突如、女の子だけの楽園になったので、案の定みんな水着に着替えて「寒い!冷たい!」と連呼しながら次々と海に飛び込み始めました(海温は5℃くらいです)。

た、楽しそうで良かった…。
お仕事のたまっているわたくしはこんな日もマップルームに缶詰です…



ポールとヘレナがいなくてもボランティアシェフのクリスはラボに残っているので、わたしたちは女子会のようなディナータイムを過ごしました。
ディナー後にみんなで「映画を見よう!」ということになり、選ばれた映画は「フリー・ウィリー」。


オープニング曲に歓喜して踊るアシスタントたち
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ここに来るアシスタントのほとんどはフリー・ウィリーを見てオルカが好きになったそうで、子どもの頃に何十回もくり返して見たバイブルのようなものなんだそうです。
一方、ちっさいころの夢が阪神の番記者だったわたしは、学生のころたまたま研修旅行でオルカラボに来てからオルカの生態を知り、フリー・ウィリーの主役オルカ「ケイコ(オス)」の存在を知ってから映画を見たもので、みんなのような思い入れがほとんどないのです…。

なのでフリー・ウィリーへの思い入れが強いPちゃんとシフトを変わってあげて、ひとりでラボの前の海を見ていました。オルカたちもいなくて静かな夜だなー。
ザトウクジラたちの呼吸音だけがブラックニー・パスに響いていました。



すっかり暗くなってから空を見上げると、満点の星空。
みんなでデッキに集まってしばらく空を見ていると、1分にひとつくらいの流れ星。
流星群の日が近づいてきているみたいでした。
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8月7日

ゲストふた組が帰る日!
ひと組めは写真家のピーター・トーマスさん一家。
ふた組めはポールとヘレナの親族5人。
9人プラス犬1匹が一度にいなくなるのでオルカラボは急に静かになります。



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午前9時、みんなの荷物をボートにつめこんで…
ちょうど東から戻って来たA30sがオルカラボの前に現れました。
ただし、霧の中。

霧でなんにも見えないので北へ向かってゆくA30sのブローを聞きながらゲストたちとお別れ。
ポールがジューン・コーブ号でゲストたちをテレグラフ・コーブまで送ってゆきました。

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そのあと太陽の光が出て来てうつくしかったです。
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霧が晴れて来たお昼すぎ。
A5ポッドのA23sとA25sは今日もジョンストン海峡をウロウロ。
同じくA5ポッドのA8sはマルコム島のリザードポイントで目撃され、しばらく北のブラックフィッシュ・サウンドで時間を過ごしていたA30sは15時前にオルカラボの前に戻ってきました。

家族全員ひとかたまりとなってジョンストン海峡へと向かってゆくA30sはとても美しかったです。



ディナー前に、CPに派遣されていたエミリーがハンソン島に帰ってきました。
ゲストがいなくなった今日のディナーだけど、わたしたちにとってはスペシャルなイベントがあったのです!!



Pちゃん、お誕生日おめでとうー!!
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みんなからは寄せ書き、わたしからは霧の中を泳ぐA30sの切り絵。
そしてポールとヘレナからはピーター・トーマスさん撮影のオルカの写真ポスターがプレゼントされました。



お誕生日ケーキのデコレーションに使った切り絵は旧アシスタントのヒデさん作。
(四角い型で焼いたチョコレートケーキに切り絵を乗せ、上からふるいで粉砂糖をふりかけて絵をうかびあがらせるスタイルです)

本人がいなくても作品が島で生き続けているのはいいなあと思いました。
でもヒデさん、いつかハンソン島に帰って来てください!



Pちゃんはこれでハンソン島で4回誕生日をむかえたことになります。
ここで祝われるっていいなー
でもさすがにもう誕生日は偽れないしなー。笑



午後10時半。
北から戻って来たA8sはオルカラボの前を通っていったんジョンストン海峡へ入りかけました。
そこにやってきたのがジョンストン海峡を西へ向かっていたA30s、A23s、A25s。
A8sと合流すると、みんな揃ってオルカラボの前を通過して北へと向かいました。
次の日へとつづく…。
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8月6日

午前7時、ハンソン島は雨。

震えながら森のなかのトイレまで歩いてラボに戻ってくると、シフトに入っていたPちゃんが録音を始めていました。
コールが聞こえたのはラビングビーチの水中マイクから。
東から戻って来たオルカたち(A36sの兄弟、A30s一家、A5ポッド…A8s、A23s、A25s)は、ブラックニー・パスの入り口のほうへと進みました。



午前9時30分、霧のブラックニー・パス。
寒いデッキで震えながら、オルカが来るのを待っていたわたくしたち。
たくさんのブロー(オルカたちの呼吸音)が霧の中から聞こえてきました…


ブホッ、ブホブホッ。


霧の中から聞こえるブローってほんとうにミステリアス。



霧で何にも見えなかったけれど、コールを聞く限り北に向かったのはA36sとA30sだけと思われたのですが(A5コールはまだジョンストン海峡から聞こえていたため)どうもA5ポッドのなかからA8sだけ、北に向かう群れを見送りにブラックニー・パスまで出てきていたみたい。
霧が薄くなったほんの一瞬、ジョンストン海峡へ戻って行く4つの背びれが見えました。

A36sとA30sはそのまま北へ。
A8sはジョンストン海峡に戻ってA23s、A25sと合流。
全員揃ったA5ポッドはそのまま1日中ジョンストン海峡を行ったり来たり。



キャンプキッチンでひとりランチを食べ、コーヒーをいれてラボに戻りヘレナに与えられた仕事の続きをしていると、1階につながるハシゴの穴からPちゃんがひょこっと顔を出しました。

「ちょっと降りて来てください♪」

なんだろうと思って1階におりると…
そこには、見知った顔が!!


2011年のアシスタント、エリザベス!!


エリザベスの両親は、実は対岸のホワイトビーチにキャビンを所有していて、一家は毎年ここで夏を過ごしていたのです。すなわちエリザベスはご近所さん。
このあと20人近く乗れる大きなセイルボートで研修の旅に出るらしく、旅立つ前にオルカラボに挨拶をしにきてくれたんだって!
知ってる人はポールとヘレナと大工さんのカートだけのつもりが、わたしもPちゃんもいたのでエリザベスは大喜びでした。
1時間だけのつもりが思い出話と近況報告に花がさき、結局ディナーまで一緒に食べて行きました。笑
会えて良かった!!

別々の国に住んでいてもオルカラボに来ると何年か後にまた会える。
縁もあるのだと思うけど、ありがたいです。


ボートで帰るエリザベスを見送るポールとPちゃん
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縁といえば、新アシスタントのケイトが、自分のルームメイトと写真家のピーター・トーマスさんにFacebookで共通の知人がいるらしいと言って「世界はせますぎて怖いわ!」と言っていました。

だけどやはりだんとつで世界の狭さを感じさせたのは2006年の桃ちゃんでしょう…。
ハンソン島に来たら、森の中から高校(日本)の部活の友達が出て来たんだから。
桃ちゃんはオルカラボアシスタント、部活の友達は森の中の仙人ウォーラスのキャンプに遊びに来ていて、日本ではお互いにハンソン島に関わりある事を知らなかったのです。
どんな奇跡よ。



今日はゲストたちの最後の夜!
ゲストの子どもアンドリューくん12歳、実は明日がお誕生日(13歳)なので、シェフのクリスがバースデーカップケーキを作ってくれました。

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アンドリューくん、照れまくってたけどすごく嬉しそうで、クリスに何度もお礼を言ってました。
この島でむかえる誕生日っていいなぁ…
(実は明日は、Pちゃんの誕生日でもあるのです!!)


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ディナーも終わった午後10時半。
北から戻って来たA30sは、真っ暗闇の中オルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ入りました。
疲れたのか、ぽつりぽつりとレスティングコールを出しながら東へ…
2013-09-17 : オルカ : コメント : 0 :
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8月5日

6時前にまくらもとの水中マイクからのコールで起床。
A30sの家族が東から戻って来たようです。
おそらくウェイントン・パスを通過して北へと向かって行きました。



オルカラボの前に、見慣れない鴨。
(といっても、ここではしのり鴨くらいしか見慣れた鴨はいないんですが)
調べたらBufflehead(ヒメハジロ)というすてきな頭部を持った鴨の若い個体(もしくはメス)でした。
換羽の季節らしく羽を掃除してはプルプル震えて、羽をばたつかせて忙しそう。
なんてかわゆいんだ!!

カナダは広いし、気候やえさ事情によって鳥の旅するルートも少しずつ変わるようで、去年ここで見られた鳥が今年も見られるとは限りません。
数年前にハンソン島に突如現れ、ブザーのような鳴き声でアシスタントたちの注目を集めたRed-Breasted Nuthatch(ムネアカゴジュウカラ)も今年は見当たらなくてがっかりです。
15年ここに通って観察できた鳥の種類は数えきれないけれど、毎年必ず来るのはやっぱり種類が限られています。
感動したのはTurkey Vulture(ヒメコンドル)とBlue grouse(アオライチョウ)かなー
また見たいなー

これは、ハクトウワシの若い個体
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アシスタント仲間のケイトがここでの生活にぴったりの素晴らしいiPhoneアプリを教えてくれました。
「iBird Pro」というもので15カナダドルくらいするのだけど、いろいろな写真も出てくるし鳴き声も調べられてさらにオフラインで使えるのですごく便利なのだそうです(ただし英語!日本には日本の野鳥も網羅したアプリがあるとおもいます)。
いまはネットが使えないので、島を出たらぜったいダウンロードしようと思いました。



鴨に魅入っていたら沖には1頭のザトウクジラ。
おそらくCongerさん。
Congerさんは今年から尾びれが変わってしまい、ザトウクジラのIDブックに乗っているものとは別ものになってしまっているようです。
ザトウクジラは成長にともない尾びれの色と形が変化する事がめずらしくないので、キズなど変わらない特徴を毎年しっかり認識してアップデートしてないと個体識別が困難なときがあります。



北にいたA30sは15時前に水中マイクのエリアに戻ってきました。
オルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ。
昨日とは違ってほんのちょっと急ぎ足。
ジョンストン海峡にいたA5s(A23s、A25s)と出会うと、西へ東へと海峡をすこしウロウロして、23時すぎに水中マイクのエリアから出て東へと向かって行きました。
2013-09-12 : オルカ : コメント : 0 :
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8月4日

今年もラボの中の「監獄」に閉じ込められてひたすら仕事をしているわたくし。
実は去年までのDATテープの聞き直しではなく、今年から別の仕事をしているのです!


それは…単刀直入にいうと「ログブックの読み直し」


ログブックとは、録音している時、何時何分にどこの水中マイクからどういう音が聞こえたかというのを事細かに書き込んで行くノートブックでございます。
そしてわたしの今年のお仕事は、メインの録音以外に、全てのログブック(世界各国のアシスタントの手書き、40年分)を見直して必要なデータを探し出すことです♪
だからもうひたすらDATを聞いてボートノイズで頭痛にならなくてすむよー!!
わーいわーい♪



わーい…
(´ノω;`)
凄まじく長い道のりだ…。



研究に必要なのはまず間違いなく膨大なデータの収集で、40年前には現在のようなテクノロジーなんてなかったからテープもログブックも全てアナログなのです。
現在なら、必要なものを検索したかったらハッシュタグとか使えばすぐ検索にひっかけられるけど、昔はそんなのなかったので1枚ずつページをめくって手書きの文字を根気よく読んで行かねばなりません。
字がきれいな人ばかりというわけでもないし、自分との戦いだなー

でも現在のこのエリアのオルカの鳴き声の分析は間違いなくこういった手書きデータを集めてきたたくさんの研究者の努力の積み重ねによってできているから、わたしもその一部になるためがんばらないといけないのです!

スプリンガーのように、わたしたちでなければ守れない命があるかもしれないからね☆



午後になって「北からオルカたちがやってきている」というレポートが入ってきました。

A5ポッドのA23sとA25sはウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡へ。
A30sともうひと組はブラックニー・パス…つまりオルカラボのほうに向かっているとの事。
わたしたちはぷくぷくに着込んで、冷たい風の吹くデッキでオルカたちを待ちました。


きた。
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A30sは200メートル沖、ハンソン島ぞいに泳いで来たA8sに至っては50メートルほどの距離。
CPだとすぐ目の前で見られるときもあるけれど、海が浅いオルカラボ前としてはこれはかなりの近距離。
待っていたごほうびのようなものでした。
ふたつの群れは潮の流れに逆らって、ゆっくり、ゆっくりとジョンストン海峡へ進んでゆきました。



オルカラボでは今日また新たなお客さんをむかえました。
ポールとヘレナの身内5人と、ロバ(ちっさい犬、めす)。

ロバって名前が日本語でべつの動物をさすことは黙っておこうと思いました。



そして新アシスタントのサンドラ(from フランス)も上陸。
北のセターシアラボでスタッフをした経験があるらしく、クジラやオルカについての知識はすでにもっているとのこと。
今年のチームは人間関係のトラブルもなく素晴らしいから、これから楽しみ!



夜になってI15sもウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡入り…したと思ったんだけど、ちょうどその時北からやってきたのはI15sと同じG-IポッドのI31s!!

I31sはもう少しでオルカラボの前に来そうだったのに方向を変えて北へ戻ってしまい、結果ジョンストン海峡にいたI15sを北へ呼び戻すかたちになってしまいました。

I15sは暗闇の中、オルカラボの前を通過して北のI31sのもとへ。
あまり鳴かないまま水中マイクのエリアから出て北へと消えてしまい、わたしたちは静かな夜を過ごしました。
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8月3日

夜中。
わたしは寝袋のなかでオルカたち(A36s、A5s、I15s)の騒ぐ声を聞きながら、

「近々、A30sが来るのかもなぁ…」

と思っていました。
A36sがA30sのコールをしきりに真似しはじめたからです。



朝になってもオルカたち(A36s、A5s、I15s)は水中マイクのエリアを行ったり来たり。
いちめんの霧であたりは真っ白。
すごく寒いけれど、とても平和なオルカラボの朝。



本日は新たなプロジェクトがありました!
新しい水中カメラをCP前の海に設置したのです。

CP(クレイクロフト・ポイント)はハンソン島のとなりクレイクロフト島にある観測ポイントで、ジョンストン海峡が見渡せます。
小さな小屋を建てて機材を詰め込み、夏はここに1~2人のアシスタントがラボから派遣されています。

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オルカライブでは水中マイクの音声はもちろんのこと、CPの海上カメラの映像と新たに沈めた水中カメラの映像を配信しています。
またオルカラボの前をオルカたちが通過した時は、ラボ前の映像を配信しています。
無料ですし、なんの登録もいりませんので、どうぞオルカライブでカナダの自然を身近に感じてください☆



もうおじいちゃんなのに(70歳をすぎています)このカメラのためにダイビングしたポール…。
へとへとになってラボに帰ってきました。
海も穏やかならいいけれど、CP前の海はかなりの海流があるから戻ってくるまで待ってる方もひやひや!



ところでCPに派遣されていたアシスタントのエミリーは、あろうことかiPhoneをポケットに入れたままカヤックを漕いでいて、横転し海に転落しちゃったらしい…。
もちろん泳げるのですぐ助かったんだけど、iPhoneは助からなかったらしい…。
最悪なことに航空券やら写真やら、全てのデータをiPhoneに保存していたんだって!
バックアップはこまめにとろうと思いました。
そして海の上には持って行かないでおこうと強く思いました。
どんまい、エミリー(´ノω;`)



本日土曜日は料理担当のクリスのデイオフのため、メインハウスでのディナーはなし。
みんなそれぞれにキャンプキッチンで食事をとり、早めに床に。


今日はやたらA25sの方言が聴こえました。
A51が亡くなって、あのコールは使われなくなっていくのかな…と思っていたんだけど、残されたA61とA85の中でまだこのコールは生きているんだな。
なんだか嬉しい。

A36sはいつしか東に消えていて、ジョンストン海峡に残されていたA5sとI15sはウェイントン・パスを通過して北へと向かい、4時過ぎには海は静かになっていました。

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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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