夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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9月25日

ハンソン島を発つまであと数日。
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朝日の中トドさんたちがゆったりと泳いでいました。

ザトウクジラも優雅に泳いでいましたし、すっかり色が変わったしのり鴨たちも朝日の中ケルプの上でゆっくりと休んでいました。
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その午後に何が起こるかなんて誰も予想できず。


わたしとPちゃんと屋根修理のベックは天気のいい朝のうちにオルカラボ横のクリフに登ることにしました。
ほんの10分の散歩なのにあまりにも忙しすぎて今年は散歩のひとつもできていませんでした…。
ラボを見下ろす美しい光景を楽しみながらジュースを飲んで、お菓子を食べて、女子トークで盛り上がって

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お昼過ぎに下山して、その後ザトウクジラの個体識別とかいろいろラボの仕事をして
さあお昼にしましょうかと、念のためにカメラだけ持ってキッチンへ移動。

先にコリーンが食事をしていました。
Pちゃんが野菜を切ってぐつぐつしはじめました。
さくっと済ませたかったわたしは、もうひとつのコンロでインスタントラーメンをお湯の中に放り込みました。
そして顔をあげたその瞬間。



「え!?オルカ!?」
ブラックニー・パスに水面から飛び上がるオルカたちの姿が!!




『オルカがラボの前にいるわ!!』
同時にトランシーバーからヘレナの叫び声。
「とっとっ、とりあえずガスの火を消して!」
わたしたちは食材もそのままにラボのデッキへ走りました。
むきかけのニンニクはポケットにつっこみました。


オルカたちはすぐにどこかに消えるかもしれず、とにかく時間がない。
ラボの中には入らずに、三脚を出すのもあきらめてそのまま録画開始。
わたしたちにも何が起こっているのかわからないし、何が起こっているのか探り当てないといけないので、とてもじゃないけどネットで告知する時間はありませんでした。申し訳ない…。
でもカメラだけ持ってて良かった…!


またしてもトランジェントのトド狩り!
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オルカたちが宙を舞っていました。
1、2、3、4…少なくても6頭か。


実はこれは「サム」の群れT46Cs(プラス、T65Bs)!!

そうなんです。
先日のひとりぼっちのオルカはやっぱりサムでした。
(心配してくださった皆様、報告が遅れてすみません)


しかしどうやらサムは何の問題もなく家族と再合流。
この広い海でどうやって再合流できたのか…。
そもそも彼は迷子だったのか?
たんにオルカらしくない、自由な性格なのか?

やっぱりサム、ちょっと変です。



まあそれはいいとして



今回もターゲットはトド。
2頭くらいが標的となって、何頭ものオルカに突き飛ばされたり沈められたりしていました。
最初は勢い良く逃げて息継ぎをしていたトドも、時間がたつにつれ動きが弱まって行き…

トランジェントも生きなきゃならない。
でも見るのがつらい。
そう思っていたとき


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やっぱり登場、ザトウクジラ〜!!


1頭のザトウクジラがキュオオオオオッとものすごい呼吸音をあげながら狩りの中に突っ込みました。
いつも思うけど、なんという勇気…。
だってするどい歯を持ったトランジェントのオルカが6頭も暴れまわっているのです。


海の中の状況がわたしにはわかりませんが、水中では大きな生き物はそんなに機敏な動きはできないと思うんです。
しかしこのザトウクジラはあきらめませんでした。
狩りの中央に突っ込んで、通り抜けて、また方向を変えて狩りの中に突っ込んで…
何度も何度も、トドとトランジェントの間に割って入ろうとしました。

北からはもう2頭のザトウクジラが同じくキュオオオオッとトランペティングしながらすごい勢いで現場に向かってきました。なんだこれは。

トランジェントは知らず知らずのうちに岸の方へと追いやられ…


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気づいたらオルカラボ横の入江には、ものすごい数のトドが。
岩場に上陸して逃げれば自分は助かるのに、こういうときは全員海に入ってグループになるのです。
これほどの数のトドが集まっていたらさすがのトランジェントも攻撃をしかけることができません。
トランジェントに狙われていたトドは何とかこの群れの中に逃げ込むことができました。


おなかをすかせたトランジェントたちはあきらめて北へ。
役目を終えたザトウクジラは普通の呼吸に戻って、向こう岸側にゆっくりと消え去ろうとしました。

ま、ま、待って!!
勇敢なあなたが誰なのか教えて!!


ザトウクジラは、ゆっくりと尾びれを掲げました。



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ギャラクシーさあああああん!!


こうしてギャラクシーさんは私たちのヒーローに。
ザトウクジラとトドの関係はほんとうに不思議です。
いったい何のためにザトウクジラは危険を冒してトドを助けようとするのか。
まだまだ調査が必要ですね…。


その後、加勢しようとした2頭のザトウクジラうちの1頭はエル・ディアブロさんと判明。もう1頭はドミノさんの可能性高し。

ってか「ディアブロ」って悪魔ですよね?
いったいどんな経緯でそんな名前になってしまったんだろう。
行動は天使のようなんだけど。

ザトウクジラもレギュラー陣がいるので来年はどんどん紹介していきたいです!


全てが終わったと思ったのですが
そのしばらく後に1頭のトドがオルカラボ前で弱々しい呼吸で浮いているのが発見されました。

わたしたちがデッキに出るとそのトドはちらっとこっちを見て泳ぎ始め、ゲストハウスの岸の岩場にたどりつき、そこでしばらくハアハアいっていましたが、またしばらくすると海に入って少しずつ休みながら北へと消えて行きました。


スコープで見る限り出血している様子はなかったのですが、ポールいわく
「あれだけ力の強いトランジェントにタックルされたり力ずくで沈められようとしたのだから、外傷が見当たらなくても内臓が無事であるとは言い切れない」とのことでした。

かなり年老いた大きなオスのトド。
もし無事であっても疲れは相当なものでしょう。
彼が無事に生き延びてくれることを願いました。


しかし


トドがわの視点でみたらそうなんだけど
サム…トランジェントがわの視点でみたら「お腹がすいてお腹がすいてどうしようもなかったときに、全く関係ない奴にとんでもない妨害されてごはんを食べられなかった話」なんですよね。

前回のザトウによるトランジェントの狩り妨害のときも同じ気持ちだった気がします。いつか彼らもお腹いっぱいになれますように。


全てが終わった後、なんか臭うなと思ったらわたしのポケットからはニンニクが発見され、鍋に突っ込んであったインスタントラーメンは歯ごたえがまったく感じられないほど伸びきっていました。
ふにゃふにゃ麺の水をきってバジルペーストであえ、ガーリックバターをかけておいしくいただきましたとさ!
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2015-09-27 : オルカ : コメント : 7 :
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2015-10-04 21:15 : : 編集
Re: 嬉しくないです…
ともこさん>
本文にも書いてあるように2つの見方があります。見方によってザトウクジラはヒーローにも悪者にもなるでしょう。近々一般公開できるこのときの動画がありますので興味があればまたご覧になってみてください。
2015-09-29 03:37 : Tomoko URL : 編集
Re: すごいなぁ
マキちゃん>
ギャラクシーさん、自分にもかなりの危険がおよぶのだからけっして遊び半分でやっているのではないんですよね。まだまだ調査が必要です!
2015-09-29 03:30 : Tomoko URL : 編集
Re: 平和な海が一転…。
ガッチャンさん>
動画があります!いまFacebookのオルカラボ100で先行公開していますが、そのうち一般公開できると思います。
ギャラクシーさん、ほんとうにすごいです。
2015-09-29 03:26 : Tomoko URL : 編集
嬉しくないです…
トランジェントの狩りが成功してほしい。あなたの目の前ではないところで、成功してるのでしょうが、彼らも生きているんです。
孤独で悪者あつかいされるトランジェントが、好きです。わたしは。
2015-09-29 02:27 : ともこ URL : 編集
すごいなぁ
すごいなすごいなすごいなぁ。
ギャラクシーさんに話が聞きたい。
2015-09-29 00:00 : マキ URL : 編集
平和な海が一転…。
その日(日本時間では夜でした。)寝る前に見ていた光景は、何頭ものザトウクジラさん達がご飯を食べていて、沢山のトドさん達や鳥達も海面で賑わっていて、皆お腹いっぱいご飯を食べられているのかな?ああ…何て平和な光景なのだろう…と見入った後、私は幸せな気持ちいっぱいで眠りについたのでした。
その平和そのものの様な海が、その後一転してこんな事件が起こっていたとはっ…!
翌日その事を知った時は愕然としてしまいました。
これも生きる為…命を繋ぐ為…、みんな必死に生き抜く為の自然界の厳しい現実なのですね。
それにしてもギャラクシーさん、スゴイッ‼
2015-09-28 01:34 : ガッチャン URL : 編集
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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