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夏になると、野生のオルカが鮭を追ってたくさん集まってくる、カナダ、BC州のジョンストン海峡。その中でも、オルカが特に頻繁に通過するハンソン島から、毎日の生活とオルカの様子を、日本の皆さんにお届けします!

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8月2日

午前2時42分。
転げ落ちるように1階におりてラボ内へ。水中マイクをセッティングするとコールズオンローカルレフト、北から帰って来たA42sがラボ前に来たみたい。

シフトについていたエマに外に出てブローを数えてもらい、レコーディング。
しかしエマが「ブローが北に戻ってるみたい」と言って来て、1時間後にはA42sは北に消えてしまいました。

さらにその1時間後、午前4時半。
今度はA30sのコールがCRPTの水中マイクから聞こえ始めました。ウェイントン・パスからジョンストン海峡入りしたみたいでした。

ポールとヘレナが留守のいま、オルカたちの動きの把握はわたくしにかかっています。
結局今夜もほぼオールナイトっ



みんなはエマにヨガレッスンを受けているようです
わたしはラボに缶詰ですが



ところで。
今年はさまざまなオルカたちのニュースがありましたが、日常の仕事でいっぱいいっぱいで描くことができませんでした。まずはジョンストン海峡のノーザンレジデントの心配なニュース。


A23sのA109がシーズン初めにボートに撥ねられたのです。
(mersocietyのインスタグラムより、2018年6月30日バンクーバー島北東部にてマッケイホエールウオッチング、Marieke Knierimさん撮影)

It is hoped that A109’s severe injury will lead to better understanding for the need to: be vigilant for whales, slow down, stay 200m away (regulation effective July 11), shut off engines, not position for an “accidental” close pass, and report incidents of disturbance / violations to 1-800-465-4336. See www.SeeABlowGoSlow.org for how to reduce risk and “Be Whale Wise”. This includes information on the Whale Watch Flag, raised by boaters to alert that whales are near. One can be obtained via nimmsa@gmail.com. A109 aka as Eliot was born into the A23 matriline of Northern Residents (inshore fish-eaters). The calf is the third member of the A23s to have injuries from being hit by boats. These and follow-up images will be relayed to DFO's Cetacean Research Program. It is not known if the calf will survive. Please share to increase awareness. Photo: June 30, 2018 off NE Vancouver Island by Marieke Knierim (@mlknierim), @MackayWhaleWatching. #seeablowgoslow, #bewhalewise #whaleflag #bewhalewise

MERSさん(@mersociety)がシェアした投稿 -




傷は大きく私たちは大変心配しましたが、1ヶ月たった現在も家族と共に泳いでいるのでとりあえず命に別条はないといったところでしょうか。
これまで私たちのエリアでは、リサーチボートをのぞく全てのボートはオルカたちから「100m」離れなければいけないというガイドラインがあったのですが、今年の7月11日から「200m」に変更されました。

きちんとガイドラインに沿って運行しているボートはともかく、一般のボートのなかには自分たちがオルカに近くことによって危険が生じることも、どれだけの音を水中で出しているかも想像できていない人たちがいます。
オルライブを聴いていると「ああこのボートの音をオルカたちも聴いているのだな」と思えるのですが。


しかし実は、今回の場合においては原因は人間側だけではありません。



このブログを読んでいる皆様覚えていますか?
2015年に当時6歳のA95がボートにはねられたことを。



そして彼らの叔父のA60も2003年に大きなプロペラにはねられたことがあります。
こちらに写真が。
A23s


さらに。
実は遠い昔、この群れではA60の兄弟であるA21がボートにはねられ、命を落としています。
判明しているだけでA23sでは実に4頭がボートにはねられているのです。


A23sは想像を絶するくらいサーフィンが好きな群れです。
クルーズ船など、大きな船のプロペラが起こす波に乗って水面から飛び上がります。

もちろんそんなことをすればプロペラにはねられて死ぬ危険があります。
オルカたちは高い知能を持っていますし、野生動物なら危険を回避するはず…ですし…、特に家族のほとんどがボートに撥ねられているA23sは十分にその危険性をわかっていてもおかしくないのですが。


少なくてもA60は、なぜか傷が癒えた段階でまたサーフィンを始めています!!



一体なんなのでしょうか。
そんなことをやって食事である鮭が得られるわけでもなく、あこがれの異性をゲットできるわけでもなく(たぶん…)


彼らを見ていると空中で大技を繰り出すサーファーさんやスノーボーダーさんなどを思い出します。
たぶん失敗したら大怪我をするほど危険なことは理解したうえで、あえて波乗りをやっているのです。
えっと、アスリート?


「人間のほうも必死にオルカたちとの距離をとろうとしているのに、A23sはなんてばかなんだ!!」
と言いたくもなりますが…


このような一見、理解しがたい行動を見ていると、オルカたちの知能はわたしたちの想像以上に高く、単純ではない感情を有しているのではないかなと思います。
(ちなみにこんな危ないことをするのはなぜかA23sだけです。家族によって楽しいことも、危険回避能力も違うようですね)


※ボートをお持ちの皆さん、A23sは本当に危険なので離れてください。しっかり距離をとって、エンジンを止めてください。波乗りのターゲットにされると自分が加害者としてオルカを轢き殺してしまう可能性もあります。そうなれば絶対一生モノのトラウマになります。彼らは200m離れた距離からでもじゅうぶん美しいです!



そしてこの日はもうひとつ、トランジェントのニュース。
7月から1頭でコモックス(キャンベルリバーより東)の入江にいたトランジェントのT73Bくん。なんか前にも入江から出られなくなったトランジェントがいましたが、あれはT46C2くん、別の個体です。


T73Bくんがいたコモックスの入江はわりとにぎやかな場所で、いったい何をどうしたかったのか、T73Bくんは船を引っ張ったりして暴れていたそうです(引っ張られた船は他の船に衝突しそうになり、かなり危険な様子でした)。


そこで!!
DFO研究者のジェレッド・タワーズさん。T73BくんがよくつるんでいるT75sとT77sのコールを録音して持っていたようで、それを流したのです。
T73Bくんは即座に、ものすごく反応して入江から飛び出ました。
そして猛スピードで北へと向かったそうです。
T73Bくんの写真はコチラ



その間もA30sとA42sはジョンストン海峡をウロウロ。
昼過ぎにジェイニー(元セターシアラボ)が助手のシュノアを連れて自身の研究所に戻って行きました。
さようならジェイニー、シュノア。また来年会いましょう。


その後、ポールとヘレナから連絡がありました。
「今日はバタバタして遅くなっちゃったから、明日帰るね!今ジェイニーとシュノアと一緒にピザを食べてるよ!」


あ、そう…。
お留守番延長確定です。


ショーンとエマとベンがディナーを作ってくれて、ウォーラスのキャンプからマークも降りてきていてみんなでメインハウスで食べました。みんなでホットチョコレートも飲みました。
これで夜も戦えるかな…。

コールは23時半に消えました。
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2018-08-12 : オルカ : コメント : 0 :
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プロフィール

Tomoko(Orcalab Japan)

Author:Tomoko(Orcalab Japan)
カナダ・BC州の海洋生物研究所「オルカラボ」で、野生オルカ(シャチ)の鳴き声の解析スタッフをしています。
夏の間は研究のためオルカラボのあるハンソン島に滞在。日本ではよくライブハウスにいます
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