夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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8月24日

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ジューン・コーブ号に足が生えました。
波が荒くなりそうな日、嵐の予報が出ている日などは満潮時にジューン・コーブを海岸まで避難させて足を生やして傾かないようにバランスをとっています。
新しいエンジンはひとまわり小さくてピカピカ!!


今日も1日バタバタしていました。
なにせアシスタントが2人しかいないうえに今年はオルカたちがいつもよりブラックニー・パスを使い、1日何回もラボ前を通るのです。

ヘレナが気を使って「ランチだけでもゆっくり食べなさい」とわたしとPちゃんをラボから追い出しましたが、やっぱり日本人のわたしたちは帰ったアシスタントたちが残していったカビの生えたパン、半分使ったジャム、腐りかけた野菜、わずかに残ったバターなどわけのわからないものを全部ゴミ箱にぶち込んで、食料庫(電気の通っていない冷蔵庫)の中をシンプルグリーンで奇麗に磨き上げてしばらく乾かし、自分たちの食料をつめなおしてようやくひと安心。
ずっと食料庫を奇麗にしたかったけど時間がなかったんですよね…。
みんな汚い食料庫でも平気な顔してるし、帰国する時も何も言わずに残していくし。
でも今年はアシスタント同士による食べ物の盗難がなかったのでそれだけでも幸せです!!笑



最近、バンクーバー水族館所属の研究者ランスさんが乗ったボートがジョンストン海峡をうろうろしています。
ラジコンカメラ(陸から見るとちっさいUFOみたいに見えます!上空を飛ぶだけだからオルカの進路などの妨害にはほとんどならないしとてもカッコイイ)をオルカの上に飛ばして全身画像を撮影するのだそうで、オルカの体長を調べることができるしサドルパッチの両側のクリアな画像も得られるのです。
さらに妊娠していることだとか、痩せていたりなどの健康状態までわかるのだそうです!!


そして「全身画像によるとA30sは全頭とても健康そうに見える」ということです。
永遠に食べるのかってくらい食べ続けているもんね…笑


A37もA39も姿を消してさみしいけれど、新しく出会える命もあるのです。
今年、A30sのA72(Bend)に赤ちゃんが生まれました。

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2014-08-31 : オルカ : コメント : 0 :
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8月23日

午前2時23分、ラビングビーチの水中マイクからI15sのコールが聞こえてきました。
こっちよ〜〜〜〜ん。
おはようございます。


明るくなってからは全てのA5ポッド(A23sとA25s、そしてA42s)と、A42sと一緒にいるA46も東から戻ってきました。


A42s(旧A8s)は過去に親を亡くしたA51とA61(当時のA25s)姉弟を受け入れ、数年間の間一緒に泳いでいたことがあります。
姉のA51に子どもができてA25sはいったん独立したのですが、2011年にA51はと2頭目の赤ちゃんと共に行方不明になってしまいました。
残された弟のA61とその甥っ子のA85(現在のA25s)はまた紆余曲折あって、現在はA23sと一緒に泳いでいます。



午後になってA30sも東から水中マイクのエリアに戻ってきました。
そのころビッグス・トランジェントのが小さな島々の間をすり抜けてオルカラボの方へ向かっているとの情報が。

対岸ぞいを泳いでおり、潜水時間は長いしすぐに方向を変えるしでスコープで追うのは難しかったけど、オスの背びれにくっきりとニック(切れ込み傷)があるのが見えました。
まるで若いころのA60そっくりのそのニックを持つオスが所属する家族はT60s。
なんという偶然。


T60sはジョンストン海峡に入ると少し西へと進み、方向を変えて東へ進み始めました。
その間レジデントたち(A30s、A23sとA25s、A42とA46)はロブソンバイト沖からラビングビーチにかけてうろうろしていました。
レジデントたちがいっぱいいてそのまま東へ進みにくいことがわかると、T60sはまた方向を変えて西へと戻り、オルカラボの前に戻って来ました。


CPから「そっちへ向かっていきました」との報告を受けてラボのデッキで準備していたわたしたちは、思わぬ光景を目にすることになるのです!!




ビッグス・トランジェントのハンティング!!
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うひゃーーーー
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やっぱりトランジェントはフォトジェニックなんですよね…。
これだからテレビや映画でも画になるトランジェントの姿ばかり報じるんですよね!笑
普段のんびり泳いでいたり、家族にちょっと置いていかれただけでパニックに陥ったりするちょっと情けないレジデントは映像では完全に負けてしまいます。笑
食べ物も鮭なんて地味だし。



ビッグス・トランジェントの狩りの相手はイシイルカのようでした。
私はカメラを回していたのですが、カメラのスクリーンでも数頭のイシイルカが逃げまわって泳いでいるのが確認できました。
狩りはしばらくの間続きました。
幼児を含む5頭のビッグスがお腹いっぱいになるためにはいったい何頭のイシイルカが必要なんだろう…。
ちなみに幼児(2歳)もしっかりと狩りに参加していました。

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普段はレジデントばかりだから、オルカにイシイルカやカマイルカがまとわりついている(鮭のかけらを盗むため)姿しか見ていない私たちにとっては、とても珍しい光景でした。

イシイルカやトドが目の前で仲間が狩られるときどう感じるかは私たちにはわかりません。
PちゃんによるとCPでトランジェントが現れたとき、パニックに陥ったイシイルカたちがCPのプラットホームの真下に逃げて来て(おそらく群れの中の1頭が狩られたのではないかとPちゃんは言っていました)全員でお互いの体をこすりあうようにぐるぐる回っていたそうです。


彼らはいつどこでトランジェントが現れて目の前で家族を失うかもわからない状態のなかで生きているわけです!
突然家族を失ってもショックを受けている暇なんてなく、自分が生き延びるのが精一杯だと思います。
それを思ったらトップ・プレデターのオルカはほとんどの場合病気や老衰で家族を失うわけで、心の準備ができるだけマシなのかなあとも思いました…。



A46の状態はだいたい落ち着いていました。コールも普段の感じに戻っていました。
でもふとした瞬間にまたパニックに陥り、くり返しくり返し同じコールを出すことがあってわたしとヘレナは何度か顔を見合わせました。


興奮した様子で同じコールをくり返すA46。
すると、近くでしばらく黙っていたA42sの中の1頭が「N17」というコールをひとつ出しました。


N17はA42s…旧A8sの家族コール。
家族コール、すなわちその家族の方言は、視界が悪い海の中で「自分はここにいる」と家族や他のオルカたちに示すためのコールであると考えられています。


兄のA37はもう弟A46のそばにはいなかったけど、仲間のA42sがまるで

「We are here.」

と言っているみたいに聞こえました。
2014-08-29 : オルカ : コメント : 0 :
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8月22日

午前0時45分。
コールで目覚めた気がしたわたしはラボの中に入ってヘッドホンをつけたのですが…ボートノイズしか聞こえない…。

あきらめて寝袋に戻ろうとした午前1時19分、ようやくまともなコールが聞こえてきました。
A30s、I15s、そしてA36sがウェイントン・パスからジョンストン海峡入りしたみたいでした。


corearea_map.jpg
 ↑
 北
西 東
 南
 


想像つかない方もいらっしゃると思いますのでかんたんな地図をつくりました。
語尾のアルファベットはわたしたちがよく使っている略語です。
ハンソン島はタテ3キロ横8キロくらいです。夏はこのハンソン島周辺の2、30キロの範囲内でオルカたちが頻繁にうろうろするため「コア・エリア」と呼ばれています。


そんなわけでオルカたちはウェイントン・パスからジョンストン海峡入り。
そのまま東に向かうかと思ったらI15sがブラックニー・パスに入ろうとしてきたのです。


A30sとI15sは入り乱れてブラックニーの入口からブラックニー・パスにかけて広がっていました。
彼らから少し遅れてかすかな声が聞こえてきました。
A36兄弟の弟、A46でした。


どうも様子がおかしい。
A46はくり返し同じコールを出しました。
まずN2。何度も何度も短く、くり返しました。

そしてDownsweeps。
このコールはレジデントのオルカがイルカたちに囲まれたとき(鮭の食べかすを奪いに来る)や自分の進んでいる方向と逆に家族が進み始めたときなどにAポッドのオスオルカたちが出すことが多く、オルカにとって状況がよくないと思われるときによく聞かれるコール。
(わたしは「不機嫌」と呼んでます)

何度も何度もこれをくり返しました。
今までに聞いたことがないくらい、短くくり返しました。



最後にくり返したのがN9シャープ、A36sの家族コール。



オルカたちにはひと家族12〜15くらいのコールがあって、通常時はひとつのコールを必死に繰り返すことは少ないんです。ただ、オスオルカが魚を捕っていて、気づいたら家族が遠くに行っていた…そういうときに家族コールをくり返しながら慌てて家族の後を追う姿はたまに見られます。 



A46は1頭でいる。
そして強烈なストレスを抱えている。
たったひとりの家族を呼んでいる。


あんまり野生動物に勝手な人間の感情をかぶせるべきではないと思うけど、16年オルカのコールを聞き続けているわたしの耳は、この動物の異常を聞き取れるだけの経験があったみたいでした。


A30sとI15sは大きな声をあげながらオルカラボの前を通過し始めました。
ジョンストン海峡にいたA46の声はいったん途切れました。
A30sの中の1頭がすさまじく興奮した声をあげて、いちばん長くジョンストン海峡に残っていました。
わたしはこの声の主がオスのA38ではないかと思いました。
A38は今シーズン、弟のA39を亡くしています。


A30sとI15sはオルカラボの前を通過して北へと向かいました。
A30sとI15sの全頭が北へ消えていってしまってから、1頭のブローが凄いスピードで北へ進んでいくのが聞こえました。そしてA46の強い鳴き声が北から聞こえました。


わたしは午前4時すぎまでひとりで録音を続けました。
4時すぎにヘレナがラボにやってきて「私がやるからもう寝なさい」と言ってくれたので寝袋に入りましたがろくに眠れませんでした。







3時間後、北のFIの水中マイクからA36sコールが聞こえて来てオルカがラボの前に現れました。
A46、たった1頭。



わたしは夜中のコールで心の準備ができていたからなんとか目の前の状況を受け入れることができたけど、実際にA46が1頭でいるのを見たポールとヘレナ、そしてPちゃんのショックは相当なものでした。
「A37はどこ?」といっていつまでも探していました。


A37は今シーズンの最初にもしばらく行方不明になったことがあって、2002年にも1ヶ月以上行方不明になってひょっこり帰って来た過去があるから希望を捨てたくない気持ちもわかります。
文字情報だけだったらきっとわたしもそう思ってたかもしれない。



あっ、と思ってわたしはPちゃん(わたしより1ヶ月先にハンソン島入りした)に聞きました。

わたし「A37は今シーズン始めにもいなかったんでしょ?その時はA46は完全ひとりぼっち?それとも誰かと一緒に泳いでたの?」

Pちゃん「A5ポッドのA42sと一緒でしたよ」

わたし「!!」



A46はオルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ入りました。
そのときジョンストン海峡の東からは、実に1週間もの間遠い東に行っていたA42sがコア・エリアに戻って来ようとしていたのです!!




午後12時ころ、A42sはラビングビーチ沖。
A46と合流!!


オルカというのはほんとうに不思議な動物です。
A46はA1ポッド、A42sはA5ポッドに属するわけだからここに親族関係はありません。
しかも同じA1ポッドであるA30sや、しばらくの時間を共に過ごした「ばあちゃん」の娘家族の34sでなく、全頭が若いA5ポッドのA42sになんで心のよりどころを求めるんだろう?
オルカになってみないとわからないけど、おそらくそれぞれの性格と相性の問題なのでしょう。


A30sとI15sはウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡を西へと進み、ラビングビーチ沖でA46/A42sとすれ違いました。
ブラックニー・パスの入口まで来ると、A46はオルカラボの前を通過して、A42sは西へと進んで、北からやってきたA23s/A25sと合流。
今度は全頭ウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡へ戻り、東へと進んでゆきました。
2014-08-28 : オルカ : コメント : 1 :
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8月21日

この日から翌日にかけてのことはきっと一生忘れないでしょう。



わたしが生まれて初めて見たオルカはA36sでした。
水族館で見たこともなく、オルカのことをほとんど知らないままジョンストン海峡にきたので、彼らが本当に生まれて初めてのオルカでした。


そして彼らのコールを聞いたことがオルカラボで働くきっかけでした。
だからわたしにとってA36sの3兄弟は特別でした。
誰にとっても特別な3兄弟だったと思います。





今日も相変わらずA30sは夜通し鳴き続け、わたしとPちゃんとヘレナは夜を3分割してオールナイトで録音しました!
他の仕事もあるから早朝起きなきゃいけないヘレナがここ最近はだいたい午前1時くらいまでやってくれて、わたしが1時〜4時、Pちゃんが4時〜7時、そのあとまたヘレナかポールか…って感じで。
ここ数年のジョンストン海峡を訪れるオルカの群れの減少がまるでうそみたいに(しかもほとんどのアシスタントが島を出てから!)いつもの夏みたいに忙しくなったけれど、アシスタント2人でもやってできないことはないんだなあと思いました。でもずっとオルカが鳴いてるのに自分のシフト前後にきっちり寝られるわけもないから、さすがに毎晩はきつい…笑


朝から18日の録音(わたしたちがCPに行っていてヘレナがひとりで全ての録音をした日!)のレビューをして、ゲストのクリスティーンさんを見送り、A30sがCP前にきて監視カメラ(テスト運用中)の遠隔操作をしたり、DsやI11sのI12sが東から戻って来たり。
ばたばたと1日を過ごしていました。


夕方、ポールから「オルカラボ前にいるアカエリヒレアシシギたちの写真を撮ってほしい。僕たち4人で撮ったうちいちばん素晴らしい写真を2015オルカラボカレンダーに採用する」と通達があったので、わたしとPちゃんはレコーディングを交代しながらラボ前の岩でちっさい鳥たちの写真を撮っていました。


小さくていっぱいいてとても可愛い
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わたしが使っているカメラは知人から譲り受けたD100。
とても古いカメラだから動きが細かい鳥を高画質でくっきり写すのはかなり難しく(iPhone5Sのカメラのほうが奇麗かもしれません…笑)、限られた時間の中で鳥たちが思うような構図に収まってくれるはずもなく。

「この写真コンテスト(?)に勝つのはまあ無理でしょう」と思ってラボに戻ろうとしたそのとき、ひとつの影がちっさい鳥たちの中に突っ込んでいったのです!!




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ハヤブサ!!!!


ハヤブサ(コチョウゲンボウ…でいいのかな?)さんはすごいスピードで空を旋回して2回シギの群れに突っ込んだあと、ギッとわたしを睨みつけました。



「邪魔すんなボケ」



って言われたような気がして瞬時に震え上がったわたくし!
ハヤブサさんはシギ捕りをあきらめ、また凄いスビードでクリフの木々の中へ突っ込みました。その瞬間カワセミのけたたましい声がして北に飛んで逃げてゆくのが見えました。

ハヤブサさん、バードイーターなのか…(怖)



そんなこんなでラボに戻ったらヘレナがわたしたちにひとつのニュースを伝えに来ました。
「ウオッチングボートのナイアッドによると、ポートハーディ近くでI15sのI103が魚網にかかったそうよ。すぐに魚網が切られて救出されたらしいけど各地でその後を見守ってほしいって」


Facebookのマッケイ・ホエールウォッチングページに詳細が書いてありますので貼ります!リンクしてありますのでここから本文に飛べます。写真&文は船長ビルの娘ニコールだと思います



(ものすごくざっくりですが訳しました)
「I15sの若いI103がポートハーディ近くで魚網にかかりました。私たち(ウオッチングボートのナイアッド・エクスプローラ)はアシストするために近くで見守りました。若いオルカは網に絡まり12分もの間水中から出てきませんでした。4分後I15sの母親たちI4やI65、そしてその子どもたちも網に絡まったオルカのそばにいるため全員水中に潜りました。漁師さんは状況を察し、網を引っぱってI103を水中から引き上げました。尾びれに網が絡まっており、その他の箇所はおそらく水中に潜った家族たちによって裂かれていました。漁師さんは尾びれに絡まった網を切り、自由になった瞬間I103は家族のもとにまっすぐ泳いでゆきました。彼らはマルコム島のほうへ泳いでゆき、研究者のボートがその後を見守ってくれました。とてもレアな出来事でした。私はI103が家族のもとへ泳いでゆくのが嬉しかったですが個人的にもう二度と目撃したくない出来事だとも思いました。迷わず網を切り小さなオルカの命を救ってくれた漁師さんに強く感謝いたします。」


地元紙で報道された記事はこちら
VANCOUVER SUN



A30sとDs、I12sはジョンストン海峡を西へと進み、ウェイントン・パスから北へと向かいました。北からはA36sの兄弟がオルカラボのほうに向かっている、とナイアッドがレポートしてくれましたが、いつまでたっても来ないのでわたしたちはそんなに気にしていませんでした。
A36sの鳴き声が45分おきに北のFIの水中マイクから聞こえる状態のまま最長3日間待った記憶があります。


そしてディナータイム。
あまりの忙しさにメインハウスでのディナーはなし。
「寒いから今日はゲストハウスの中でご飯を食べなさいね」とヘレナが前日の残り物(ごちそう)をくれました。
暖め直してさあ食べようとしたその時、わたしの目にオルカの姿が飛びこんできたのです。



「お、お、オルカ〜!!」



慌ててメインハウスに走り「オルカたちがバーン・ポイント(オルカラボ横)に!!」とポールとヘレナを呼びました。
個体識別するまでもなく、すぐ目の前の彼らはA36sの兄弟。
でも、これは…


駆けつけたポールとヘレナも、カメラを構えたPちゃんも、しばらく言葉を発することができませんでした。
弟のA46、カイカシュは水面に浮いていました。
ほとんど泳げない兄のA37を待っていたのです。
A37は呼吸するのがやっとでした。
すぐには水面に到達できず、その動きから数回にわけて尾びれを動かしなんとか呼吸しているのがわかりました。呼吸音も弱く、時折あがる頭部もやせこけていました。

わたしたちは個々に思いました。
「もしかしたら彼の姿を見るのはこれが最後かもしれない…」


うまく水面にあがれなかったA37(左)
水面で兄を待つA46(右)
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でもまた一方でそれを信じたくない自分もいました。
彼らは潮の流れに逆らっていたからです!!
なんでこの状態で潮の流れに逆らってまでジョンストン海峡に向かわなければならないのか、わたしにはさっぱり男子というやつの気持ちがわかりませんでした。メスなら多分とっくに方向を変えてる。


しかし潮の流れは強く、パーソン灯台沖まで進んだ時、A37はジョンストン海峡の方向を向いたまま後ろに流されはじめました。


しばらく弟のA46は兄の横にいたものの、ふと姿をくらましました。
兄のA37は弟の消えた方向を向いたまま北へ北へと流されました。
もう北に消えてしまうのではないかと思ったときに弟のA46が再度現れ、すごいスピードで兄のもとへと泳いでいきました。


わたしは思うのです。
このときA46はきっと、お兄ちゃんに食べさせようとして魚を捕っていたのではないかと。
オルカは食べ物をシェアする動物だから。


2頭は再び一緒になり、北へと消えていきました。
わたしたちがA37の姿を見たのはそれが最後になりました。
2014-08-27 : オルカ : コメント : 4 :
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8月20日

本日はランチをとるのも難しいくらい忙しかったです。
そもそも朝ご飯もまともに食べられなかったです。
ラボに来てから夜まともに寝た記憶もないし。
アシスタントがたったの2人になったとたん、この忙しさ!!笑


夜中にI15sとA30sはオルカラボ前を通過して北へと向かい、朝は北でしばらくうろうろしていました。
東からはDsとI12s、そしてA36sが戻って来ているところでした。

お昼前にポールがテレグラフコーブにお客さんを迎えに行きました。
クリスティーンさんというアメリカ在住の女性で、各地で大きな「FREE CORKY」バナーを広げ、この活動を知ってもらうフリー・コーキー・プロジェクトをしていらっしゃいます。


CORKY…コーキー、個体識別番号はA16。
ジョンストン海峡のA23sの長女であります!
幼い頃に捕獲されて現在も水族館で生きています。
すなわちA43とA60はコーキーの妹と弟なんだけど、彼らはコーキーが捕まってから生まれたためコーキーのことを知りません。


コーキーのお母さんA23が生きていたころ、わたしたちもオルカラボとして一生懸命フリー・コーキー・プロジェクトを行っていました。
長く水族館に暮らしていたとしても、お母さんが存命であれば野生に戻れる可能性は高いと考えていたからです。

現在野生シャチのメスの最高齢は103歳、平均でも60~80歳くらいですが水族館のシャチは寿命が短くメスでも30歳前後で亡くなることがほとんどで、コーキーは水族館のシャチの最高齢記録を更新し続けています。
どうしてコーキーだけがそんなに長く水族館で生き続けているのか理由は誰にもはわかりません。
生命力が強いんでしょう。


お母さんが生きているうちに海に帰れたら良かったんだけど、残念ながらお母さんは2000年に亡くなってしまいました。
コーキーが捕獲されてから40年、近い親戚のA8さんやAポッドの長老だったA12も亡くなってしまったので、仮に海に戻したとしても親しいオルカに会うことはできなくなってしまいました。


水族館生まれの個体でない限り水族館にいるオルカもこの広い海のどこかに家族がいるのです。
そして家族に再会することなくプールで一生を終えます。
オルカは家族から引き離されることに強烈なストレスを感じる動物で、野生下ではそのストレスによって死に至る個体さえいます。

どのような環境がオルカにとって適切なのかいろいろ考えて飼育している水族館もあると思います。
生き物を間近で見る利点もあるとは思います。
わたしは別に水族館に全面反対ではありません。

だけど動物園や水族館で見た時にわあ凄いと楽しい感情を抱くだけでなく、その動物のバックグラウンドを知ることも大事だと思うんです。もし水族館が本当にエンターテイメント施設ってだけではなく、生き物のことを学習するための施設なら。

だからわたしはコーキーがA23sの「A16」という立派なジョンストン海峡のオルカの一員で、他の人にもそのことを知ってほしい、思い出してほしいと思ってバナーを掲げました!!


通りがかりのカヤッカーたちもバナーを広げるのを手伝ってくれました。
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すごく長いバナー!
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クリスティーンさんが来てからオルカたちは3回ラボ前を通りました。
まずはA30sが北からジョンストン海峡へ。
そしておやつ時にジョンストン海峡から北へ。
ディナー時にはA36sがジョンストン海峡から北へ。
相変わらずとんな時もお客さんは必ずオルカを見られるというオルカラボ。


DsとI12sはジョンストン海峡をいったん西へと進んでそのまま出て行くかな?と思ったらターンして東へ戻りました。北へ出て行くと広い海のどこかに進んでいってしまうオルカたちだけど、東へ行ったら必ず戻ってきます。
固定メンバーとはいえないDsとI12sももう少しいてくれるんだ!と思って安心しました。


日付が変わる前にDsとI11sは東へ消えていきました。
今夜はちょっとは寝られるかと思ったら、北に抜けたA30sがウェイントン・パスを通過してこっそりジョンストン海峡に戻って来ていたのです…。
2014-08-27 : オルカ : コメント : 0 :
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8月19日

せっかくCPに来たのだからまともな睡眠をとろう!とそれぞれ寝袋にもぐったのが前日の23時ころ。
午前0時すぎ、CPの水中マイクからの大きなコールでわたしは目覚めました。

ガタガタと扉をあけているとPちゃんも起きて来て、CPのデッキで一緒にオルカたちのブロー(呼吸音)を数えました。
少なくてもA34sがブラックニー・パスのほうへ向かっているみたい(後ほどヘレナに確認したところ、A24sも)。


再び寝袋に入ったのが0時半ころ。
そして午前1時半すぎにまたCPの水中マイクからのけたたましいコールで目覚めました。
今度はA30sとI15sの仲良しコンビ。


とてもCPに近かったです、ほんの数メートル沖。
明るかったらどんなに凄い光景だったことか!
彼らもまたオルカラボの方へと進んでゆきました。


三たび寝袋に入って目覚ましが鳴ったのが午前5時45分。
おはようございます。
睡眠時間、あんまりラボと変わらないなあ…。



お昼ころワーデンのゾディアックボートに乗せられてケイトとカイがCPに戻ってきました。
夜通し飲んだらしく2人とも二日酔いでケイトは見るからにつらそうでした。
「今日の僕は役立たずだよ〜♪」とカイは上機嫌でした。

そのころ他の群れを見送りに北に行っていたA30sとI15sも、ウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡に戻り、ハンソン島ぞいにCPの方へと向かってきました。
近かったこともありじっくりとA30sの様子を観察することができました…



A72(ベンド、左から2頭目)がいる!本当にA30sだ~!
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(ちなみにいちばん左はカマイルカ。鮭のおこぼれを狙っています)


やっぱりA39は居なかったけど、全くもっていつもと変わらないA30sの様子に安心しました。
お母さんが亡くなってしまったり、男兄弟を亡くしたりで強いストレスのため命を落とすオスは少なくないけれど兄A38はオルカのオスとしてはかなりの高齢にも関わらず健康そうでした。
母親のA30さんが亡くなって弟のA39が行方不明になった現在も、兄のA38と長女一家A50s、次女一家A54sがしっかりひとつとなって強い家族の絆を持った「A30s」を形成しているのだなと思いました。


A30sが通過した直後、ポールがジューン・コーブでわたしとPちゃんを迎えに来ました。
CPのお留守番おしまい!!


ケイトはそのままカイと一緒にしばらくCP担当することになったため、8月真っ盛りだとういのにオルカラボのアシスタントはわたしとPちゃんの2人だけになってしまいました!!
どひゃー。


オルカラボに到着すると荷物をまとめる間もなくラボに駆け込んで、昼も夜もレコーディングしていたヘレナと交代!身の回りを片付けながらレコーディングを続け、午後7時すぎようやくひと息ついて目の前の海を見ると…



ぱかーっ
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ぱくん
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ラボの目の前でザトウクジラがお食事をしていました。
とても良い食事スポットだったらしく、カモメがまわりを飛び交っていました。
他にも2頭のザトウクジラがそこへ近づこうとしていましたが、先にこの小さいザトウクジラ「コンガー」さんがベストスポットを確保して動かないからか「キュオーッ!」とトランペティング(ストレスがたまったときの呼吸音)を響かせてまわりをウロウロしていました。



コンガーさんはとてもお腹がすいていたらしくずーっとぱくぱくやっていたあと、満足して南のほうへと進んでいきました。
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わたしたちのエリアでは食事シーンなんてけっこうレアな場面なのでびっくりしちゃった。
生でザトウクジラの口の中をまじまじと見られるなんて初めてでした!
コンガーさんありがとう。


そんなオルカラボ前にジョンストン海峡からA30sとI15sがやってきました。
あたりはもう真っ暗。

まずはA30sがオルカラボ前を通過して北へと向かいました。
続いて総勢17頭のI15sが、オルカラボ前からジョンストン海峡までちょっと広がって少しずつやってこようとしていたそのとき!!



北の海にいたザトウクジラが声をあげたのです。
始めはいつも聞こえるような「クオッ、クオッ」ってくらいの声で終わると思いました。
でも彼は歌い出しました。
素晴らしい歌でした。


オルカラボ前を通過しようとしていたI15sはそれを聞いて一瞬黙りました!
しばしの沈黙のあと、I15sはまた少しずつ鳴き始めました。
しかしザトウクジラの歌が長く続くと、また黙りました。


肉食のトランジェントと違って、魚食のレジデントとザトウクジラは仲良くもなければ犬猿の仲というわけでもないようです。お互いに適度なスペースを保って同じエリアの海で共存しています。
だからザトウクジラが大きな声で歌っていても気にせずに脇を通り抜ければいいのに、「うわっ」て感じで一瞬黙ってしまうオルカたちがなんかかわいかったです!笑

しばらくして慣れたのかザトウクジラと同じエリアにいたA30sが鳴き始め、I15sも普通に鳴き始め、ザトウクジラも歌をやめなかったのでオルカとザトウクジラの競演を聞くことができました。

日付がかわるまで彼らの競演は続きました…
2014-08-25 : オルカ : コメント : 0 :
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8月18日

遠くから聞こえてくるのはジョンストン海峡の主、A30sのコール。
スピーカーから聞こえてくるそのコールに、夢なのか現実なのかしばらくわからずぼーっとしていたわたしは、誰かが水中マイクの音量を調節したことでそれが現実であることに気づいて2階であるマップルームが飛び降りるようにしてラボに入りました。



A30sが帰って来たーーーーーーーーーー!!




ジョンストン海峡の主、A30s。
先代のA2s(ニコラ)の時代に発見されてから、わたしたち人間が知る限り他のどの群れよりもジョンストン海峡で多くの時間を過ごしてきた彼ら。
夏になれば他の群れをエスコートしてジョンストン海峡に招き入れ、他の群れが去る時は北まで見送り、しっかりとホストグループ役を果たして来たオルカラボのパートナー、A30sが今期はずっとジョンストン海峡にいませんでした。


「迷子のおっさん」として有名だったA39が本当に行方不明になり、おそらくもう亡くなっていると研究者たちは考えています。
かつてジョンストン海峡一有名だった長男のA6(ストライダー)を亡くした時も、夏のシーズン真っ盛りの時にジョンストン海峡を離れたA30s。
いろんなことが落ち着くまで、騒がしい夏のジョンストン海峡は避けているのかな?と私たちは思っていたのでした。



ところがジョンストン海峡に向かっていたのはA30sだけではありませんでした!
北のFIの水中マイクからはA24sのコールやGクランのコール、CsやDsなどBサブクラングループのコールなど次々といろんな群れの鳴き声が聞こえ出し、わたしはちょっとパニックに陥ってヘレナにこう言いました。



わたし「まるで夏みたい!!」
ヘレナ「何言ってるの、8月よ!笑」



ここ数年ジョンストン海峡を訪れるオルカたちの群れはうんと減少していつも固定メンバーがうろうろしているだけでした。去年はA4ポッドですら1回も来なかったし、まともにCsやDsのコールを聞いたのなんて何年ぶりか!!

何が起こっているのかわからず「こんな凄いことがあっていいのか」とオドオドしているケイトとPちゃん。
同じ群れがいつもうろうろしているだけだったここ数年。
去年のアシスタントだったケイトも、5年間ボランティアアシスタントとして働いているPちゃんですらも、今日のような状況はほとんど知りません。
オルカたちは北からウェイントン・パスへと向かい、落ち着きを取り戻したわたしはこう言いました。
「これがオルカラボだよ!!笑」



お昼前にわたしたちはバタバタと準備をしてクレイクロフト島の観察ポイント、CPへ向かいました。
今日は実はボートベイ・パーティの日!ジョンストン海峡のオルカ関係者がボートベイ・キャンプに集合してたき火を囲みながらお酒を飲んで一夜を明かす日だったのです。
オルカラボからはケイトとカイが出席することになっていてわたしとPちゃんは例年通りCPの留守番をすることになっていました。
本当は夕方にハンソン島を出れば良かったのだけど、オルカたちがCPの前を通る前に行った方がいいというポールの判断で、全ての録音をヘレナに任せてわたしたちは早めにCPに行くことになりました。


CP(クレイクロフト・ポイント)!!
 14081802




ジューン・コーブ号がCPに到着した時にはA24sとA30sのメスたちはもうCP前を通過してしまっていたんですが、その後通過したC10s、D7sとD11s、I12s、そして彼らと一緒に泳ぐA30sのA38さんを目視で確認。
A30sは家族を亡くした悲しみでジョンストン海峡を離れていたわけではなく、たくさんの群れを集めるために広い海をかけずり回っていたんですね。本当に帰って来てくれてありがとう!!



オルカたちが東へ行ってしまって、ポールもハンソン島に帰ってひと段落すると、ケイトがマカロニ&チーズを作ってくれました。
カナダの超定番お手軽メニュー。



夕方6時すぎに近くのホエールウォッチング会社オーナーのボート「ギズモ」がケイトとカイを迎えに来て、彼らはオルカラボ代表としてボートベイ・パーティへ。

わたしとPちゃんはボートが見えなくなったのを確認すると、急いで掃除に取りかかりました!!
荷物や機材を移動して床のちりやネズミのうんちをほうきで掃き出し、シンプルグリーンで奇麗に磨きました。
そしてネズミが入りそうな穴という穴をスチールウールでふさぎ、ミニキッチンもぴかぴかにしてもうひと段落。
ひとりでCPを回していたカイが、男子としてはまだ散らかしていないほうで助かった。
つくづく日本人だなあ、わたしたち…。


日が沈む前にカレーを作ってふたりで食べました。
せっかくCPに来たのだからリラックスすれば良かったのに、真面目なわたしたちはCPの水中マイクから何が聞こえているかメモをとり続けました。
そして昼間に撮影した写真で個体識別して、その時にメモしたノートと照らし合わせながら確認しCPログとしてまとめるという忙しい夜を過ごしました。


20時ころ遅れてやってきたI15sとA23sA25sはウェイントン・パスからジョンストン海峡に入り、バンクーバー島沿いに21時30分ころCP向かい側のカイカシュ川沖を通過。
そのころ東に行っていた大きな群れの中からA30s、A34s、A24sがロブソンバイト沖まで戻って来てI15sたちと合流。
場所はちょうどボートベイ・パーティの対岸ロブソンバイト。素晴らしいコールが響き渡りました。
オルカたちのパーティがひと段落すると、彼らは西へと進んでいったのです。
2014-08-25 : オルカ : コメント : 0 :
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8月17日

アナログ大好きオルカラボも、時代の波には逆らえず今年からとうとうデジタル録音に移行することになりました。お店で数本発見するのすら困難になったDATを1シーズンに数百本使って現在まで耐えたなんて信じられません。笑
近年まで1箱発見するごとに送って下さったサポーターの皆様のお力なくしてはここまではやってこれなかったでしょう…。感謝しきりです!!


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というわけで今年から新しい機材が投入されました。DATデッキよりもうんと小さくなりました!
SDカードに録音するのですが博士は収集・保存癖があるので、
「データはパソコンに読み込んで保存して、決してSDカード自体を保存しないように!」と強くアドバイスしました。録音がいっぱいつまったちっさいSDカードを山ほど保存していくなんて悪夢です。
ぜったい1枚2枚なくなるし。


昨日やってきた群れの中からお昼くらいにI15sがまず北へ、そしてBsが夜の9時くらいにジョンストン海峡の西へと消えていきました。
ジョンストン海峡の東に残ったのはA42s一家とA36s兄弟、そしてわたくしの最愛の群れA34s。
残ってくれてよかった。


この日の夜、わたしとPちゃん、ポールとヘレナの4人でじっくり話し合いました!
せっかくベテランアシスタントのわたしたち2人がいるのに日本語情報が少なくなっているのは悔しいこと、オルカライブの日本語コメントを復活させたいこと、日本語版のオルカラボ公式ツイッターを作りたいことなど。

わたしの今年の渡航費を募ったクラウドファンディングが成功したこと、またスプリンガーの赤ちゃんが生まれたときに書いたここのブログ記事「スプリンガー」に2200以上の拍手がついていることなどで、ポールとヘレナは日本にまだ興味を持ってくれている人や支援してくれる人がたくさんいることをしっかりと理解してくれました。


というわけでオルカラボの日本公式ツイッターが始まりました。
現在オルカシーズンのピークであるにも関わらず、オルカラボにはわたしとPちゃんのふたりしかアシスタントがいませんのでどうしても手が回らない時があるかもしれませんが、私たち2人でできる限りの情報を発信していきます。

ツイッターアカウントをお持ちの方はぜひフォローお願いします!!
→ @Orcalab_JPN
2014-08-24 : オルカ : コメント : 0 :
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8月16日


アシスタントのディビッド、モリー、アニャが島を発つ日。

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新人アシスタントだったちょっと天然のアニャがゲストブックに「オルカたちのロバのような鳴き声(たぶんI15sのこと)が聞けなくなるのはさみしいわ」と書いていました。
今シーズンはほとんどI15sとA5sとA36sしかいなかったからそんなイメージになったんだと思うのです。


でもこのまま…ジョンストン海峡に滞在する群れが少ないままだったら、オルカコールといえばI15sのコールを指す未来になるのかと思ったらぞっとしました!笑
わたしの中でオルカコールといっていちばん最初に浮かぶのはやっぱりA1ポッドなんだけどなあ。


そんなI15sが一昨日ぶりに水中マイクのエリアに戻ってきました。
彼らが戻って来たと思ったら天気も回復し、急に気温も上がってびっくりしました。
ポールは「I15sが夏を連れて戻って来た!」と喜んでいました。


ポールが運転するジューン・コーブ号で3人は島を出ました。

 14_0816_01


元気でね~!!
(ディビッドは妻と猫とうさぎを連れて9月に帰ってくるけど)



この数日で5人が島を離れ、カイはCPに派遣されたためハンソン島に残ったのはケイトとわたしとPちゃんの3人だけになりました。
「でも3人ともリピーターだし、仮に今後忙しくなったとしても何とかやっていけるでしょ」なーんて話し合ってた直後、午後のおやつの時間。
オルカラボの前にとある群れが近づいていたのです!!



ラボの中でレコーディングしていた私はその瞬間絶叫して、何を聞いたかヘレナに説明しようとするもなかなか言葉になりませんでした。き、き、き、きたーーーーーーーーーーーー!!




わたしの最愛の群れ、A34sがきた!!
ヽ(゚Д゚)ノ




しかし興奮冷めやらぬ間に次のサプライズが待っていました。

「Bsだ!!Bsもいる!!」
A34sがオルカラボの前を通過してジョンストン海峡に入った直後に北のFIの水中マイクから聞こえ始めたのはBs!!
信じられないけどA34sとBsが一緒にきた!!




ここ数年ジョンストン海峡を訪れる群れはとても少なくなっていて、オルカたちは毎日ジョンストン海峡にいるんだけどその顔ぶれはほとんど固定メンバーになっていました。
だから北からやってきた新しい群れの鳴き声が聞こえて来た時、ヘレナに「コールズオン、FI!」って伝えにいくあの興奮もしばらく味わってなかった。
こんな気持ちは本当に久しぶりでした。しかも大好きなA34sと大好きなBサブクラングループが一緒に来てしまうなんて!!わたしたちは昨日「ハンソン島の七夕」のたんざくを吊るしたばかりだったんです。


ジョンストン海峡に入ったA34sとBsは、すでに海峡にいたA36s、I15sたちと合流して大興奮!しばらく海峡を行ったり来たりしていました。


アシスタントが多いときは2時間交代のレコーディングも現在はたった3人のため、ケイトとPちゃんにレコーディング以外のことをしてもらってラボはわたしがほとんどこなすことになりました。
忙しかったけどとっても嬉しかった!
何時間連続でも、いや何日連続でもここでヘッドフォンをつけていられると思いました。
2014-08-23 : オルカ : コメント : 0 :
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8月15日

前日の夜北へ行った群れの中でI15sだけ帰ってきませんでした。
夏の象徴であるようなI15sがいなくなって、ハンソン島は久しぶりの雨。



CPスタッフ交代の日!
ディビッドとアニャが帰って来て、最年少のカイがひとりで行くことになりました。
しばらくハンソン島を離れるからといってカイは朝ご飯に卵を6個食べたそうです。
「でもスクランブルエッグにしたから量は少なくなってるはずだよ、少しフライパンにひっつくし」と言っていました。いろいろ大丈夫でしょうか。


CPから帰って来たディビッド(くま)とアニャはすぐに荷造りにとりかかっていました。
実はディビッド、アニャ、モリーの3人はもうハンソン島を発ってしまうのです。
先日はエミリーとリリーが帰ってしまったし、今シーズンわたしが来たのが遅かったのもあるけれど、来てすぐにみんな帰ってしまうなんてさみしい…。


でもデイビッドはいったん島を離れるだけです!
妻のブリトニー、そして飼っている猫、うさぎと合流して9月の初めにハンソン島に帰ってきます。
ディビッド&ブリトニー夫妻は冬のシーズンにポールとヘレナがアラートベイの家にいる間、オルカラボのケアテイカー(要するにお留守番)をすることになっています。


本日はとても寒くてオルカたちもあまり鳴かず、海はずっと霧に包まれていました。
ちょっと夏が終わってしまったかのように思いました。
2014-08-23 : オルカ : コメント : 0 :
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8月14日

I15sとA42sは今日も1日ジョンストン海峡をうろうろ。
わたしたちはテープのレビューをしたり、頼まれていた原稿を書いたり、まきを割ったり、朝からそれぞれの作業に忙しく取り組んでいました。



交代でランチを終えた15時ころA36s兄弟がオルカラボの前を通過しました。
弟のA46(Kaikash)が先頭に立ち、しばらくしてから兄のA37(Plumper)が現れました。



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プランパーさん…。



A37は病気でした。
オルカのオスとしては高齢でもあります。
去年から少しずつ体つきが変わり、泳ぐスピードが遅くなっているのを私たちは知っていました。
だからシーズンの始めに行方不明になったときも「もう会えないだろう」とあきらめていた人は多かったです。


どこへ行っていたのかわからないけれど、この状態でよく帰って来られたな、よく弟と再会できたなあと思いました。まあ夏になってジョンストン海峡で待っていたら必然的に会えるのかもしれないけれど。


オルカラボ前に現れたA37は以前よりもっと頭部がやつれて(ピーナッツヘッドといいます)背びれも少しぐにゃりとした感じで右に傾きかけていました。
呼吸音もかなり弱くなっていました。
ほんの数日まえに見た時はここまで悪い状態ではなかったんだけど、無理をしてしまったのかな?
それでも大きなコールを出しながら長い距離を旅しているのだから、オルカの体力というものには脱帽してしまいます。


それにしてもお兄ちゃんがゆっくり泳いでいるのだから少しはスローダウンしてよA46くん!!笑
後ろを振り返りもせずジョンストン海峡に突き進んでいってしまったし。


A36sはジョンストン海峡に入ると他の群れたちと合流。
午後11時まえに再びオルカラボの前を通過して北へと消えてゆきました。
2014-08-22 : オルカ : コメント : 0 :
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8月13日

午前2時、まっくら闇。
I15s、A23sとA25s、そして誰のコールにも似ていない謎のA1ポッドはオルカラボの前を通過してジョンストン海峡に入りました。
A30sは移動に数日かかる場所で目撃されていたため、この時点で謎のA1が誰かという選択肢はたったのふたつ。
A34sかA36sのどちらかが、15パターンくらいある全てのコールをA30sに似せているとしか考えられませんでした。でもそんなことってあり得る???


オルカたちはラビングビーチまで進み、I15sはターンして午前7時にロブソンバイトエリアまで戻ってきました。A23sとA25sはそのままもうちょっと東まで進みました。
謎のA1は…どこにもいませんでした。
姿も確認できなかったし明るくなったらコールも消えていました。


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フォグ(霧)とオーガスト(8月)をあわせて霧の8月、「フォーガスト」と呼んでいます。
ハンソン島だけでかもしれないけど!


本日はゲストの写真家ピーター・トーマスさん一家が帰り、入れ替わるようにまた別の博士友人一家がやってきました。急いでゲストハウスの掃除とベッドメイキングをしなければなりませんでした。
プライベートなゲストしか受け入れてないとはいえやはり8月は忙しいです。


I15sは東から戻って来たA42sと出会って暗くなってからウェイントン・パスを通過して北へ。
A23sとA25sはジョンストン海峡に残ってCP前あたりで待機。


I15sとA42sは真っ暗な中オルカラボの前を通過してジョンストン海峡へ戻ろうとしたのですが…
そのときまた謎のA1ポッドの鳴き声が聞こえ始めたのです!!


ヘレナとわたしは顔を見合わせました。
昨日の夜と全く同じ、A34sにもA36sにも聞こえない謎のA1コール…。
でもいちばん鳴き声が近いと思われるA30sはどこでもドアでも使わない限りやってこられない場所にいるのです。

オルカラボ歴16年のわたしと40年のヘレナ、いちおうコールのスペシャリストのはずの私たちふたりが、最も簡単なはずのA1ポッドの聞き分けができないなんて!!笑


日付変わって午前1時前に謎A1を含むオルカたちはラボの前を通過してジョンストン海峡へ入りました。
謎A1の声はしばらく聞こえていましたが昨夜と同じように明るくなる前に消えてゆき、朝が来た時にはI15sやA42sの中にはいなくなっていたのです。
2014-08-22 : オルカ : コメント : 0 :
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8月12日

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咲よりひと足先に若いステラーカケスたちが遊びに来ました。
1羽は3年まえくらいからのわたしの知り合い(キヨちゃん)で、もう1羽は今年生まれなのか羽がすべすべでした。
ちっさい虫でも食べているのかよく土をほじくっています。



今日はCPのメンバー交代がありました!
ディビッドとアニャがCPに送られ、Pちゃんとモリーが帰ってきました。
ディビッド(くま)が居なくなるのは寂しいけれど、ふたりが帰って来てうれしい☆


午前1時半ころ北から帰って来たI15sとA23sA25sは、ウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡入り。
午前5時すぎに東へいったん消え、10時すぎに再び水中マイクのエリアに戻ってきました。
そうやって1日じゅうジョンストン海峡でうろうろした後、22時まえにオルカラボの前を通過して北へ。


CPから帰ってきたばかりのPちゃんがレコーディングしていて、わたしがサブでその隣に座っていたのですが、そのコールが聞こえた瞬間ふたりともイスから転げ落ちそうになりました。


「A1だ!!」


なんと北のFI(フラワーアイランド)の水中マイクからA1ポッドのコールが聞こえていました。
わたしたちは急いでヘレナに知らせました。
疲れていたヘレナは「北にはA36sという立派なA1ポッドがいるでしょう?聞こえても不思議じゃないわ」といって耳も傾けなかったけど、わたしたちにはどうしてもそれがA36sには聞こえませんでした。

でも、かといってA34s(旧A12s)にも聞こえないし、いちばん近いと思われるA30sは北のセターシア・ラボで昨日目撃されている。セターシア・ラボからオルカラボまではオルカたちの速度で数日かかるそうです。
つまりみっつのA1ポッドのどの家族にも当てはまらない。
じゃあいったい誰???


A1ポッドはいちばん聞き分けが簡単なんです!
それこそ1年目の素人ですら慣れればわかるくらい簡単。
なのにどうして私たちにもわからないの?

謎を抱えたまま夜は更けてゆき、オルカたちはいったん北へ消えかけたのです。
2014-08-21 : オルカ : コメント : 0 :
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8月11日

静かな夜どころか午前0時をまわってすぐにオルカたちは帰ってきました。
A36sはまたブラックニー・パスを使って。
I15sは潮の流れに乗りやすいウェイントン・パスを使って。
わたしは今年、島に来てから毎晩夜中に起き出して録音をしていることに気づきました。
オルカたちの中でも流行のようなものがあるようで、今年のトレンドは「昼間より夜中に鳴く」「ブラックニー・パスをより多く使う」のふたつみたい。



霧と干潮の朝!!
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夜中に起きてたから寝不足ではあったんだけど、せっかくの干潮なので早起きして浜辺に出てちっさい生き物を観察しました。いろんなイソギンチャクがいて楽しかったです。


夕方になってI15sとA23sA25sがオルカラボの前に来ようとしたんだけど、わたしたちはそんなこと(オルカ…)よりも目の前の1羽のカモメにくぎづけになっていました。


ヘレナ「間違いないわよね?」
わたし「間違いないですよ!!」


ヘレナはデッキからラボの中に入るとパソコンでリモート監視カメラを操作し、オルカのやってくる方向から監視カメラを動かしてそのカモメに焦点をあわせました。
オルカライブでも見られた人いるかな?
おそらく世界でもっとも有名なカモメのうちの1羽、うにちゃんが私たちのエリアに帰って来たんです!!



うにちゃんはワシカモメ。
オルカラボの前にある岩をテリトリーとしていて、他のカモメがその岩に登ろうとすると「キョエー!」と羽を広げて火がついたように怒ります。

とってもエレガントにケルプ(海藻)の森を泳ぎ回り、ケルプにくっついているウニを見つけると頭から潜ってウニを捕ります。

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捕って来たウニは岩の上に置いてくちばしで割って食べたり、小さいものはトゲトゲのまま丸飲みしたりします。
そのままずっと翌年の5月までオルカラボの前の「うにちゃんの岩」を拠点として過ごします。
5月になると巣作りのためどこかに飛び立ち、また8月になるとオルカラボの前に帰ってくるのです。
カモメの寿命がどれくらいなのかはわからないけどそんなことがもう10数年続いていて、オルカラボまわりで過ごす一員としてポールとヘレナに心から愛されている鳥なんです!

オルカラボ前には時おり他のワシカモメも来るんだけど、姿かたちも態度もやっぱり私たちにとっては知らない鳥です。個体識別できているっていうのはいいものです。たとえ見ているだけでも、野生動物が「どこかの誰か」ではなくなるからね!



うにちゃんの帰郷にひとしきり浮かれた後、今度はちゃんとお仕事。
A23s、A25sとI15sがまずオルカラボの前を通過して北へ。
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その後A36sが北へ。
コールが聞こえなくなったのはいつもより早い21時前のことでした。
2014-08-21 : オルカ : コメント : 0 :
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8月10日

というわけでジューンコーブ号が帰ってきました☆
ボートエンジンのクラウドファンディングにご協力してくださった皆様ありがとう!!

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風船で飾りつけたあとポールとヘレナ含めて全員でタイマーをセットして集合写真を撮りました。
天気もよくて良かった。
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今日はオルカラボ前がとっても忙しい日でした。
まず午前2時過ぎにA36sとI15sはオルカラボ前を通過してジョンストン海峡へ。
A36s / I15s→→ →→ →→
 
午前7時に彼らはまたオルカラボ前を通過して北へ。
←← ←← ←←A36s / I15s

午後2時半にまたオルカラボ前を通過してジョンストン海峡へ。
A36s / I15s→→ →→ →→

そして夕食時、午後7時半にまた北へ。
←← ←← ←←A36s / I15s


オルカたちの気分次第としか言えないんだけど、ずっとジョンストン海峡にいても2週間オルカラボの前を通らない時もあれば、今日みたいに1日4回通ることもあるわけで。

午後9時半すぎにはコールも聞こえなくなり、わたしたちは「静かな満月の夜を過ごせるのかな?」と思ったのでした。

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2014-08-21 : オルカ : コメント : 0 :
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8月9日

おかえりなさい!!

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オルカラボのメインボート、ジューン・コーブ号が戻ってきました!!
クラウドファンディングで新しいエンジンの購入資金を募ったプロジェクトが成功して、無事に修理されたジューン・コーブ号。輝かしい姿で戻ってきました!!

博士によると日本からも数名、協力してくださった方がいたそうです。わたしの渡航資金プロジェクトとあわせて、このふたつのクラウドファンディングに協力して下さった皆様ほんとうにありがとうございました!!
2014-08-16 : オルカ : コメント : 0 :
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8月8日

ゲストとして訪れているポールの娘ミローラさんと孫のアーウェンちゃんを守る小さな番犬、ロバさん。
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かわゆい
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ジューン・コーブ号がない今年は機材をほとんど運べないため、CP(クレイクロフト島にある観察ポイント)はずっと使っていなかったのです。
でも「機材は揃ってなくても監視と無線レポートはできるから、とりあえず交代で派遣しよう」ということになり今日からPちゃんとモリーがCPへゆくことになりました。


今年はオルカラボのデッキ、CP、ラビングビーチに監視カメラが設置されていて、全てのカメラをオルカラボからパソコンでリモート操作できるようになっています。
監視カメラなので動きは荒いし、ときどきズームしっぱなしになったり右や左に進み続けたり暴走することもあるんだけど、ある程度はオルカたちの動きがわかるので便利です。

なのでオルカライブで生中継されているCPカメラはCPで操作しているものではなく、ハンソン島からリモート操作しているんですよね実は。
シフトに入っている人が録音作業しながらカメラを動かしたりしていて、けっこう大変です。

器用なデイビッドなんかは録音してログブックに聞こえている音を書きながらCPとラビングビーチふたつのカメラの操作をひとつのパソコンでこなしちゃったりしていますが、常人には不可能な作業です。笑


日中はA5sたちは東に、A36sとI15sは北に行っていてコールも聞こえなかったので、もくもくと過去録音の聞きなおしをして穏やかに過ごしました。
夜中、日付が変わる前にA36sがオルカラボの前を通過してジョンストン海峡に入りました。
彼らはとっても興奮していました。「サウンド・オブ・サイレンス」と呼ばれるくらいいつもは物静かな兄弟なのに、めずらしく夜が明けるまでその声はジョンストン海峡に響き続けたのです!
2014-08-16 : オルカ : コメント : 0 :
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8月7日

ハンソン島にゲストがやってきました!

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ジューン・コーブ号がまだ修理中なので、ゲストたちはウオッチングボートのラ・カイーク号でやってきました。
博士夫妻高齢のためオルカラボでは一般のツアーはもう受け入れておらず、訪れるゲストはほとんどが博士夫妻の親戚やお友達です。


今回は写真家のピーター・トーマスさん一家、そしてポール博士の娘ミローラと孫のアーウェンちゃん、そしてロバ(犬)がやってきました。
去年と全く同じ組み合わせで、ハンソン島のことをよく知っている人ばかりなので受け入れるがわとしても安心です☆


さらに今日は…



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我らが「Pちゃん」こと小林桃子さんの誕生日!!

ハンソン島に5回通って、5回目ともここで誕生日を迎えられたなんてうらやましい!!
わたしなんて16年もここに通ってるのに1回も誕生日きたことないんだよ~!笑
(※シーズン外だからです)




ヘレナが素晴らしいチョコレートケーキを用意してくれました。
スポンジは甘さ控えめでチョコの香りが際立ち、ココア味のアイシングクリームが甘さを加えて全体のバランスを整えるという非常に日本人好みのケーキでした。
わたしはなんの役にもたちませんのでケーキの上にオルカの模様だけ描きました。笑

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ジョンストン海峡には本日も変わらずA36s、A5s、I15s。
ここ数年は夜を東で過ごすことが多かったオルカたち、今年は夜にコア・エリアで鳴いて昼は休む傾向にあります。おかげでわたしたちはぜんぜん眠れていないけど、夜のレコーディングは楽しいです。


外は真っ暗でまわりは静かで、ただヘッドフォンから聞こえてくる音だけに集中できます。
なぜか今年は夜中のボートノイズが少ないです。
海の中の光景を脳裏に描きます。
オルカたちの動きを先読みしてミキサーで水中マイクの音を調節していきます。



オルカたちはひと晩中にぎやかに鳴き続けました。
2014-08-16 : オルカ : コメント : 0 :
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8月6日

8月になってもまだハミングバードが花のまわりで遊んでます。
とってもかわいい。
いつもなら7月末にはこのエリアからいなくなっちゃうんだけど。
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数日間ジョンストン海峡を留守にしていたA36s兄弟が戻ってきました。
潮の流れに逆らって勢い良く泳いでゆく弟A46(カイカシュ)くん。
そんな若くないこともあり潮の流れに逆らうのがしんどいのか、弟から少し遅れてゆっくり進む兄A37(プランパー)さん。
遠目だったけどカッコ良かったです。




午後、ポールとヘレナが帰って来てようやくお留守番が終了!!
ふたりがいないと仕事が著しく停滞するし、心が休まらないし、なんかおばけの仕業みたいなこともちょくちょく起こるしで本当にしんどかったからようやく緊張から解放されてぐったりしました。

帰って来たばかりなのにヘレナはディナーにわたしたちの大好物のチーズスフレ・オムレツを作ってくれてとっても嬉しかったです(´ノω;`)


わたしが来てからジョンストン海峡にはA36s、I15s、そしてA5sしかいません。
本来なら8月はオルカたちがこの海峡を訪れるピークのはず。


最近ふと1999年のことを思い出します。
その時は8月のピークの時期に18日間、オルカがまったくこの海峡からいなくなったんです。
でもその次の年はうってかわったように山ほどオルカが訪れたんですよね。
2000年はちょうどオルカライブが始まったときで「すごいタイミングでたくさんのオルカが来るようになったもんだなあ」と驚いた記憶があります。



オルカだけでなくウニや海藻にも海のコンディションによってよい年、悪い年があるようです。
去年ぼろぼろだったケルプは今年は少し回復の兆しを見せています。
でも今年はどうやらヒトデにとって悪い年らしく(伝染する病気かなにか?)普段は引き潮のときにいっぱい見られるヒトデたちがぜんぜん見られません。


ウニの数はまだ回復していないらしく、ラボまえもCPまえもあんまり見られません。
少しずつでももとに戻ってゆきますように。
2014-08-13 : オルカ : コメント : 0 :
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8月5日

おるすばん3日め!


こっちよーーーーーーーーーーーーん!!

午前4時、東から戻って来たI15sがくそでっかい声で鳴きました。
わたしはその前のかすかなコールで起きてレコーディングを始めていて、シフトに入っているアシスタントを起こさずにこのまま続けてもいいかなと思っていたのですが、目覚ましより大きな声で鳴きました。


何回聞いても気が抜けるこの鳴き声(;´Д`)
でも本当に「こっちよん」って聞こえるんですよ…笑



「オーマイガッ…」



ラボの上のアシスタント待機部屋から寝ぼけた声とバタバタ起き上がる音が聞こえて、シフトに入っていたエミリーが降りてきました。疲れているアシスタントを寝かせてあげようと思ったのに残念。

I15sに続いてA23sとA25sも東から帰って来てジョンストン海峡はちょっとにぎやかでした。



午前7時半。
ラボのデッキで霧の海を見守っていた外シフトのケイトは、海からドロンドロンと太鼓の音が聞こえてくることに気づいてぞっとしました。


こんな朝早くに?
動くのも困難な霧の中で、誰が?


よく耳をすましてみるとかすかに「あーーーー、あーーーーー」という歌のようなものまで聞こえてきたではありませんか!!(話を聞く限り、先住民族の音楽っぽい…)


背筋がふるえあがったケイトは急いで中シフトに入っていたディビッドを外へ呼び出したのですが、彼が外に出ると太鼓と歌はピタリと止まったそうです。

勘弁してください…。





ストロングウーマン2014!!
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左手前からわたし、ケイト、エミリー、Pちゃん。


リピーターの多い今年ですがそのうちこの4人は去年のメンバーなんです。
唯一の男子であったマークはCP担当だったので、ハンソン島は女子だけで力仕事を含む全ての仕事をこなすことになり、自分たちで「ストロングウーマン」というチーム名(笑)を作って夏を過ごしたのでした。

一緒にひと夏過ごすと仲良くなるのは当然なんですが特に「ストロングウーマン」のメンバーは冬の間もお互いの国を行き来してしまうくらい仲がいいんです。
素敵な仲間に巡り会えて本当にしあわせ!!


1日中ジョンストン海峡の西で過ごしたI15sは、ロブソンバイトの方には進まずにウェイントン・パスから北へと消えてゆきました。

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2014-08-13 : オルカ : コメント : 0 :
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8月4日

オルカラボのまえでザトウクジラがお食事をしていました。
ちょっと見にくいけどこれ、ざばーってあがってきたアタマ。
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わたしらのエリアでお食事をすることは頻繁ではないけど全くないわけではなく、1シーズンに数回は目撃できます。でも珍しいので見られたら「ラッキー♪」くらいに思っております。


ポールとヘレナが留守の間は誰かがメインハウスで飛び交う無線のやりとりを聞いて、オルカ情報があったらノートに書き記しておかなければならず、外に出られないのでとっても疲れます…。
前日にこわい話をしてしまったため夜なかなか寝られなかったので日中はあくびが続きました。


北へ行っていたオルカたちは午後になってウェイントン・パスを通過してジョンストン海峡入り。
午後11時まえにはI15sもA42sも東へ消えました。
2014-08-13 : オルカ : コメント : 0 :
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8月3日

オルカラボ周辺はシカが入って来られないように網で囲ってあります。
ヘレナが育てているガーデンのレタスを食い荒らすからです。
柔らかくて美味しいから狙う気持ちもわからないでもないんだけど。


オグロジカの麗子さん(英名・ローザ)とその子どもたち。
いつもは夜暗くなってから、人間が鹿ネットをおろすのを忘れたタイミングを狙って襲撃してたんだけど、人間がうろうろしているはずの昼間でも食べられるタイミングがあるのだと今年、この家族は学習しました。

それは、「オールカー!!」という叫び声が聞こえたとき。
人間はみんなオルカラボのデッキに集合してガーデン周辺には誰もいなくなるのです。




「オールカー!!」というシャウト=ごちそう食べ放題。
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ということで今まで昼間はオープンだったシカよけ網、1日じゅう閉めたままになりました。
人間が通る時は網の下部を押さえている石をどけて網をくぐったりして通過しなければなりません。
めんどくさいのなんの



網をくぐり抜ける新人アシスタントのリリィ
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本日からポールとヘレナは2~3日アラートベイの家へ。
わたしたちアシスタントだけでお留守番をすることになりました!


ジョンストン海峡には朝からA36s兄弟とA42s(お姉さんのA28が亡くなったため、名称が変わった旧A8sです)がいたのですが午前中のうちに東へ行ってしまい、水中マイクのエリアには誰もいなくなりました。


目撃情報もなければコールもなく、すっかり油断していたわたしたちの前に突然たくさんのオルカが現れたのは午後4時前。


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「パーティーポッド」I15sですね。毎日楽しそう
ゆらゆらとジョンストン海峡に入ってゆかれました。


I15sはラビングビーチというすべすべの砂利がいっぱいあるビーチで身体をこすってしばらく遊び、午後9時前にターンしてジョンストン海峡を西へ。



キャンプキッチンで各自夕食をとったあと、なぜかみんなで怖い話をする流れになってしまいました。
暗い森の中にトイレがあるこんな島でそんな話するもんじゃないと思うんだけど。


怖いというより、印象に残ったのはケイトの話。
ある日クルマを運転していたケイトは大きな橋にさしかかる直前、違和感を感じたそうです。
すると、いつのまにか隣に彼女のお父さんが乗っているのに気づきました。
でもお父さんは数ヶ月前に亡くなったばかりだったんです。


お父さんは言いました。
「何が起こっても動じる事なくハンドルをまっすぐにしたまましっかり支えて。大丈夫だから。」


ケイトはハンドルを強く握りました。
けっこうなスピードでそのまま橋の上へ。
すると後ろタイヤがバーストしました。
橋は手すりがないタイプで、もしハンドルをきれば奈落の底。
後続には大きなトラックが続き、もしブレーキを踏めば最悪の玉突き事故。
でも不思議とケイトは落ち着いていました。
隣にお父さんがいるから不安はなかったそうです。

今度は前タイヤがバーストしました。
ホイールだけになったクルマはものすごいイキオイでガタンガタンと揺れました。
あまりの揺れにハンドルをとられそうになりましたがケイトは力をふりしぼってハンドルをまっすぐに押さえつけたままアクセルを踏み続けました。
足まわりボロボロになったクルマはなんとか橋を乗り越えて路肩にストップ。
気づいたら隣にいたはずのお父さんは消えていました…。


後ほどクルマを引き取りにきたメカニックの人にケイトはこう言われたそうです。
「こんな状態でこの距離を走り続けて橋を乗り越えられたなんて考えられない。あなたは自分がどんなにラッキーだったかわかってる?」
でもケイトは自分が幸運だったから助かったとは思わなかったそうです。
今でもそのことを思い出しては「お父さん、ありがとう」と感謝しているそうです。

ちょっと涙出た。




あと、カイの怖い話もなかなかでした!
ある日学校の大きなパーティーで、ひとりの地味な女の子がずっとカイのことを見ているのに彼は気づいたそうです。

「あまり仲良くない子だけどなんで僕を見てるんだろう?」

彼は不思議に思いました。
そこでカイの友達がその子に話しかけてくれたのですが、ひとことも返事をしません。
やがてパーティーはひと段落して、仲の良いメンバーで2次会をしようというになり移動。
すると、2次会メンバー誰とも仲良くないその女の子もなぜかふらふら着いて来たんです。
誰とも話す事なく、話しかけられてもまるで反応がない彼女。
そしてずっと無表情でカイの事を見ています。

パーティの終わりに女の子が無表情でぽつりとカイに言ったそうです。
「好き…」

うへえ!と思ったカイはなんか身の危険を感じてその場は逃げたのですが、後日その女の子は警察に捕まって学校を追放されたそうです。
無表情でナイフを持って、寮かなにか?の前に立ち尽くしているところを通報されたそうです。
これ生きてるけど恐怖なやつやん。


カイは、これとはまた別の女子から意味不明なメールをもらった事があるそうです。
どうやらカイに好意を抱いているのは理解できたけど、妄想や幻覚が入り交じっておりほとんど文章になっていなかったんだそうです。

それでもカイは紳士的にふるまおうとしました。
そして最初のメールにだけ「お気持ちはありがたいけど僕は君とはおつきあいできません」という丁寧なお断りのお返事をしました。

しかしいっこうにメールは止まりません。
それどころか毎日のように届くようになりました。
文章は理解不能なままでしたが少しずつ楽しそうな雰囲気をかもしだすようになっていきました。
心底震えたそうです…。

んでぞくぞく届く執着メールを無視したまま現在に至るそうなんだけど、ピンポイントで狂人にばかりモテる僕はいったいどうしたらいいんだと頭を抱えていました。
何らかにモテるだけマシだとなぐさめました。


最終的に生きている人間のほうが怖くなったのでわたしたちは森のオバケが怖くなくなりました。



I15sは午後11じころジョンストン海峡からブラックニー・パスに入ってきました。
彼らはオルカラボの前を通過して日付が変わるころ北へと消えてゆきました。
2014-08-09 : オルカ : コメント : 0 :
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8月2日

オルカラボなーう!
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長い道のりでしたが何とか今年もハンソン島に来ることができました。
今年もよろしくお願いいたします。

8月2日お昼、ようやくハンソン島到着。
私より先に、6月末から働いていたボランティアスタッフたちがみんなで出迎えてくれました!
それでは選び抜かれた今年のスタッフを紹介いたします…



Pちゃん…ご存知アシスタント4年目の小林桃子さん。プロの野生動物カメラマンを目指している。雑用からオルカラボのシステム管理にいたるまで何でもこなし、博士夫妻の強い信頼も得ているスーパーアシスタント。

ケイト…カナダ出身、24歳。今年2年目のリピーター。去年は4月から6月末に他のアシスタントがやってくるまでひとりでオルカラボを管理した経験を持つ敏腕スタッフ。おしゃべり&いたずら好き。

エミリー…イギリス出身、22歳。今年2年目のリピーター。方言まじりのゆっくりな喋り方に癒される。ハンソン島でもお化粧とおしゃれを欠かさない。

デイビッド…アラスカ出身、25歳。2008年のアシスタント(その時の通称・くま)で今年久しぶりに帰って来た。ムードメーカー。既婚者。9月にこちらに妻を呼び寄せ、ふたりで冬の間のオルカラボ管理をする予定らしい(博士夫妻は冬はアラートベイに移ってしまうので)。

カイ…ドイツ出身、最年少21歳。まさしく「若気の至り」といった感じのバカもするがいろんなことに興味しんしん。「めんどくさくてイライラする時もあるけど憎めない奴」とはケイト談。

アーニャ…ドイツ出身の36歳、ちょっと天然、みんなの癒し系。彼氏がBC州の北の方に住んでおりハンソン島を出たあともカナダに住む予定。

モリー…カナダ出身、25歳。知識豊富、洞察力に優れており、1年目ではあるが一緒に働くのが楽。獣医を目指している。

リリー…フランス出身、38歳。潔癖&世話焼き、カヤックでの旅好き。英語はまわりのみんなほど得意ではないが、たまに入れてくるツッコミが面白い。

わたし…オルカの家族ごとの方言を聞き分け、6つの水中マイクから聞こえてくる音で彼らの行動を追うことだけが得意で、ほかに何ができるわけでもない16年目のへっぽこスタッフ。阪神ファン。



なんとわたしを含めリピーターが5人!!
そんなわけで到着したばかりなのに何の違和感もなくみんなに溶け込むことができました。
今年はCPを設営していないため(メインボートであるジューン・コーブ号のエンジンが壊れており修理待ちなので機材が運べないのです)全員オルカラボにいます。


ラボをひと巡りして去年とどこが変わったかを確かめました。
ソーラーパネルからの蓄電システムがパワーアップしており、かなりの電気を使えるようになっていました。
インターネットは相変わらず上限ありで個人使用は控えるようにとの事、ここのブログはいちおう許可をとりました(このような無人島にネットを引くのはとてもお金がかかって大変なのです)。


オルカについてのニュースもひと通り聞きました。
まず我らがA36s兄弟。

6月に2頭でやってきた彼らでしたがその後A46くんが1頭で現れたのです。
みんな「え…」と思いました。
6月に目撃されたときのお兄ちゃんA37はあんまり具合がよさそうではなかったからです。



たった1頭になったA46くん(わたしはこのときまだ日本にいました)。
そのまま1日経過、2日経過、3日経過…。


ホエールウオッチングボートに乗った人たちがひとりぼっちのA46くんの写真をネットにあげるようになり、Facebookには「R.I.P A37…」と、続々と追悼コメントが寄せられるようになりました。


超有名な3兄弟だった、在りし日のA36s。
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と・こ・ろ・が!!
7月日、なんとジョンストン海峡の東で目撃されたA36sは、再び2頭になっていたのです!!




生きてたヽ(゚Д゚)ノ
A37、生きてた…。



実は彼にとってはこれが初めての行方不明ではないんですよね。
すごく昔からジョンストン海峡のオルカのことをご存知のかたは憶えてらっしゃるかもしれませんが。
スプリンガーが行方不明になって帰って来た2002年、A37も行方不明になったんです。
その時は今とは比べ物にならないくらい長い期間でした。シーズンの始めからいなかったから、いつ行方不明になったのかはわかりません。シーズンが始まる直前かもしれないし、前の年からかもしれない。


一方、アメリカで迷子になっていたスプリンガーが人間の手でカナダに戻され、解放されたのがその年の7月14日。するとスプリンガーが解放されたわずか2日後にA37もどこからか戻って来て、A36sは再び3兄弟となったんです。こんなことは初めてでわたしたちはぶったまげた記憶があります。

いなくなって戻って来たA37。ちなみにスプリンガーの個体識別番号はA73。
それぞれ行方不明になっていた同じアルファベットと数字を持つ2頭がほぼ同時にジョンストン海峡に帰って来たものだから「不思議なこともあるものだなあ」と思いました。笑


今年はなんでそうなったのかはわからないけど、とにかくもう一度A37は戻って来てくれました。
A36sは2頭で仲良く泳いでいます。
そしてわたしがここのボランティアになったきっかけの鳴き声…「これをずっと聞いていたい」と思ったA36sの鳴き声。これもここで終わらず、もうしばらくジョンストン海峡に響く事になりそうです。
本当に良かった!!



空を見上げるとこぼれ落ちんばかりの星空。
I15sは北で鳴いていてA36sとA42s(A8s)はジョンストン海峡で鳴いていました。
今夜は寝られなくてもいいや。笑
と思いましたが午前2時を過ぎた頃にコールは途切れ、海は静かになりました。
2014-08-06 : オルカ : コメント : 0 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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