夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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8月12日

もう気づいているみなさんもいらっしゃるかもしれませんが
今年は絶望的なくらいサーモンがいない年なんだそうです。


サーモンはこのエリアに集うレジデントのオルカたちの貴重な食べものです。
通常、夏になるとサーモンは川を上って産卵するため、河口付近に大量に集まってきます。
その中でも特に巨大なシュヌークサーモンやチャムサーモンはオルカたちの食事となり、
人間の好む紅鮭やピンクサーモンがわたしたちの食事になるんですが


ここ数年、個体数の減少が指摘されてきたそのサーモンが
絶望的なくらいいないんだそうです。


16081201.png
(explore - Rubbing Beachカメラのスクリーンショットより)


もちろん全くいないわけではなくて、
種類によってはこうやってカメラに映るくらいはいます。
しかしオルカたちのおもな餌であったシュヌークサーモンは、ここ数年のジョンストン海峡では「ゼロ」と言われています。


サーモンの数は世界的に減っていると言われています。
なんでこんなことになってしまったのかというと
さまざまな原因があるとは思われますが、このエリアでの原因は養殖である線が濃厚です。


もちろん陸で養殖するなら別ですが、水質管理がとても大変なので
海に網を張って(もちろん野生の鮭も通過する海です)、大量に養殖するために稚魚をパンパンにつめこみます。
するとすぐに感染症や寄生虫が蔓延するので抗生物質をドーンと入れます。


16081203.jpg

16081204.jpg


それでも寄生虫は発生し、網のすきまから落ちて海に流れ、天然の鮭の稚魚にくっつくわけです。
そしてたくさんの寄生虫にくっつかれた野生の稚魚はおとなになる前に死んでしまいます。
こういったことが繰り返されて鮭は激減していきました。

みなさんが回転寿司などで目にする、うすいピンクと白のレイヤーのサーモンは養殖のものである可能性が高いです。
鮭の数が減っているのなら、養殖の鮭を食べる方が地球のためによいと思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくても海で養殖をされているわたしたちのエリアでは、その養殖そのものが野生の鮭の未来を脅かしています。


16081205.jpg
(イメージ写真)


生き残った鮭が成長して産卵するため河口付近に集まってきます。
オルカやハクトウワシの狩りや、釣り針を使っての漁であれば、そこで食べられたり捕獲されるのはほんのちょこっとで、残りの多くの鮭が川に登り産卵することができます。
でも底引き網だと話が別です。鮭の群れは根こそぎ取られます。



こういったことを考えて
オルカを守りたかったら、そのえさである鮭を守らないことには未来がないんです。
オルカが自然の一部である以上、オルカだけをその環境から切り取って守ることはできないんです。
まわりの環境まるごと守らなくてはいけないんです。
オルカたちだけでなく、わたしたちもいつか鮭を食べることができなくなる日が来るかもしれません。
(まぐろやうなぎもそうです。このまま食べ続けていたら未来はありません)



ということで、1シーズンに1回は書かないと気が済まない大事なお話でした!



他の群れがあまり来ていないことも、I15sが遅い理由もきっと鮭が原因なんだろうと思います。
A42sはこの状態のジョンストン海峡によく居てくれるなあ、と思います。



日本からできることは少ないと思われるかもしれませんが
食べ物を購入するときに、その食べ物はどこから来たのかちょっと考えてみてもらえるとうれしいです。
いまの世界は経済を中心にまわっています。
どこかである種の動物が絶滅しかけても、それがたとえ私たちの食生活に直結することであっても、えらい人がじょうずに管理してくれているわけではありません。
そこには一生懸命現状を調査し、一般の人に訴え活動している人たちの存在があります。


現在、わたしたちの海峡の鮭を守る活動に関してはアレクサンドラ・モートンさんの存在が大きいです。
彼女はもともとオルカのリサーチをしていましたが、オルカを守るにはその食べ物である鮭を守らないと何の意味もないということに気づき、数年前から野生の鮭を守る活動に専念していらっしゃいます。

デモは大きな広がりを見せ、少なくてもバンクーバーではほとんどのレストランで養殖鮭の扱いをやめています。
でも養殖鮭は「お金になる」ので、業者はなかなか手をひきません。
現在のお金か、それとも未来か。
世界はいつも同じような問題でゆれているような気がします。


16081206.png

夕方、exploreエンジニア陣がほとんどの工程を終えて島を離れました。
ポールとヘレナも買い出しと洗濯のため同時に島を離れました。
オルカラボは2日間のあいだ、アシスタントと屋根修理のマーク、犬のジェダイだけとなりました。


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2016-08-15 : オルカ : コメント : 0 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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