夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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7月2日

 ハッピーバースデイ、カート!

 夜,寝る前にドキドキしながらメールをチェックすると、やっぱり来ていた、ポールからのメール。しかも、タイトルが「月曜のテニスのスケジュール」という恐ろしいものだった。ある程度の覚悟はできていたが…。

<トモコが夜遅くまで起きていることに賭けて、このメールを送ります。月曜からのテニスを録画することについて大切なお知らせがあります。月曜は、放送の開始は午前4時からです。ちょっと朝早いですが、よろしくお願いします>

わー!!<(゚ロ゚;)>

 それを読んだときには、すでに午前1時。みんな一気に脱力してしまった。

 私たちが島に着いてから、晴れ上がった美しい朝はまだ見ていない。今日は嵐で風がひどく強く、曇った空からは今にも雨が降り出しそうだ。

 私たちは朝食をとったあと、カートにプレゼントする「サーモン・ソング」を練習し、誕生日カードにサインして準備し、ごちそう(スパゲティ)の材料を揃えた。午前中の間に空からはとうとう大粒の雨が降り出し、私たちに託された「ガーデンの水やり」という仕事がひとつなくなった。モモちゃんはガーデンに不法侵入した大なめくじを2匹逮捕し、コンポストへ投獄した。

 午後の仕事の前に、ちょっと遅い昼食と、昼食のあとのティー・タイムを楽しんでいた私たちの耳に、不思議な音が飛び込んで来た。
「今の、スピーカーからだよね?」
 私はラボへ走った。聞き慣れない音だけれど、今のは絶対何かの海洋生物だ。
 急いで、録音スタート。コールは北のFIの水中マイクからだった。ヘッドフォンをつけて、さらに集中して聞いてみると、鳴き声はレジデントのオルカにとても近いように思えた。でも、こんなの聴いたことがない。まったくの新しい群れか?いや、私が全く聴いたことがないレジデントと言えば…。

 メインハウスへ行って無線で飛び交う情報を聞いていたヒデさんが、ラボに走って来た。
「サザンレジデントらしいよ。よく聞き取れなかったけど、KかLポッドだって」
さ,サザンレジデント!? Σ(゚Д゚ノ)ノ

 ブリティッシュ・コロンビア州には、ふたつのレジデント・コミュニティがある。ひとつは、私たちが研究しているノーザン・レジデントで、バンクーバー島の北半分の領域(もしくはそれより北)を拠点に生活している。
 もうひとつがサザン・レジデントで、要するに南側に住んでいる。ふたつのコミュニティは、ふだん生活している所が違うためか交流することはないし、ノーザンのオルカたちが南に、サザンのオルカたちが北に来ることはめったにない。

 10年近くラボに通い続けて、これが私とサザン・レジデントの初めての遭遇だった。監視のため外に出ていたモモちゃん、ゆみちゃんも、このニュースには、ただ呆然。

サザン・レジデントを待つゆみちゃんとモモちゃん
20070702.jpg

こんにちは~
2007southern.jpg


 先頭グループはウェイントン・パスを通過して、東へと向かった。後続は、オルカラボの前を通過してジョンストン海峡へと入った。私たちは激しい雨と風と霞がかった暗い空の下、必死に彼らの数だけでも把握しようと必死になっていた。でも、聴いたことのないコール、見たことのないオルカたち。おまけに波は高く、オルカたちは強い満ち潮に乗って、あっというまにラボの前を通過してしまった。
 しかし彼らは水中ではすばらしいコールを長時間続けてくれた。わたしたちはその不思議な音の響きに感動し、知っているものとは全く違うエコロケーシヨンに笑い、東へと進んで行く彼らを見送った。

 あんなにはりきっていたにもかかわらず、いきなりサザン・レジデントが来て、全てを引っかき回してくれたおかげで、カートの誕生日のお祝いは「また別の日に」ということになってしまった。モモちゃんは、一刻も早くポールとヘレナに伝えたくて電話をしたが、繋がらなかった。

 サザン・レジデントが来るという一大事に、よりによってポールとヘレナがいないなんて…。お留守番をすると、必ず何かが起こるような気がする…。
 他の仕事をしながらの、全ての対処にみんなすっかり疲れ果てていたので、「今日こそは、ポールからメールが来る前にテレビの番組表を調べて寝よう」ということになった。

 しかし、世の中そんなに甘くはなかった。
 調べてみると、明日のウインブルドンの放送開始は午前3時になっていた。
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2007-07-03 : 未分類 : コメント : 2 : トラックバック : 1
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グループ49グループ49とは、カジミエルシ・セロツキ、タデウシュ・バイルト、ヤン・クレンツからなる3人のポーランドの作曲家達を指し、1949年に結成した所以でこの名がつけられた。この会の結成を以って第一次ポーランド楽派の誕生とされるが、この楽派に特有の音響美が開
2007-09-29 18:44 : クラッシックの世界
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非公開コメント

なかなかレスできなくて申しわけありません;
Lime Kilnのライブ、聴いたことがなかったのですが、録音している時は、そういえばルナのコールにちょっと似ているなと思ったことを思い出しました。中にルナのお母様がいたのですから、似ていて当たり前なんですけど(;^_^A 
それはさておき、美しいコールでした!システムの問題でライブがいつ再開できるかわかりませんが、ハイライトでお伝えできるようにがんばります。
2007-07-06 02:16 : Tomoko@lab URL : 編集
到着早々ウィンブルドン、ごくろうさまです ^^;

南のレジデントたちの突然の訪問、びっくり!& お疲れでしょうが、
たっぷりコールを聞かせてくれたみたいで、うれしいアクシデントというところでしょうか。
サザンレジデントのコールは、サンプルやLime Kilnのライブでちらっと聞いたことがありますが、エコロケやレスティングコールも聞いてみたいなぁ……。
2007-07-03 21:03 : kana_k URL : 編集
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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