夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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ハリボ(HARIBO)を可愛いくまゼリーにする方法。

今年の夏の日記を少しずつアップしているのですが、やはりリアルタイムでないと面白くないですよね…。
なのでこのあたりでいったん息抜き。
ドイツの文化を学ぶふざけた番外編(?)です!



ハンソン島滞在中、8月終わりくらいのことです。
おやつにハリボ(くまの形をしたドイツのグミ)を食べていたんです。
するとドイツ人アシスタントのアナがこう言ったんです。



「ハリボを水に浸したことある?」



形を保ったまま、ひとまわり大きくなるのだそうです。
なんでもドイツ人の子どもはみんな、この遊びを繰り返して親に叱られながら育つのだとか。

食べもので遊ぶのはよくないよ!と一応思ったものの、わきあがる好奇心に勝てなかったわたくしはその夜さっそくコップにハリボを1匹沈めてみました。


13101001.jpg

なんかもうこの時点で怖いんですが…。
ってか、今まで食べていてハリボに顔があるの知らなかった。


自分の作業場の棚に置いて、これでひと晩待てばいいよね?と思っていたのですが、ちょうどそのタイミングで忙しくなってしまったオルカラボ。
寝る間も惜しんでオルカの鳴き声を録音していたわたしはすっかりハリボのことを忘れてしまい、5日くらい経過しました。
そういえばと思ってコップを見ると…











13101002.jpg
キャアアアアアアアアアアア


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常温で5日はハリボをぶよぶよにするのに十分だったようです…。
弾力もすっかり無くなり、水からすくいあげて上の写真を撮影した直後、お腹からぱっくり割れてバラバラに壊れました。味も水に溶け出してほとんど失われてしまいゲロマズです。
ごめんねハリボさん…(´ノω;`)

ドイツの子どもたち、そりゃこんな遊びを繰り返したら親に怒られるよ…
ちなみにアナ曰く、それ以上水につけたままにしておくと溶けてなくなってしまうそうです。



しかし、日本に帰る飛行機のなかでオレンジジュースを飲んでいたわたくしは思ったのです。
あのハリボさんは水に浸したから味が失われて、長時間放置したから形も壊れてしまったのであって、1〜2日だけジュースに浸したらくまの形を保ったおいしいゼリーになるのではないか?と…。



そこで実験してみました!!



●用意するもの
・ハリボ
・ジュース


つくりかたはハリボをコップに入れてジュースを注ぐだけです。
カナダの島とは違い日本では菌が繁殖しやすそうなので、常温ではなく、ラップをして冷蔵庫に入れ1日待つ事にしました。

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もしかしたら白ワインでも美味しいのではないか?と思い、デザートなのだから甘いワインのほうが良かろうと近くのスーパーにあったアスティを買ってきました。

13101005.jpg


でも注いだ時にビックリするほど泡が出て「溶けた?」と心配になりました!物が沈んでいた事でスパークリングワインの泡がいっせいに出ただけだったんですけど…

13101006.jpg

しばらくしたら泡は落ち着きますのでそれから冷蔵庫に入れれば大丈夫ですが、みなさまが試すときはスパークリングワインじゃないほうがいいかもしれません。笑




1日たちました(1日半くらいだったかも)
まずはオレンジジュースに沈めたほうを出してみました。
ジュースに沈めてあると中の様子が見えないのでどの程度大きくなったかわからなかったのですが、1日でもひとまわり大きくなってる!!
適度な弾力も残っていて、プルプルとしたちょうどいいゼリーの固さです。
スプーンですくっても壊れないしお口のなかで弾けます。


もとの大きさと比較しました。下が1日ジュースに浸してゼリー化したハリボ
13101007.jpg

しかも美味しいー!!
ハリボ自体の甘みもほんのり残しながら、吸ったジュースの味がしっかり反映されています。


ワインのほうは透明ですので大きさが確認できたのですが、スパークリングだったからか、アルコールのせいか、ジュースのものよりもひとまわり小さく見えました。なのでさらにもう1日待ってみてから出しました。

13101008.jpg


ワインゼリーうま!!
オシャレな大人のデザートの味ですね、これ。
パーティとかに使えるかもしれないね☆



たくさん作ってフルーツミックスと一緒に。
とても可愛いデザートになりました。
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簡単に作れますが、しばらく放置するものですし火を通すわけでもありませんので、手洗い・消毒はしっかりとしてジュースなどの賞味期限にも気をつけ、くれぐれも自己責任で楽しんでくださいね☆

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2013-10-11 : 未分類 : コメント : 4 :
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8月28日

午前2時。
コールズオン、FI。
A8sが北から帰ってきました。

午前3時半、彼らはオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ。
東に進んで、午前6時ころロブソンバイトに到着。


明るくなっちゃった。
とりあえず午前2時まで寝かせてくれてありがとう…笑



凍えるような寒さのキャンプキッチンでシリアルを食べ、ラボに戻りました。
ポールが熱いコーヒーを持って来てくれました。
午前8時ころ、東に行っていたA30sも水中マイクのエリアまで戻って来て、コール。ロブソンバイトにいたA8sと合流して西へと進み、ウェイントン・パスの方へ向かいました。

そのころ北から近づいてきたのはA34sとA36s、そしてI15s。
しかしジョンストン海峡まで来たのはI15sだけで、A36sとA34sは北に戻って行ってしまいました。
ウェイントン・パスからジョンストン海峡入りしたA30s、A8s、I15sはCP前でしばらく魚を捕りながらウロウロしておりました。



CPスタッフのマークさんは、遠いけどいちおう撮影範囲内にオルカさんがいらっしゃるのに、近くにいるトドさんたちを映しまくっていらっしゃいました。笑
わたしたちはラボでCPカメラの映像を見守りながら「オルカを撮って!」と叫びまくっていました。笑
(※カメラの映像もオルカの進む方向を判断する材料になっています)



A30sのA38さんは、どうもI15sの次女一家I27sにお気に入りの女子がいらっしゃるようで、ここ最近、家族からほんのちょっとだけ離れてI27sにくっついています。
家族が同じエリアにいる間ならそれですむのですが、別の方向に行ってしまうと、悲鳴をあげてあわてて家族のもとへ戻っています。笑

弟のA39はよく単独行動をして迷子になったりしてたけど、兄のA38はいつもいつもお母さんの隣を泳いでいたから、お母さんが亡くなってA38はどうなるだろうとわたしたちは心配していたんです。
だけどお母さんがいなくてもA30sはバラバラになることなく兄A38と弟A39、上の妹家族A50sと下の妹家族A54sで仲良く一緒に泳いでいます。

そして兄のA38はずっと寄り添っていたお母さんがいないぶん、ほんのちょっとだけ自由になったみたいです。

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午後6時過ぎA30sとA8s、そしてI15sはオルカラボの前を通過していったん北へ。
そのまま左廻りにぐるっとハンソン島のまわりを一周しウェイントン・パスからジョンストン海峡入りし、午後9時半コールズオン、CRPT。
東へと進んで行きました。
2013-10-07 : オルカ : コメント : 0 :
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8月27日

午前6時前、1階にとびおりてレコーディングスタート。
昨夜北に抜けたA5ポッドたちがウェイントン・パスからジョンストン海峡入りしたようでした。
A1ポッドの鳴き声も聞こえたのでみんなは「A30sだろう」と思っていたみたいなんだけど、わたしは「そうだよ」とは言えずにひとり心臓をバクバク言わせておりました!!



鳴き声が大きくなって来て確定。
わたしの最も愛する群れ、A34s。
おかえりなさーい!!


なんとかポールとヘレナが帰ってくるまで残っていて…と思ったんだけど、今回もA34sの滞在はほんの数時間でした。前回より少し奥のロブソンバイトの近くまで行ったものの、方向を変えてお昼過ぎにはウェイントン・パスから北へと抜けてしまいました。あーあ…。



ここ数年ジョンストン海峡に集うオルカたちの顔ぶれはがくっと減ってしまって、その原因は餌となるサーモンの急激な減少であろうと言われています。
オルカたちが主食としているのはシヌーク(キング)サーモンなのですが、シヌークがほぼいなくなったジョンストン海峡よりもまともなえさ場を他に見つけたのではないか?という見方が有力です。

ジョンストン海峡に今も毎日いるオルカたちはいったい何を食べているんだろう。

野生のサーモンは世界的に数が激減しています。
ジョンストン海峡では、同じエリアで養殖されているサーモンのいけすで大量発生した寄生虫が野生のサーモンの稚魚に寄生し、成長する前に死んでしまう例がみられると研究者たちは指摘しています。



オルカたちが減ったぶん、なぜかザトウクジラの数が戻って来たブラックニー・パス。
オルカラボの前で舞ってくれたのはKC(Kelp Creture)、人呼んでケルピーさん。

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午後になってようやくポールとヘレナ(カートも)が帰ってきました。
待ちきれずに海岸に駆けつけてバンザイで迎え入れるわたしたち。
なんとか生きのびましたよー!!

帰って来たばかりだから本日はディナーはないものだと思っていたんだけど、クリスがいたおかげでずっと料理をしていなかったヘレナは、パンを焼き、巨大なベジタブルパイをふたつ焼き、ブラウンライスとガーデンサラダでわたしたちのお腹を完全に満たしてくれました!!

ううう、ありがとうヘレナ(´ノω;`)
クリスのディナーも素晴らしくてヘルシーだったけど、やはりこのどうしようもないような満腹感を味わってこそのオルカラボですよ…


昨夜からずっと文章を書き続けていたバーバラのトランジェント記事が仕上がりました。
オルカラボのリレーブログ(http://orcalab.org/2013/09/02/barbaras-blog/)に投稿されています。
ただしスペイン語!わたしも読みたいんですけどー!!笑
2013-10-07 : オルカ : コメント : 0 :
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8月26日

ポールとヘレナがアラートベイに出かけているため、アシスタント6人でお留守番をしながら迎えた朝。


オルカライブの情報アップデートをしようと試みたところ、インターネットが落ちていることが判明しました。
わたしたちアシスタントはインターネットの個人使用はできないから、使えなくったって不都合はないんだけど、ネットが通じてないということはオルカライブの音声も落ちているということ。

それはさすがにまずいのでメーガンが電話でポールとヘレナに連絡し、こうなったときはいつもどうしているか対処方法を聞いて試してみたもののなおりませんでした。
いろいろ試したいけど、オルカラボ周辺はインターネット関連だけでも複雑にからみあったケーブルが多すぎて、どれが重要なものかもわからず勝手に触るのはコワイ…とおどおどするメーガンとわたくし。


そこにさっそうと現れた我らがPちゃん。
「どうせ使えないのでやってみるしかないです」
とメインのLANの電源を10秒抜き、全ては元通りになりました。

今年も圧倒的に肝が座っております!!笑



午前中はI15sが東から戻って来ただけだったので、比較的穏やかに過ごせました。
しかしお天気は悪く、波がたってきたと思ったらいつのまにか暴風雨…
そしてとうとうポールとヘレナからの電話で
「波が高くて危ないから、帰るのは明日にするよ」
との連絡が。ああ、やっぱり…(´ノω;`)



西へ進んでウェイントン・パスから北へ抜けたI15sは、ハンソン島のまわりを時計回りにぐるりとまわってオルカラボの前に登場しました。

しかし暴風 & 高波のブラックニー・パス。
固まって泳いでくれていたらまだ良かったものの、各自の間に距離をおいてロングダイブを繰り返しながら泳ぐI15sの個体識別をするのは非常に困難でした。
どうカウントしても10頭ほどにしかならないため「おそらく長女一家のI16sを見逃したのだろう」と自分たちに言い聞かせ、ジョンストン海峡に向かうI15sを見送りました。
(I15sの母親I15さんはもう亡くなっていますが、現在も長女一家のI16s、次女一家I27s、三女一家I4s、四女一家のI65sが、4家族あわせて「I15s」として一緒に泳いでいます)
そしてこのあたりからわたしたちは「なんでこんな日にポールとヘレナがいないんだろう」と冷や汗を流し続けることになるのです!



そのころジョンストン海峡には300~400頭のカマイルカ。
おしゃべりなカマイルカたちのおかげでジョンストン海峡入りしたI15sたちの鳴き声は聞こえません(オルカたちはボートノイズや他の音で海がうるさいと、鳴いてもお互いの声が聞こえにくいため黙ることがよくあります。クラブやパチンコ屋さんなど音が大きい場所であんまり会話ができないようなものでしょうか)

しかしラビングビーチの水中マイクから、東から戻って来たA5ポッドたちのコールが聞こえてきました。
そして先ほどジョンストン海峡入りしたばかりのはずのI15sのコールも聞こえてきました!!


一瞬「えっ?」と思ったものの、わたしたちが目撃したI15sの数が足りなかったことを思い出して納得しました。やっぱりオルカラボ前を通過した中に長女一家のI16sはいなかったのです。
かなり先行していてわたしたちが見逃してしまったか、ほかの3姉妹の家族がハンソン島を一周するなかジョンストン海峡に留まったかのどちらかでしょう。
波が荒いせいでジョンストン海峡の観測ポイントからは有力な目撃情報も入らず、わたしたちは自分たちの聴いたものを信じることにしました。
ちゃんと証拠は録音されてテープに残ってるからね!笑



A5sとI16sはロブソンバイトまで進んで来て、水中マイクのそばで大きな声をあげました。
ただひとりのネイティブ英語スピーカーであるメーガンは観測ポイントとの無線連絡やオルカライブの情報更新に走り回り、ラボ担当のわたしは水中マイクの音声からオルカたちの動きを追って、ログブックに聞こえたものを詳しく書き込んでいました。

本来シフトについているバーバラ(状況がややこしくなってきたのでわたしにヘッドフォンを譲っていました)は、わたしの隣に座り録音の仕方をじっくり見て学んでいるようでしたが、ふと窓の向こうの遠い水しぶきを見て「あれは何?」と言って双眼鏡を手に取ったかと思うと、次の瞬間叫び声をあげました。


「お、お、オルカー!!」



そしてこう叫びながら、すごい勢いでデッキに飛び出していきました。
「トランジェントー!!」



録音していたわたしと、オルカライブコメントを書き込もうとしていたメーガンは、何が起こったのかわからずポカーン。
わたしたちとはケタ違いにトランジェントに強い憧れを抱く新人アシスタントのバーバラ。
ポールとヘレナがいないストレスが大きすぎて、いよいよ幻覚を見…と思ったりもしたのですが。笑


後にバーバラに聞いたんです。
「なんで、あんなに遠かったのにあの一瞬で(ほんと1秒もかかってなかったのです)トランジェントってわかったの? 」

バーバラはこう言いました。
「頭がおかしくなったと思われても仕方ないけど、あんなに遠くても最初からトランジェントだって知ってたみたいに、ひとめで確信したの。でも今思い返すと確かに、どうしてあの一瞬でトランジェントだってわかったのかわからない。笑」



全員がデッキに出て、スコープで確認。
しばらく観察してようやくわたしたちにも状況が飲み込めました。
トランジェント・オルカたちの狩り!!


6頭のオルカたちは向こう岸沿いで行ったり来たりしているようでした。
遠かったけれど、たくさんの水しぶき。
トランジェントオルカたちがほ乳類を狩る姿は、たとえオルカラボ前であってもめったに見られるものではありません。
こんなスペシャルな瞬間を見逃させてはいけないと、全てのアシスタントたちをデッキに出して、わたしはラボ内でオルカライブの海上監視カメラの操作をすることにしました。
パソコンで最大限にズームインして、ようやく彼らの姿を捉えました。




トランジェントー!と叫んでデッキに出た後、バーバラがスコープで見たのは、何かを水中に押し込むように折り重なるオルカたちの姿と、ひょこっとあがったトドの後ろ足だったそうです。
他のアシスタントたちがかけつけた時にはもう獲物の姿は水中に押し込まれていて見えなかったのですが、そこから1時間半奮闘する彼らの姿を観察することができました。
トドを狩るのには時間がかかるのです。


わたしはトランジェントがイシイルカを狩るところは見たことがありました。
イシイルカは獲物としては弱い方で、狩りはすぐに終わります。
しかしトドはタフで力も強く、イシイルカ狩りのように空中にトスすれば着地したあと泳いで逃げてしまうので、水中に沈めて溺れさせるのがトランジェントのやり方。
「トドを狩るには1~2時間かることもある」ってヘレナに聞いてはいたけれど、実際に見てこんなに時間がかかるのかと驚きました。
1歳くらいの小さな子どもまでもが大人に交じって奮闘していることにも驚きました。
レジデントの背中はのっぺりしているけれど、トランジェントの背中は丸く盛り上がっていて筋肉が感じられます。そりゃいつもこんな狩りしてたらあんな体型になるわ…



7時をまわってあたりは徐々に暗くなりました。
後半、遠さと暗さに個体識別写真をあきらめたPちゃんがオルカライブ中継用の監視カメラ操作を交代してくれたので、わたしはデッキに出てスコープをのぞきました。
そのときです。


狩りをするトランジェントの群れにまっすぐ突っ込んでいったのは、大きなふたつの影…


2頭のザトウクジラ!!
えっ、えっ?どういうこと?



狩りをするトランジェントの群れに突っ込んで行ったザトウクジラたちの呼吸音は、強いストレスを感じた時に発するトランペットブロー(ヒュオオオオッ、とジュラシックパークを彷彿させるような音)に変わりました。
2頭のザトウクジラは狩りのまっただ中に入ると、尾びれでパアアアアンと水面を叩きました。
トランジェントたちは狩りをやめず、少し場所をずらしました。

わたしたちはびっくりしてスコープでなりゆきを見守っていましたが、しばらくのち、2頭のザトウクジラはあきらめたのか、その場を離れていきました。



そういや、ヘレナに聞いたことがありました。
ザトウクジラがトランジェントの狩りを邪魔するような行動を見たのは1回や2回ではないそうです。
Pちゃんも似たような話をテレビで見たことがあったそうです。
もちろんその場に出くわしたザトウクジラの個性にもよるだろうし、毎回邪魔をしにいくわけでもないのだろうけれど、どうもザトウクジラの多くがトランジェントの狩りを嫌がる傾向にあるみたいです。

だけど今回はかけつけるのが遅かったのかも。
狩りが始まってから1時間はたっていたから、おそらくトドはもう食べ始められていたのかもしれません。

ザトウクジラたちが去ってしばらくしてから食事を終えたらしいトランジェントたちは群れで固まって、長い間水面でリラックスしているような行動を見せました。
そして何度かジョンストン海峡のほうへ向かおうとする様子を見せたのですが、方向を変えてもとの位置に戻るという行動を繰り返しました。
なにをやっているんだ…
(わたしたちは気づいていなかったのですが、このときトランジェントたちが向かおうとしていた方向に、レジデントたちがやってきていたのです)


あたりは徐々に暗く寒くなり、「このままこの群れはずっとここに留まるのではないだろうか、ディナー食べそこねちゃう」とわたしたちが不安になりだした(ん?なんの心配をしているんでしょう?笑)そのときです。

ジョンストン海峡にいたI15sが、トランジェントたちがいるすぐそば、ブラックニー・パスの入り口で鳴いたのは!!


PIの水中マイクからかすかに、I15sのコールが聞こえました(こっちよんコールでは、ありませんでしたが…)。
するとトランジェントも鳴いたのです。ハッキリと、「ファァァァオウ」と。


そこに現れI15sに加勢したのが、またレジデントのA5sです!
カン高い大きな鳴き声が、PIの水中マイクのエリアに響き渡りました…。

同じエリアの水中マイクからほぼ同時にレジデントとトランジェントのコールが聞こえるなんて!!
ヽ(゚Д゚)ノ


レジデントたちの鳴き声を聞いたトランジェントは、北へと動き出しました。
やっぱりトランジェントたちは、ジョンストン海峡に入りたかったのかもしれません。
そこでレジデントたちが「こっち来るな」って、自分たちの存在を主張したのかな。

レジデントとトランジェントが同じ海域で遭遇すると、ほとんどの場合トランジェントはレジデントに道をゆずり、声の届かないところに姿を消すのです。



午後9時、北へ向かうトランジェントたちの姿は暗闇の中に消えました。
オルカラボ前は引き続き暴風でブローを数えることもままならず、トランジェントたちの行方はわからなくなりました。
ラボで録音していたわたしとバーバラはそこでようやく他のみんなが用意してくれたスパゲティを食べたのですが、すでに伸びて冷めきっていました。



一方、トランジェントたちを追い払ったレジデントのA5sとI15sは西へと進み、ウェイントン・パスを通過して北へと抜けました。
「どうしてポールとヘレナがいないとこんなレアなことばかり起こるのだろう」とわたしたちは頭を悩ませながら嵐の夜を過ごしたのでした。
2013-10-07 : オルカ : コメント : 0 :
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8月25日

それは、前日のディナー前のことでした。
デッキに集まってしゃべっていたわたしたちの目に入ったのは、遠くに浮いている流木に乗った1羽のカモメ。


13082501.jpg



「…!!」
ヘレナが息をのんでスコープにつきます…
「ワシカモメなのは間違いないし、頭の大きさやかたち、尾羽のカラー、ともに合っているわ」

わたしもそわそわしながら言いました。
「見た目は完ぺき、だけどあの岩に乗ってあの行動をしないと…」


そのカモメは流木に乗ったままオルカラボの方に流れてきました。
はじめはスコープで見ていたわたしたちも、どんどん流木がこちらに近づいて来たため、スコープを離れ裸眼で様子を見守りました。
ほかのアシスタントたちもカメラを持ってデッキにつめかけ、いっせいにシャッターを切りました。
そのカモメはシャッター音にも身じろぎせず、たくさんの人間に見られていることにもさほど反応なし…


流木が潮に乗って「あの岩」まで流れて行くのを見て、わたしは現実なのか夢なのかわけがわからなくなってしまいました。
「はやく、はやくあの岩に!!」


流木は「あの岩」の真正面のケルプに引っかかって止まりました。
首を何度か傾けてケルプの森を確認したそのカモメは、大きく羽を広げて空へと飛び立ってしまいました…。



「あの岩」にも乗らなかったし、「あの行動」もしなかったけれど、一連の出来事を観察していたわたしたちは思いました…。
自らの力で飛んでくることも泳いでくることもなく、流木に乗って流れて登場するなんて…




とってもエレガント!!





そして今朝、ヘレナがわたしを呼びに来ました。
「あの子よ」


「あの岩」…すなわち彼女の岩でウニを食しているのは、かもめのうにちゃん。
その足もとにはすでにふたつのウニ殻が転がっていました。
この岩をテリトリーとし、メインの食事がウニという、オルカラボでたった1羽の定住ワシカモメです。

ってか先に番外編載せちゃったから元気なのはバレバレでしたよねえw
帰ってくるまではほんとうに心配したんだけど。
うにちゃん、今年もお帰りなさい!!


13082502.jpg



そんなうにちゃんのいるオルカラボの前を通過したのは200頭のカマイルカ。
しばらくブラックニー・パスをうろうろして、再びジョンストン海峡へと消えて行きました。
水中マイクではオルカの声よりもにぎやかにイルカの声が聞こえていました。



帰ってくるものもいれば、旅立つものもいるわけで。
わたしたちは洗濯物やごみなどタウンランの荷物をまとめ、ハンソン島を出る3人の荷物と共にジューン・コーブ号につめこみました。
そして時間が来るまでみんなで何回も写真を撮りました。
今年の合い言葉「ストロング・ウーマン!」とシャウトしながら。

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午後4時半、ケイト、アリー、クリスを乗せたジューン・コーブ号は、アラートベイへと旅だっていきました。



わたしの恐れていた時間が始まりました。
実は今回のタウンランには、ヘレナも同行していたのです。
つまりアシスタントを3人失うと同時にポールとヘレナもラボを留守にするわけで、再び恐怖のお留守番の時間となったのです!!

えっと、前回は何がありましたっけ?
レジデントとトランジェントのオルカが同時に目の前に現れたり、ヘレナが待ち望んでいたA34sが来たものの数時間でいなくなったりとか、そんなことがありましたね…。



クリスがいなくなったため、もちろんディナーは各自で。
オルカがいないから映画を見ようということになり、「ブリジットジョーンズの日記」が選ばれたようですが、不安にかられて仕方ないわたしは早めに食事をとり、何も起こりませんようにと祈りながらラボでひとりヘッドフォンをつけてプルプル震えておりました。



オルカは戻ってきませんでした。
わたしたちはカマイルカの声を聞きながら夜を過ごしました。
2013-10-07 : オルカ : コメント : 0 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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